ドゥームズデイ [2009年9月に観た映画]
『ドゥームズデイ』
“DOOMSDAY” (2008・アメリカ) 1h50
監督・脚本 : ニール・マーシャル
出演 : ローナ・ミトラ、ボブ・ホスキンス、デヴィッド・オハラ、アレクサンダー・シディグ、エイドリアン・レスター、マルコム・マクダウェル
ネタバレ有り。
死のウィルスが蔓延する近未来の英国。
ワクチンを求め、既に死の国と化したスコットランドへ女兵士が潜入する。
ニール・マーシャル監督の前作、『ディセント』面白かったので期待していましたが、本作も面白かった。
『ディセント』と本作を観た限りでは、ニール・マーシャル監督作品の特徴は先の読めない展開と過剰過ぎる残酷描写かと思います。
残酷描写で好き嫌いがはっきり分かれるとは思いますが、個人的には先の読めない展開、本作ではそれプラス様々なアクション映画へのオマージュも入っていて楽しめました。
観る人によってはドン引き間違いなしのアレ。『ハンニバル』のレイ・リオッタのアレとどっちがどうかと言うと、どっちもヒドイですが、まだ本作の方が後に引かない。
あんだけ牛がいんのに何故?とも思いますが、アレが食文化(文化と呼ぶにはあまりにも野蛮で悪趣味だけど)として残ってしまった。ということなのかと思う。
ちょっと脱線。牧畜文化は無くなってしまったのだろうか。するとあの牛たちは野良牛?
あれが奈良だったら奈良中が野良鹿だらけ。
無茶苦茶なお話しですが、脚本は筋が通っていると思う。アレにしても無闇に残酷描写がしたいだけではない。したいんだろうけど。
何故か登場する蒸気機関車も石油、電気が希少だから石炭の蒸気機関車を登場させたのだと思うし。それともスコットランドは蒸気機関車が名物なのだろうか?
石油は北海油田の名残みたいなのが有るのかもしれない。だからクライマックスで車がバンバン走りまくる。
そこらへん実際にそういう描写は無くても裏付けが有って、ちゃんと説明がつく所が観ていて不満を感じさせない。
タクシードライバー [2009年9月に観た映画]
『タクシードライバー』
“TAXI DRIVER” (1976・アメリカ) 1h54
監督・出演 : マーティン・スコセッシ
出演 : ロバート・デ・ニーロ、ジョディ・フォスター、シビル・シェパード、ハーヴェイ・カイテル
ネタバレ有り。
病める者の妄想系ヒロイックファンタジー。
薄汚れた都会で病める若者がもがき苦しみ、思い込みと拳銃によって街の小っちゃな悪を成敗しヒーローとなる。
どこに向かうんだか分からない物語。展開からするとどう考えても破滅に向かう事間違いないはずなのに、最後ヒーローになっちゃうのが凄い。小っちゃな悪を成敗しただけなのに。凄い妄想力。
病める若者トラヴィスが主人公だけ有って、映画自体も相当に病んでるなぁと思います。
スコセッシもデ・ニーロも色んな意味で病んでいたのかもしれませんが、一番病んでいたのは脚本のポール・シュレイダーだと思う。
映画で発散出来て良かった。もしも発散出来なかったら現実社会でとんでもない事しでかしてたかも。
オープニングでロマンチックでムーディな音楽と、おどろおどろしい音楽が交互に流れ、拳銃の密売シーンなどの物騒なシーンでは、街中の平和な日常音が効果音として使われる。
危険と平和が常に背中合わせの当時のニューヨークをそれによって表しているように思いました。
クレイマー、クレイマー [2009年9月に観た映画]
『クレイマー、クレイマー』
“KRAMER VS. KRAMER” (1979・アメリカ) 1h45
