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クイーン&スリム [映画]

クイーン&スリムを観た。2019年、アメリカ/カナダ、2時間12分。
マッチングアプリを介して出会った黒人男女の初めてのデート。豪華とは言えないディナーを済ませ男は女を車で家へと送る途中警察に呼び止められる。それが二人のオハイオからフロリダへの逃避行の始まりだった。

クイーン(本名アンジェラ、女性)は弁護士で、スリム(男性)はスーパーの店員。接点がほぼ無い二人がたまたま出会い不幸な偶然が重なった事による逃亡劇。
シリアスなサスペンスが展開されるのかと予想するが、出会った当初は社会的立場が異なりそりも合わない男女によるロードムービーで、当然警察に追われるサスペンスも有るけどロードムービーならではのアメリカ縦断で各地を転々とする事による人との出会いと、二人旅の道中本音を晒す事でお互いの事を分かり合い次第に親密になっていく二人がユーモアも交えて描かれる作品で良い映画だった。

アメリカの地理的な所がよく分かっていないのでスタートのオハイオがどの辺りかも分かっていなかったが地図を見ればカナダの方が近い。それならカナダに行った方がいいんじゃないかと思うが、先ずは叔父さんのいるケンタッキーを目指して南下。そして更に南のフロリダへ。

ネタバレ有。
未だに出口の見えないアメリカの黒人と白人の対立が二人の逃亡劇の結末に大きく関係してくる。逃避行の過程を観ているだけにハッピーエンド的なものを期待してしまうが、それは劇中の民衆(主に黒人)とは違う感情なのかもしれない。民衆の二人への感情、期待、希望はもっと社会的な背景を背負っているのかもしれない。
偶発的とはいえ罪を犯してしまった報いは受けないと神の赦しも無いだろうし、ちゃんと報いを受ける事によって民衆の間の伝説となったという事なのだろう。

ホラー映画『ゲット・アウト』で一躍スターとなったダニエル・カルーヤの新たな代表作になったと思う。
今年のアカデミー助演男優賞を受賞した『ユダ&ブラック・メシア 裏切りの代償』(歌曲賞も受賞)も代表作になるだろうから現在絶好調。
『ユダ&ブラック・メシア』も本作同様に残念ながら日本では劇場未公開となりDVDレンタルが9月3日、デジタル配信は来年1月5日に予定されている。
クイーン役のジョディ・ターナー=スミスも良かった。特に髪型が変わってからがカッコいい。
ちなみに二人ともイギリス出身。イギリス英語のアクセントでの二人の共演作も観てみたい。
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