クレイマー、クレイマー [2009年9月に観た映画]
『クレイマー、クレイマー』
“KRAMER VS. KRAMER” (1979・アメリカ) 1h45
監督・脚本 : ロバート・ベントン
出演 : ダスティン・ホフマン、メリル・ストリープ、ジャスティン・ヘンリー
妻に逃げられたクレイマーと、夫と息子を捨てたクレイマーが親権をかけて対立する。
ネタバレ有り。
初めて観ましたがいい映画でした。
新しい家族の形を模索している最中といった感じ。
対立構造を浮き彫りにして夫婦間の問題を露にするための訴訟のシーンが若干長く感じられたのが残念。
そこで二人の人間性をお互いに知る事になり、結末に繋がる重要なシーンでは有ったのだろうけど。
しかしなんと言ってもフレンチトースト。
名シーン。泣ける。
1年半(?)の間に築き上げてきた父子関係をフレンチトーストをもって見事に表現。淡々と描く事によってその関係が終わりを迎えようとしている寂しさも。
あそこで終わってもいいぐらいでした。
恐らく当時はメリル・ストリープ演じる母親がかなりの悪役扱いだったのでは。
現在では当たり前の行動にも思えるので、悪役視する事は出来なかったです。
当時の社会事情を鋭く描きながら最後は悪役が改心して一件落着。それが当時の映画の限界、女性の社会進出に対する認識の限界だったのかもしれない。
フレンチトーストのシーンで終わっていればその限界を突き破れた気もしますが、夫婦は元の鞘には収まらない。って所で風穴ぐらいは開けたのかも。
ビバルディのマンドリン協奏曲ハ長調の第1楽章。
この映画にぴったりでした。映画のために作られたかのよう。
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