監督・脚本 : ロバート・ベントン
出演 : ダスティン・ホフマン、メリル・ストリープ、ジャスティン・ヘンリー
妻に逃げられたクレイマーと、夫と息子を捨てたクレイマーが親権をかけて対立する。
ネタバレ有り。
初めて観ましたがいい映画でした。
新しい家族の形を模索している最中といった感じ。
対立構造を浮き彫りにして夫婦間の問題を露にするための訴訟のシーンが若干長く感じられたのが残念。
そこで二人の人間性をお互いに知る事になり、結末に繋がる重要なシーンでは有ったのだろうけど。
しかしなんと言ってもフレンチトースト。
名シーン。泣ける。
1年半(?)の間に築き上げてきた父子関係をフレンチトーストをもって見事に表現。淡々と描く事によってその関係が終わりを迎えようとしている寂しさも。
あそこで終わってもいいぐらいでした。
恐らく当時はメリル・ストリープ演じる母親がかなりの悪役扱いだったのでは。
現在では当たり前の行動にも思えるので、悪役視する事は出来なかったです。
当時の社会事情を鋭く描きながら最後は悪役が改心して一件落着。それが当時の映画の限界、女性の社会進出に対する認識の限界だったのかもしれない。
フレンチトーストのシーンで終わっていればその限界を突き破れた気もしますが、夫婦は元の鞘には収まらない。って所で風穴ぐらいは開けたのかも。
ビバルディのマンドリン協奏曲ハ長調の第1楽章。
この映画にぴったりでした。映画のために作られたかのよう。
BALLAD 名もなき恋のうた [2009年9月に観た映画]
『BALLAD 名もなき恋のうた』
(2009・日本) 2h12
監督・脚本 : 山崎貴
出演 : 草彅剛、新垣結衣、武井証、大沢たかお、夏川結衣、筒井道隆
SF戦国時代劇。
ネタバレ有り。
登場人物とか良かったですけど、『タイタニック』を引き合いに出すネタバレ宣伝はどうかと思いました。
結末が分かってしまう。
それを承知で泣ける映画として観るべきなのでしょうか。
その結末はSFでした。
なんだ?なんだ?と思ったら『JFK』も驚きの時間と空間を超越する魔法の銃弾。
その解説をしてくれるのが戦国時代のお姫様ガッキー。なんて賢いお人なんだろう。賢くて美人。
戦国時代のリアルな合戦を描きつつ、それでもリアルになりきれない。難しい所だなぁと思いました。
ファミリームービーで血みどろの死体は出せないですし。
ウルヴァリン:X-MEN ZERO [2009年9月に観た映画]
『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』
“X-MEN ORIGINS: WOLVERINE” (2009・アメリカ) 1h48
監督 : ギャヴィン・フッド 製作・出演 : ヒュー・ジャックマン
出演 : リーヴ・シュライバー、リン・コリンズ、ダニー・ヒューストン、ライアン・レイノルズ
ネタバレ有り。
ウルヴァリンカット以前のウルヴァリンの物語。
想像するにヒュー・ジャックマンが製作にも関わっているのはウルヴァリンカットが嫌だったからじゃないだろうか?
製作者権限でウルヴァリンカットの廃止を訴えた。最後の方でチラッとだけその面影を見せたのが妥協点だった気がする。
ウルヴァリンカットをしない代わりで無意味に露出度が高かったんだろうか。
まぁこれからロマンチックなラブストーリーにもバンバン出て、シリアス路線でアカデミー賞も狙えるような人があの髪型を続けたくない気持ちも分からないでもないですが。
しかし『X-MEN』の本シリーズが再開してもウルヴァリンカットはしないんだろうか?
