冷たい雨に撃て、約束の銃弾を [2010年5月に観た映画]
『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』
“復仇” (2009・フランス=香港) 1h48
監督 : ジョニー・トー
出演 : ジョニー・アリディ、アンソニー・ウォン、ラム・カートン、ラム・シュー、サイモン・ヤム、シルヴィー・テステュー
娘一家が惨殺された。娘だけは奇跡的に助かり父に復讐を託す。
ネタバレ有り。
単なる復讐劇かと思いきや、そう簡単な話しではなく。
父はその昔脳に銃弾を受け、それが元で現在は記憶力が低下している。
記憶が次第に無くなってゆく父。
そんな男に果たして復讐は必要なのか?
復讐の手助けをする事になったその道のプロ3人。
一旦引き受けた仕事は何があっても完遂。それが信条。
しかし復讐相手は自分たちの仲間だった。
果たして復讐の手助けをするべきなのか?
それでも男たちは復讐の道を突き進んでいきます。
もはや復讐が目的ではなく、男たちの間に生まれた絆や信頼を守り抜く事が目的であるかのように。
絆や信頼を守り抜く。それがジョニー・トーの男の美学なのだと思いました。
映画としては正直な所もう一つ突き抜けない感が有りました。
ドラマにしてもアクションにしても、そこでもう一歩踏み込んでくれたらググッと来るのに、その一歩を踏み込まない。
それは抑制と言うのが正しいのかも。ジャンジャンバリバリのアクション映画を避けるかのように。それもまたジョニー・トーの映画に対する美学なのだろうと思いました。
復讐の父を演じるジョニー・アリディ、本国フランスでは国民的人気歌手兼俳優さんらしいですが初めて見ました。と思ったら、スティーヴ・マーティン版の『ピンクパンサー2』にご出演。初めてじゃなかった。
とにかく目が印象的。悪魔役とか特殊メイク無しで出来るんじゃないだろうか。
>男の美学
ジョニー・トーはストーリーよりも、こちらを重視していますね。
それにしても凄い邦題です。
by hash (2010-05-18 00:39)
hashさん、こんばんは。
ジョニー・トーの美学はハリウッドよりヨーロッパ向きなのかと思いました。
ハリウッド作品も観てみたい気がしますが、ハリウッドに行った香港の映画監督が大概失敗しているのを見ると、独自の美学を貫いた作品を撮り続けた方がいいようにも思えます。
邦題は印象には残るけど覚えづらいです。
by テンプラ・ソバ・ニーロ (2010-05-18 19:22)