SSブログ

『コット、はじまりの夏』『恋におちて』 [映画]

『コット、はじまりの夏』 2022年、アイルランド、1時間35分。を観た。
1981年、アイルランドの農場で暮らす9歳の少女コット。五人姉弟の中で人一倍おとなしいコットが家庭の事情によりひと夏の間だけ母側の親戚の家に預けられる。

コットの両親が共に自分達の子供に興味が無いのかと思っていたがラストシーンで父親の方に問題が有るのだろうと思えた。父親がもっとしっかりしていればコットが親戚に預けられなければならない家庭の事情も元々が無かったのだろうし。母親もコットに対して冷たい様にも思えたけど、子供達はまだ未成年だし自分は妊娠中だし夫婦仲も経済的状況も良くなさそうだしで、そんなのが重なればコットに対して冷たいと思える様な態度になってしまうのは理解出来る。
母親に比べると父親は子供じみていていつでも何かに対して不満を持っていて、それが子供達への態度に現れている様に思える。
親だって人間だからそうなってしまうのも仕方ないのかもしれないけど子供の成長に親の在り方、親と言うか大人と言った方がいいのかもしれないが、それはとても重要で、コットもこの夏の出来事によって本当に頼りになる大人たちとの出会いが有って、コットがこの先どの様に成長したのかは分からないけど多分いい影響になったのだと思いたい。

言語が英語ではなかった。ケルト語?なんかちょっとアラビア語に近いようにも聞こえたし、ドイツ語っぽく聞こえる所も有った。
ウィキペディアを見るとアイルランドの第一公用語がゲール語(第二公用語が英語で現在は主に英語の方が使われているらしい)という事でケルト語の中に分類されるとの事。



『恋におちて』 1984年、アメリカ、1時間46分。を観た。
ニューヨーク郊外に暮らすフランクとモリー。それぞれの家庭を持つ二人だったがクリスマス・イブで賑わうニューヨーク中心街で偶然に出会う。その時から好印象を持った二人はお互いをより深く知る事で恋におちる。

何故か109シネマズプレミアム新宿でひっそりと上映されていたので観た。製作40周年記念で?
109シネマズプレミアム新宿では意外な作品があまり知られる事無く上映される事が有るので料金はお高いけど行かざるを得ない。
今後『ミッドナイト・ラン』とか、『アビス』の144分版とか、『アルカトラズからの脱出』とか好きな作品で映画館では観た事の無い作品が上映される事を期待してしまう。他のお客さんが入らないかもしれないが。その時はよりお高いSクラスの方にしてしまうかも。本作は若干お安いAクラスの方。

本作も映画館では初見。大分昔に多分まだレンタルビデオの時代に観た事だけは憶えている。
大雑把にW不倫モノという印象だったけど改めて観て、確かにW不倫ではあるんだけどフランクとモリーが真面目な人間であるが故に許されない恋に悩んで葛藤する姿が描かれる純愛映画でもあるんだろうなと思った。
純愛映画としてだけで観ればいい映画ではあった。ただフランクとモリーに関しては純愛ではあるんだけど、不倫となればお互いの結婚相手もいるわけで、その結婚相手にしてみれば一線は越えていなかったとしてもただの浮気であってそれを純愛と言われても納得したくないだろうなとは思う。
その不倫のドロドロより純愛のときめきや爽やかさ、一途さを描く事を狙いとしている。音楽もそんな感じだった。

時間経過がちょっと分かりづらい。シーンが変わると何ヵ月か過ぎていたりする。モリーの旦那さんが突然モリーとフランクの関係を知っていたりするのはその間に何かが有ったという事なのだろう。

当然デ・ニーロとメリル・ストリープが若い。デ・ニーロが『タクシー・ドライバー』の時の面影がチラッとだけ見える。本作ではエキセントリックではない普通のデ・ニーロ。個人的にはどちらかと言うと普通のデ・ニーロの方が好き。ハーヴェイ・カイテルもダイアン・ウィーストも若い。ハーヴェイ・カイテルも珍しく普通。
本作のウール・グロスバード監督とデ・ニーロは1981年の『告白』で組んでいるが未見なのでいつか観てみたい。ロバート・デュヴァルとの共演。撮影以外ではお互いにロバートの愛称であるボブと呼び合うのだろうか?「ヘイ、ボブ」「ハーイ、ボブ」と。
コメント(0) 

『エグザイル/絆』『千年女優』『エレクション 死の報復』 [映画]

『エグザイル/絆』 2006年、香港、1時間49分。を観た。
青春時代から共に裏社会で生きてきた五人の男、ブレイズ、タイ、ウー、ファット、キャット。
ウーが組織のボスであるフェイを襲撃するが失敗に終わり逃走。激怒したボスはブレイズとファットに始末を命令する。ウーの隠れ家を見付けた二人の前にタイとキャットが現れ五人が顔を合わせる。

シネマート新宿 "ジョニー・トー 漢の絆セレクション"にて。

ジョニー・トー監督は撮影時にも脚本が無い、もしくは完成していないという事を自身で話されるけどそれは多分ネタとしてそう言った方が面白いからではないかと思っているが、もしかしたら本作の場合は本当なのかなあと思える。かと言って支離滅裂なのではなくて、ある程度のストーリーは決まっていて(そうじゃなければ撮影スケジュールが組めないだろうし)その中で自由に撮影をしているんではないか。リッチー・レンの役柄は正にそんな感じで意外な所(前フリはちゃんと有る)でフラッと現れて登場シーンが終わったら姿を現さない。それがカッコ良かったしおいしい役でも有った。



『千年女優』 2001年、日本、1時間27分。を観た。
突然の引退で姿を消した大女優藤原千代子が30年振りに公式なインタビューに応じた理由は千代子の熱烈なファンでもあるインタビュアーが千代子にとって特別な思い入れのある物を渡したいと申し出たからだった。

去年の1月にも映画館で観ているがその時は4K化されての上映だったはず? 元旦に立川シネマシティでの"レジェンドアニメ 4K【極音】第1弾”でだった。第2弾が『カリオストロの城』第3弾が『AKIRA』で第4弾が今年に入って『スペースアドベンチャー コブラ』と続いている。
今回は今 敏監督作品のリバイバル上映企画で去年の9月に第一弾として『PERFECT BLUE パーフェクト ブルー』が上映されたのに引き続き第二弾として本作が全国で上映された。

作画監督は本田雄(ほんだ たけし)さん。どなたが作画されてるとかそんなには気にしてはいないし、そもそも誰がどのシーンを担当されてるのかはあんまりよく分からない。テレビの『クレヨンしんちゃん』の時の林静香さんの時だけはなんとなく分かる。いつか映画の方での作画監督も大変だろうけどして欲しい。
作画監督は全体の統一をとるのが大切な役割でもあるらしいけど、それでも「師匠」と呼ばれ認められているほどの凄腕アニメーターが手掛ければ作品の質は自然と上がる事になって、だから本作も作画面でも一流の作品になったのだろうと思う。
https://fullfrontal.moe/%e6%9c%ac%e7%94%b0%e9%9b%84/
本田雄さんのインタビュー。作画監督を務めた『君たちはどう生きるか』公開時のインタビューだけど今 敏監督についてもお話しされている。



『エレクション 死の報復』 2006年、香港、1時間32分。を観た。
香港最大の裏組織和連勝会で表向きは公正に行われる会長選挙。現会長のロクは二年一期の掟を破る事になる再選を目論み根回しに動いていた。有力候補であるジミーの黒社会から足を洗うための立候補はロクとの武力抗争へと発展する。

シネマート新宿 "ジョニー・トー 漢の絆セレクション"にて。

以前に一度観ているがここまで前作を上回るバイオレンスなのは忘れていた。単にセンセーショナルである事を狙ったのではなくて黒社会を描く上で必要なのは分かる。結局暴力がものを言う社会で暴力をエスカレートさせた者が権力を手にする。エスカレートさせ続けた挙げ句には破滅が待っているのも必然であって、本作では個人で破滅はしているけど組織としてはまだ破滅には至っていない。多分破滅まで描きたいんじゃないかと想像するけどもう18年が経っている。でも組織の在り方が変わりそうな事も示されていたので20年後の続きというのも有りそうな気はする。中国当局もかなり深く関わってきそうな。
そうなると香港=中国の合作映画になるんだろうと思うが中国映画は悪を絶対に許さないから裏社会の組織の破滅を描くには都合がいいのかもしれない。

