コララインとボタンの魔女 3D [2010年3月に観た映画]
『コララインとボタンの魔女 3D』
“CORALINE” (2009・アメリカ) 1h40
製作・監督・脚本 : ヘンリー・セレック
声の出演 : ダコタ・ファニング、テリー・ハッチャー、ジョン・ホッジマン、ロバート・ベイリー・Jr、キース・デヴィッド
ボタンの魔女につけ狙われた少女の運命は。
何故魔女は主人公をつけ狙うのか?何か因果関係が有ったのか?
途中からボーっとしてしまったのでよく分からず。
全体としても、おとぎ話という事でいいのか、それともおとぎ話を装った裏に何か潜んでいるのか。よく分からず。
映像は凄かった。
ストップモーションなんだかCGなんだか、それらのミックスなんだか。よく分かんないけど凄かった。
異常なまでの完成度。病的と言ってもいいかもしれない。
病的なまでにこだわってこそ素晴しい作品が生まれるのだと思いました。
3Dは、3D眼鏡途中で面倒臭くなって外した。
外すと色がキレイだった。それまでの薄暗い世界から解放されたような気分でちょっと感動した。
3D眼鏡越しに見る事を前提としているので、より明るめに映写されているんだろうか?
エンドロールでは何かおまけ的なものが有るかと思って3D眼鏡を掛け直したら、最後に有りました。
トビネズミが飛び出してきた!
目の前にいるような感覚。初めて体験しました。
これが3Dかぁ。と、その醍醐味がようやっと分かった気がしました。
バッド・ルーテナント [2010年3月に観た映画]
『バッド・ルーテナント』
“THE BAD LIEUTENANT : PORT OF CALL NEW ORLENAS” (2009・アメリカ) 2h02
監督 : ヴェルナー・ヘルツォーク
出演 : ニコラス・ケイジ、エヴァ・メンデス、ヴァル・キルマー
ニコラス・ケイジの悪徳刑事。
正直面白くない映画でした。
が、ニコラス・ケイジがまたヘンな映画に出てる~。その一点のみでとても面白かった。
ヘンなニコラス・ケイジがたくさん見れた。
悪徳刑事を演じるニコラス・ケイジの悪ノリぶりに最初は違和感だけでしたが、段々と面白く思えてきました。
大型拳銃(マグナム?)を腹差ししてるニコラス・ケイジ。思い出すだけで笑える。
以前ショーン・ペンがニコラス・ケイジに対して、「しょうもない大作映画にばっかり出やがってあの野郎」みたいな事を直接だか間接にだか言われたみたいですが、それに反省してこんなのに出ちゃったんだろうか?
果たしてショーン・ペンはこの映画を観てニコラス・ケイジになんと言葉をかけるのだろう?
「・・・」 「ごめんよ、ショーン」
そしてこの方は恐らく。
「わし、もう知らん」
「伯父さん、ごめん」
何かそこはかとない悪意を感じるどっかの国のポスター。
ジュリアン・ムーアも負けじとまたヘンな映画に出てる~。
http://www.shelter-movie.jp/index.html
ハート・ロッカー [2010年3月に観た映画]
『ハート・ロッカー』
“THE HURT LOCKER” (2008・アメリカ) 2h11
製作・監督 : キャスリン・ビグロー
出演 : ジェレミー・レナー、アンソニー・マッキー、ブライアン・ジェラティ、レイフ・ファインズ、ガイ・ピアース、デヴィッド・モース
2004年夏。イラク、バグダッド。米軍爆弾処理班の日常。
アクションエンターテイメントな爆弾サスペンスかと思っていましたが、それで各映画賞ほぼ総なめのオスカーノミネートってどういう映画なんだろう?と想像がつきませんでした。
観たらやるせない映画だった。アクションエンターテイメントではなかった。キャスリン・ビグロー監督らしい男気溢れる映画では有りましたが。
なにかブライアン・デ・パルマ監督の『リダクテッド』に近いものを感じました。
『リダクテッド』はとことん救いの無い映画だったけど、本作にも救いは無かった。
戦場に生きがい、生き場所を見つけてしまった男が主人公。
永遠に終わる事がないと思われる戦争。誰もが良くない事だと分かっていても誰も止められない。それを表したラストシーンが見事。
それは戦争が日常として存在している世界が現実に有るという事で、戦争が有るという事はそこで戦っている人が必ずいるわけで。
そこに生きがいや生き場所を見つける事を誰も咎められないのではないだろうか。それが良い事だとは思っていなくても。
「戦争反対!」と声高に叫ばない反戦映画。「こんな現実が有りますけど、どう?」と目の前に突きつけてくる反戦映画だと思いました。
そんな硬派な映画を作るキャスリン・ビグロー、やっぱり男だなぁ。と改めて思いました。
オスカーゲットおめでとうございます。
パトリック・スウェイジもきっと喜んでいると思います。
ついでにエドガー・ライト監督も。
渇き [2010年3月に観た映画]
『渇き』
(2009・韓国) 2h13
製作・監督・脚本 : パク・チャヌク
