夢と狂気の王国 [ヤ行の映画]
『夢と狂気の王国』
(2013・日本・1h58)
監督・脚本 : 砂田麻美
出演 : 宮崎駿、鈴木敏夫、高畑勲、庵野秀明、宮崎吾朗
宮崎駿監督の新作『風立ちぬ』を制作中のスタジオジブリにカメラは入りその製作工程を捉える。
NHKのドキュメンタリー番組『プロフェッショナル仕事の流儀』と題材は被っていながらもこちらは女性監督という事でなのか宮崎監督の対応はかなり柔らかい。
『プロフェッショナル』の方では宮崎監督の映画監督としての老いと今までとは異なる作品に挑む苦悩が前面に出ていて不機嫌な宮崎監督を容赦なく映し出していたけど、本作ではお茶目でお喋りなおじいちゃんが世界に誇るアニメーション作品を作り出していますよ。という感じで、同じ題材でも撮る側の意図でこうも違うものになるのかと思った。
『風立ちぬ』製作中の宮崎監督には本作と『プロフェッショナル』の2台のカメラが密着していたという事なんだろうか。
主役庵野案が出た時の映像は一緒のものだったようにも思えた。
高畑監督は王国の中にいる怪物とか妖怪扱い。姿はなかなか見せず王国の王や住民たちの噂話によってその怪物ぶりを強く印象付ける。
スタジオジブリの現状と未来についても描かれているのが興味深かった。特には吾朗監督の怒りや苛立ちがジブリの将来への不安を反映しているようでもあった。
吾朗監督もそんなにカリカリしないで、そこは女性スタッフを敵には回さないというお父さんの処世術を見習ったらよろしいんではないかなあと思った。カリカリしてたのは男のプロデューサーさんにであって女性には父親譲りで優しいのかもしれないが。
ナレーションはどなたか女優さんがやってるのかと思ったら砂田監督本人だった。ナレーション上手。
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