SSブログ

イントゥ・ザ・ワイルド [2008年10月に観た映画]


Into the Wild





『イントゥ・ザ・ワイルド』
“INTO THE WILD” (2007・アメリカ) 2h28
製作・監督・脚本 : ショーン・ペン
出演 : エミール・ハーシュ、ウィリアム・ハート、マーシャ・ゲイ・ハーデン、ジェナ・マローン、キャサリン・キーナー、ヴィンス・ヴォーン、クリステン・スチュワート、ハル・ホルブルック



1990年代初め、両親との確執や社会の風潮から己を解放するため青年は荒野を目指す。



この物語はショーン・ペンの心情と重なり合う所が少なからず有ったのではないかと思います。
青年の心の葛藤は荒野を目指す事となる以前から延々と続いていた。という事は1980年代から。
その辺りはショーン・ペンが最も暴れん坊だった時代。
ショーン・ペンがどんな怒りを秘めていたのかはよく分からないけど、青年が抱えていた怒りが分かり過ぎる位に分かるんだと思う。

既に予告や宣伝でネタバレしている通りに青年は荒野で死に絶えるわけですが、ショーン・ペンは何とか生き延びた。
それは青年が当時20代、ショーン・ペンは30代でショーン・ペンの方が少しだけ大人だったという所が大きく関係していたのではないだろうか。

青年の最期はどのようなものだったかは実際には誰にも分かりません。
大自然の厳しさの前になす術も無くのたれ死んだだけかもしれない。
でも、ショーン・ペンは青年が荒野を目指した事は間違っていないし、きっと青年は荒野で何かを見つけたはずだ。
という事だけは同じような怒りを抱えていた同志として描かずにはいられなかったのかも。



青年の周りには両親の他、旅で知り合った大人たちがいますが、その大人たちはショーン・ペンの分身なのでは。
怒りを抱えていたショーン・ペンも当時より大人になり、そして夫になり親になり、それぞれの気持ちや言い分が分かる様になった。
人生に似たような怒りを感じていたショーン・ペンが大人の気持ちを代弁するからこそ、偽りの無いものになったような気がします。



青年の怒りを体を張って見事に体現した主役のエミール・ハーシュ、アカデミー助演男優賞ノミネートのハル・ホルブルックを初めとする助演陣も素晴しかったですが、中でも出番は短いながらヴィンス・ヴォーンが良かった。
青年は若さゆえ自分が自分がのやや自己中心的な所がありますが、対してヴィンス・ヴォーン演じる男は恐らく現実の厳しさを嫌と言う位知りながら、それでも現実をガハハと笑い飛ばして生きるタフな男。
そんな男にヴィンス・ヴォーンはぴったりでした。

青年も男ともっと長く深く知り合えていれば、別の生き方を見つけられたかもしれない。
青年もその事に気付いていて、だから妹ではなくハル・ホルブルック演じる老人でもなく、その男に宛てて手紙(日記?)を書いていたのではないだろうか。



あるシーンでクリント・イーストウッドがチラッと出演。
本当にチラッとです。
荒野を目指す青年にとって西部劇のイーストウッドこそがヒーローなのでしょう。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0