それよりもウルヴァリンは不老不死(?)だから永遠に若くなくてはいけないわけで、そうなると本シリーズ再開と共にキャスト一新、ウルヴァリンカット全然OKの若手にチェンジも考えられるなぁ。とつい余計な事を考えてしまいます。
映画は本シリーズ再開に向けての布石のような気がしました。
スピンオフで新キャラを出して、本シリーズへ還元させる。お披露目興行。
ライアン・レイノルズはあの役でいいんだろうか?誰かと変わっても問題無い役ではあるけど。
「そういう事になっている」で物事が進められるのが今イチ納得できない所でした。
ウルヴァリンのお兄ちゃんにはアダマンチウムを移植すると死んでしまう。
ウルヴァリンの頭部にアダマンチウム製の銃弾を撃ちこむと記憶が無くなる。
なんで?と思っても、特に説明も無く「そういう事になっている」で済まされて進められてゆく。
現実社会ってそんなものかもしれません。なんで赤信号は止まれなのか?それはそういう事になっているから。
現実社会が色濃く反映されている『X-MEN』らしいと言えばらしいのですが、でも屁理屈でも何でもいいから説明をつけて欲しかった。
アルティメット2 マッスル・ネバー・ダイ [2009年9月に観た映画]
『アルティメット2 マッスル・ネバー・ダイ』
“BANLIEUE 13 - ULTIMATUM” (2009・フランス) 1h41
監督 : パトリック・アレサンドラン
出演 : シリル・ラファエリ、ダヴィッド・ベル、ダニエル・デュヴァル、フィリップ・トレトン
リュック・ベッソン率いるヨーロッパ・コープ社製アクション映画。
ヨーロッパ・コープ社製作品の作風が最近になってようやっと分かってきました。
細かい事抜きのアクション。
その事を念頭において前作を観てみたら面白かった。
リアルな現実社会ではなく、現実社会をベースにしつつ仮想の社会が舞台となっているので細かい事抜きで観れる。
で、本作。正義の味方とそうとは呼べないような奴らが正義のために立ち上がる。という前作からの基本設定は同じ。
映画自体も多少の変更が有りつつほぼ前作と同じように展開する。
細かい事抜きなんだからそれはいいとして、肝心のアクションが今イチでした。前作は出演者が得意とする軽業師的アクション(バルクールと呼ぶらしい)を前面に押し出すことによって他のアクション映画との差別化を図り、それが成功していましたが、本作の場合前作で軽業師アクションのネタが切れたのか少ししか見れませんでした。
なので後は格闘、銃撃の普通のアクション映画になってしまった。
マディソン郡の橋 [2009年9月に観た映画]
『マディソン郡の橋』
“THE BRIDGES OF MADISON COUNTY” (1995・アメリカ) 2h15
製作・監督・出演 : クリント・イーストウッド
出演 : メリル・ストリープ、アニー・コーレイ、ヴィクター・スレザック、ジム・ヘイニー
初老の男と中年女性の純愛不倫物語。
純なんだろうか?家庭を持っている女性の方は熱く燃え上がりつつも、どこか冷静で打算的な部分もある。
対して男の方は純だった気がする。最初は下心有り有りなんじゃねぇの?と疑ってしまいましたが、実は男の方が純愛だった。家庭を持っていないのも大きいかもしれない。
正直よく分かりません。しかし本作をアクションスター、イーストウッドの映画として観るととても興味深い。
過去数々の強敵と戦い数多の勝利を重ねてきたイーストウッドがメリル・ストリープの前に完敗。ズタズタのボロ負け。
あれだけ完膚なきまでに打ちのめされるイーストウッドが観れるのは本作だけかも。
メリル・ストリープのイタリア人女性役が見事。英語の発音もイタリア風になっていた。気がする。
貫禄も十分で、あれならイーストウッドを(精神的に)ボコボコに出来るよなぁと納得。
くもりときどきミートボール [2009年9月に観た映画]
『くもりときどきミートボール』
“CLOUDY WITH A CHANCE OF MEATBALLS” (2009・アメリカ) 1h30
監督・脚本 : フィル・ロード/クリストファー・ミラー