原題にある"以和為貴"とは「和を以って貴と為す」という意味らしくて、裏社会であっても和が大事でその戒めとして各組織には和の一文字を入れるべしと定められている。その戒めはどこへやらといった感じで何とも皮肉が効いている。

今回の四本の上映作品を観てジョニー・トー監督作品ではサイモン・ヤムの役柄は他の監督の人の作品とは違うような気がする。どちらかと言うと好人物のイメージがあるサイモン・ヤムのダークな部分を炙り出そうとしているような。
ニック・チョンもジョニー・トー監督作品ではキレてる役が多い。バイオレンス映画であるからそういう役柄にはなるのだろうけど。
逆にラム・シューはコメディリリーフな扱いが多い。
コメント(0) 

『哀れなるものたち』『エレクション 黒社会』『ブレイキング・ニュース デジタルリマスター版』 [映画]

『哀れなるものたち』 2023年、イギリス、2時間21分。を観た。
イギリス、ロンドン。外科医ゴドウィン・バクスター博士はベラ・バクスターと同居していた。博士は自由奔放に生きるベラを観察する様に温かく見守っていた。

本能と学習という事なのだろうと思う。小林啓一監督作品『恋は光』(2022年)の中で本能の対義語は学習であると言われて、そう言われればそうだなと納得した。本作の本能はかなりアダルトだけど学んで習って、そして考える事が大切なのだと。
博士にとってベラは研究対象であったけどそこに父と娘に似た感情を抱く様になる。
博士は何を研究していたのだろうか?勝手な想像だけど人間特有とも言える心は身体のどこの部分にどの様にしていつ芽生えて成長するのか?だったんじゃないだろうか。本能だけでは心は芽生えなくて、経験と学習によって芽生え育まれる。それは脳だけの間接的な経験だけではなくて身体を使った直接的な経験によって。
博士は自らも過酷な経験をしてきたという事だけど、それはあくまで博士の個人的な事であって、心が芽生える過程もその時は意識すらしていなかっただろうし。研究者としては観察する対象が必要でベラが現れて実行に移したのだろう。
人間という哀れな生き物は学習する事によってちょっとはましな存在になる事が出来て、そしてヤギ人間を造り出せる事も出来ると。



『エレクション 黒社会』 2005年、香港、1時間40分。を観た。
香港最大の裏組織"和連勝会"で2年毎に行われる会長選挙。冷静なロクと感情的なディー、二人の候補者はお互いのやり方で選挙戦を戦っていたが最終的に会長に選ばれた者が手にする竜頭棍の力による争奪戦になだれ込む。

シネマート新宿 "ジョニー・トー 漢の絆セレクション"にて。
邦題は以前は『エレクション』だったけど正式に『エレクション 黒社会』に変わったのだろうか。DVDタイトルは以前から『エレクション 黒社会』。

派閥の友好関係、敵対関係、そのどちらとも言えない関係(状況を見てどちらにつくか決める)によって動いていた動かされていた男達が最終的にロク(サイモン・ヤム)の元に集まるシーンが良かった。集まった男達がジョニー・トー組と言える人達なのが嬉しい。現在の香港映画の状況を考えるともう二度とこの人達がスクリーンの中で集まる事はないんじゃないかと思えて寂しかったりもするが、でもまだ嬉しさの方が勝っている。
続編も観ているのだけど内容は殆んど覚えていないが、確か固いと思われていた男達の絆が綻んで。みたいな感じだったんじゃないだろうか。それはそれでジョニー・トー監督らしさの一部ではあるかと思う。本作でも続編を意識していたのかは分からないがそうなる事は十分に匂わせていた。



『ブレイキング・ニュース デジタルリマスター版』 2004年、香港、1時間29分。を観た。
ユアン率いる強盗団のアジトを張っていたチョン刑事。街中での銃撃戦となるが強盗団を捕り逃がした醜態をテレビで放送されてしまう。香港警察の名誉を挽回するため指揮官のレベッカは警察官にカメラを装着させ犯人逮捕までを随時テレビで放送する奇策に出る。

シネマート新宿 "ジョニー・トー 漢の絆セレクション"にて。

ジョニー・トー監督作品と言えば男の美学を描く印象で今回の特集上映のテーマになっている。自分もそう思っていたけどフィルモグラフィを見ればコメディからラブロマンスからそしてバイオレンスまで色んな作品を撮っていて、その中で男の美学が描かれている作品というのは実はそんなに多くないのかもしれないと思うようになった。本作も犯罪エンターテインメント映画で男の美学と言える所はちょっとは有るかなあという感じ。ラム・シューに至っては父親としてやってはいけない美学の欠片もない事をするし。ラム・シューだからそういう事をしても笑って許せはするけど。

団地アクションになるのがやっぱりいい。団地と言うより高層アパートといった感じだけど。でも造りは似た様なもの。現実でも中国本土からの犯罪者が隠れやすい温床にもなっていてそういう所が中国当局が干渉してくる一つの原因になってしまったのかもしれない。
団地アクションが何故面白いのか?平面だけでない高低を加えた三次元の動きが出来るのが面白さになるのだろうと思う。ジャッキーの映画でも団地ではないけど高低を生かしたアクションが色々と思い浮かぶ。ジージャーの『チョコレート・ファイター』での建物の壁面でのアクションは高低に特化したアクションで凄かったし面白かった。
アクションだけに限らず物語の展開、場面の転換としても高低を生かすとワンシチュエーションであっても空間の広がりみたいなものが出るのかも。
高低を加えた三次元に更に時間を加えた四次元の映画が『リバー、流れないでよ』。

ジョニー・トー監督がこの特集上映のためだけなのかは分からないが来日して舞台挨拶をしていた事には後になって知った。https://www.cinemart.co.jp/article/news/20240129008509.html
アンソニー・ウォンも主演映画『白日青春-生きてこそ-』で来日していた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/14294094f60d2fbf79197cbdedceee2441357481
コメント(0) 

『サンクスギビング』『悪魔のシスター デジタルリマスター版』『ヘルレイザー2:ヘルバウンド』 [映画]

『サンクスギビング』2023年、アメリカ、1時間46分。を観た。
その年の農作物の収穫や共に生きる人たちへ感謝するサンクスギビング。本来は家族や身内と共に祝祭する日であったが現在は大手小売り店舗の特売セールが行われる日としての認知が広まっていた。人々は感謝する気持ちを忘れ我先にセール商品に群がり、そして惨劇が起こる。

2007年にクエンティン・タランティーノ監督とロバート・ロドリゲス監督がかつてのエクスプロイテーション映画の二本立てを再現した『グラインドハウス』の中で再現の一環として作られた架空の予告を16年越しでイーライ・ロス監督自らが長編映画化。
その架空の予告は5本有ってその内本作、『マチェーテ』、『ホーボー・ウィズ・ショットガン』の3本が長編映画化されている。
どんな予告だったかは全く覚えていなかったけどイーライ・ロス監督作品であるのであればどういった作品なのかはある程度は予想出来て、その予想を裏切らないえげつないホラー映画で面白かった。ミステリー要素も有ってそこら辺は『スクリーム』シリーズっぽい感じがした。

主人公のお父さん役のリック・ホフマンが独特な雰囲気な人で良かった。下膨れな顔立ちが映画評論家の水野晴男さんを想像させる。
フィルモグラフィを見ると主にテレビドラマの方で活躍している。映画の出演作品では結構観ているのが有ったけどこれまではあんまり印象には残っていなかった。
イーライ・ロス監督作品の『ホステル』シリーズ2作品にも出演しているが『ホステル』シリーズは怖いので観ていない。本編後のおまけは『ホステル』繋がりの感じなのだろうか。



