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パーム・スプリングス、21ブリッジ [映画]

パーム・スプリングスを観た。2020年、アメリカ、1時間30分。
カリフォルニア州砂漠のリゾート地パームスプリングス、結婚式が行われるホテル。花嫁付添人のミスティの彼氏としてその場にいるナイルズは誰からも「ミスティの彼氏」としか認識されていないがナイルズはそこにいる人のこの1日で起きる出来事の全てを認識していた。

同じ時間が繰り返されるタイムループコメディ。その代表作は1993年に作られた『恋はデジャ・ブ』だと今でも思っている。なのでつい較べて考えてしまう。
何故だか分からないがタイムループにはまってしまった主人公という所は同じ。
コメディとしては同じ事が延々と繰り返されるのが面白い所だけど、物語としてはそこからどうやって抜け出すのかが重要なのではないかと思う。
『恋はデジャ・ブ』の場合は主人公が善い心を持つ事でループから抜け出せる言わばファンタジー的な解決で、本作の場合はループの仕組みを解明して一か八かの物理的SF的な方法を選択する。
時間がループするという現象は笑って観られるけどその仕組みは全く理解出来ていない。仕組みが理解出来ていないのに解決方法が理解できるはずもなく。とりあえず解決出来てハッピーエンドで良かったなあとは思うが、そこはあくまでファンタジーとして徹した『恋はデジャ・ブ』の方が全部が丸く収まって良かったとやはり今でも思う。

アンディ・サムバーグはアダム・サンドラーに似てる。容姿もだけどコメディアンとしてのタイプも似てる。

花嫁のパパを演じるのはピーター・ギャラガー。久し振りに見たけど自分が見ていないだけで映画にテレビにコンスタントに活躍されている。



21ブリッジを観た。2019年、中国/アメリカ、1時間39分。
麻薬の強奪を企む二人の男。成功したかに思えたがふらりと立ち寄った風情の警察官と激しい銃撃戦となる。応援の警察官も皆殺しにして逃亡する男たちを捜査を指揮する刑事アンドレが追い詰めていくがニューヨーク市警の警官達が何故かアンドレの先手を取るのだった。

マンハッタン島に通じる全ての橋(トンネルも)を封鎖して犯人達を島に閉じ込める。という所が見所になる刑事アクション映画かと思ってしまうが、確かに橋は封鎖されているみたいなのだけど、アンドレがそれだけ大胆な捜査をする刑事であると観客に思わせるのが目的であって橋の封鎖自体が物語に大きく作用はしない。
では何故タイトルにもわざわざブリッジと入れたのかを考えると、善と悪の間にはそれを繋ぐ橋が存在してどちら側に渡るのかはその人次第という意味も有るのではないかと思う。その橋がなんと21本も有る。
そして本作の悪はただ単純な真っ黒な悪ではなく、やむを得ず世の中では悪と呼ばれる行為に染まってしまった悪であって。非道な隠蔽行為も含めると黒に近くなってしまうがそれでもやっぱり真っ黒と断定する事はできない。結局政治が悪い。それでもアンドレだけは正義を貫き通すがそこにアクション映画としての爽快感みたいなものは生まれてこない。爽快感よりも悪への橋渡るべからずという教訓の方に重きを置かれているのだろうと思う。

偶然だったけどパーム・スプリングスと本作両方にJ・K・シモンズが出ていた。
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