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にっぽん三銃士 おさらば東京の巻とにっぽん三銃士 博多帯しめ一本どっこの巻 [岡本喜八監督の映画]


フォービート・アルチザン 岡本喜八の映画音楽












『にっぽん三銃士 おさらば東京の巻』
(1972・日本・1h28)
監督・脚本 : 岡本喜八
出演 : 小林桂樹、ミッキー安川、岡田祐介、藤岡真理、加賀まり子、岸田森

『にっぽん三銃士 博多帯しめ一本どっこの巻』
(1973・日本・1h36)
監督・脚本 : 岡本喜八
出演 : 小林桂樹、ミッキー安川、岡田祐介、藤岡真理、田中邦衛、市川翠扇



銀座シネパトス “生誕88周年 ハチ、ハチ、喜八 岡本喜八監督特集”にて。



『にっぽん三銃士 おさらば東京の巻』

1970年代初め、学生運動で盛り上がる新宿。
2丁目のスナックに40代の戦中派、30代の戦後派、20代の無戦派、3人の男が顔を合わす。
その夜に3人の仕事、家庭、地位が失われる事となる。



岡本監督作品でこういう作品が有った事自体知らなかった。それほど話題に上がる作品ではないみたいだし。
五木寛之原作の当時のベストセラー小説の映画化。
主演が小林桂樹さんという事で『江分利満氏の優雅な生活』からの何かのつながりでの監督なのかと思ったけど、『江分利満氏の優雅な生活』は興行的には成功とは言えなかったみたいで、プロデューサーが激怒したとかなんとか。
そっから約10年を経てどういう因果で小林桂樹さんを再び主演に迎えてこの映画を撮ることになったのだろう。

戦後、経済の高度成長を続ける日本。まるで戦争など無かったかのような日本という国に対して疑問を持つ戦中派の男が主人公。という所が本作と『江分利満氏の優雅な生活』の共通するテーマなのかと思う。



ほぼ一夜の物語とは知らなかったので、映画の中の時間間隔が妙な感じがした。一夜の物語と知っていればそうは思わないんだろうけど。
スナックでのシーンが長めに思えて、約90分の作品でこのシーンでこれだけ時間を割いて物語はどこへ向かおうとしているのか。それが分からなかったので妙に思えたのかも。

結局は『博多帯しめ一本どっこの巻』との2部構成という事で本作は「第1部完」という感じで終わった。
その終わり方は『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズを思い出さずにはいられなかった。



ミッキー安川さんの演技は今で言ったらとんねるずの石橋さんな感じ。失礼ながら決して上手ではなく、でも独特な味が有って。

加賀まり子さんが当然若くて可愛かった。でも現在とそれほど変わっていないように思えるのは現在が驚異的なのかと思う。






『にっぽん三銃士 博多帯しめ一本どっこの巻』

東京を後にし行先の分からない列車に乗り込んだ3人。着いた先は博多。面倒見のいい姐さんと偶然知り合い住まいと仕事を世話される。
その仕事とは合成ビールの製造。住まいは違法住居。やがて不動産業者により立ち退きを迫られるが、3人は敢然と立ち向かうのだった。



前作の終わりからそのままの続き。公開当時は3か月くらいの間をおいての公開だったみたい。撮影はいっぺんにやったのだろうか。
前作のおさらいも有ったけど、喜八タッチなので軽快だけれどもそのおさらいでこれまでの流れが分かるかといったらどうなんだろう。
しかし本作は本作だけで観ても楽しめる。はず。田中邦衛さん面白かった。



『にっぽん三銃士』のテーマとしては、戦後変わりゆく日本で戦中派、戦後派、無戦派、世代を超えた3人の男たちの彷徨う姿とともに当時の日本を映し出す。という所なのかと思う。

当時の流行語らしき言葉が自然に取り入れられたりして面白かった。



何か更なるシリーズ化を想定していた様な終わり方。また『ロード・オブ・ザ・リング』を思い出した。
岡本監督は長期シリーズ作品はやらない、やって2作目までの方針の人だったらしいけど。



2作品ともフィルムが褪色していた。本来の色合いで観てみたい。
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