『悪魔のシスター デジタルリマスター版』1973年、アメリカ、1時間32分。を観た。
テレビクイズ番組の出題コーナーで共演したモデルのダニエルとエージェントのフィリップは放送出演後に一夜を共にする。翌朝、その日がダニエルの誕生日と知ったフィリップはダニエルに頼まれた買い物と一緒にバースデーケーキを持ち帰り祝おうとしたがベッドに寝ていたのはまるで別人のようなダニエルだった。

デジタルリマスター版によるリバイバル公開。確かもう十数年前になってしまうのか今は無きシアターN渋谷での上映を観た記憶が有る。
シアターN渋谷じゃなかったかもしれないと思って調べてみるとhttps://www.theater-n.com/movie/list/シアターN渋谷で観たのはリメイク版の『シスターズ』の方だった(2008年2月)。本作も確かに観ているのだけど映画館で観たのか家でレンタルか配信で観たのかは思い出せない。

ブライアン・デ・パルマ監督がヒッチコック監督作品の熱烈な信望者として知られるようになった初めての作品という事でいいのだろうか。本作ではまだ「ヒッチコックっぽくね」くらいの感じだったのかも。ヒッチコック監督作品にあまり詳しくはないが『裏窓』からの影響は確かに有るかなと思う。

当時はタブーとされていた物事をある意味で見世物小屋的なエンターテインメント作品の中で活用したいかがわしさが当時のブライアン・デ・パルマ監督の持ち味だったのかもしれない。
その面白さは有ると思うが面白さ本意で活用してしまう無邪気さや無知は現代では叩かれてしまいそう。無邪気な時代だからこそ作られた作品。

ブライアン・デ・パルマ監督作品の常連だったウィリアム・フィンレイが見た目も演技もいかがわしくて良かった。
自分が知らないだけかもしれないが現代ではいかがわしい役者さんもあまり見かけなくなったように思う。かつての日本だと大泉滉さんの様な。旧・若人あきら、現・我修院達也さんが唯一そのポジションにいるか。



『ヘルレイザー2:ヘルバウンド』1988年、アメリカ、1時間39分。で寝た。
『悪魔のシスター』の終盤でちょっとうとうとしかけたのを引きずってこちらではほぼ全編でうとうとしていた。例年の目標としている映画館で居眠りこかないを今年は1月で早くも達成出来ず。
完全な寝落ちはしなかったけど内容は全く頭に入ってこなかった。『ヘルレイザー』シリーズと言えばのピンヘッドの出番はそれほど多くはなかった様な気はする。
シネマート新宿でシリーズの4作目までが劇場公開されて4作目の宇宙編が観たかったのだけどこの状態で観ても理解出来る気がしないので断念せざるを得ない。
4作目はアラン・スミシー監督になってしまっているという事で作品の出来はある程度覚悟の上で観なければならないが。

コメント(0) 

『アクアマン/失われた王国』 [映画]

『アクアマン/失われた王国』2023年、アメリカ、2時間4分。を観た。
海底帝国アトランティスの王となったアクアマンは地上人たちに自分たちの存在を知らせ手を取り合い共に生きていくべきだと主張するが評議会の賛同は得られずにいた。
父の仇であるアクアマンへの復讐を誓うブラックマンタは破壊されたパワースーツの修理を急務としていたが南極の氷河で呪われた古代文明と遭遇しかつてないほどのパワーを得る。

ハリウッドエクスプレスで本作の映像を見てブラックマンタも出ているのを知ったので観た。それまでブラックマンタの存在をすっかり忘れていた。
昨年は封印していたシリーズモノを解禁。アメコミヒーローモノも観ないつもりでいたがこちらもあっさりと解禁。マーベルの方には気になるキャラクターがいないので観ないかも。
DCのヒーローモノを観るのはいつ以来だろう?と思い返してみると一昨年の『DC がんばれ!スーパーペット』以来。

前作『アクアマン』は2018年の作品。内容はほとんど覚えていなかったので本作の内容について行けるか心配だったけど一応何とかついては行けた。ニコール・キッドマンとドルフ・ラングレンが夫婦役だと勘違いしていたけど。
当然前作との繋がりを理解していた方がより楽しめるのだろうけどあくまで単品としての『アクアマン』の続編であって他のDCのスーパーヒーローとの繋がりとか面倒臭い事が無いので本作だけに集中できるので良かった。スーパーマンがいたらすぐに解決してしまいそうだし。
確か『ザ・フラッシュ』の方で時間軸いじくってマルチユニバースな感じになっている。という情報だけは得ているが本作ではそこら辺はあまり関係無かったのも良かった。

しかし、地上の人間と海の生き物たちは共存するべきという崇高なメッセージを謳っているがそれが出来るかと言えば人間にとって海の生き物は大概が食糧なのであって、海底人という人の形をしていたら食糧とはみなさないだろうし、海底人たちも一部の海棲生物を食糧としているのかもしれないけど難しい問題になるだろうなと思う。
アクアマン個人の問題としても特殊能力に全ての海の生き物と意思の疎通が出来るというのが有って、食糧となってしまう生き物の意思が理解出来たら発狂してしまいそう。
本編後エンドクレジット途中のオマケが実は食糧問題解決の伏線だったりして。現実社会でも将来実際に有り得るのかもしれない。高タンパクらしいし。

ブラックマンタはアクアマンの邪魔をするだけの迷惑者的な扱いだと予想して覚悟もしていたけどアクアマンとがっつりと対峙する悪役で良かった。
見た目も前作よりもカッコ良くなってるような気がする。見慣れただけかもしれないが。
今回が帰ってきたブラックマンタ(新マンタ)で、次がブラックマンタセブン、ブラックマンタA(エース)、ブラックマンタタロウ、ブラックマンタレオ、ブラックマンタ80と続いていくのでは。それが予感出来るマスクが複数存在していたし。

新マンはセブンの次だった。
ザ☆ウルトラマンのオープニングがヌルヌル動いて凄い。



ハンマーヘッドシャーク型の潜水艦がカッコ良かった。海底人の乗り物ではなかったけど海底人からしたら潜水艦とは呼ばないのかも。地上に上がった時が地上に潜っているわけで、だから水に潜ってるのではなくて水中を飛んでるイメージになるんじゃないだろうか。だとすると飛水艦か。




ブラックマンタ マスク 大人用 アクアマン 目が光る

ブラックマンタ マスク 大人用 アクアマン 目が光る

  • 出版社/メーカー: Rubies Costumes
  • メディア: ウェア&シューズ


コメント(0) 

『ゴジラ-1.0』『野球どアホウ未亡人』 [映画]

『ゴジラ-1.0』2023年、日本、2時間5分。を観た。
第二次大戦敗戦からの復興が始まった日本の首都東京に巨大な生物が上陸。街を破壊し去ってゆくが有識者は近日中に再上陸が有るものと想定し上陸前の海上での殲滅作戦を立案する。海軍帰還兵から有志を募り作戦は準備段階に入った。

公開から2ヶ月が経って次に観る映画の時間合わせに丁度良かったので観た。
エヴァンゲリオンのヤシマ作戦っぽい感じになる所が緊張感が有って良かった。作戦の実行前にその作戦の全容が明らかにされるとその作戦は失敗するのは映画に限らず物語あるあるで、失敗有りきで何故失敗するのか、そこからどうやって立て直すのか、立て直せないのか。そこら辺も見せ所になってくる。
山崎貴監督は観てて気恥ずかしくなる事を真っ正面からやる人という印象。あの敬礼は誰に対してどんな感情でしたのだろう?元軍人だからするんだろうけど。
日本でもアメリカでも大ヒットという事でシリーズ化されるのかもしれないがこの後も本作の様な感じではやりづらい様な気がする。結局ゴジラ以外の他の人気怪獣が出て来るんだろうし。

