この世界の片隅に [カ行の映画]
『この世界の片隅に』
(2016・日本・2h06)
監督・脚本 : 片淵須直
声の出演 : のん、細谷佳正、稲葉菜月、尾身美詞、小野大輔、潘めぐみ
1944年、広島市に暮らす浦野すずは軍港のある呉に住む北条周作のもとに嫁ぐ。実家を離れた慣れない生活の中で徐々に北条家の人間になっていくすず。そして戦禍は次第に広がり運命の1945年8月6日を迎える。
戦時中の日本、広島を舞台にした日常系アニメ。
貧乏だった日本で健気に生きる人たちの姿が辛気臭くならずにユーモアをもって描かれているのが大変良かった。
軍港のある呉は空爆の標的となりその激しさが増す中で北条家に大事件が起きる。それもつらかったけどその先にも大事件が起きるわけで。それを覚悟しながら観ていて、ついにその日がやって来たけど呉にはそんなに目立った被害は無かった。後々呉にも二次被害は有ったのかもしれないが。
被害が無くてホッとしたけど、そういう事も知らないっていうのはどうなのかと思う所でもあり、広島市の方ではすずの実家を含め甚大な被害があり、そして長年にわたり傷跡が残り続けるわけで。それでも無事な人がいるというのはやっぱりホッとする。
当時、日本も日本と戦争していた国もお互いにお互いの事を野蛮で凶暴な鬼畜であると思っていただろうけど、中にはごく少数ながら本物の鬼畜がいたとしても大半の人たちは本作の登場人物たちの様に善良で思いやりがある人たちであるはずで。この映画を観てみんながそう思えば戦争は無くなる。なんていうのは考えが甘過ぎるのか。
エンドロールで一人の登場人物の生い立ちが描かれていた。映画を観た後で原作の漫画を読んだが周作とかかわりのある人だった。
北条家にすずの幼馴染が来て、夫公認で夜をすずと同じ部屋で過ごす。っていうのはどういう事なのか理解に苦しむ所だったが、その所も原作の方で納得出来た。
映画だと止むを得ず割愛、省略しなければならない事も有るという事で。
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