SSブログ
2008年2月に観た映画 ブログトップ

『エバン・オールマイティ』 [2008年2月に観た映画]

2008年2月に観た映画。

『エバン・オールマイティ』

ネタバレなど有るかもしれません。

______________________________________________________________________________________

『エバン・オールマイティ』  DVD(レンタル)
“EVAN ALMIGHTY” (2007・アメリカ) 1h36
製・監 : トム・シャドヤック  脚 : スティーヴン・オーデカーク
出 : スティーヴ・カレル、モーガン・フリーマン、ローレン・グレアム、ジョン・グッドマン

[映画]ジム・キャリー主演『ブルース・オールマイティ』(2003年、トム・シャドヤック監督)からのスピンオフ作品。
なので『ブルース・オールマイティ』を吹き替えで観直してから本作に臨みました。

とりあえず『ブルース・オールマイティ』の感想を少し。
映画館で観た時に面白かったのでDVDは購入済み。そのDVDを今回初めて観ました。
久し振りに観て、やっぱり面白かった。
J・キャリー的ハートウォーミングコメディとして良く出来ていると思う。

因みにJ・キャリーの吹き替えは山寺宏一さん。さすが山ちゃん上手いっス。
J・キャリーの恋人役のジェニファー・アニストンは安達忍さん。
テレビドラマ『フレンズ』でお馴染みだった声優さんらしいので、『フレンズ』ファンの方は安心してご覧になれます。
自分は『フレンズ』を観た事が無いので馴染みはないのですが、
少しクセのある声なので、この声優さんに慣れている方には他の声優さんでは違和感が有るだろうなぁと思います。

[映画]『ブルース・オールマイティ』で一番印象に残っていたのが、J・キャリーでもなく、M・フリーマンでもなく、S・カレル。
出番は少ないのですが、その爆笑演技には今回も笑わせてもらいました。

で、『エバン・オールマイティ』はそのS・カレルが主役。
いわゆる聖書モノ。そんなジャンルが有るのかは分かりませんが。
『ブルース・オールマイティ』もその聖書モノなんですが、こっちはその密度が濃い。
と言うか、濃すぎるので聖書に馴染みの薄い自分には若干ツラかった。

聖書を笑いのネタにしつつ、でも最後は聖書の教義で一件落着。
という所が観る人が観ればツボにはまるのかも。

[映画]作品的にはもう一つだったんですが、S・カレルは面白かった。
おバカなことを大真面目な顔でやる。
コメディアンの鉄則ですが、元々が真面目そう(気難しい感じにさえ見える)な顔なので、
コメディの場合、ただその場にいるだけで既におかしい。

その真面目そうな顔を活かしたシリアス演技の実力も名作『リトル・ミス・サンシャイン』で実証済み。
しかし願わくば、一生コメディアンで、一生おバカなことをし続けて欲しい。

3本 『母べえ』『チーム・バチスタの栄光』『歓喜の歌』 [2008年2月に観た映画]

2008年2月に観た映画。

『母べえ』
『チーム・バチスタの栄光』
『歓喜の歌』

ネタバレ、悪口などもございます。御注意を。

______________________________________________________________________________________

『母べえ』  新宿ジョイシネマ3
(2008・日本) 2h12
監・脚 : 山田洋次
出 : 吉永小百合、浅野忠信、志田未来、佐藤未来、坂東三津五郎、壇れい、中村梅之助、笑福亭鶴瓶

[映画]静かな反戦映画。
戦中を逞しく生き抜いた母親の物語かと思っていたが、そういう感じではなかった。
戦中、戦後を女手一つで娘さん二人を育てられたのだから逞しい事は間違いないと思いますが、
それがメインの物語ではなかった。

戦争というものは、誰かにとって大事な人をいとも簡単に奪い去ってゆくもの。
という事を全編を通して静かに訴えかける。

[映画]映画を観ている間フト気づいた。
吉永小百合さんの出演作を見るのは今回が初めてかもしれない。

で、家に帰って調べてみたら、一本だけ有りました。
アニメーションの『龍の子太郎』(1979・日本)。声優としての出演作。
観たのは大昔の事なのでその内容はほとんど憶えていませんが。

そんなもんですから吉永小百合さんで思い浮かぶ事と言えば、
もう十何年近くも前の事。明石家さんまさんが“吉田”さんの所に産まれた娘さんの名付け親を頼まれて、
“が小百合”と名付けようとした。
そのこころは、“吉田が小百合”≒“吉永小百合”。
さすがお笑いの人は面白い事思いつくなぁ。と、笑いながら感心しました。