恐らく初対面(対面はしてないが)である海外の人からしたら神木くんは本作の大人で心に傷を負った男の印象になるわけで、子供の頃から知っている大概の日本人の印象とは大分違うのだろう。その意味では「純っ!」そして「おい満男」の吉岡秀隆さんも同じ。

キャストに関してはおじさん俳優の層の薄さが気になった。美形ではなくてもカッコいいおじさんが少ない。おじいさんに至ってはチラッとだけ出ていた橋爪功さんくらいか。おばさん、おばあさんもほとんど出てこない。
戦争から立ち直って新しいスタートを踏み出そうとする物語には年寄りはあんまり必要ではないのかもしれない。




『野球どアホウ未亡人』2023年、日本、1時間。を観た。
草野球チーム多摩川メッツの監督である重野進は高校野球甲子園大会の決勝まで進んだ経歴を持ち己の野球道を究めるため選手に厳しい指導を行っていた。重野の生きざまに魅了された水原賢一は盲信的に指導を受け野球漬けの生活になっていた。そんな賢一に不満を抱く妻の夏子は野球をそして重野を嫌っていたが重野は夏子に自分の野球道を体現出来る素質を見い出していた。

池袋シネマ・ロサにて。2024年のロサ初め。

去年の8月にロサで封切りされて以来各地で上映が続けられ年が明けてロサでの凱旋上映が始まった。
8月の時も観ようかなと思っていたのだけど何かの情報でポルノ映画らしいとの事だったので腰が引けてしまった。
今回は意を決してネットで予約。それから本作に関しての情報を調べると「ポルノ映画」の文言が見当たらず、ある所には「大人も子供も楽しめる」とまで書かれてもいた。
どういう事なんだろう?と思いながら『まいっちんぐマチ子先生』的なちょっとエッチな作品なのかもとも思いながら観たらエロな要素は微かに有るっちゃ有る。かな?くらいの感じだった。
どうやらお色気映画のエッセンスが織り込まれているらしい。それなら最初からそう正しく伝えてくれればいいのに。ポルノ映画を期待していた人にも良くないし。


野球漫画の伝道者であり求道者であった水島新司先生の作品へのリスペクトが随所で感じられるのが楽しい。梶原一騎先生の作品からの影響も見られるのでかつてのスポ根作品全般へのリスペクトか。
タイトルからして『男どアホウ甲子園』からだし、ヒロインの名前が水原夏子なのは『野球狂の詩』の水原勇気と『ドカベン』の夏子はんからだろうと思う。
しかし本作の小野監督をはじめとしてスタッフには実際の野球の経験者はいないのだとか。だからなのか野球に対して曲解していてそれが面白いんだけど水島新司先生、梶原一騎先生の墓前には行って一言でもお詫びをした方がいいんじゃないかと思う。



コメント(0) 

『シャクラ』『コンクリート・ユートピア』 [映画]

『シャクラ』2023年、香港=中国、2時間10分。を観た。
宋の時代の中国。一大勢力を誇る武侠のリーダー喬峯(きょう・ほう)が突如部下の殺害の疑いをかけられ尚且つ自らも初めて知る出自を明かされ掟に従いリーダーの座を奪われ命も狙われる。
疑いを晴らすため、そして自分は何者なのかを知るため喬峯は厚い信頼で結ばれていた仲間達との死闘を繰り広げる。

ドニーさんが監督・主演。
宋の時代の事がさっぱり分からず初めの内は物凄い戸惑ったが次第になんとなくは理解出来た。人名と単語が難しく読めない漢字は形で覚えて人名を覚えるのは無理だった。
現代の感覚ではそうはならないんではないかと思える展開も宋の時代では有り得るのだろうと思いそういう所が面白かった。

日本で言うと清水の次郎長なのではないかと思った。清水の次郎長と違うのは侠客でありながら政府の手助けもしている所か。
清水の次郎長がなんやかんや有って子分の森の石松や大政、小政(名前を知ってるのはその三人だけ)と命をかけて闘わなければならなくなるとしたら複雑ではあるけど闘わなければならない理由に納得させられたらそれは熱い物語に成り得るのだろうと思う。本作ではそこの所が主人公のキャラクターと監督として演出して役者として演じているドニーさんによって納得のいくものになっていてとても熱い物語になっていたと思う。契りを絶つための儀式のシーンが良かった。
そしてドニーさんの映画にしては珍しいロマンスがきっちりと描かれているのも良かった。珍しいという事はなく『イップ・マン』シリーズでもロマンスが描かれていたか。ロマンスが芽生える瞬間の初々しさが描かれているのが良かった。お相手の女優さんが可愛かったし。
初々しいけどドニーさんの実年齢は○○歳。○○歳を全く感じさせないのが凄い。

アクションシーンではデジタルなエフェクト多めなのが最初は折角のドニーさんのアクションにそんな事して勿体ないなあと思っていたが喬峯のとんでもない強さを現すための視覚的な方法だと分かってからは素直に見れて喬峯のとんでもない強さを見せつけられて自然と笑顔になった。

原作の武侠小説『天龍八部』は『三国志』の様な遥か昔に書かれたものかと思ったが1960年代に書かれたものだった。『ゴッドファーザー』が1969年なのでそれよりも早いのか。

喬峯の出自はモンゴルなのだろうか?中国当局の検閲には引っ掛からなかったのは本作に描かれているその後の展開で何か色々と有るからだろうか。
本作の続編が製作予定でその後が描かれるような感じではあったけど、本作も正しくは分かっていないのでその後の事が分かる気がしない。
ドニーさんの孫悟空の時も肝心の主演のドニーさんが交代とか有ったし本当に続編が作られるんだろうか。




『コンクリート・ユートピア』2023年、韓国、2時間10分。を観た。
突然の大災害に遭い壊滅した韓国ソウル。奇跡的に団地の一棟が残った。

自然災害の後には人災が起こるであろう。という教訓で、確かにそうなんだろうとは思うし、そうならないようにしなければならないとは思うが、現在の状況で観る映画ではなかったかなと思う。

確かマイナス26℃にまで気温が下がってその事が事態をより酷くもしていたが実際にソウルがそこまで気温が下がる事はないみたい。異常気象も起こっていたのか、粉塵で日光が遮られて気温が上がらないのか。
団地の高層階(9階とか10階まで有ったみたい)の室温はもっと下がりそう。床暖房のオンドルが設置されていたとしても状況的に使えないか。
コメント(0) 

『カサンドラ・クロス』『TALK TO ME トーク・トゥ・ミー』『スーパーバッド』 [映画]

『カサンドラ・クロス』(1976年、イタリア=イギリス、2時間8分)を観た。
スイス、ジュネーヴの国際保健機関本部ビルに過激派のテロリストが侵入し爆破を目論むが警備員の決死の抵抗によって敢え無く失敗。銃撃戦となり逃げ込んだ一室で流れ弾によって破壊された容器の液体を全身に浴び1人だけは窓を突き破りビルから飛び降り逃走。現場にやってきたアメリカ軍の軍人はその液体の秘密を守るため極秘に処理しようと動く。スウェーデン人であるテロリストがジュネーヴ発パリ経由のストックホルム行きの大陸縦断列車に忍び込んでいる事を調べ上げ行き先を変更させポーランドのヤノフへと向かわせるがその手前にある「カサンドラ・クロス」と呼ばれる橋梁は老朽化が激しく乗客乗員約1000人を乗せた列車の通行の際に崩落する危険が有った。

午前十時の映画祭13にて。
シーズン14の開催も決定。上映作品はまだ発表されていないが池袋での上映劇場はTOHOシネマズ池袋からグランドシネマサンシャインに変わるらしい。

大分昔にレンタルビデオで一度観ている。観た事だけを覚えていて内容はほとんど忘れていた。
全編に渡ってパニックアクションサスペンスとしての緊張感やリアリティが持続しているかと言えばそれは無いかなと思うが、終盤の無情でシビアとも言える展開がただの絵空事では無い現実味を帯びさせているのが本作の良さではないかと思った。

