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インビクタス/負けざる者たち、真夜中のサバナ [映画]

国立映画アーカイブ "35mmフィルムで見るクリント・イーストウッドの軌跡"にて。

インビクタス/負けざる者たちを観た。2009年、2時間14分
南アフリカで初めての黒人大統領となったネルソン・マンデラ氏。黒人と白人が共に生きていく社会を目指すがその道のりは困難が予想され国民も期待と不安の中にいた。一年後に迫った南アフリカで開催されるラグビーワールドカップの成功、そして南アフリカ代表チームの勝利が国を一つにするものとマンデラ氏は位置付ける。

1995年の話。2009年に映画化された時の南アフリカの状況も現在の状況も知らないままでいる。ウィキペディアをチラッとだけ見た所によると人種差別は解消されているが格差は尚も残りそのため治安も決していいとは言えないらしい。
そんな中で本作で描かれているラグビーワールドカップの事は多くの国民の中では輝かしい栄光として記憶に残っているのではないかと思う。そうあって欲しい。何か不穏な事が有った時にあの時の素晴らしい思い出が甦って物事がいい方に向かっていく。本作がそんな存在になっていたらマンデラ氏も含めてこの映画に関わった人達は本望だろうし、イーストウッドファンとしても嬉しい。

やっぱり決勝戦のシーンが良かった。結果は知っているんだけど盛り上がる。それは実際の試合が名勝負だったからなのかもしれない。
試合会場の外でラジオの実況放送を聞いている少年が良かった。

劇場公開時にはスコット・イーストウッドの事はまだよく知らなくて誰がそうなんだかも分からなかったけど、今回改めて観たら結構がっつりと映っていて見せ場もしっかりと有った。




真夜中のサバナを観た。1997年、2時間35分
アメリカ南部のジョージア州サバナ。雑誌の記事でその土地の富豪ジム・ウィリアムズ主催ののクリスマスパーティーを取材する事になった作家ジョン・ケルソー。ジムによる指名で取材が許されたと知ったジョンは土地の不思議な風習や住民に戸惑いつつもパーティーの取材を何事もなく終えるが事件が起こりサバナに留まる事になる。

日本公開は1998年。それ以来振りに観る。
映画の中盤辺りの頃に20うん年前の事を思い返してみてなんだかよく分からない作品だったなあというその時の印象が甦ってきた。中盤辺りまで話がどこに向かおうとしているのかよく分からない。そして結局法廷劇となるけど法廷劇のままでも終わらない。
一体何だったのかと考えてみると、南部のサバナという土地がなにか不思議な人智を超えた謎に包まれている。縁も所縁もないはずのジョンが何かに導かれるようにサバナにやって来て最初は戸惑うが最後にはサバナに留まる事が運命として必然だったかの様になる。それはサバナという場所がジョンを呼び寄せ留まるように仕向けた。とも考えられる。そしてジョンはもう二度とサバナからは離れられなくなるのだった。と考えるとちょっとホラーでもあるのかもしれない。ホラーよりかおとぎ話に近いのか。大人のおとぎ話。

ジョン・キューザック、ケヴィン・スペイシー、ジュード・ロウが当然若い。本作の頃だとまだ前途有望で実力の有る中堅、若手といったポジションだろうか。そして現在はと言うと三者三様で見事なまでにバラバラのポジション。三人がまた顔を合わせるのはちょっと難しそうだけどもし実現したらどんな作品になるだろう。
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