声の出演 : 梯篤司、甲斐田裕子、庄司将之、斎藤志郎、石塚運昇、佐藤せつじ、菅原正志
行き過ぎた文明にはやがて鉄槌が下される。
という重いテーマをハチャメチャアドベンチャーで描くパニックコメディアニメ。
パニックコメディとしては面白かったのですが、アメリカンジョーク連発、オーバー過ぎる表現。のいかにもアメリカンなコメディのノリがどうも合わなかった。
アメリカンなコメディ、嫌いじゃないのに本作のはどうもダメだった。
吹き替えでしか上映されていないので吹き替えで観ましたが、若干アメリカンなノリに合ってなかった気がする。
吹き替えでしか上映されないのは3Dでしか上映されないからで、なので3Dで観ました。
『アイス・エイジ3』の時は、ものの数分で飽きてしまい結局3Dメガネを外してしまいましたが、今回は年末の『アバター』に向けて慣れておこうと思い、最後までメガネを掛けての鑑賞。
途中1回だけ外してみましたが、やっぱりメガネ無しの方が色彩は奇麗でした。
本作がどうしても3Dでなければいけない理由がよく分かりませんでした。
クライマックスの竜巻パスタが町を襲うシーンは迫力が有りましたが、それぐらいしか3Dの意味は無かったような気もします。
その僅か5分足らずのシーンのために90分も煩わしいメガネを掛けなければならない。その意味が有ったのかと思うと大いに疑問が残ります。
『アバター』の上映時間はどれくらいになるんだろう?ジェームズ・キャメロン作品だから2時間オーバーは覚悟しておかないといけないかも。
それに向けてもう少し慣れておこうと思います。
邦画の『戦慄迷宮3D』がどんな感じなのか観てみたい。
センコロール [2009年9月に観た映画]
『センコロール』
(2009・日本) 0h30
監督・脚本・作画 : 宇木敦哉
声の出演 : 花澤香菜、下野紘、木村良平
謎の生命体を操る高校生たちのバトルストーリー。
一人っきりで全て作画したアニメーション。
という情報のみで観ました。
全てって全て?細かい事はよく分かりませんが、でもスゲェなぁと思います。
教科書にパラパラ漫画を書いた事の有る身としては、出来るものならやってみたい。と、その才能が羨ましく思います。
動きはちゃんとアニメーションしているのが素晴しい。
宇木監督は元々が漫画家さんらしい。
漫画家さんとしては、自分の作品が自分の絵柄でアニメーションになる。というのは夢のような事なんじゃないだろうか。
それを想像するだけで恐ろしい労力をもって実現してしまった。
原作漫画の絵柄のままでアニメーションを観てみたいのは読者にとっても同じ。
自分としては、『ドラえもん』を初期の藤子・F・不二雄先生の絵柄で観てみたい。
お話しの方はシリーズ第一話。という感じ。
謎が提示され、謎が謎のまま終わり次回へ続く。
次回有るんだろうか?また御一人で全て作画するんだろうか?
第一話の予告。
第二話?
マーシャル博士の恐竜ランド [2009年9月に観た映画]
『マーシャル博士の恐竜ランド』
"LAND OF THE LOST” (2009・アメリカ) 1h41
製作総指揮・監督 : ブラッド・シルバーリング
出演 : ウィル・フェレル、アンナ・フリエル、ダニー・マクブライド、ヨーマ・タッコン
恐竜ランドとなってはいるけど、実際には何でも有りランド。
そのランドで巻き起こるマーシャル博士たちの大冒険。
監督の人選ミスのような気がする。
VFXが使える人基準のような気がするけど、やっぱりコメディ、それもドタバタコメディ基準での人選の方が良かったんじゃないだろうか。
一つ一つのシーンを見ればかなり笑えるシーンも有るのだけど、
蚊(笑)
おしっこ(笑)
それが最終的な大きな笑いにつながらない感じ。
正義のゆくえ I.C.E.特別捜査官 [2009年9月に観た映画]
『正義のゆくえ I.C.E.特別捜査官』
"CROSSING OVER” (2009・アメリカ) 1h53
製作・監督・脚本 : ウェイン・クラマー
出演 : ハリソン・フォード、クリフ・カーティス、アリス・イヴ、ジム・スタージェス、レイ・リオッタ、アシュレイ・ジャッド