日本が誇る大女優に関してそれしか思い浮かばんのか![ちっ(怒った顔)]と、サユリストの皆さんに怒られそうなので一つフォローを。
この映画で“女優”吉永小百合さんを初めて見た感想は、
さすがお美しい。
年齢を聞くと「嘘ぉっ!」と思えるほどです。

_______________________________________________________________________________________

『チーム・バチスタの栄光』  新宿コマ東宝
(2008・日本) 2h00
監 : 中村義洋
出 : 竹内結子、阿部寛、吉川晃司、池内博之、佐野史郎、玉山鉄二、田口浩正、田中直樹、井川遥、野際陽子、平泉成、國村隼、山口良一

[映画]ベストセラー小説が原作の医療現場ミステリー。
活字離れが著しい自分は当然未読。なので先入観なく見れました。
で、面白かった。

“ローテンション・ミステリー”と名付けたくなるほど映画内温度が低く、その低温がじわじわと面白くなった。
ただ、“ローテンション”の部分は面白かったけど、“ミステリー”としてはどうだろう?
観客一体型の謎解きではないので、その点ではやや面白みに欠けるかも。
しかしその真相の不条理さは、映画の低温と相まってなかなか怖い。

[映画]登場人物は個性的なメンバーが揃っていて、また演じている役者さん達も見事にはまっていてミステリーとしての弱さを充分補っている。

竹内結子さんのちらりと見せるコメディセンス。リアクションの上手さが光っています。
阿部寛さんのゴーマン変人官僚キャラも面白かった。

あと出番は少ないんですが気になる人が一名。
やけに強気なレントゲン技師。演じているのは並樹史朗さん。
レントゲン技師って病院内であそこまで強気でいられるぐらい地位が高いんでしょうか?
それともあの人だけが変わり者なのか?
因みに並樹史朗さんは最近、警備会社のテレビコマーシャルで番犬になって「誰っ?誰っ?」と叫んでおられます。

[映画]全編を通してローテンションのこの映画ですが、何故か主題歌はEXILEのご陽気な曲。

映画が始まる前の休憩時間、エンドレスでその曲が流れていました。
その事を忘れてローテンションに心地良くなっていた時、フト嫌な予感が・・・。
まさかエンドロールであの曲が流れるのでは・・・。

いやぁ~やっちゃいましたね。これぞ世にはびこるKY。KYの真髄を垣間見た気分です。
大人の事情、しがらみ、損得勘定その他もろもろが複雑に絡みあっての事でしょうが、
それが双方にとってこれほど不幸な結果を招く事になるとは。
恐るべしKY。

______________________________________________________________________________________

『歓喜の歌』  新宿ガーデンシネマ1
(2007・日本) 1h52
監・脚 : 松岡錠司
出 : 小林薫、安田成美、由紀さおり、伊東淳史、浅田美代子、田中哲司、光石研、藤田弓子、でんでん

[映画]立川志の輔師匠の創作落語の映画化。

[映画]自分的にはツッコミ所が多々有る内容でした。
映画だから、ましてや落語が原作だから。と、自分自身に言い聞かせながら何とか乗り切りました。

でも、どうしても納得できない所が一つ。
主にコンサート前日の12月30日の出来事を描いていますが、
その一日が異常に長い。
一日と言ってもフルに24時間ではなくて、お役所仕事なので朝の9時始まり。多分。
そこから日が暮れるまでの間、ありとあらゆる出来事が起こり、登場人物はありとあらゆる場所に神出鬼没に現れる。
『24』も真っ青。
今何時なの?と、観ている間中“?”マークが頭の中いっぱいに広がった。

これは落語ではほとんど問題の無い事なんだと思います。
むしろこれぐらいのエピソードを詰め込まないと落語として面白くないのかもしれません。
ただ、それを映画にそのまま置き換えるとボロボロにほころびが出てきてしまう。
何も1日である事にこだわらず、2、3日に分ければよかったと思うんだけど。

[映画]色々と問題のあるこの映画ですが、“餃子”のエピソードには心打たれました。
やっぱり人の世を生きる上において大切なのは“餃子”です。“餃子”の心意気です。

そうなんです”餃子”なんですよ、So‐netさん。
(これを全て書き直しさせられた恨みと嫌味をこめて。)

[映画]ベテランの笹野高史さん。中堅の田中哲司さん、光石研さん。若手の山本浩司さん。
各年代を代表する名バイプレイヤーが揃い踏み。
その他女優さんも含め現在の邦画界を支えている役者さんが多数出演。
『ジャーマン+雨』の”ゴリラーマン”こと野嵜好美さんもご出演。

