みんな元気 [2011年1月に観た映画]
『みんな元気』
“EVERYBODY'S FINE” (2009・アメリカ=イタリア) 1h40
監督・脚本 : カーク・ジョーンズ
出演 : ロバート・デ・ニーロ、ケイト・ベッキンセール、サム・ロックウェル、ドリュー・バリモア
子供たちが成人となり離れて暮らす一家。父親は「みんな元気」と信じていたが、子供たちそれぞれには「みんな元気」とは言えない事情が有った。
ネタバレあり。
いい家族です。世間からしたらかなり幸せ家族。もっとギスギスした家族かと思っていたのでその点とても良かった。
善き両親の元で育った子供たち。しかし母親が亡くなった事で家族関係のバランスが少し崩れてゆく。
父子関係は良好ながらも、善き父親の愛情と期待が子供たちにはプレッシャーに。
それでも善き父親である事は変わらず、父親の事を大切に思っている。
だからその良好な関係を崩したく無いために、今有る自分たちの現状を伝えられない。
それが父親に更なる期待を抱かせてしまい、子供たちにはプレッシャーになる。
この悪循環が父子の間に距離を置かせる事になってしまい。
お互いがお互いを思いやっているために起こる悪循環。
それを修復するきっかけは悲しい出来事によるものでしたが、そこをあえてドラマチックにする必要は無かったかなぁと。
基本にあるのが思いやりなので、もっと普通に何気ない感じで修復できたら良かったのになぁと思う。のは勝手な希望ですが。
特典映像の未公開シーンが良かった。
この映画で監督が何をやりたかったのがより伝わってくる。
恐らく役者ではない人に自分自身の事を語らせて、デ・ニーロがアドリブでリアクションする。(その中の一人のおじいさんのNGシーンは笑った)
その事でごく普通の人たちのごく普通の生活をごく普通に、ノンフィクション風に描きたかったのではないかと想像します。
本作ではスタジオ側の強い意見(邪推)で終盤ドラマチックになりすぎて、そのノンフィクション性は薄れてしまった。
全編そういう映画も面白いんじゃないだろうか。
と思ったら既にサシャ・バロン・コーエンがやってた。
子供は4人。父親は一人ずつ訪ねていきます。
ニューヨーク→シカゴ→デンバー→ラスベガスとほぼアメリカ横断。陸路で。
おお!『ミッドナイト・ラン』!!!
長距離バスに乗ってるデ・ニーロ。もうそれだけで嬉しい。
>ドラマチックになりすぎて
アメリカでの公開時期(12月)を考えると、作り手はオスカー狙いだったのかもしれませんね。
昨年は数年分のデ・ニーロ出演作がどどっと日本に入ってきました。
脇役の「マチェーテ」が一番大きい扱いだったのは皮肉ですが、とりあえず良かったです。
既に新作を何本も撮り終えているようで、今年はそのうち何本、やってくるか期待したいですね。
by hash (2011-01-22 21:52)
hashさん、おはようございます。
>オスカー狙い
そう言われるとこの映画ミラマックス製作でした。有り得ますね。
ミラマックスのロゴを久しぶりに見た様な気がしました。
>デ・ニーロ出演作
先ずは「LITTLE FOCKERS」ですね。コメディ、しかもシリーズモノとなると難しそうですけど、無事公開されて欲しいです。
by テンプラ・ソバ・ニーロ (2011-01-23 08:24)