ヒア アフター [ハ行の映画]
『ヒア アフター』
“HEREAFTER” (2010・アメリカ) 2h09
製作・監督・音楽 : クリント・イーストウッド
出演 : マット・デイモン、セシル・ドゥ・フランス、フランキー・マクラレン、ジョージ・マクラレン、ジェイ・モア、ブライス・ダラス・ハワード
イーストウッドが描く死後の世界。
ネタバレあり。
死後とは書いたけど、本作では人が亡くなった事を死後とは捉えていないんじゃないだろうか。それは生の終わりではなく、今ある世界とは別の何かの始まりが待っていると。
死んだらそれまでよ。全くの無。ではなくその先にも何かが有る。
今ある世界での存在を無くしてしまった人たちもその先の何かにきっと存在していると。
その今ある世界の先にある何かとはなんなのか?それは分からない。分からないときっぱり言ってしまうのがイーストウッドの正直さなのか。映画的な事を考えてその何かを無理矢理作り上げてしまう監督もいるだろうと思う。
その先に何が有るのか分からない。でも終わりだと思ったその先にも何かがきっと有るんだよ。という事。実際誰にも分からないんだし。
終わりだと思ったその先に何かが有るのは亡くなった人も生きている人も同じ。その先に何が有るのか、何が起こるのかは誰にも分からないのも同じ。
アメリカ人の隠遁した霊能力者とフランス人の有名報道キャスターがイギリスで不意に恋に落ちる事だって有り得る。
二人の恋が始まる所で映画は終わる。ロマンチックなイーストウッドが出たなぁと思いました。滅多に出さないロマンチックをここにきて出す。
そんな事を言った所でイーストウッドは葉巻をふかせてにやりと微笑むだけなんだろうなぁ、『ルーキー』の様に。と妄想してみたり。
何があるのかは分からない。でもってその何かがどうなるのか、この映画の二人の恋の行方がこの先どうなるのかも分からない。と、人生経験豊富なイーストウッドは付け加えたいんじゃないだろうか。というのは勝手な憶測。
終わりだと思ったその先にも何かがきっと有る。イーストウッドの優しいメッセージが込められた映画だと思いました。
残念ながら冒頭のシーンで時勢にそぐわないとの判断で上映が中止になりましたが、その冒頭のシーンのみで語られる映画ではないと思います。しかし時期的に生々しすぎるという事も分かる。
でも冒頭のシーンのその先に優しさが有る映画だと思います。
一見、イーストウッドらしくない映画のように見えながらも、随所にイーストウッドらしさが表れていたように思います。
>上映が中止
新作も続々と上映延期になっていますね。
by hash (2011-03-22 20:48)
hashさん、こんばんは。
音楽はイーストウッド節って感じでしたよね。
新宿ミラノが現在まで営業中止でまさかこのまま。と心配していたのですが、4月1日より再開予定との事なので安心しました。
by テンプラ・ソバ・ニーロ (2011-03-24 03:08)