[映画]エンドクレジットでママさんコーラスのメンバーと思われる方達の名前が横並びで表示されます。
その名前の9割近くが最後に“子”がつくホニャララ子さん。
そういう時代だったんだなぁ。と、妙に感慨深いものがあります。

2本 『デイ・ウォッチ』『リアル鬼ごっこ』 [2008年2月に観た映画]

2008年2月に観た映画。

『デイ・ウォッチ』
『リアル鬼ごっこ』


ネタバレ、個人的感想有り。要注意。






『デイ・ウォッチ』  新宿オスカー劇場
“DAY WATCH” (2006・ロシア) 2h11
監・脚 : ティムール・ベクマンベトフ
出 : コンスタンチン・ハベンスキー、マリア・ボロシナ、ウラジミール・メニショフ、ヴィクトル・ヴェルズビツキー、ガリーナ・チューニナ

光と闇の戦い第2章。

映画の冒頭で前作のあらすじが見れますが、それだけではちょっと厳しいかも。
出演者が普段見慣れていないロシアの俳優さん達なので、誰が誰だか見失う危険性大です。
なのできちんと前作を観てから観た方がよろしいかと。

自分は前の日にDVDをレンタルしてちゃんと観ておきました。
しかし眠い所を何とかこらえて観た。という感じなので作品理解度はかなり低め。
登場人物の相関関係だけは何とか理解できたので、この映画もどうにか見失うことなく観れました。

前作『ナイト・ウォッチ』は確か3部作の第1章。というはずだったけど、第2章であるはずのこの映画のポスターには“クライマックス”の文字。
どういうことなんだろう?と結末が気になっていた。

いやぁ~ものの見事に完結してました。無理矢理作ろうと思えば第3章も作れるとは思うけど、いいんじゃないだろうかこれで終わりで。

見せ場となるアクション、ビジュアルは素晴しい。圧倒される。
そのシーンだけ繋げて見せられたら、「どんだけの大傑作なんだ!」と、コーフンすること間違いなし。

しかし全編観ると、「ン~・・・」と、うなる事間違いなし。

何が足りないのか?と、考えてみるに、ダウンタウンの松っちゃんが『大日本人』公開時、雑誌のインタビューなどで「人を楽しませる上で一番大切なのはサービス精神である。」というような意味の事を言われていた。

この映画に足りないのは正にそのサービス精神。
アクションシーン、ビジュアルは確かに凄い。凄いがそれをただ映画の流れの中に無造作に置いてあるだけ。
「どうだ、凄いだろう。」と、言わんがばかりに。

映像的に凄いシーンが有ってもそれだけでは映画は面白くはならない。
そのシーンに至るまでにいかにお客さんの気持ちを盛り上げるか、また全体を通して映画の中にお客さんの気持ちを入り込ませるか。
サービス精神を持ってその事を常に考えないと、この映画が目指しているであろうハリウッド映画にはいつまでたっても敵わない。

エンドクレジットだけはサービス精神が有るように思えましたが、ただ単に楽屋オチで自分達が楽しんでいるだけのようにも思える。





『リアル鬼ごっこ』  テアトル新宿
(2007・日本) 1h38
監・脚 : 柴田一成
出 : 石田卓也、谷村美月、大東俊介、柄本明、吹越満、松本莉緒2


学生服の救世主がパラレルワールドの日本を救いまくる。

映画は原作とは設定をかなり変えているようです。自分は原作の小説はもちろん未読なので、そういう話なんだ。と、何一つ不満なく観れました。

何よりも日本映画でこの映画のような荒唐無稽の話しを作った。という事が喜ばしい。
で、この日のテアトル新宿は各回立ち見が出るほどの盛況。
原作ファンの方達でしょうか?若いお客さん達でした。

これがその次、またその次にどんどんと繋がっていけば、近い将来日本映画でとんでもない大傑作が観れるはずです。多分。

しかし、学生服の救世主のあの学ランは相当臭い事になってそう。
何しろ大量の分泌物を含んでいます。汗はもちろんの事、10代男子の男汁をガンガンに吸い込んでいます。
しかもどこかは分かりませんが、あまり綺麗とは言えない川に飛び込んでいます。
そしてまた更に汗と男汁を大量追加。
剣道の小手どころの騒ぎじゃありません。あの学ランは。

ちょっと関係のない話しを。今まで何の疑問もなく日常用語として使ってきた“学ラン”。
“学”は“学生”。じゃあ“ラン”は何の略なんだろう?と疑問に思い調べてみました。