リチャード・ハリスの髪型があれはカッコいいのか分からなかったけど、多分あの髪型は古の王国の騎士(王様かもしれない)を意識しているのではないかと薄っすらと思った。この映画の役割も列車の乗客乗員を守ろうとする勇敢な人物であったし。
イタリアの大女優ソフィア・ローレンが登場シーンからしばらくはケバいなと感じていたが物語が進んで性格に優しさが出てくると容姿や表情にもその優しさが現れてくるのがさすがだった。
マーティン・シーンの若い頃の出演作品を観ていないので意外な役に思えた。やっぱり間違いなくチャーリー・シーンのお父さんだなとも思えた。これからチャーリー・シーンが年取ってくるとやっぱりマーティン・シーンの子供だなと思えてくるのだろう。



『TALK TO ME トーク・トゥ・ミー』(2023年、オーストラリア、1時間35分)を観た。
夜な夜な若者たちのパーティーで行われている降霊儀式。

国内国外を問わずパーティーピーポーの方たちへの共感も理解も無いので本作で起きた惨事にも自業自得としか思えない。そもそもホラー映画で若者が犠牲になるのは自業自得が大半であって、そしてホラー映画なのだからその自業自得も含めて楽しまなければならないのだろうとは思うけど。
怪談話としてのオチは面白かった。エピローグであれはどこに行ったのか分からなかったがエンドクレジットを眺めていたらどうやらあれはギリシャ人(GREECE)の所に行ったみたい。ギリシャに渡ったのか、オーストラリアのギリシャ人コミュニティの所に行ったのかは分からない。ギリシャである事に何か意味が有るのだろうか。



『スーパーバッド』(2007年、アメリカ、1時間53分)を観た。
卒業間近の高校生たち。パーティーに必要不可欠なアルコールを調達してモテようとする男子。

シネマート新宿にて。これまでは劇場未公開、DVDタイトル『スーパーバッド 童貞ウォーズ』が『童貞ウォーズ』を捨て、5日間のみ1日1回での限定上映。

こちらもパーティーピーポーへの共感も理解も湧かないのでコメディだけどほとんど笑えず。主役のジョナ・ヒルが苦手なのも一因に有るのは間違いないと思う。ある日突然苦手意識が無くなる事も有るが今はまだその時ではなかった。
本作の主役たちはパーティーから除外されている人物だけどそれでもなんだかんだ言ってパーティーピーポーであると見なす己の闇の深さを思い知らされる。
コメント(0) 

『首』『ウィッシュ』 [映画]

『首』(2023年、日本、2時間11分)を観た。
天下統一を目前とした織田信長は跡目をちらつかせ家臣を非道に扱っていた。明智光秀は羽柴秀吉(後の豊臣秀吉)によって信長の真意を知らされ信長を討つ覚悟を決める。

戦国時代末期の色々な事が隠す事無く描かれている。戦国時代末期に限らずどの時代にも隠したい事は色々と有るのだろうけど。
歴史にはその結果が残されていて、何故その結果に至ったのか、特に重要である人間関係においては書簡とか伝聞とかの文書で伝えられている所は有るにしてもそれが真実かというとやはり隠したい所は隠されていたり、誰かの思惑や悪意によって改竄されていたりしている可能性も有るわけで、そこの所を色々と想像を膨らませられるのがある意味での歴史の面白さになるのかもしれない。

北野監督の『座頭市』以来の時代劇。合戦シーンは初めてか。合戦シーンを撮ろうと思う時点で既に凄いなと思う。『風雲たけし城』での経験とかも活かされたりしたのだろうか。
真っ昼間の町中で忍者が黒装束なのは逆に目立ってしまうんじゃないかと思うが。

劇団ひとりさんは半裸(ほぼ全裸のふんどし一丁だったか?)で出演。たけし軍団からは柳ユーレイさんが出ていた。北野作品の常連芦川誠さんは本作にも出ていて全作品に出ているんじゃないかと思っていたが何作品かには出ていないみたい。岸部一徳さんは『その男、凶暴につき』以来かと思ったが『アウトレイジ』にも出ていた。と、色々と勘違いや忘れている事が有る。人間の記憶なんてそんなもので、社会的に大事な事なんかも勘違いや思い違いが歴史に残ってしまうのかもしれない。
アマレス兄弟(コンビ名なだけで実際には血の繋がりは無いらしい)は異例の大抜擢で北野監督のその真意は謎との事。後にアマレス兄弟は何故キャスティングされたのか?その謎が推察される物語が誰かによって作られるのかもしれない。




『ウィッシュ』(2023年、アメリカ、1時間35分)を観た。
魔法使いの王によって王国の民全ての願いが叶うと云われる魔法の国。18歳になった時その願いを一時的に国王に預けなければならず願いが叶う時を待たなければならなかった。

ディズニー創立100周年記念作品という事。同時上映の短編『ワンス・アポン・ア・スタジオ 100年の思い出』(9分)でも100年の間の人気キャラクター(『ダイナソー』の恐竜も出てた。人気が有るのかは分からないが)が多数出演していて100周年記念を盛り上げていた。
本作の方がメインという事になるのだろう。内容はディズニーの100年間にこだわっていて、それは常に希望や夢それらの願い(WISH)が叶えられる事が描かれる作品を作り続けてきた歴史であると。
その事を豪華絢爛に賑々しく祝祭するのではなく、粛々と地味にお祝いする感じだった。
その印象になったのは画面の色合いが抑えた(くすんだ?)色調だったのが大きいと思う。少し奮発してドルビーシネマで観たので上映システムによるものではないはず。
背景がいわゆるCGアニメの背景ではなく手描きアニメ風の背景である事も一因になっているのかもしれないが手描きアニメ風の背景はとても良かった。ただ、背景の色合いも地味だった。
コメント(0) 

2023年ベスト40 [映画]

1月
『千年女優 〈4Kデジタルリマスター版〉』 (2001年)
『ほの蒼き瞳』
『ラストエンペラー 劇場公開版 4Kレストア版』(1988年)

2月
『バイオレント・ナイト』
『FALL/フォール』
『コンパートメントNo.6』
『恋はデジャブ』 (1993年)

3月
『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
『クラッシャージョウ』 (1983年)
『シン・仮面ライダー』
『マッシブ・タレント』

4月
『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』
『生きる LIVING』
『映画クレヨンしんちゃん アクション仮面VSハイグレ魔王』 (1993年)
『AIR/エア』

5月
『映画クレヨンしんちゃん 雲黒斎の野望』 (1995年)

6月
『雄獅少年/ライオン少年』
『キャッツ・ドント・ダンス』 (1996年)
『映画クレヨンしんちゃん ブリブリ王国の秘宝』 (1994年)
『リバー、流れないでよ』


7月

『君たちはどう生きるか』

『ノーカントリー』(2007年)


8月

『シャーク・ド・フランス』


9月

『残酷ドラゴン 血斗竜門の宿』(1967年)

『ザ・コミットメンツ』(1991年)

『ヒンターラント』

『PERFECT BLUE パーフェクト ブルー 〈4Kリマスター版〉』(1998年)

『ミュータント・タートルズ:ミュータント・パニック!』

『バーナデット ママは行方不明』


10月

『ビッグ ウェンズデー』(1978年)

『ハント』

『ロスト・キング 500年越しの運命』

『北極百貨店のコンシェルジュさん』

『ガープの世界』(1982年)


11月

『SISU/シス 不死身の男』

『スラムドッグス』

『ロスト・フライト』


12月

『バーブ&スター ヴェスタ・デル・マーレへ行く』

『ヘル・レイザー〈4K〉』(1987年)

『パウ・パトロール ザ・マイティ・ムービー』


上半期下半期ともに20本だった。
来年以降はどうするか決めていないが今年はシリーズモノを観ないようにしたら(「映画クレヨンしんちゃん」を除く。『パウ・パトロール』もシリーズモノだったが)大好きなハリウッド大作映画の本数が減ってしまった。その内シリーズをまとめて観る機会が有った時の楽しみにはなるのかもしれない。シリーズモノを観ない事にした原因の一つのアメコミヒーローモノはもう観ないかも。
コメント(0) 

