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《ス》 シネマート六本木 シアター4 [2008年3月に観た映画]

『ス』
“SOO” (2006・韓国) 2h02
監督 : 崔洋一
出演 : チ・ジニ、カン・ソンヨン、オ・マンソク

[exclamation]ネタバレ多めです。

[カチンコ]『韓流シネマ・フェスティバル2008春』の1本として上映。
この映画の他にも面白そうなのがラインナップされています。

そして、このフェスティバル中のシネマート六本木は“愛”に包まれています。
いや失礼。今や東日本における韓国映画を始めとするアジア映画の聖地となった感のあるシネマート六本木は常に“愛”に包まれています。
“愛の映画館”シネマート六本木。

その“愛”はほぼ韓流スター達への“愛”なのですが、なんかイイ感じです。
さすがにヨン様フィーバーの時は呆れるほどでしたが、フィーバーが去った今も続くスター達への“愛”。素晴しいです。
ロビーにはスター達へのメッセージを書くコーナーが設けられているのですが、皆さんハングルを交えて溢れる想いを伝えています。
正に“愛”は国境を越える。それを目の当たりにして、すっかり薄汚れた自分の心も洗われた気分です。

[カチンコ]で、この映画ですが、“愛”に溢れかえっていたロビーとはうって変わって、崔洋一監督が単身韓国に渡って撮った骨太で血みどろのハードボイルドアクション。
ざっとストーリーを書きますので御注意を。

ある事件をきっかけに生き別れになった双子の兄弟。
十数年の時が経ち、兄はその世界で知らぬ者無しの凄腕のヒットマン“ス”となり、
弟は麻薬組織の中で育てられるも、今は警察官として成長。

十数年の時を経て兄弟が再会する瞬間を迎えますが、その時弟を貫く一発の銃弾。
兄は誓います。弟を殺った奴を殺ったる[パンチ]

かくして兄は、警察官である弟に成りすまし真犯人を捜す事となります。
そこに弟の恋人である同僚の女性刑事。“ス”の逮捕に執念を燃やすベテラン刑事。“ス”の育ての父親。麻薬組織などが絡まり、何故弟は殺されたのか?弟が抱えていた秘密とは?が描かれ、
そしてクライマックスの血みどろの復讐劇へとなだれ込みます。

何やら『レオン』のような、『フェイス/オフ』のような、『インファナル・アフェア』のような感じのストーリーですが、果たしてその結果は・・・。
ん~惜しい。
アクションシーンを含め目を見張る所もあるのですが、ハードボイルドを重視しているため、ハードボイルドに不慣れな自分には冗長に感じられた。
ミステリーでもある弟の秘密などもあまり重要ではなくて付け足し程度に思えたのは、やはりこの映画がハードボイルドだからだと思う。
日本映画ではほとんど観られなくなってきたハードボイルド。それがやりたくて崔監督は韓国に単身渡ったのではないだろうか?
ハードボイルドが作れる韓国映画。またハードボイルド映画で主役が張れる骨太なスター俳優がいる韓国映画。
いいなぁ韓国映画。純愛映画は苦手だけど。

[カチンコ]クライマックスの怨念と執念が入り交じった血みどろアクションシーンは必見ですが、
自分が特に凄いシーンだと思ったのは弟を殺したヒットマンと、弟に成りすましている兄が対峙するシーン。
それは何の前触れもなく静かにやってきます。
殺したはずの人間が生きて目の前にいるヒットマンと、弟を殺した男を目の前にする兄。
この複雑な感情のぶつかり合いを冷徹に描く演出が素晴しい。しびれました。
その後に起きる二人の対決、こちらは憎しみがぶつかり合う凄まじいシーンになっており、これまた必見。
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