起源は江戸時代にまでさかのぼり、鎖国時の日本では西洋人といえばオランダ人のことで、オランダ人が着ている洋服を当時の日本人達は”ランダ”と呼んでいたらしいです。

そして時は明治時代に移り、学生服として詰襟の洋服が登場。
学生服も袴などの和服がまだ主流だった時代に、学生用のランダ(洋服)という事で“学ラン”と呼ばれるに至ったみたいです。

スイマセン本当に関係なくて。

恐らくロケは早朝、深夜。その時間での全力疾走。キャストの皆さんお疲れ様でした。
俳優って大変な仕事だとつくづく思います。


2本 『アメリカン・ギャングスター』『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』 [2008年2月に観た映画]

2008年2月に観た映画。

『アメリカン・ギャングスター』
『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』

ネタバレ、個人的感想有りです。御注意を。






『アメリカン・ギャングスター』  新宿プラザ
“AMERICAN GANGSTER” (2007・アメリカ) 2h37
製・監 : リドリー・スコット
出 : デンゼル・ワシントン、ラッセル・クロウ、ジョシュ・ブローリン、キューバ・グッディング・Jr


麻薬王V.S.熱血刑事。

男と男の息詰る攻防が展開される。のかと思ったら『ヒート』(1995、マイケル・マン監督)のパターンだった。
『アメリカン・ギャングスター 麻薬王篇』と、『アメリカン・ギャングスター 熱血刑事篇』。
2つの物語を同時進行で描く。

それならばその2つの物語がぶつかり合うクライマックスに期待。
刑事が麻薬王を追い詰めた。さぁ!どうなる!

・・・アレッ?
・・・・アレレレ??
・・・・・。えぇ~そっちに話し行っちゃうの~
と、思いっきり肩透かし。
実話ベースだから仕方無いっちゃぁ仕方無い。

同じパターンの『ヒート』。好きなんですけど、やはりこれも最初観た時は、名優対決に期待して肩透かしを喰らったんですが、もう一度そういうもんだと分かった上で観直してみたら面白かった。
という事が有るのでこの映画もその可能性が無きにしもあらず。

あくまで個人的見解ですが、R・スコット監督の一つの特徴として登場人物の感情にそれほど
のめり込まない。というのが有ると思う。
登場人物と監督の間にカメラが常に有って、カメラ越しに監督が登場人物を見ている。という感じ。

この映画の場合その感覚だと、かなり物足りなく感じてしまう。
麻薬王や熱血刑事の内側に入り込んで、その欲望や正義感をガンガンスクリーンに叩きつけてくれたら燃える映画になったのかもしれない。
その点で兄ちゃんより弟のトニー・スコット向きの内容だったかも。

D・ワシントンとR・クロウ。オスカー俳優二人の激突が話題のこの映画。
その脇で相変わらずの空回り気味の熱演を見せる、もう一人のオスカー俳優C・グッディングJr。
オスカーゲットではしゃぎまくったあの夜は既に遠い昔・・・。

D・ワシントンの後見人役のおじいさん。どっかで見たこと有るなぁ、と思っていてクレジットでジョー・モートン(『T2』『スピード』)だと分かった。
ちょっと見ない間にずいぶんと老けてしまった。役作りという事も有るんだろうけど。

もう一人懐かしい顔のノーマン・リーダス(『処刑人』)。登場の雰囲気だと活躍するのかな、と思ったらワンシーンだけだった。





『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』  新宿ミラノ1
“SWEENEY TODD : THE DEMON BARBER OF FLEET STREET” (2007・アメリカ) 1h57
監 : ティム・バートン
出 : ジョニー・デップ、ヘレナ・ボナム=カーター、アラン・リックマン、ティモシー・スポール、サシャ・バロン・コーエン、エド・サンダース


何故に自分はミュージカルが苦手なのか?と、考えてみる。

登場人物の感情を歌で表現する不自然さ。も有るけど、物語の進行が歌によって滞ってしまう不満の方が大きい。
この映画の場合例えば、パイ屋の女店主が「うちのパイは不味い」と、二言三言で済む話しを歌に乗せてクドクドと2分も3分も見せられる。

そうやって歌う度に話しがストップされてしまうと次第に「もういいや」と冷めて、
終盤の張り詰めた雰囲気の中で歌われた時には「どうでもいいや」と、完全に冷め切った。

歌ってなんぼのミュージカルの歌に不満を感じる自分にはミュージカルを観る資格がないのかも。
でも、『ヘアスプレー』は面白く観れた。
同じミュージカルでもこの映画と『ヘアスプレー』の違いは何なんだろう?

