SSブログ

トマホーク ガンマンVS食人族、デンジャラス・プリズン牢獄の処刑人、インターンシップ特別編集版、アンソニーのハッピー・モーテル [映画]

トマホーク ガンマンVS食人族を観た。 2015年、2時間12分。
西部の町で殺人と誘拐が起こる。現場に残された矢から先住民、それも食人を行う部族だと分かる。誘拐された者達を救出するため保安官と数名が部族のいる谷を目指す。

ブルータル・ジャスティスが面白かったS・クレイグ・ザラー監督の作品。
かなりどぎつい内容。みたいな事をレビューか何かでチラッと目にしていたので覚悟はして観た。どぎつい所は確かに有るがそれだけな映画でもない。ちょっと変わった西部劇。

人物描写が面白い。保安官は西部劇の保安官らしく、他のキャラクターも担っている役割らしい人物像ではあるけど、その一面だけではなく必ず何かがプラスされている。頼りなさそうな老人に思えて実は意外としっかりしていて頼れる人物だったり。荒っぽいカウボーイに思えて実はとても礼儀正しかったり。そういう所が面白いなあと思った。ブルータル・ジャスティスもそんな感じだった。

出演者は渋いと言うか通好みと言うか。そこも良かった。
デヴィッド・アークエットは分かったけどショーン・ヤングとマイケル・パレが出ていたのには気付かなかった。後で調べたら同じシーンに出ていた。



デンジャラス・プリズン ‐牢獄の処刑人‐を観た。 2017年、2時間12分。
不景気のため職を失った男はそれまでの不運な人生をやり直すためにドラッグの運び屋となる。仕事は順調で妻は身籠り出産を間近に控えていたがまたしても男に不運な出来事が起こる。

本作もS・クレイグ・ザラー監督作品。どんな映画か見当が付かないまま観たがヴィンス・ヴォーン無双の映画だった。
監督の個性の違いでリーアム・ニーソンやドウェイン・ジョンソンとかとはかなり異なった無双ではあるけどヴィンス・ヴォーンもめちゃくちゃ無双だった。その分バイオレンス描写はどぎつい。打たれ強くもあるのは意志の強さという事でもあるのだろう。

ヴィンス・ヴォーン、ジェニファー・カーペンター、ドン・ジョンソン、ウド・キアーは引き続きブルータル・ジャスティスにも出演。演じている役柄につながりは無いのだけどジェニファー・カーペンターはちょっとつながっているようにも思えてしまう。

3作品を観て過程をとても大事にする監督なんだなと思った。
クライマックスをド派手にして結果良ければ全て良しを良しとするのではなく。過程も結果と同じくらいに大事にしている。
なので上映時間は必然的に長くなるが苦には感じない長さだった。好みの問題で冗長と感じる人もいるだろうけど。自分はタランティーノの長さは苦手だし。



インターンシップ 特別編集版を観た。 2013年、2時間5分。
インターネット通販が主流の時代となり買い手と顔を合わせて仕事をする営業マンの男二人は職を失った。新たな就職先を探す内にグーグルのインターンの面接を受ける事を思い付き即座に実行する。

デンジャラス・プリズンのヴィンス・ヴォーンは強面の役を演じてとても似合っていたけどコメディ作品への出演も多く観ていなかった本作を観た。
主演の他に製作・原案・脚本も担当。主演コンビを組むのはオーウェン・ウィルソン。他にも有名コメディアンがチラッと出ていたりして楽しい。オラフの声がするなあと思っていたらジョシュ・ギャッドも出ていた。
憎まれ役を演じているのはアンソニー・ミンゲラ監督の息子のマックス・ミンゲラ。エル・ファニング主演の『ティーンスピリット』で監督デビューもしている。

アナログの時代ではやり手だったがデジタルの時代が来て取り残されてしまう中年男たち。デジタルの申し子たちの中でも要領の悪い子たちはいて落ちこぼれかけている。そんな世代の異なる落ちこぼれたちが一緒に頑張るコメディ。良く出来ていて面白かった。
アナログの時代では落ちこぼれで、デジタルの時代には取り残されて。そんな我が身を思うと笑っている場合では無いけど。



アンソニーのハッピー・モーテルを観た。 1996年、1時間34分。
療養を終え退院するアンソニーを出迎えてくれたのは親友のディグナン。ディグナンは早速強盗の仕事をアンソニーに持ち掛ける。

ウェス・アンダーソン監督の長編映画監督デビュー作。日本では劇場未公開。デビュー作にしてその作風を確立していた事が分かり今も変わりなく作り続けている。
日本では2作目の『天才マックスの世界』でこちらも劇場未公開ながら注目を集めて、そして3作目の『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』で一躍人気監督になった。という感じだったと思う。
オーウェン・ウィルソン、ルーク・ウィルソン兄弟の映画デビュー作でもある。二人のお兄さんのアンドリュー・ウィルソンも出演しているが本作より以前にデビューしている。

オフビートな犯罪コメディ。1996年の作品。1996年辺りのその前後くらいでエディ・マーフィ、ロビン・ウィリアムス以降のジム・キャリー、アダム・サンドラー、ベン・スティラー、ウィル・フェレル、ジャック・ブラックの世代が現れてきたかと思う。
エディ・マーフィ、ロビン・ウィリアムスの全盛期は完全に陽気で押しの強い笑いで、後の世代もそれを受け継いでいる所も有る。押しの強いコメディが主流の中でウェス・アンダーソン監督のコメディも陽気ではあるけど種類の違う陽気さで今で言うなら癒し系。世間で癒し系と言われる20年近く前からそれを先取りしていて、それでいておしゃれ。今観たら当たり前のコメディのように思えてしまうかもしれないが当時はどうだったんだろう。おしゃれなオフビートコメディと言えばジム・ジャームッシュが偉大な先輩としているが、ウェス・アンダーソンはそこに可愛らしさを付け加えて成功したように思う。
コメント(0)