SSブログ

『神々の山嶺』 [映画]

『神々の山嶺』を観た。2021年、フランス=ルクセンブルグ、1時間34分。
1970年代、実力は自他共に認めるものの日本登山界の年功序列により表舞台に立てないでいる登山家羽生丈二はある事がきっかけで姿を消す。数十年が経ち羽生の存在自体が忘れかけられていた頃登山カメラマンの深町誠はカトマンズの街角で羽生らしき人物を見かける。世界最高峰エベレストが望めるその地に何故羽生はいるのか。深町は羽生のそれまでの足跡を追う。

タイトルの読み方は「かみがみのいただき」。
これまでの世界の登山史を一変させる謎を解き明かせ。話のつかみはそういう事だけど、あくまでつかみであって本題ではなかった。本題は山に取り憑かれた男の生き様と死に様。
正直何故そこまで取り憑かれたのかは理解出来なかった。でもそれでもいいのだろうと思う。命懸けで危険な登山をする事に理解も共感もいらない、ただその事実だけを受け止めるだけでいい。そういう事なのだろうと思う。結局その人の事はその人にしか分からないのだし。その点ではとても共感出来る。
とてもよく動くアニメーションで観ていて飽きない。本作の動きは大胆なアクションとかの類いではなく、日常の動作や仕草が細かく丁寧に描かれる。
アニメーションは一枚の絵から出来ていてそれを動かそうとするなら動かすという意志が必要。動かそうと思わなければずっと止まったまま。
それは監督やアニメーターの方のそういう作品にするのだという意志であるけど、何故地味な動きを丁寧に描くという面倒臭そうな事をするのか。それは分からなくても出来上がったハイクオリティな作品を観ている側はただ受け止めて享受すればいいだけの事。
一流の登山家と一流のアニメーターはどこかで似ている所が有るというのが実は本当の本題なのかもしれない。

海外作品での日本描写において最高レベルと言っていいと思う。トンデモな所は全く無かった。日本人のアニメーター、背景美術の方も参加されているのだろうか。



『X エックス』で寝た。
睡魔に負けてと言うよりも面白くなくて寝てしまった。それでも後になってどういう話だったのかネットで調べてみるとあの老夫婦の正体がそういう事だと分かってそれなら面白かったんじゃないかと思うが、でもとにかく起きて観ている間は面白くなかった。
ホラー映画の何か良くない事が起こりそう、でも起きない。の前振り段階であり、それも大切なのも分かるけど。
ネットで調べて三部作になるという事も知った。それを観るなら本作も観直しをしなければならないが途中までの面白くなさに耐えられるだろうか。観直してみたら意外と面白かったという事もよく有る話ではあるけど。
コメント(0) 

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。