J・デップの白メッシュの髪型を見て妄想。

手塚治虫先生の『ブラック・ジャック』をJ・デップ主演でハリウッドで映画化。
結構はまりそう。

その他のキャラもこの映画のキャストでやれるかも。

A・リックマンがドクター・キリコ。
T・スポールがヒョウタンツギ。って無理か。下膨れ顔は合ってるんだけど。

で、H・B=カーターを特殊効果で小っちゃくしてピノコに。
・・・。
人相的に楳図かずお先生向きなので相当不気味な事になりそうだけど、やってみる価値はある。


2本 『団塊ボーイズ』『結婚しようよ』 [2008年2月に観た映画]

2008年2月に観た映画。

『団塊ボーイズ』
『結婚しようよ』

ネタバレなどが有った場合はどうかご勘弁を。






『団塊ボーイズ』  新宿バルト9 シアター3
“WILD HOGS” (2007・アメリカ) 1h39
監 : ウォルト・ベッカー
出 : ジョン・トラヴォルタ、ティム・アレン、マーティン・ローレンス、ウィリアム・H・メイシー、マリサ・トメイ、レイ・リオッタ、スティーヴン・トボロウスキー

中年の危機(ミドルエイジ・クライシス)を友情と笑いで吹き飛ばせ。といった内容。

中年男4人組がそれぞれの悩みを抱えてバイクでの旅に出る。
で、なんじゃかんじゃあって4人中3人はその悩みを解決できたような、解決できていないようなビミョーな感じ。
ただ一人トラヴォルタに限っては全く何一つとして解決していない。
キャラ的に、まぁ一人で何とかすんだろう。とは思えるけど。

これってもしかしたらトラヴォルタは『男はつらいよ』の寅さんなのかもしれない。
強烈な個性で周囲の人間をしっちゃかめっちゃかにするけど、当の本人は何一つ変わらず。何事も無かった様にしっちゃかめっちゃかを繰り返す。
この映画も『男はつらいよ』のようにシリーズ化したら面白そう。

え~ここで一つ重大な告白を。

実は・・・

『男はつらいよ』ちゃんと観た事ありません。
テレビで放送しているのをチラ観した程度。
なので『男はつらいよ』に関する事は、あくまでイメージです。

アメリカでは大ヒットの映画。
その要因はキャスティングにあると思う。
全てのキャストが適材適所。
中年4人組、暴れん坊のR・リオッタ、役に立たない保安官のS・トボロウスキー、そして大物ゲストに至るまでそれぞれがピッタリとはまっていて安心して笑える。
M・トメイがただのお飾りなのが残念だったけど、相変わらずキュートなのでそれはそれで良かった。





『結婚しようよ』  池袋シネマ・ロサ1
(2008・日本) 1h59
監・脚 : 佐々部清
出 : 三宅裕司、真野響子、藤澤恵麻、AYAKO、金井勇太、松方弘樹、入江若葉、岩城滉一、モト冬樹

『団塊ボーイズ』同様、団塊の世代のおじさんが主人公。
『団塊ボーイズ』はアメリカンコメディ。こちらは人情喜劇といった趣。

団塊の世代のヒーロー吉田拓郎さんの数々の名曲を随所に散りばめて贈る団塊の世代への応援映画。
所々有り難いお説教も有り。
歌と物語ががっちりリンクしているという事ではなくて、拓郎さんの歌を聴いて元気を出してください。といった感じ。
応援映画ですから。

喜劇で2時間は長そうだなぁ。と心配だったんですが、自分的にはやっぱり長かった。

最後に拓郎さんが2006年につま恋で行なったコンサートでの
「落陽」のライブシーンが映し出されます。
それ見せられちゃうとそのコンサートをもっと見たくなってしまう。

どうせ2時間なら、喜劇1時間、コンサート1時間で観たかった。

しかしそうなると、そのコンサートはかぐや姫とのジョイントコンサートなので、かぐや姫の立場はどうしてくれるといった遺恨が生じるのかもしれない。

それにしても「落陽」は名曲。拓郎さんの声が素晴しく、ガツンときます。

キャンディーズの歌が使われているのが不思議だったんですが、それも拓郎さん作曲だった。
しかし演歌の「襟裳岬」(これも拓郎さんが作曲)の使い方だけはかなり強引過ぎたように思う。


3本 『ぜんぶ、フィデルのせい』『フローズン・タイム』『アドリブ・ナイト』 [2008年2月に観た映画]