『ファースト・カウ』『パウ・パトロール ザ・マイティ・ムービー』『ナポレオン』 [映画]

『ファースト・カウ』を観た。2019年、アメリカ、2時間2分。
開拓時代のアメリカではヨーロッパで高値で取引されるビーバーなどの毛皮が乱獲されていた。
オレゴンの森林で動物を狩るハンター集団の料理人として同行しているクッキーは中国人のキング・ルーと知り合い意気投合する。二人はお互いに一攫千金を狙っていたがクッキーの料理人としての腕前とキング・ルーの商売人としての才覚と一頭の牝牛によって一攫千金の夢に近付く。

ケリー・ライカート監督が今世界的に注目を集めているという事。
1994年に監督デビューされていて本作が7作目だけど勉強不足で全然知らなかった。インディ映画として発表されていて本作が日本での初めての劇場公開。何かの場で特集上映はされていたみたい。
男二人の友情が描かれる。これまでの作風は分からないが主要な人物としての女性は登場しない。今の風潮として主役二人のどちらかが女性になっていたり二人とも女性だったりするかもしれないのでちょっと前なら当たり前だった作品が珍しい作品に思えてくる。

その土地では貴重品であった牛乳が二人の人生を大きく変える事になるが利益が出た時点でちゃんとお金を出して購入すればいいのにと思いながら観ていたけど、きっと売り物ではなかったのだろう。
「牛 一頭 牛乳」で検索すると一番乳量の多いホルスタイン種で1日に20㍑から30㍑だとか。ホルスタインではなかったのでそれよりも少ないのかもしれないが売って欲しいと頼めば高値ではあるだろうけど売ってもらえたのかもしれない。でも商売が繁盛すればそれだけ値段を釣り上げられたのかもしれない。
牛じゃなくてヤギの方が量的にはより貴重なのかもしれないが飲んだ事は無いがヤギの乳は牛乳とは違った味がするらしい。その地では牛の存在自体が珍しいので(ヤギはどこにでもいそう)本作の物語の中では牛の方が都合がいいのだろう。牛とも仲良くなるし。



『パウ・パトロール ザ・マイティ・ムービー』を観た。2023年、アメリカ、1時間34分。
アドベンチャーシティで起こる災害から市民を守るパウ・パトロール。科学者ヴィクトリアはマイティ座流星群の中から特別な力を持った流星を地球に引き寄せマイティパワーを手に入れようとするがマイティパワーはパウ・パトロールの子犬たちの元へ。諦めきれないヴィクトリアはライバール市長と手を組んでマイティパワーの略奪を目論む。

カナダ、アメリカでは2013年から始まり現在シーズン10まで続いているテレビシリーズアニメ。日本ではシーズン5まで放送されていてチビッ子たちに大人気らしい。ウィキペディアで放映リストを見るとシーズン4からリピート放送の割合が多くなっている。
その長編劇場版の2作目である本作からいきなり観たが特に問題は無かったように思える。何故パウ・パトロールには子供と子犬しかいないのか?なぜ犬が人間の言葉を喋れるのか?などの疑問は解決しないけど恐らく「そういうもの」で全てが成り立っているんだろうと思う。『クレヨンしんちゃん』だってしんちゃんが色々なコスプレをするがあの着ぐるみとかは誰がどうやって用意しているのか?という疑問は常々持っているけどそれも「そういうもの」と理解している。
シリーズモノならではの小ネタはもちろん当然分からない。
でも、とにかく可愛いとカッコいいが詰まっていて楽しい映画だった。メカニックデザインが素晴らしい。
ビジュアル面では劇場版だから大分ゴージャスになっているのかもしれない。キャストの面でも恐らくゲストに豪華なキャスティングがされているのかも。日本では吹替えでの上映のみだったけど最後のクレジットであのキャラクターはあの人だったのかと思えるキャスティングもあった。



『ナポレオン』を観た。2023年、アメリカ=イギリス、2時間38分。
18世紀末のフランス革命の混乱から頭角を現した軍人ナポレオン・ボナパルト。ヨーロッパ諸国との戦いで勝利を続け英雄と祭り上げられ政治の世界でも多大な影響力を持ち皇帝ナポレオン1世となる。

リドリー・スコット監督がナポレオンの半生を描く。
その名前は知っていても何をした人物なのか詳しくは知らなかった。知っている事と言えばナポレオンが言ったとされる「我が辞書に"不可能"という文字は無い」。本作にはそれは出てこなかった気がする。
後は旧『バス男』、現『ナポレオン・ダイナマイト』の主人公の名前がタイトルにもなっているナポレオン。
最近はナポレオンの事が描かれる映画がほとんど無いと思う。多分昔は有ったと思うが今まで観てこなかったのもナポレオンが何をしたのか知らない理由にはなっている。学校の授業でも名前は多分出てきたはずだけど詳しくは教わらなかったと思う。
本作で何をした人なのかは少しは分かった気がするが何をしたかった人なのかはよく分からなかった。世界征服ではないのだろうと思う。当時のヨーロッパ事情として領地の奪い合いで各国が戦い合ったり同盟を結んだりしていて、そこで主に戦場で名を馳せ英雄として持ち上げられるがやがて落とされる。一旦持ち上げといて落とされるといった事においてはマリー・アントワネットもそうだろうしジャンヌ・ダルクも一緒なのではないかと思う。時代の流れに翻弄されながら歴史に名を残したといった所か。

当時の戦争での戦い方、それが第一次大戦まで続くのだろうけど双方が直接的にどれだけの人命を落とせるかにかかっていてえげつない。言わば大掛かりな肉弾戦。
当時の支配階級、被支配階級の関係性が戦場では如実に現れて最前線に立たされる被支配階級の命は使い捨てであってその使い捨ての命をどれだけ無慈悲に戦闘に注ぎ込めるかによっても勝敗が決まる。
そこら辺はポーカーに似ている様にも思える。ポーカーは結局チップを多く持っている方が有利とされていてチップの掛け方によっても勝敗が決まってしまうと聞かされている。
戦争の話では勝ったとしても疲弊が激しくそこを別の国に突かれるという事も有ったりするのだろう。大陸で国が繋がっているとそういう所も大変だなと思う。
コメント(0) 

『ヘル・レイザー〈4K〉』『マエストロ:その音楽と愛と』 [映画]

『ヘル・レイザー〈4K〉』を観た。1987年、イギリス、1時間35分。
究極の快楽を得るため男が手に入れたボックス。しかし快楽を得るのにはその代償も受けなければならなかった。

シネマート新宿にて。2Kでの上映。
4Kで上映されている所は有るのか分からない。

『ヘル・レイザー』と言えばのピンヘッドの存在だけは知っていたが怖いのでこれまで観れず今回が初見。シリーズ化されるが1作目だけに・(中黒)が入って2作目以降は『ヘルレイザー』になるのだとか。ウィキペディアより。
とにかくビジュアルの完成度がとんでもなく高かった。1980年代のまだCGが本格的に登場する以前での最高到達点ではないかと思った。
それだけのビジュアル、恐らく出来上がるまでに労力も時間も相当に掛かっているのだろうけど映画の中で映し出されるのはじっくりと鑑賞出来るほどの長い時間ではなくて、ここまで作り込んだからじっくり見て欲しいと長い時間映したら映画としてのテンポが悪くなるかもしれない。テンポを最優先させて一瞬だけしか映さず、その一瞬だけでも完成度の低いものが映し出されたらここぞとばかりにやいのやいのと言われたり。映画は贅沢な芸術、娯楽である事を思い知らなければならないと思った。
ジャッキーの映画でここぞのアクションシーンで別テイクやアングルの違うカットを繰り返し見せる(『プロジェクトA』の時計塔からの落下や『ポリス・ストーリー』のデパートでの落下など)のを確かスチャダラパーのどなたかが「ジャッキー・エフェクト」と命名していたが、恐らくその編集はジャッキー自らがやっていて、それはサービス精神も有るのだろうけどそんな命懸けのアクションをわずか数秒で終わらせるのは忍びない、せめてあと数秒だけでも見て欲しいという想いからなのではないだろうか。それにより「ジャッキー・エフェクト」と呼ばれるような印象的なアクションシーンになったとも言える。
その手法は日本ではバラエティ番組での罰ゲームやドッキリ企画に受け継がれているのではないだろうか。