出演 : ソン・ガンホ、キム・オクビン、シン・ハギュン、キム・ヘスク
聖職者が吸血鬼となる。
吸血鬼の体になりながらも心は聖職者のまま。
どうしようもない本能に理性で抗う主人公。
それははじめのうちは己の中でのみの事であったのでかろうじて均衡を保っていたけど、本能剥き出しの存在が現れる事で聖職者としての理性が押し潰されそうになる。
果たして理性は本能に打ち克てるのか。
というお話しをパク・チャヌク監督らしく粘着質にねっとりと描く。
じっくりじわじわと核心に迫っていく感じ。
パク・チャヌク作品はそこを楽しむ。と言うか観ている側もねっとりとした心持で作品を観るべきなのだろうけど、それ以前にじっくりじわじわを我慢できるのかどうか。が問題になってくる。
正直我慢できなかった。
もっとテンポアップして欲しかったけど、それではパク・チャヌク作品では無くなってしまうんだろう。とも思う。
パク・チャヌク監督の作品はテーマが重苦しいのばかりだけど、映像は革新的で印象に残るものが有る。
例えば『オールド・ボーイ』の横スクロールファイト。しか覚えてないけど。でも強烈に印象に残っている。
本作では主人公がヒロインを抱きかかえながら空高くジャンピングするシーンが素晴しかった。
カメラも一緒にジャンピングしている。
手塚治虫先生の『ジャンピング』を思い出した。
別のシーンで主人公とヒロインが別々にビルの屋上間をひょいひょいと渡るシーンはCGでちょっと残念。
他のシーンではほぼノーCGで多分ワイヤーかと思うけど、それによるフワッとした飛翔感は見ていて気持ちのいい飛び方だった。
その飛翔感、生身の人間がフワッと飛ぶ感覚はまだCGでは出せないように思う。ワイヤー消すのにCGは大活躍だけど。
ニンジャ・アサシン [2010年3月に観た映画]
『ニンジャ・アサシン』
“NINJA ASSASSIN” (2009・アメリカ) 1h39
監督 : ジェームズ・マクティーグ
出演 : Rain、ナオミ・ハリス、ショー・コスギ、リック・ユー
忍者はNINJAとなって世界を股にかける暗殺組織になっていた!
っていうお話し。
なので何でも有り。忍者を正しく描こうという気はさらさら無い。ただ単にハリウッドのアクション映画にアジアンテイストを入れたかっただけだと思う。
まぁそれでもアクションが凄ければそれで満足なわけで。
ところが、NINJA=闇、影。のイメージだけは有るようで、ほとんどが暗い場所でのアクションシーン。
それにカメラがよく動く。と言うか動き過ぎ。
暗いわ動きについていけないわでなんのこっちゃよく分からず。
アクションの質の低さを映像で誤魔化す。という感じではなく、アクションの質は高いのだけど映像に懲り過ぎてしまったためによく分からないアクションになってしまった感じで残念でした。
マイ・ライフ、マイ・ファミリー [2010年3月に観た映画]
『マイ・ライフ、マイ・ファミリー』
“THE SAVAGES” (2007・アメリカ) 1h55
監督・脚本 : タマラ・ジェンキンス
出演 : ローラ・リニー、フィリップ・シーモア・ホフマン、フィリップ・ボスコ
粗暴な父親の元で子供時代を過ごした兄妹。
時が経ち、父親が認知症になった為3人が久し振りに顔を合わせる事となった。
ネタバレあり。
親と子の確執、そして和解の物語かと思っていました。
この親子の間に確執は有るのだろうけど、その原因になっただろうと思われる兄妹の子供時代は描かれず。
それでも現在の父親に対する接し方や、それぞれの性格(特に父親)を通して過去に何かが有り、確執が生じたのだろうと思わせます。
和解は結局したんだかどうなんだか。
主に描かれるのは中年の危機に差し掛かった兄妹の現在。
それぐらいの年齢になれば、年老いた親の介護とその先の死、自分自身に関しては恋愛・結婚、仕事、人生について色々なことが目の前に起きてくる。
それにいかに対処していくべきなのか。
過去には色々な事が有っただろうけどそれに囚われず、現在を見つめ、そして未来に向かって生きる事が大事。
って事を実力派俳優2人によって、ユーモアを交えて語られる人生指南。これはそういう映画なのだろうと思いました。
妹役ローラ・リニーには、勝気、やり手、腹黒の役柄のイメージが強いのですが、本作では40歳を目前にした普通の女性役で新鮮な感じでした。
普通の女性には無い目力の強さを見せる所なども有って、やっぱりこの人自身が勝気なんじゃないだろうか?と思えましたが。
兄役フィリップ・シーモア・ホフマンは安定感抜群。その体型ゆえだろうか。
泰葉さんに言わせたら「金髪白ブタ野郎」になるのだろうか。なんて事を思ってしまいました。
という事で猪八戒のオファーが来たら是非引き受けて欲しい。
孫悟空、コリン・ファレル。
沙悟浄、ケヴィン・スペイシー。
三蔵法師、ケイト・ブランシェット。
オスカー俳優が3人もいる凄い『西遊記』になってしまった。