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トウキョウソナタ [2008年10月に観た映画]


グランドピアニスト
『トウキョウソナタ』
(2008・日本=オランダ=香港) 1h59
監督・脚本 : 黒沢清
出演 : 香川照之、小泉今日子、井之脇海、小柳友、津田寛治、井川遥、児島一哉、役所広司



[exclamation]ネタバレあり。



苦手な黒沢清監督の作品ですが、今まで観た中で一番良かった。
ブラックコメディで面白かったのですが、しかしそこはやっぱり黒沢清作品、ラストが今イチよく分かりませんでした。

家族という名だけで家族として存在していた佐々木家。
そんな曖昧な家族が一回バラバラになってみる事によって本当の家族の絆を知る事になる。

それは本作で描かれる平和とも繋がっているんだろうか?
長らく戦争の無い平和な日本。(とは言っても世知辛い現代日本。そんな様子がブラックに描かれていて面白い。)
そこで暮らす日本人は平和である事が当たり前。平和について考えることもない。
しかし日本から出てみれば平和な社会などというのは極めて稀なわけで。

家族とか平和とかごく当たり前のように存在するものが実は各個人の努力であったり、ほんの一時の偶然であったりという危ういバランスの上に成り立っているもの。
それを知ればその当たり前と思っていたものをより大事にする事ができる。

で、ラストシーン。
シーンとしては穏やかな雰囲気の中、綺麗な音楽が流れる美しいシーンだけど。
家族の絆を知った佐々木家の新たな始まりを象徴しているのだろうか?



出演者の皆さん良かったですが、中でも津田寛治さんが良かった。
本作の登場人物全員、現実的な人でありながらどこか現実離れしている。
そんな中、津田さんが演じた男はそのまま現実から離れていってしまう。
かと言って悲壮感はあまり無く、ユーモラスな感じを残してフェードアウトされます。
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