2008年2月に観た映画。

『ぜんぶ、フィデルのせい』
『フローズン・タイム』
『アドリブ・ナイト』

ネタバレ警報発令。






『ぜんぶ、フィデルのせい』  恵比寿ガーデンシネマ2
“LA FAUTE A FIDEL!” (2006・フランス=イタリア) 1h39
監・脚 : ジュリー・ガヴラス
出 : ニナ・ケルヴェル、ジュリー・ドパルデュー、ステファノ・アコルシ、バンジャマン・フイエ
 

少女の目から見た1970年代の社会。共産主義革命や女性の権利向上など。
幼いながらにしてその渦に巻き込まれ困惑し、成長する姿を描く。

少女の両親が共産主義の運動に参加。
ブルジョワの暮らしを満喫していた少女の生活は、両親の運動参加によって一変。質素な暮らしに。

少女は、質素な暮らしに時に戸惑い、時に怒りながら様々な事を知りゆっくりと成長する。

結果失敗に終わってしまう運動。挫折を味わう父親。
それとは対照的に少女の成長を表すラストシーン。
“何かが変わったり終わったとしても、また最初から始めればいいや。”
の精神で前に一歩踏み出す。

清々しくて良いラストシーンでした。

リベラルの両親に振り回されて反発する怒れる少女の利発さは将来頼もしい。
が、少女よりももっと頼もしいのが弟クン。

両親に振り回されようが一向にお構いなし。決して動ぜずあるがままを受け容れる。
若干5、6歳にしてその泰然自若振りは将来超大物になりそうなオーラを漂わせている。

カッコイイなぁ弟クン。自分もそんな人間になりたい。

この映画とは関係ない話しでスイマセン。
恵比寿ガーデンシネマ客席側面のスピーカー。
あれを見るといつも『スター・ウォーズ』のバトル・ドロイドの頭部を思い出してしまう。





『フローズン・タイム』  Q‐AXシネマ1
“CASHBACK” (2006・イギリス) 1h42
製・監・脚 : ショーン・エリス
出 : ショーン・ビガースタッフ、エミリア・フォックス、ショーン・エヴァンス、ミシェル・ライアン


面白かった。
有名な芸術家の初長編映画作品。という豆知識だけが有ったので、こジャレたアート映画なのかと思って危うく観逃す所だった。
実際アート的なところも有るけどその実態はボンクラ映画。
英国版『クラークス』(1994・ケヴィン・スミス監督)と言えるかもしれない。
イギリスにもアメリカにも似たようなボンクラ達がいるもんですなぁ。

ちょっと別の話しでスイマセン。
『クラークス2』、どうやら劇場未公開のようで。シネ・アミューズ辺りで観れるかなぁ、と楽しみにしてたんですが。残念。
以上です。

この映画のボンクラなハッピーエンドも大変よろしいです。


愛すべきボンクラ達。左からスタントバカ、主人公、カンフーバカ、エロバカとなっております。
この他に主人公の幼馴染の悪友(こいつもエロバカ)、そしてバカ店長。と、愛すべきボンクラ達がいっぱい。

因みにこの写真のシーン、確かバカ店長に呼び出しを食らった時だと思います。
で、呼び出し食らっといてタテ並び。
横に並ばない所がいいなぁボンクラだなぁ

主人公が時間を止められる超能力を身につけるという設定。
実際に時間を止めてあんな事やこんな事をしでかしますが、これはそのまま受け止めるよりも芸術家として時間が止まったように感じられる感性を持っている。という風に受け止めた方がいいのかも。

芸術家にとってスケベ心は、芸術のために致し方ないのである。
と、映画の中で延々と弁解している。
でも監督の中でも結局ただのスケベ心でしかないんだよなぁ。と分かっていての弁解。多分。

なので、映画もスケベ心でいっぱい。
中でも『氷の微笑』もびっくりの「えっ!?チョット見えてんじゃない?」というシーンは殿方必見。
映倫もアート映画と騙されてOKしたんだろうか?





