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男はつらいよ 41作目から45作目 [男はつらいよ]

男はつらいよ 寅次郎心の旅路
旅先で風邪を引いた寅さんの元にさくらから寅さんを気遣った手紙が届く。
柴又では満男が浪人生となりさくらと博の心配は尽きない。
東京の一流企業に勤める坂口兵馬は仕事に疲れていた。
宮城県栗原のローカル線に乗って次はどこに行こうか決めかねている寅さん。電車が急停車し線路の上には自殺未遂の兵馬が横たわっていた。精神的に参っている兵馬を元気づけようと宴会を開く寅さん。翌朝元気を取り戻した兵馬は寅さんを慕いそばから離れようとしない。寅さんは兵馬にお前はどこに行きたいんだと訪ねると兵馬はウィーンに行きたいと答える。
ウィーンに着いた寅さんと兵馬。念願のウィーンを満喫する兵馬とは対照的に3日間ホテルから一歩も外に出なかった寅さんだったが、このままじゃどうしようもねえ。と兵馬と外出する事に。案の定ウィーンの街で兵馬とはぐれた寅さんは日本人ツアーガイドの江上久美子と知り合う。ガイドの仕事のある久美子は知人のウィーン在住の日本人女性に寅さんの世話を頼む。寅さんはその女性をマダムと呼びマダムと久美子が知り合ったいきさつを聞く。
兵馬は舞踏会に出掛けワルツを踊ったウィーンの女性にダンスが上手ねと褒められる。
寅さんと久美子はドナウ川のほとりをドライブ。寅さんと一緒にいて故郷の事を思い出したと言う久美子の寂しげな顔を見て寅さんは日本に戻ったらどうだい?と提案する。迷った結果日本に帰る事を決めた久美子は恋人のヘルマンにその事を告げる。

1989年8月5日公開、109分。
平成最初の男はつらいよであり、年2本の公開が最後のため8月公開はこれが最後。
寅さんに一度ウィーン行きを断られた時の兵馬の顔面蒼白が恐怖映画ばりの蒼白さで怖かったけど面白かった。
初めて海外が旅先になったいきさつは当時のウィーン市長に招致されたからという事らしい。しかし寅さんがウィーンでも現地の人を相手に大騒動というわけにはいかず。それは寅さんの性格や行動や嗜好を熟知しているからこそであって、そして何よりも言葉が通じないという事を考えればそうなるのも納得だし、そこで無理して現地の人と絡んで上手くいかなかったりしたらそっちの方が大惨事になったんじゃないかなと思う。
竹下景子さんが3度目のマドンナ。それぞれ別の役。前の2回では寅さんが及び腰で上手くいかずのパターンだったけど今回はちゃんとフラれる。



男はつらいよ ぼくの伯父さん
茨城県でローカル線に乗っている寅さん。老人に席を譲らない学生に注意をして老人と揉める。
柴又では浪人中の満男の生活態度をめぐって親子の仲はぎくしゃくしていた。予備校の授業中、高校時代の後輩及川泉の事を思い出す満男。家に帰ると泉からの手紙が届いていたがさくらの詮索を煩わしく感じる満男の怒りが爆発。
矢切の渡しに乗って柴又に帰ってきた寅さんを源公が出迎える。
くるまやでは満男の事で悩むさくらが寅さんの帰りを待ちわびていた。帰ってきた寅さんは満男にも悩み事が有るはずだから俺が相談に乗ってやると言いさくらは喜んでお願いする。しかしおいちゃんおばちゃんは寅さんが相談相手になる事が心配でタコ社長はさくらと博に寅さんなんかで大丈夫かい?と不安を煽るのだった。
浅草でどぜう鍋を囲む寅さんと満男。未成年の満男に日本酒の飲み方を教える寅さん。満男は正直にありのままの恋の悩みを相談しその後は飲み明かし二人してベロベロになって帰ってくる。博やおいちゃんおばちゃんはそんな二人を見て怒るが寅さんは満男はいい奴に育ったと言い、翌朝旅に出る。
しばらくして満男も置手紙を残しバイクで旅に出る。行先は泉が両親の離婚で母親について行った名古屋。しかし名古屋に泉の姿は無く母親の礼子に話を聞くと礼子の妹の住む佐賀に引っ越していた。名古屋から佐賀へと向かった満男は無事泉と再会を果たす。満男の宿泊先には偶然佐賀で商売をしていた寅さんがいて相部屋に。ここでも寅さんは満男の相談相手になり、及び腰の満男に小野小町と深草少将(ふかくさのしょうしょう)の話を聞かせて励ます。
題経寺で御前様にこれまでの報告をするさくらに今は親離れ子離れの時間で満男君はしっかりしているから心配ないと言う御前様だったが寅さんが一緒にいると聞いてそれはいかんと顔色を変える。
翌日満男に頼まれ泉の家を一緒に訪ねた寅さんは泉と叔母の奥村寿子に出会う。

