扉をたたく人 [2009年7月に観た映画]
『扉をたたく人』
“THE VISITOR” (2007・アメリカ) 1h44
監督・脚本 : トム・マッカーシー
出演 : リチャード・ジェンキンス、ヒアム・アッパス、ハーズ・スレイマン、ダナイ・グリラ
ネタバレあり。
アメリカ同時多発テロ事件以降、愛は国境を越えづらくなった。
勝手なイメージとしてアメリカ映画と言えば商業主義にどっぷり。ですが、そのイメージに反する地味な作品でした。出演者からして地味。
地味で扱っているテーマは硬派ながら所々にユーモアも有る良作でした。
そういう映画が作られ、埋もれる事無くちゃんと評価もされた所にアメリカの良心を感じられた気になりました。
人類愛みたいな大きなテーマから個人的な老年の恋にすり替えられるのがちょっと残念。そんな事してる場合じゃないんじゃないの?という気持ちも含めて。
でも、個人的な問題の方が分かりやすいし感情移入はしやすいのかも。
分かりやすく個人の愛とその受難を描く事によって、アメリカが抱えている世界からの孤立などの問題を浮き彫りにしているのではないだろうか。
それを訴えるために、ラストシーンでアメリカ人の主人公は、シリア人の青年にもらったアフリカの楽器をニューヨークの地下鉄のホームで孤独に叩き続けたのだと思う。
原題の「VISITOR」は「訪問者」の意。
「訪問者」は先ず「訪問先のドアをノックする」。
だから『扉をたたく人』なんだろうと推理してみました。
2009-07-07 20:35
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