アメリカにおける人種間問題を群像劇で描く。『クラッシュ』みたいな映画。
本作は特に不法移民問題について。
身も蓋も無いようなエピソードが多くて、まとめられんのか?と心配になったけど、まとまった。
ミステリーも絡めてくるのはちょっと余計だった気がする。
それぞれのエピソード全てが数珠繋ぎ的に結末を迎えたら名作の仲間入りも出来たんだろうけど、一部で繋がってはいたものの全てとはいかなかった。
ハリソン・フォードがこういった群像劇に出るのは珍しい。
やっぱり一人だけスターオーラが出ているので浮いてなくも無い。
ただラストにおいてその存在感に意味が有ったように思えた。
現在のアメリカでの不法移民問題においては正義が存在しづらい。
アメリカ映画の中で正義を演じ続けてきたハリソン・フォードは、その状況を目の前にしていつもながらの苦悩の表情を浮かべるしかなかった。
しかしそれでも正義をあきらめない。という姿勢を見せて映画は終わる。
そのラストは長年正義を演じてきたハリソン・フォードだからこそ説得力が生まれたのだと思う。
グッド・バッド・ウィアード [2009年9月に観た映画]
『グッド・バッド・ウィアード』
"THE GOOD. THE BAD. THE WEIRD” (2008・韓国) 2h09
監督・脚本 : キム・ジウン
出演 : ソン・ガンホ、イ・ビョンホン、チョン・ウソン
良い奴と悪い奴とヘンな奴。その他諸々がもみくちゃになってお宝探し。
何も無いだだっ広い荒地でのアクションシーンが良かった。
人物などはグチャグチャに絡み合っているけど、アクションシーンとしては理路整然としていて素晴しい。
撮影が大変だっただろう。というのは容易に想像できますが、銃、車、バイク、馬、爆発、炎上・・・その他色々。アクション映画を作りたいと思った人にとっては夢のような現場だったんじゃないだろうか。
そのシーンでのチョン・ウソンの馬上での銃捌き、カッコよかった。それを見ただけで身体能力が高いのが分かる。
他のシーンではソン・ガンホとイ・ビョンホンの陰に隠れがちな気がしたけど、そのシーンで一気に挽回。
アクションシーンは良かったけど、ストーリーはもっとシンプルで良かったんじゃないだろうか。
完全に3人に絞っても良かったかも。
でもそうすると荒地でのグチャグチャ感は出なかったわけで、難しい所。
全ては荒地でのアクションシーンのために。なのだろうか。
しかしあの荒地は見事な荒地だった。見渡す限り何も無い荒地。
中国でのロケみたいですが、中国は今砂漠化が深刻な問題になっているようで、その一端を見た気がする。
荒地のシーンでは予告で使われていた音楽が使われていてカッコよかった。
あの曲、尾藤イサオさんが歌っているのを聴いた事が有る気がしたけど、やっぱり同じ曲だった。
で、オリジナルがこちら。
ウェスタンっぽくない曲をウェスタンに使って見事にはまる所なんかはタランティーノっぽい。
と思ったら、『キル・ビル』でも同じ曲が使われているようです。
ウマ・サーマンVSルーシー・リューのシーンで流れるらしい。完全に忘れてた。
ノーボーイズ、ノークライ [2009年9月に観た映画]
『ノーボーイズ、ノークライ』
“THE BOAT” (2009・日本=韓国) 1h54
監督 : キム・ヨンナム
出演 : ハ・ジョンウ、妻夫木聡、チャ・スヨン、徳永えり、貫地谷しほり
ネタバレ有り。
社会の底辺で生きるしかない若者、ヒョングと亨。
それを良しとし、そこに甘んじて生きるヒョングと、そこから抜け出そうともがく亨。
亨のある計画によって二人の人生が大きく変わる事となる。
いい映画だと思いました。
渡辺あやさん脚本なので人物造形がいい。
単純に良い人は出てこない。単純に悪い人は出てくるけど。
悪い人ではなくてもどこかに悪い部分が有り、そこを隠す事無く描くから人物が魅力的になるのかと思う。
演じている人たちも良かった。
特にハ・ジョンウ。自然。超自然。
妻夫木さんも良かったけど、その超自然の前では演技している事が見えてしまう。