『アドリブ・ナイト』  アミューズCQNシアター3
“AD LIB NIGHT” (2006・韓国) 1h39
監・脚 : イ・ユンギ  原 : 平安寿子
出 : ハン・ヒョジュ、キム・ヨンミン、キム・ジュンギ、チェ・イルファ、キ・ジュボン

『アドリブ・ナイト』の夜は長かった。
なかなか物語の本筋が見えてこず、最後になって都会人の孤独がテーマだったのかなぁ。と、やっと分かった。

大都会ソウルでの孤独にやさぐれた主人公が、田舎の人達の人間味溢れる人柄に触れて心癒される。
といった内容。多分。

田舎の人達の気質を昔の韓国人らしい韓国人。と認識できるとテーマも理解しやすかったんだろうと思う。
ちょっと厚かましくて、かなり騒々しくて、でもなんか憎めない。
そういう人達を見て、韓国の人達は昔はああいう人ばっかりだったよなぁ。と郷愁に駆られるのかもしれない。
日本人が『ALWAYS 三丁目の夕日』を観て懐かしがるように。

そこに共感を持てないと主人公が心癒される心情がイマイチ理解できない。


3本 『子猫の涙』『ウォーター・ホース』『アース』 [2008年2月に観た映画]

2008年2月に観た映画。

『子猫の涙』
『ウォーター・ホース』
『アース』

ネタバレなどあるやも知れませぬ。どうかお気をつけになって。






『子猫の涙』  新宿ガーデンシネマ2
(2007・日本) 1h37
監・原・脚 : 森岡利行
出 : 武田真治、藤本七海、広末涼子、紺野まひる、鈴木砂羽、山崎邦正、喜味こいし、宝生舞、赤井英和

日本アマチュアボクシング、最後のオリンピックメダリスト森岡栄治氏。
その破天荒な人生を描く。 

始まって『レイジング・ブル』に似たシーンが有って、これは関西版『レイジング・ブル』になるのか?と思って期待したんだけど。
泣いて笑って、大阪のおもろい家族。で終わってしまった。

森岡氏の事は全く知らなかった。映画を観進めていくうちにその人柄に興味を持った。
しかし映画ではその内面まで深く突き詰める事は無かった様に思う。
やんちゃで、エロ親父で、それでいて家族思いのお父ちゃん。といった描き方。

森岡氏の娘さんからの視点で描いているのでそうなったのだと思う。
そんなお父ちゃんに振り回される私達。でもそんなお父ちゃんが大好き。といった。

それはそれでよく出来ているとは思うものの、自分としてはもっと森岡氏の事を知りたかった。
森岡氏の視点で描いて欲しかった。
森岡氏が何を思い、何に怒り、何を愛したのか。

武田クン、脱いだらとんでもない体している。ボクシングシーンも見事。





『ウォーター・ホース』  新宿ミラノ2
“THE WATER HORSE : LEGEND OF THE DEEP” (2007・アメリカ) 1h52
監 : ジェイ・ラッセル
出 : アレックス・エテル、エミリー・ワトソン、ベン・チャップリン、デヴィッド・モリッシー、ブライアン・コックス

牧歌的なのんびりとした“ネッシー”秘話。
ではなく、実は今時のハリウッド製のCGたっぷりのファミリームービーだった。
クリスマスシーズンによく有るサンタクロースは本当にいるんだよ的な内容。

まぁ、これはこれでそんなに悪くはなかった。

少年と恐竜。と言ったら『ドラえもん のび太の恐竜』。
で、恐竜と言ったら“ピー助”。
なのでこの映画の恐竜(ではなくて伝説の生き物だったけか?)“クルーソー”に付いているキリンの様な角に「違うな」と思ってしまう。

B・チャップリンがアントニオ・バンデラスに見えた。
あの役の設定がスペイン人だったらバンデラスがキャスティングされていたと思う。





『アース』  新宿アカデミー
“EARTH” (2007・ドイツ=イギリス) 1h36 日本語版
監 : アラステア・フォザーギル/マーク・リンフィールド
ナレーション : 渡辺謙

地球の事を人間は勝手に「幸福の星」と呼んでいるらしいけど、それは人間にとっての幸福であって、地球にしてみれば“人間”なんていう厄介なものがポコポコとそこいら中に湧き出てきて好き勝手されているのに果たして幸福と言えるんだろうか?

などと、エコバッグ1つすら持っていないボンクラがいっぱしのエコロジスト感覚になるのは、
ヤクザ映画を観た後に肩で風を切って街中を歩いちゃう人たちと一緒という事で。

なかなか目には出来ない映像だらけだけど、一番インパクトがあったのがアマゾンの鳥。
あの鳥はすごかった。
あの鳥が日本に現れてあのパフォーマンスをしたらパニックになると思う。
とても地球上の生き物とは思えない。

あの鳥にとってアマゾンの生息している場所が、餌が豊富にあって天敵がいない。
というのがあのパフォーマンスを心置きなく披露できる一つの要因。

という事だけど、やっぱりそういう安穏とした平和が奇怪なものを生み出すものなんだろうか?
現代日本の×××の△△△△△△(特に名を秘す)だったり、○○○○○の□□□(特に名を秘す)の様に。