話の内容は難しくは無いのだけど分かったような分からなかったような。キリスト教的な側面が有るのだろうなとは思うがあまり詳しい説明がされないのが原因かもしれない。そこが謎めいていて幻想的ではあるのだけど。



『マエストロ:その音楽と愛と』を観た。2023年、アメリカ、2時間11分。
アメリカを代表する音楽家レナード・バーンスタイン。名声を得てからの妻フェリシア・モンテアレグラと歩んだ人生を描く。

音楽のジャンルに関わらず名を成した音楽家というの平穏で平坦な人生では無いのだなと思って、やっぱりそういう映画になってしまうのかとも思った。
それは全ての芸術家に言えるのか。平穏な人生を望むようでは芸術家には向いていないのかもしれない。波乱の人生だからドラマチックな映画にもなるのだろうし。
「芸のためなら女房も泣かすそれがどうした文句があるか」「酒や酒や、酒買うてこい」のド演歌『浪花恋しぐれ』のモデルになった上方落語の初代桂春団治もまた然りで。


これまでレナード・バーンスタインについてはミュージカル映画『ウェスト・サイド物語』の音楽を担当していた事くらいしか知らなかった。
アメリカを代表する偉大な音楽家という事だけどその偉大さは本作を観てもあまりピンと来ない。『ウェスト・サイド物語』の事にもほんの少ししか触れられない。



『リドル・オブ・ファイヤー』で寝た。

ヒューマントラストシネマ渋谷 "カンヌ監督週間 in Tokio"にて。

近頃は観たいと思える映画が映画館であまり上映されずやっと観たいと思えるのが上映されたら居眠りしてしまうという。観る映画が減る中でも順調に居眠り映画を増やしていくスタイル。

早い段階で寝たのであまり長い時間ではないけど観ていた間での印象はウェス・アンダーソン監督作品の様な、北欧の子供が主役の映画の様なでカンヌに選ばれる作品な感じだった。

コメント(0) 

『君たちはどう生きるか』『バッド・デイ・ドライブ』 [映画]

『君たちはどう生きるか』を観た。2023年、日本、2時間4分。
戦時中の日本。空襲で母親を亡くした牧眞人(まき まひと)少年。一年後父親は妻の妹夏子(眞人にとっての叔母)と再婚しその元へと父子揃って疎開する。眞人を出迎えたのは叔母とそして一羽のアオサギだった。

二回目。初回の時は導入部プロローグが長いと感じたがやっぱり長かった。テレビアニメ世界名作劇場『赤毛のアン』の時にアンがカスバート家に引き取られるまでに6話、放送期間でいうと一ヶ月半を費やしたバクさんからしたら宮さんもまだまだなのかもしれない。
本作での導入部が長かったからといって退屈だったという事ではなく、ただ、エピローグの呆気なさからすると変わったバランスの作品ではあるなと思う。しかしそれでも成立させてしまうという。
眞人が小説の『君たちはどう生きるか』を読むのが眞人の人間性と物語としての大きな転換点でそこからが本題なんだろうと思う。本作のタイトルにもなっているくらいだし。
『君たちはどう生きるか』は未読なので小説なのかエッセイ的な読み物なのかも分かっていないが本作を理解するにあたっては読むべきなのだろうと思うが思うだけに終わってしまうかもしれない。

作画が良かった。作画監督は本田雄(ほんだ たけし)さん。本作では作画面では本田さんに一任されていたのだとか。なんと言うかこれまでのジブリ作品とは違う艶っぽさが有ったと思う。さすが業界内で大御所達からも「師匠」と呼ばれている凄腕アニメーター。
インコたちのデザインがちょっと手抜きの様に見えるのはあの擬人化されたインコたちは大伯父が創造したもので、ペリカンは上の世界から連れてこられたんだったっけか?大伯父にはそういうキャラクターデザインの才能はそんなに無かったんだろう。
液体の描写がドロッとしているのは変わらずだった。ああいう感じが顕著になったのは『千と千尋の神隠し』からだろうか。あれがちょっと苦手。『もののけ姫』にも有ったか?

巷の本作への意見を聞きかじった感じでは賛否両論、観る人によって見方も異なる。
その意見や見方も同じ人でも観る度に異なったり別の見方になる。その様な作品だと思った。
大伯父が地下の世界で作ろうとしていたのは地上の世界とは違うそこで生きるもの全てが平等で争いの無い完全な世界だったのだろうと思う。インコ大王はそういう名前なだけで君主ではなくインコ集団のリーダーという存在なのだろう。
しかしその世界は完全である事を維持し続けなければならずとても脆く壊れやすい。確かに殺生が許されない世界で肉食動物は何を食べればいいのかという事だし。そのために殺生する人間を特別に許すとか完全な世界からはちょっとずつズレていくがそれでもこれが完全であると言い張るしかない。
そういった大きな理想を掲げて成功したかの様に思えたが理想とは違う方向に向かっていくのはロシア革命とその後のソビエト連邦と似ているのだろうか。
世界の生き物が全て草食動物だったら殺生は無くなるのかと言えばそれでは草木が全て食い尽くされて食うもの無くなって生き物全滅の末路になるのだろう。草木が有って草食動物がいて肉食動物がいてその食物連鎖で生き物のバランスは取れていて、そこには殺生という行為がどうしても必要になってくるわけで。その弱肉強食を言い訳にして殺し合いや戦争を成立させている。
大伯父が不完全と考えているであろう地上の現実の世界は確かに不完全なのかもしれないが不完全である事で上手い事バランスが取れている。本作自体の構成のバランスが変わっているのもその事を現しているのかも。
『風の谷のナウシカ』の原作では腐海の世界で生きる人間は浄化される過渡期に適応するように人工的に施された存在であり、浄化が成された時には不必要とされるが果たしてそこで生き抜いてきた人間は本当に不必要な存在なのか?否っ!とナウシカは言う。眞人もまた大伯父に自分の後を継いで完全な世界を保ち続けて欲しいと言われても断る。生きるものを変えようとした『風の谷のナウシカ』と世界を変えようとした本作。人間が自分たちだけのために自然の摂理に反して物事を変えようとすると強烈なしっぺ返しを喰らうと。

キリコおばあさんの若い頃に煙草を吸う描写が無かった。おばあさんの時のキャラクターからすると若い時の仕事の後の一服とか入れるべきだったと思うが敢えて一服の描写を入れなかったのだとするとやっぱり理由が有るんだろうと思う。完全を目指した世界では煙草は害悪でしかなくて、だから排除されていて煙草そのものが存在しないのか?