1989年12月27日公開、109分。
満男と泉の恋の話がメインになる。渥美清さんの体調不良も一因でそのため年1本の製作にもなったという事だけど画面に映っている姿を見る限りでは弱弱しいとか体調悪そうとかそういう事は無い。



男はつらいよ 寅次郎の休日
旅先でさくら、源公の出てくる夢(平安時代。寅麿とさくら式部兄妹の再会)を見た寅さん。
柴又では満男が大学生になり自堕落な生活態度にさくらと博は内心では怒り心頭。満男は八王子のキャンパス近くで一人暮らしをしたいと相談するがさくらは反対する。
さくらが満男の一人暮らしの件をおいちゃんおばちゃんに話すと話題は寅さんの事に。そこに寅さんから電話。日本のどこかにいて気が向いたら寄るとの事。酒屋でお銚子2本と食い物を出してもらい代金として店主が500円のつもりで手のひらを拡げるとと50円と勘違いした寅さんはあいよと100円玉一枚を出し釣りは要らないよと颯爽と立ち去る。店主に今時非常識だと呆れられるがやはり憎まれない。
満男と口論になった博は勢いで家から出て行けと言うと満男はそれを口実に家を出て行く準備を進める。
くるまやに泉が訪ねて来る。現在は名古屋で母親の礼子と一緒に暮らしていた。父親の一男に会いに東京に出てきたが父親には会えず満男とさくらたちに挨拶するために来た。さくらは一緒にご飯を食べようと誘い泉を自宅に連れていく。
引っ越し先を決めた満男は軽トラックを借りて荷物を運び出そうと自宅に帰るが家の中に泉の姿を見つけ急遽引っ越しは中止。
諏訪家3人と泉とで食卓を囲む。両親は父親に別の女性が出来て別れた事、父親に母親との復縁を頼みに来た事を話す泉。
翌日満男は泉に付き添い父親の職場の有る秋葉原へ向かうが父親は既に職場を辞めていて大分県日田に移り住んでいる事が分かる。
寅さんが柴又に帰ってくる。みんなの出迎えの態度が気に入らず題経寺にお参りに行ってくると店を出た矢先帰ってきた満男と泉に再会する。泉は寅さんと再会出来た事を喜び、寅さんは話せば長くなるという泉が柴又にいる理由を聞くために喫茶店に連れて行く。
夜はくるまやで食卓を囲み泉の事を色々と心配する一同。寅さんは別れ際泉にみんな泉ちゃんが幸せになる事を願っているよと言う。
3年後、社会人となった満男は泉と結婚。子供が生まれ、名付け親はもちろんこの俺。と、寅さんの妄想。
翌日の新幹線のホーム。名古屋に帰るはずの泉が満男に博多行きの乗車券を見せる。やはり父親に一目会って戻ってきて欲しいと頼みたいと新幹線に乗る泉。ドアが閉まる直前満男も乗り込み二人で九州へと向かう。寅さんは泉の母親礼子と共に二人を追いかける。

1999年12月22日公開、106分。
サブタイトルやスタッフクレジットの字体がちょっと可愛らしい感じに変わる。これも満男と泉の若者の話がメインという事だからだろうか。
前々作、本作で諏訪邸の建っている場所や外観、間取りなどが変わる。
100円エピソードは最新作おかえり寅さんでの中学生以下の鑑賞料金100円につながっているのだろうか。



男はつらいよ 寅次郎の告白
旅先で故郷柴又の江戸川を想う寅さん。
柴又、朝のジョギングを終え自宅に戻った博は大学へ行く満男から何年振りかに朝の挨拶をされ戸惑う。泉が名古屋から東京に出て来る日で上機嫌な満男。泉は大学へは進学せず東京で就職するための面接での上京だった。
泉の苦労を満男がどれだけ理解出来るのか、それが二人の行く末を左右する。と博は思う。
くるまやではタコ社長が働き手不足に苦労し働き者の三平を引き抜こうとするが失敗。
寅さんが帰ってきて寅さんの商売も人手不足でサクラ役を探してると言い三平をスカウトしようと商売の手口を演じて見せるがそのインチキな手口に三平に断られさくら達には呆れられる。
泉もくるまやに来て楽しく食卓を囲む。別れの時泉に泉ちゃんが会いたいなあと思った時にまた会えるよ。と言って送り出す寅さん。
満男と泉の将来を満男の泉への想いが重過ぎて添い遂げられないだろう。とシビアに予見する寅さん。タコ社長に寅さん自身の事を茶化されて久し振りの大騒動に。
泉の面接は条件が合わず不採用。落ち込む泉に何もしてやれない満男も落ち込む。
名古屋に帰った泉。母親の礼子が恋人を自宅に連れて来るが泉はその事が許せなかった。
寅さんは鳥取で商売。
満男の所に泉から絵葉書が届くがその文面から泉の事が心配になり礼子に電話をすると母娘喧嘩をして家を出て行った事が分かり満男は絵葉書が送られてきた鳥取へと向かおうとする。鳥取のどこにいるのか分からないまま行ったってしょうがないじゃないと引き留めるさくらに泉から連絡が有ったら鳥取砂丘で待っていると伝えて欲しいと言って満男は家を飛び出した。
鳥取を一人旅する泉。立ち寄った駄菓子屋で店主の婆さんに良くしてもらう。晩御飯も一緒に食べようと婆さんは泉に豆腐を買いに行かせると町中で偶然寅さんと再会。寅さんの言った通り会いたいと思った時に会う事が出来て号泣する泉。
寅さんに母親との事の思いの丈を話し気持ちの整理がつく泉。満男とも無事鳥取砂丘で再会。後は泉を名古屋に送り届けるだけ。その前に鳥取での寅さんの行きつけ鮎料理が名物の料亭に寄る事に。料亭の女将聖子は昔寅さんが惚れた女性で男前の無口な板前と結婚し寅さんはフラれていた。