3本 『ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ』『テラビシアにかける橋』『魁!!男塾』 [2008年2月に観た映画]

2008年2月に観た映画。

『ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ』
『テラビシアにかける橋』
『魁!!男塾』

ネタバレ等も有ります。要注意。






『ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ』  新宿ジョイシネマ3
(2007・日本) 1h49
監 : 北村拓司
出 : 市原隼人、関めぐみ、浅利陽介、三浦春馬、板尾創路、野波麻帆

“運命”と文字通り戦う少女と、それを見守る少年。

少年の願いは、自分の半径5メートル以内の幸せ。
それでいいのかもしれない。「世界に平和を!」と声高らかに叫ぶよりも、まず自分が幸せにならないと。





『テラビシアにかける橋』  新宿ミラノ3
“BRIDGE TO TERABITHIA” (2007・アメリカ) 1h35
監 : ガボア・クスボ
出 : ジョシュ・ハッチャーソン、アンナソフィア・ロブ、ベイリー・マディソン、ロバート・パトリック、ズーイー・デシャネル

少年少女の清らかな空想の王国“テラビシア”。

ネタバレ予告を見ていたのである程度の事は分かってしまっていたけど、
まさかあんな展開だとは思わなかった。

ものすごく突き放した冷たい印象を受けた。人は誰しもいつかは死ぬもので、
死んだら「ハイ、それまでよ。」といった。

でも後になってそうではないという事に気づいた。
少年と少女が作り上げた“テラビシア”は少年の心の中には残っていて、
“テラビシア”に行けばいつでも少女とは逢える。

という風に理解したいんだけど、そうではないのかなぁと思えるのは、ラスト“テラビシア”に新王女を迎え入れるシーンで少女が現れない。
ラストで少女が現れて少年と再会する。とくれば、そういう事なのかと理解しやすい映画になったと思うんだけど。

アメリカの小学校の音楽の授業って楽しそう。
Z・デシャネルが先生であんな楽しそうな授業だったら、自分ももう少し音楽に興味を持てたのかもしれない。

妹役のコが可愛い。ベイリー・マディソン。正に妹。THE妹。

この映画のHPなどを見ると撮影中の子供達のスナップ写真が見れる。
その写真の様子で撮影中は楽しかったんだろうなぁ。というのがよく分かる。
「おぉ~、そうかいそうかい良かったのぉ~。」と気分は孫感覚。

R・パトリックが渋い俳優になってきた。
『ターミネーター2』のT‐1000の一発屋で終わるのかと思っていたが、その後もB級クズレする事無くメジャーな映画でチョコチョコと見かけてはいた。
未だT‐1000を超えていないのは確かですが、将来クリス・クーパーの様にオスカーゲットでブレイク。という可能性も無くはない。





『魁!!男塾』  シネマスクエアとうきゅう
(2007・日本) 1h50
監・脚・アクション監督・出 : 坂口拓
出 : 麿赤兒、照映、尾上寛之、山田親太朗、田中哲司、榊英雄、与座嘉秋、菅田俊


男汁まみれ。思っていた通りの映画だった。

上映開始時、男塾塾長江田島平八による映画開始の号令が聞けるのは映画館だけ。多分。
実際はその号令から本編まで15分ほど予告が有ったんですが。

アクション俳優の坂口拓さんが監督しているという事でアクションに期待。
さすがアクションはお手の物で安心して見れました。
残念なのは、“これっ!”といったアクションがなかった。全てが及第点。

この映画ではアクションよりも男汁を搾り出す事の方に重点を置いたのかもしれない。
その点では成功。

この映画でツボに入ったのが、関東豪学連総長、伊達臣人。の鎧兜。その異質さ。
まぁ何でもありの映画ですが、画面の中に一人だけ鎧兜の人物がいるシュールさはかなり面白い。

異質さと言えば、ウクレレガールつじあやのさんの出演。
その姿、その歌声、この映画においてはかなり異質です。

他に面白かったのが男塾一号生の中に明らかに40代と思われるオッサンが3、4人いた事。
それに気付いてしまうともうダメ。画面の中のオッサン探しに心を奪われてしまう。

「あっ!オッサン!」「こっちにもオッサン!」てな具合で。

2007年ありとあらゆる映画、ドラマに出まくった田中哲司さん。
『男塾』にも出ますか。
なんでも来い。のその姿勢、素晴しい。


2008年2月に観た映画 ブログトップ