SSブログ

私たちの青春、台湾、とんかつDJアゲ太郎 [映画]

私たちの青春、台湾を観た。
台湾で社会運動をするグループの中の若者二人にこれからの台湾の希望を見た監督はその運動の全てを記録しようとカメラを向ける。

ドキュメンタリー作品。社会運動は一つの成果を上げるがカメラを向けた二人はそれぞれの事情や立場から運動を続けて行く事を本作の撮影が終わった時点では諦めざるを得ない状況となり別の道へと進む。社会運動が二人、監督も含めると三人にとっての青春だったとしたなら青春はいずれ終わるものなのだから致し方無い。青春の時間を費やしたものから何かを得てその後の何かにつなげて行く事が大事という事なのだろう。

台湾での社会運動、台湾政府に対して物申しているのだけどその背後には中国政府がいて、実際は中国政府に対して物申している事になっているのだろうと思う。間に台湾政府というワンクッションが有る事で自由に物申す事が出来ているという所も有るのかもしれない。では直に中国政府に物申せる立場、国を代表する立場となった時にそれまでの様に自由な振る舞いが出来るのかと言えばそれは難しいのではないかと思う。国を代表とする立場なら色んな事を考慮してそれなりの振る舞いをしなければならない。
その振る舞いに不満を抱いて社会運動を行っていたけど同じ立場に立ってみると同じ様な振る舞いを取らなければ立ちいかなくなってしまう。立場が変わったからと割り切るのか、それでも我を押し通すのか。そんなジレンマも有るだろうから社会を変えるという事は並大抵の事ではない。

上映終了後に監督のオンラインでの舞台挨拶が有ったけどそうとは知らずに予約したので(ポレポレ東中野もこの日からネット予約が出来るようになっていた)、次にとんかつDJを予約していた。とんかつDJを観るために本編が終わってササっとポレポレを後にした。



とんかつDJアゲ太郎を観た。
渋谷円山町にあるとんかつ屋しぶかつ。三代目の勝又揚太郎はただ漠然と自分が店を継ぐものだと考えていたがある時初めて体験したクラブミュージックに衝撃を受けクラブDJを志す。そしてそれまで誰も気付く事の無かったクラブミュージックととんかつの間にある共通点に気付くのだった。

クラブミュージックについての知識はほとんど無い。映画の中でクラブのシーンが有った場合にだけ目にして耳にするくらい。多分これからもずっとそんな感じ。クラブを実際に体験する予定は一切無い。
DJによる選曲、そして曲と曲とのつなぎによってお客さんを盛り上げるという事らしい。本作でもそれが映画としての大きな目的となっている。で、盛り上がったのか、きちんと揚げる事は出来たのかというとなんかちょっと生焼けだったような。とんかつでは無く牛カツだったら丁度良かったような揚げ具合に感じた。と言いつつ牛カツ食べた事無いけど。
アゲ太郎の選曲がいわゆるイメージする様なクラブミュージックでは無かった。ポピュラー過ぎるというか。そのポピュラーさをてらうことなく素直に出せるのがとんかつDJらしさなのかもしれない。

背景が木目のエンドロールは珍しいなと眺めていたら(WOOD JOB!ウッジョブ神去なあなあ日常の時はどうだっただろう?)とんかつ協力はリンガーハットだった。リンガーハット?長崎ちゃんぽんの?と思ったが調べてみればリンガーハットグループでとんかつ屋さんも展開していた。
ちなみにリンガーハットの社名の由来は幕末から明治初期の長崎で活動したイギリス人実業家フレデリック・リンガーと小さな家(小屋)を意味するHUTハットを合わせたものだとか。

音楽映画としては生焼けだった様に感じたがコメディ映画の主演俳優としての北村匠海さんは良かったと思う。最近のイケメンな俳優さんが奇声を発したり滑稽な表情で無理して笑わそうとするのではなくて、ナチュラルに無理せずそこにいるだけでなんか面白い。これからもコメディにも出てほしい。それと声がいい。確か音楽活動もやられているはず。
これからも出演作が続々公開される。ボクサー役を演じている方は観るかもしれない。


父親役のブラザートムさんがすまけいさんっぽい感じになってて良かった。二代目すまけい、ブラザースマケイを名乗ってもいいんではないか。

話の流れとしてDJバトルになっていくものだと思っていたが元々クラブには対立構造というものは存在しないのか各々のDJが協力してクラブを盛り上げる事を第一に考えている。と描かれているのが良かった。
それは綺麗事なのかもしれなくて実情はもっとドロドロと怨念が渦巻いているのかもしれないけども。

DJオイリーの手の指に入れているタトゥーは向きが逆なんじゃないだろうかと気になった。自分自身で見る分にはあの向きでいいんだろうけど、ああいうタトゥーだと誰かに見せるために入れているんではないかと思う。だからよく見える所に入れているのだろうし。その誰かに見せる場合にあの文字の向きだと芸能人が結婚会見で結婚指輪を見せる手の形にしないといけない。それはそれで受けを狙うのにはいいのかもしれないが。構え方によってはカンフーのポーズの様にもなるかもしれない。
コメント(0)