それは監督が韓国の方だから。というアドバンテージも少なからず有ると思う。
これが日本の方が監督だったら逆になったかもしれない。
ちょっと残念なのは、結末がヒョング寄りだった気がする。ヒョングの物語として終わってしまった。
これがヒョングと亨、二人の物語としての結末だったらもっといい映画になったと思う。
サブウェイ123 激突 [2009年9月に観た映画]
『サブウェイ123 激突』
“THE TAKING OF PELHAM 123” (2009・アメリカ) 1h45
製作・監督 : トニー・スコット
出演 : デンゼル・ワシントン、ジョン・トラヴォルタ、ジョン・タートゥーロ、ジェームズ・ガントルフィーニ、ルイス・ガスマン
地下鉄ジャック犯ライダーVS何故か交渉人になってしまった地下鉄職員ウォルター。
ネタバレ有り。
その二人がクライマックスで激突するけど、なんか無理矢理激突させた感じ。
ウォルターがあんな熱血バカ(あまり褒めてません)だとは思わなかった。
トラヴォルタが犯人役という事で、どんでん返しのある物語ではないかと思うものの、人質を射殺した段階でそれは無いなと予想できた。殺人犯には裁きが有るのがハリウッド映画。
射殺された人質も犯人一味でそれがどんでん返しのトリック。なんて事も出来たのかもしれない。
ある意味ウォルターが熱血バカだったという事がどんでん返しだった。
賄賂(では無くて謝礼?)を受け取るような人物で、いわゆるヒーローとは言えないようなウォルターがヒーロー顔負けの活躍をする。
そういう熱血バカをデンゼル・ワシントンが演じているのが残念な所なのだけど。
『サブウェイ・パニック』のリメイク。と言うよりも原作の再映画化。が正しいらしい。
『サブウェイ・パニック』多分観ているはずだけど、全く覚えていない。
ので、同じ地下鉄ジャックを題材にした『踊る大捜査線』のスピンオフ『交渉人・真下正義』(確か『サブウェイ・パニック』の影響を受けているはず)と比較すると、ジャックした地下鉄が止まっているのと走り回っているのが大きな違い。『サブウェイ・パニック』ではどうだったのか?全く思い出せない。
地下鉄が走り回らない事で、その見た目の危機よりも犯人と交渉人の駆け引きによるサスペンスを中心にしようとしたのではないだろうか。
それが結局は見た目が派手なアクションになってしまうのがなぁ~。とやっぱり残念。
ルイス・ガズマンが出てたけど、顔ははっきり見えないわ早めの退場だわでこちらも残念。
その代わりジョン・タートゥーロがカッコよかった。
役柄の上ではトラヴォルタにメチャメチャ嫌われていたけど、それだけ出来る人物という事なのだろう。
ココ・シャネル [2009年9月に観た映画]
『ココ・シャネル』
“COCO CHANEL” (2008・アメリカ=イタリア=フランス) 2h18
監督 : クリスチャン・デュゲイ
出演 : シャーリー・マクレーン、バルボラ・ボブローヴァ、マルコム・マクダウェル、サガモア・ステブナン、オリヴィエ・シトリュク
ココ・シャネルの半生。
9月18日に公開される『ココ・アヴァン・シャネル』の評判が良さそうなので、その前に本作を観てみました。
シャネルに興味は有りませんが、一人の女性が自分の才能と努力で這い上がるサクセスストーリーとしてなら興味を持って観れるのではないかと思いました。
序盤はそんな感じだったのですが、次第にシャネルの人生を追っているだけのような展開。
その人生がドラマチックで、出演者の好演も有ったので観ていられましたが、正直な所作品としては凡庸。
エンドロールがビックリするくらい短い。
ダラダラと長いのは勘弁ですが、短過ぎるのも余韻が無い。
晩年のシャネルのファッションショー。不評の時と好評の時の違いが全く分からず。
当時の最先端なのかもしれませんが、どっちも小学校の時の父母参観でお母さんたちが一生懸命着飾ってる時のと一緒のように思えた。
本編が始まって監督がクリスチャン・デュゲイと知って驚きました。
クリスチャン・デュゲイと言えば『スクリーマーズ』や『アサインメント』が面白かったアクション派の監督さんなので。