1991年12月21日公開、104分。
おいちゃんおばちゃんの台所に文明の利器電子レンジが導入されている。
いつものさくらの御前様への報告に自分も若い頃は寅さん以上に激しい恋を幾つもした。と御前様が衝撃の告白。



男はつらいよ 寅次郎の青春
旅先で満男、泉、源公の出てくる夢(文学博士、車寅次郎)を見た寅さんは宮崎県で商売。
柴又では博の朝のジョギングに満男が嫌々付き合わされていたが満男は東京で就職した泉を今晩の食事に誘う予定を立てていたので上機嫌。
くるまやではおばちゃんが最近顔を見せなくなった満男の事を嘆き寅さんの事を思い出していた。
諏訪邸でさくらの手料理を囲み会話も弾む4人。そろそろ会社の寮の門限が有るからと言う泉に翌日は休みだし寮の方には私から連絡するからとさくらが引き留めるのを息をのんで見守る満男。無事泉は泊まる事に。
親友が宮崎で結婚する事になり有休を取って結婚式に出席する事を満男に話す泉。
宮崎県油津。床屋の店主蝶子が昼食に入った馴染みの店には寅さんが先客でいた。少し会話を交わし蝶子の分の昼飯代も出して店を出る寅さん。再び通りで出くわした蝶子に散髪していかんねと言われ素直について行く。
散髪の途中で蝶子の弟で船乗りの竜介が沖縄に行く予定が低気圧が近付いて2、3日は出航出来ないと帰ってくる。寅さんの散髪が終わり支払いも済ませた頃、外は雨模様。蝶子に言われ雨宿りのつもりが雨は降り続け晩飯を御馳走になる寅さん。更にお言葉に甘えて宿泊する事に。
結婚式出席のために宮崎にやって来た泉。結婚式が終わり一人飫肥城(おびじょう)見学に訪れ寅さんと偶然再会。喜びの再会をし、寅さんはお茶でも飲もうかと泉を誘うが蝶子と一緒に来ていた事をすっかり忘れていた。蝶子は泉といる寅さんに気を使い、泉は蝶子に気を使ってお互い寅さんと離れようとするが二人の間でどちらとも離れたくない寅さんは体勢を崩して右足を負傷してしまう。骨が折れたと大騒ぎする寅さん。
満男は久し振りのくるまやで薪割りの手伝い。長らく御無沙汰の寅さんからの手紙の内容に呆れたおいちゃんおばちゃんはもう死んだ事にして心配するのはやめたと言い、そこに泉から緊急の電話。薪割りから一目散で電話を取り次いだ満男は寅さんが怪我をして病院に運ばれた事を知らされ今すぐ宮崎に向かうと言う。おばちゃんは怪我の具合が分からない寅さんの事が心配でたまらず、そしてそのニュースは寅さんが危篤となってあっという間に商店会中に広まった。
満男が宮崎へ行った一番の目的は泉に会うためだろうと博とさくらには見透かれていた。
宮崎に着き泉と再会出来た満男だったが泉のそばにいる竜介の存在が気になって仕方ない。そして寅さんと蝶子の関係も気になるのだった。

1992年12月26日公開、101分。
おいちゃんおばちゃんの所は電子レンジは導入されても風呂はまだ薪風呂なのだろうか。それとも団子の調理の時に薪を使うのか。
満男の部屋にリュック・ベッソン監督のポートレート。1992年までのリュック・ベッソンはグレート・ブルー、ニキータのリュック・ベッソンでそれはポートレートも飾られて当然の存在。
満男と泉シリーズの第4弾。満男と泉のテーマソングは徳永英明さんが担当。泉が勤めるCDショップでも一押し。
映画の最初では何かと問題のある満男が寅さんと行動を共にする事で寅さんから影響を受け最後にはちょっとだけ成長しているという事が描かれるシリーズでもある。
本作公開の3か月後に笠智衆さんがお亡くなりになったため御前様が姿を見せるのは最後。
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