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バニシング、ピーナッツ・バター・ファルコン、ハスラーズ [映画]

バニシングを観た。
スコットランド沖の無人島に灯台守としてやって来た3人の男。6週間の勤務期間の内に3人は姿を消す事になる。

1900年に実際に起きた未解決の失踪事件を基に大胆な解釈を加えて作られたのだとか。
邦題はvanishing消える、失われる(原題はkeepers)で映画の冒頭でもどういう結末になるのかは観客に伝えられる。
結末を重視するのではなく、なぜその結末に至ったのかその過程を重視するサスペンス作品。灯台守として真面目に働いていた頃は3人とも完璧ではないにしても善良な人たち。それが欲望に駆られ自分を見失い、取り返しのつかない事をした後で後悔し、けじめをつける。
大体の人は何かしら良くない事が起こってから後悔するもので。そうなる事が分かっていても後悔してしまう様な事をやりがち。そして後悔する事を恐れて何もしないと何もしなかった事を後悔しがちの人間あるある。



ピーナッツ・バター・ファルコンを観た。
身寄りがなく高齢者養護施設に預けられているダウン症の青年ザック。プロレスラーに憧れ、向かうべき場所に行くため施設を抜け出す。

感動ポルノだったら嫌だなと思っていたが、そういう感じではなかったので良かった。ファレリー兄弟作品ほど過激ではなく、優しさも厳しさも有ってどちらかと言えば優しさメインのいい映画だった。

レスラーのピーナッツバターファルコンの決め台詞You are not invited To my birthday party!が最高。下品でない罵り言葉として流行りそうな気がする。



ハスラーズを観た。
ストリップクラブでダンサーとして働くラモーナとデスティニー。出会って間もなく意気投合した二人はチームを組み上客に狙いを定めて荒稼ぎするが2008年のサブプライムローンの破綻で状況が一変してしまう。

ダンサーとしてトップに上り詰める話なのかなあと思っていたが、製作にアダム・マッケイの名前も有る事から経済の話だった。
とにかく2008年の経済危機がアメリカ国民の生活や生き方やものの考え方の大きな転換点であったと。
ラモーナとデスティニー、特にラモーナは2008年の事が起こらなかったらその類い稀なコミュニケーション能力を生かして起業したり政界に進出していたかもしれない。
経済によって人生を狂わされたかもしれないけど、それでもラモーナはいつまでも気さくで頼りになって情に厚いラモーナであったのが唯一の救いと言っていいのだろう。
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