大洗にも星はふるなり [2009年12月に観た映画]
『大洗にも星はふるなり』
(2009・日本) 1h43
監督・脚本 : 福田雄一
出演 : 山田隆之、佐藤二朗、ムロツヨシ、山本裕典、小柳友、白石隼也、安田顕、戸田恵梨香
海の家のバイト仲間だった野郎ども。クリスマスの夜に一人の女性をめぐり、意地と妄想でバトルを繰り広げる。
『キサラギ』みたいな男子集合密室コメディ。を予想して観ましたが、大体そんな感じ。
こっちもこっちで面白かった。
コメディですのでその出来は出演者に委ねられる部分が大きい。
クリスマスの夜に海の家に野郎どもが一人ずつ集まってきますが、最初の内は不安なスタート。
しかし徐々に実力者が加わってゆき笑わせてくれます。
中でも佐藤二朗さんが面白い。
今までそんなに見た事が無いのですが、既に独特の演技を確立なされている。
主演作の『幼獣マメシバ』.も観ておけば良かった。と激しく後悔させるほど面白かった。
インフォーマント! [2009年12月に観た映画]
『インフォーマント!』
“THE INFORMANT!” (2009・アメリカ) 1h48
監督・撮影 : スティーヴン・ソダーバーグ
出演 : マット・デイモン、スコット・バクラ、メラニー・リンスキー、ジョエル・マクヘイル
告発者の素顔。
ネタバレ有り。
予告にフェイクが掛かっていて、予告込みで面白かった。
予告ではマヌケな男が不正を働く会社を告発しようとして、FBIなどを巻き込んだドタバタな騒動が描かれる。
といった感じでしたが、本編は全く違う。
それで、全然違う。騙された。という怒りは無く、本編自体にもフェイクが掛かっている事を逆手に取ったちょっとした遊び心が感じられました。
予告ではマヌケな男の印象だった主人公が思っていた以上にしたたか。
善良な市民の仮面の下には計算高い顔が隠されている。
それは天賦の才によるものなのだけど、その才能を活かせば活かすほど物事が悪い方向に進む。
悪い方に進むものの、主人公あまり悲観的ではない。と言うか懲りてない。それもまた才能なんじゃないかと思う。
イングロリアス・バスターズ [2009年12月に観た映画]
『イングロリアス・バスターズ』
“INGLOURIOUS BASTERDS”
(2009・アメリカ) 2h32
監督・脚本 : クエンティン・タランティーノ
出演 : ブラッド・ピット、クリストフ・ヴァルツ、メラニー・ロラン、ダイアン・クルーガー
ナチを殺れ!
タランティーノのバイオレンス・フィクション。
相変わらずのタランティーノだなぁ。芸風変わんねぇなぁ。話し長ぇなぁ。って感じでした。
ディテールにこだわり、こだわり過ぎるが故に本線の流れが悪くなる。
最近特にその傾向が強いような気がする。タランティーノ節に自分自身が酔っている様な。
大した事無い話しをただ大袈裟に語っているだけの様な。
2時間半も有るけど、他の監督が撮ってたらそんなにかからないんじゃないだろうか。
2章までは結構いいテンポだったんだけど、3章からガクッと落ちる。
ラストへ向けての溜め。という所だろうけど、肝心なラストに長い溜めに相応しいカタルシスが有ったかというと無かった。
フィクションだから有りな結末(歴史上超有名な悪者のチョビ髭の人が・・・)で、そこが意外な結末だったんだろうけど。真面目に観ていたので「ええ~?」と若干引き気味。
ブラッド・ピットメインでもっとハチャメチャなアクションを見せてくれていたら、そんなに真面目に観ていなかったと思うのだけれど。
ブラッド・ピットと肩を張るもう一方の主人公、メラニー・ロランが今イチ魅力的ではなかった。
なんか線が細いというか。幸薄そう。
復讐者だからそれでいいんだろうか。
キャスティング上手のタランティーノにしては珍しくミスった気がする。