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『スパイラル:ソウ オールリセット』『サマーフィルムにのって』 [映画]

『スパイラル:ソウ オールリセット』を観た。2021年、アメリカ、1時間33分。
腐敗した警察署で一人孤立する刑事ジークが新米とコンビを組む事となってからかつて起きたジグソウ事件を模倣した連続殺人事件が起きる。その標的にされたのは同じ署の刑事達で犯人からはジークの元に挑発めいたメッセージが送られてくる。

2004年から2017年にかけて8作品製作された人気ホラー映画シリーズの新たな始まり。とは言っても8作品目も新たな始まりだったらしい。人気が有るだけに何度でも新たに始められる。
どうも今回も今後のシリーズ化が確約されるほどの大成功とはいかなかったみたい。コロナ禍での公開という事もあるけど。

コメディ俳優としての印象が強いクリス・ロックが製作総指揮も兼ねて主演。コメディ出身のジョーダン・ピールがホラー作品で大成功した事からの影響も有るのだろうか。
ジョーダン・ピールは監督やプロデューサーとして作る側に回った訳だけどクリス・ロックはあくまで出る側。それがどうだったのかと考えてしまう。いくらシリアスな表情で顔をしかめてもただ何か眩しくて目を細めているだけにしか見えない。クリス・ロックにコメディの印象が無い人から見たらどうなんだろう?
ある人物が蝋で顔面に大火傷を負わされてしまうが蝋パックでお肌ツルツルという不謹慎なオチを考えてしまうのはクリス・ロックだけの問題では無いのかもしれないが。

この『ソウ』シリーズが人気なのは残虐に無慈悲に人が殺されていく所にあるのだろうと思う。残虐さは見事に継承されていて、無慈悲という点では映画のラストカット、あの瞬間でスパッと終わらせるのが慈悲が無いという事は元より映画として単純にカッコいい終わり方だと思った。ただ残念なのは折角切れ味鋭くスパッと終わらせたのにその後にスタッフのクレジットが流れる事。あの終わらせ方を最大限に活かすためには映画の最初にスタッフクレジットを流すくらいの大胆さが必要だったのではないかと思う。それかスタッフクレジットをQRコードにするとか。



『サマーフィルムにのって』を観た。2020年、日本、1時間37分。
ある高校の映画部は夏休みに毎年一本の映画を撮り秋の文化祭で発表していた。今年の作品はほぼ全員一致で恋愛映画に決定し撮影も順調に進んでいたがただ一人撮影現場を恨めしく見ている女性部員がいた。彼女の書いた青春時代劇の脚本の完成度は高く一部では高く評価されていたが理想とする主人公の配役が決まらないため彼女自身が映画化する事を諦めていた。

池袋シネマ・ロサにて。

個人的に最近の日本映画は敬遠傾向に有るがこの映画は映画制作の話しという事もあってちょっと興味が有った。それがロサでも上映される事になったので観た。
ロサでの上映以前に観なかったのは青春映画だからという所も有ったが結果的には観て良かった。いい映画だった。アメリカ映画の『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』と偶然ちょっと似ている感じ。
勝手な思い込みで相手の印象を決めつけて遠ざけてしまうが何かのきっかけで相手の事を知り自分の思い込みが間違っていた事に気付く。それは自分が苦手だと思い込んでいる映画のジャンルにも当てはまる事も有ると。自分にとっては本作が正にそうであった。ただ、今後このジャンルにはまっていくとは考えづらい。

基本青春映画なのだけどSFも入ってきて、そして時代劇映画が若者の青春時代を映し出す重要な役割を担う。
時代劇映画の一番の見せ所は主人公と敵役が戦うチャンバラシーン。いかに主人公がカッコよく勝つか、それも重要ではあるけど、敵役も一人の人間であり自分なりの想いや正しさを持った上で戦いに挑んでいる。そんな二人がそれぞれの想いを刀に込めてぶつかり合う。そういうチャンバラが時代劇映画をより良いものにするのだし、お互いの想いを素直にぶつけ合うのが許されるのが青春時代の特権でも有るという事が見事に融合されていたと思う。ちょっと(大分か)感動した。

最近の日本の俳優事情にめっきり疎くなってしまったが本作に出演の若い俳優さん達(ダディボーイ役の人は35歳)はお芝居がお上手で面白い。他の日本映画がどうなのかは分からないが。
元アイドルネッサンスの比嘉奈菜子さんが映画部の後輩部員役で出ていた。
主人公のハダシ役の人は原田珠々華さんに似ていたし、ビート板役の人は石野理子さんに似ていたのはただの偶然だったのだろうか。







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