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サタンタンゴ [映画]

サタンタンゴを観た。ハンガリー/ドイツ/スイス、1994年、7時間18分。
ハンガリー。町から離れたとある集落。秋の長雨の季節が始まろうとしている。住民が待ち望んでいた一年分の収入が分配される日が近付いていた。
独自のアイデアで集落にこれまで以上の収入をもたらしながら集落を去り、そして一年半前に亡くなったと風の噂に聞く男が戻ってきたと知った住民たちは色めき立つ。

7時間18分、438分の大長編。日本では一昨年2019年に製作から25年を経て劇場公開された。その時も観てみようかとチラッと考えたりもしたが結局観なかった。不要不急の外出を控えましょうという時節なので自宅で配信で観た。料金1650円は高いのか安いのか。

”ヤツらがやって来るという知らせ”
”我々は復活する”
”何かを知ること”
-インターミッション-

”蜘蛛の仕事その一”
”ほころびる”
”蜘蛛の仕事その二(悪魔のオッパイ悪魔のタンゴ)”
--インターミッション--

”イリミアーシュが演説する”
”正面からの眺望”
”天国に行く?悪夢にうなされる?"
”裏からの眺望”
”悩みと仕事ばかり”
”輪は閉じる”
と、12の章で構成されている。確か劇場公開では2回有るインターミッションで各20分位の休憩が用意されていたと思う。なので上映時間は計8時間。
自宅で観るとインターミッションとは関係なく途中で食事したり(昼飯と晩飯)、30分ほど仮眠したり、モンスターエンジン西森さんの動画の新作観たり、土曜日だったのでクレヨンしんちゃんの放送見たり、風呂入ったりで10時間以上はかかった。
7時間超の1本の映画と言うよりも各章が大体40分前後(10分位のも有る)の全12章のドラマシリーズと気持ちを切り替えて観た。普段全然ドラマを見ないがその方が気持ち的に楽。
ただ映画を観るだけなのに気持ち的に楽とか、なんかの苦行か。と思ったり。
でも映画を観ている間は特に苦には感じなかった。2回目のインターミッションの時に残り時間を見たらまだ3時間近く有った時にはさすがに長めの休憩を入れた。

作風は長回しを多用。普段見慣れている映画だとある人物がちょっと離れた地点まで歩いて向かおうとする時、その場所が離れている事と、人物が歩いて向かおうとするショットを入れた上でカットを割ってその地点に着いた事を見せればその人物が時間をかけて歩いてその地点に着いた事を観客は理解するけど、この映画では実際に歩いている所を1分でも2分でも延々と映し続ける。さすがに2時間とかかかる場所に向かうシーンではそれはしないが。
ただ歩いてその場所に向かっているだけなので物語としては何も起こらない。でも現実とはそういうものだしそういう何気ない日常で映画の中の世界と現実の世界の体感時間がぴったりと合致するという事は、映画と現実の間に隔たりが無いという事を表しているのかもしれない。

ハンガリーが舞台という事は知っていたが、ハンガリーの歴史は全く知らず、それとこの映画の時代設定がいつ頃なのかは観ていてもはっきりしなかった。
多分第2次世界大戦終戦から10年、20年は過ぎているのかなあと思って観ていたが、それよりもベルリンの壁崩壊(1989年)の頃とかそれ以降、東西冷戦も末期の頃ではないかと思うと物語の内容も腑に落ちる気がした。
社会主義というそれまでの国の主義がガラリと変わろうとするかもしれない、でもまだその主義は強固に存在していて国民を縛り付けている時代。
まだ変わらない社会の中で変わりゆくかもしれない社会がかすかに見えて感じ始めている。その不安定さというものはそこで生きていかなければならない人々の心を激しく揺さぶるだろうし、また主義が変わる事に希望を見いだせない人もいるだろうなと思う。
聞こえるはずの無い鐘の音は新しく始まる希望の鐘なのかそれとも終わりゆくものへの鎮魂の鐘なのか。現代日本にはどちらの鐘の音が鳴り響いているのでしょう。

社会主義国家と言うと管理社会、監視社会のイメージ。そこで「規律と自由」という言葉が出てくるのだろう。
また「蜘蛛の巣」という言葉も当時の社会の常に監視の目が張り巡らされている事の暗喩ではないかと思うが、それが現代だとインターネット、ウェブの事を想像してしまう。ウェブによって管理、監視、更には支配されていると言えなくも無いのでその意味ではあながち間違ってはいないのかも。

タイトルのサタンタンゴはなんなのか?と思っていたが悪魔のタンゴ(SATAN TANGO)の事だった。悪魔のタンゴにどういった意味が有るのかは分からない。

猫を虐待するシーンが有るので猫好きな方は要注意。暴力は常に弱者に向けられる事を示していて、暴力を振るった事をのちに悔いても取り返しはつかないのだ。という事だろうとは思う。
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ショウビズトゥデイ 1991年5月頃 [ショウビズトゥデイ]



全米映画興行成績ベスト10
”A RAGE IN HARLEM” 『レイジ・イン・ハーレム』
”ONE GOOD COP” 『ニューヨーク・ジャスティス/許された犯罪』
の2本が初登場。


インタビュー
ジョン・ランディス監督 『オスカー』

マイケル・キートン 『ニューヨーク・ジャスティス/許された犯罪』

グレゴリー・ハインズ 『レイジ・イン・ハーレム』


バック・トゥ・ザ・フューチャーアトラクションのオープニングをレポート。


ビルボード最新チャートは5月11日付。
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