眞人の母親の子供時代の声がミュージシャンのあいみょんさんと知って驚いた。めちゃくちゃ上手いんだけどただ上手いだけじゃなくて声に個性が有る。
あいみょんさんはこれまでに演技経験は有ったのだろうか?誰があいみょんさんに声優としての素質が有るのを見抜いたのか?鈴木プロデューサーか。

二回目は109シネマズプレミアム新宿にて。109シネマズプレミアム自体も二回目。料金の事を抜きにすればやはり落ち着いて映画を観られて良い。
多分今のところあの料金設定でもやっていけているのだろう。素人が単純に考えれば一人入場すれば二人分の利益になるわけで、二人入れば四人分、四人入れば八人分と。高価格設定に見合うだけの初期費用と維持費への投資は必要だけど通常の営業で十分に取り戻せるという事か。
飲み物一杯とポップコーンがサービスされる。持続可能な社会の取り組みとして飲み物のストローは紙ストロー。初めて使ったけど人によっては紙の味がしてしまうらしいが舌がバカなのでそれは気にならなかったが途中から水分に浸かっている部分がふにゃふにゃになるのが使いづらい。コップの方も紙製だったと思うがコップがふにゃふにゃになる事はなく。紙の厚さで違ってくるのか。
ストローを作る工程はプラスチックなら円筒型になるよう引き伸ばして(どうすれば円筒型になるのかはさっぱり分からないが)それを適宜な長さにカットするのだろうけど、紙の場合は細長い紙をお菓子のピコラの様に螺旋状にローリングさせて糊で接着するという方法だと知った。他の作り方も有るのか?
持続可能のためには石油原料はなるべく使わない方がいいという事なんだろうけど紙の方が製造の手間が掛かるように思えるしその分の燃料費なんかを考えるとどうなんだろうか。
ストローを使うのであればいっその事原点に帰って麦わらをなんにも加工しないでそのまま使えばいいんじゃないだろうか。それで使いづらいとか言って遺伝子操作してストローに適した麦が作られるのかも。だからそういう身勝手な事はしない方がいいよ。と宮崎駿監督は仰られているのだろう。





『バッド・デイ・ドライブ』を観た。2023年、イギリス、1時間31分。
見知らぬスマートフォンに掛かってきた通話から車内に爆弾が仕掛けられている事を知らされた男。座席から離れた瞬間に爆破装置は起動する。

池袋シネマロサにて。

韓国映画『ハード・ヒット発信制限』のリメイクかと思ったがオリジナルはスペインの『暴走車ランナウェイ・カー』。ドイツでのリメイクは『タイム・リミット見知らぬ影』。スペインとドイツのは未見。
韓国のとはちょっと違う内容になっていたかと思うがどちらかがオリジナルに忠実でどちらかがアレンジしていて、もしくは両方ともアレンジしているのか。

本作のリーアム・ニーソンは座席から離れられないのでノー・アクション。車に乗る前にサンドバッグを叩いていた。
元々名前を知られるようになったのは体がデカいという意味での大型演技派でという印象だった。そんな中で『ダークマン』(1990年)という怪作も有ったがアクションスターとしてのスタートは2008年の『96時間』からだろうか。
そろそろ演技派に戻ろうかなという事なのだろうか。その前に30年以上振りの『ダークマン』の続編で年老いたダークマンを観てみたい。ダークヒーローとしてのダークマンは事前の準備が一番大切でそれを用意周到にしていれば成り立つから年老いていても全然問題は無いと思う。


コメント(0) 

『バーブ&スター ヴィスタ・デル・マールへ行く』 [映画]

『バーブ&スター ヴィスタ・デル・マールへ行く』を観た。2021年、アメリカ=メキシコ、1時間46分。
学生時代からの無二の親友バーブとスター。アラフォーとなった現在も同じ職場で働き、別々の事情で共に夫を失ったため同じ家で暮らしている。突然職場が廃業する事になり行く末を案じる二人はとりあえず気分を変えるためにフロリダのリゾート地ヴィスタ・デル・マールへとヴァカンスに出掛ける。

『ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン』と同じくクリステン・ウィグの脚本・主演作品。W主演のアニー・マモローも『ブライズメイズ』に出ていたらしいが覚えていない。『ブライズメイズ』も2011年の作品でもう12年も経ってしまった。
なので『ブライズメイズ』の作品自体の事をあまり覚えていない。女性が主人公の映画となるとコメディであっても生活感が滲み出てしまって最終的にはちょっと感動みたいな作品になりがちではないかと思う。クリステン・ウィグの脚本作品、『ブライズメイズ』と本作しか観ていないけど生活感をあまり感じさせないし感動もそんなにしない。『ブライズメイズ』はどうだったかやはり思い出せないが。生活感が無くて感動もさせない所がコメディとしてとてもいいと思う。ひたすら笑わせるためだけの物語とキャラクター。それに徹しているからエンドクレジットでの印象的なシーンを振り返る仕掛けに自然と笑顔になる。
コメディとしての欠点になるのかもしれないが主人公の二人は至ってまともな人物。異常に仲が良くて二人ともお喋りなだけ。素っ頓狂な言動をするいわゆるおバカキャラではない。だからコメディとしてはちょっと弱くなるのかもしれない。
そんな二人は元々故郷の田舎町での生活にはなんの不満も無く。しかし今風な視点からすると田舎町での生き方は本当の自分たちを押し殺していたという事になり、それが色々ドタバタが有って解放される物語は『バービー』と通じる所も有るのかもしれない。
追記
二人が異常に仲が良いために二人だけの世界を作ってしまう。それが周囲に迷惑をかけていなくもない。二人だけの世界に閉じこもりがちだったのがヴィスタ・デル・マールで外の世界とも繋がる事になる。その事によって二人の間に色々有るけどそれでも二人の仲の良さは変わらないままなのが本作の一番の美点だったのだと思う。追記終わり。

本作のヒロイン役、男性だけど。ジェイミー・ドーナンはなんかで見た事はある人だなあと思いながら観ていた。全米大ヒットのエロティックサスペンス『フィフティなんとか』シリーズで人気になった人だった。『フィフティなんとか』シリーズは観ていないのでなんかで見たのは予告とかだったのか。観ていないけどエロティックなのは知っている。サスペンスなのかは知らない。
そのエロティックイメージでの本作のヒロイン役になったのでは。

有名どころのカメオ出演としてはあの人と、これはネタバレになってもいいのだと思うが一応

ネタバレ有り。

モーガン・フリーマン。モーガン・フリーマンはてっきり本人だと思っていたけどIMDbで確認すると別の人による物真似だった。そっくりだった。
有名どころではない人(自分が知らないだけかもしれない)のカメオ出演も有った様な感じっぽい。

デイモン・ウェイアンズ・Jrという人が出ているがその名前の通りデイモン・ウェイアンズの息子。デイモン・ウェイアンズに子供がいるのも当然だろうなと思ったけどJrの年齢が40代初めと知るとそんな中年の子供がいるのが驚きだった。そうなると孫がいて20代の可能性も有る。デイモン・ウェイアンズ・JrJrになるのか
コメント(0) 

『ロスト・フライト』 [映画]

『ロスト・フライト』を観た。2023年、イギリス=アメリカ、1時間47分。
大晦日のシンガポールから東京へのフライト。機長のブロディ・トランスはフライト後にハワイ、ホノルルで大学生の娘と新年を過ごす予定だった。しかし離陸して間もなくフィリピン上空で予想はされていた悪天候により機体の制御を失ってしまう。

面白かった。しかし興行としてはそれほどヒットしたとはいかなかったみたいで、配信などで稼げるのかもしれないが。『コマンドー』とか『ダイハード』とかの時代だったら間違いなく大ヒットもしくはそれなりにヒットしてトランス機長がアクション映画のアイコンの一人になっていた可能性も有ったと思う。ジェラルド・バトラーの熱演も流石だったし。時代的に登場するのが遅かったのが悔やまれる。
今の時代悪役にも何かしらのドラマと言うかバックグラウンドがないと悪役として成立しないのかもしれない。本作の悪役にも悪役にならざるを得ない理由自体は有るのだろうけど映画の中では描かれない。ただ凶悪で残酷で野蛮な集団として描かれる。アクション映画の悪役としてはそれは間違っていないと思うが差別的な表現とも取られかねない。
本作では悪役だけに限らず登場人物が抱えているドラマにはそれほど踏み込まない。それが物足りないのではなくて、多分1日か1日未満の出来事で余計なものを盛り込まないのがすっきりとしていていい。

近年、個人的には2019年の『エンド・オブ・ステイツ』からアクション映画においての安心安定のジェラルド・バトラー印の作品(製作も兼ねている)を提供してくれていて嬉しい限り。
今後も大統領警護官マイク・バニングを演じている『エンド・オブ』シリーズ4作目だったり(ボンバーマン爺さんニック・ノルティの出番は有るのか?)『ザ・アウトロー』(2018年)、『グリーンランド地球最後の2日間』(2020年)の続編等も予定されている。もしかしたら本作の続編も有ったりするのかもしれない。
コメント(0)