トロン:レガシー [2010年12月に観た映画]
『トロン:レガシー』
“TRON: LEGACY” (2010・アメリカ) 2h05
監督 : ジョセフ・コシンスキー
出演 : ギャレット・ヘドランド、ジェフ・ブリッジス、オリヴィア・ワイルド、ブルース・ボックスライトナー、マイケル・シーン
『トロン』の28年ぶりの続編。
本作の公開前や直後に『トロン』のテレビ放映が無かったので、そんなにがっちりとした続編ではないのかなぁと思ったら、がっちりとした続編だった。
特に導入部は『トロン』観てないと不親切。主人公いきなりコンピューター世界に取り込まれる。
それ以降は面白かったといえば面白かったのだけど、コンピューター世界での物語なので、コンピューター関係の用語やらシステムやらにそれなりの知識が必要。
その点疎いので面白さも半減な感じ。置いてけぼり感をひしひしと感じながら。
コンピューター世界における完璧な世界を作ろうとした所、完璧な人格(?)を持ったプログラム(?)が現れる。
しかし別のプログラム(?)が暴走を始め、ユーザーである親子を利用し現実世界への侵入を計画する。
といった話しだったんだろうか?
IMAXで観ましたが、3D効果で印象的なシーンはあまり無く。
でもIMAXは他とは何が違うのかと言ったら、それは何よりも薄暗くない!って事に個人的には尽きる。
その点において本作をIMAXで観た意味は十分にあったと思う。
と、別に2Dでもよかったなぁ。という思いをかき消すように思う事にしたのでした。
キック・アス [2010年12月に観た映画]
『キック・アス』
“KICK-ASS” (2010・イギリス=アメリカ) 1h57
製作・監督・脚本 : マシュー・ヴォーン
出演 : アーロン・ジョンソン、クロエ・グレース・モレッツ、ニコラス・ケイジ、マーク・ストロング、クリストファー・ミンツ=ブラッセ、リンジー・フォンセカ
特殊能力も無ければ大金持ちでもなく、仲間もいなければ宿敵もいない。
そんなスーパーヒーロー、キック・アス。
その彼をスーパーヒーローたらしめるものは何なのか?
それは自らの意志。自分だけは正義の心を持っていたい。という意志。
弱っちくて、唯一の能力が末梢神経の麻痺だけど、その意志だけで悪党に立ち向かう。
その姿に感動でした。
最後までその無謀な意志だけでスーパーヒーローでいて欲しかったけど、仲間が出来て宿敵らしき者も現れるとその意志が復讐にすりかえられてしまう。それが残念でした。
復讐だとその後が泥沼になるので。
結末は本当の宿敵の誕生。
あれはスーパーヒーローモノにありがちな続編含みの終わり方。の単なるパロディだと思っていましたが、続編の話しあるそうで。
スーパーヒーローモノの続編で成功した例はそんなに無いと思うのでちょっと心配。
マシュー・ヴォーン監督は何やってた人?と思ったら、『スターダスト』の監督だった。
ちょっと意外。
でも、だからマーク・ストロング出てんだ。と納得。
『レイヤー・ケーキ』の後に本作だと、ああ、そうか。とかなり納得。
SP 野望篇 [2010年12月に観た映画]
『SP 野望篇』
(2010・日本) 1h38
監督 : 波多野貴文
出演 : 岡田准一、堤真一、真木よう子、神尾佑、松尾諭、野間口徹、蛍雪次朗
過去のトラウマから異常なまでの予知能力や危険察知能力を持った一人のSP。
テレビドラマからの映画化。ドラマ観てなかったので、観ないでいいかと思っていましたがロサでやっていたので観ました。
がんばれ!シネマ・ロサ!
一応ドラマを先に観て。
ドラマ、尺の足りなさ半端なし。といった印象。問題は脚本なのか演出なのか。
なので映画にもそれほど期待はしていませんでした。
映画なのでドラマとは違って時間の制約がそれほど無いせいもあってか、ドラマのような間延び感はそれほど無く。それは良かった。
ただ、何してんのかよく分からず。革命起こそうとしている人たち。
何がしたいのかは、平和ボケの日本人の目を覚ます。って事やあれやこれやなんだろうけど。
そのためにこの映画でしていることは何?と考えると、何?
それはおいおい次回完結編ではっきりするのだろうか。
そんな緻密な作品にはならなそうな嫌な予感がしてますが。これも予知能力?
昭和残侠伝と昭和残侠伝 死んで貰います [2010年12月に観た映画]
『昭和残侠伝』
(1965・日本) 1h31
監督 : 佐伯清
出演 : 高倉健、池部良、三田佳子
『昭和残侠伝 死んで貰います』
(1970・日本) 1h32
監督 : マキノ雅弘
出演 : 高倉健、池部良、藤純子
本年10月にお亡くなりになられた池部良さんを偲び。
《さらば、二枚目スター 池部良さんお別れ上映会》 新文芸坐にて。
不器用なまでに任侠道を貫こうとする男。任侠道を汚す輩との対立の末、頼りになる助っ人とともに日本刀片手に殴り込み。
池部良さんは頼りになる助っ人役。池部良さんの出演作はあまり観た事がないですが、極道者のイメージはありませんでした。
ちょっと異質な極道者といった感じでカッコよかった。
『残侠伝』が示すとおり1960年代半ば、昭和40年あたりですでに義理と人情の任侠の世界は懐かしむものになっていたのだろうか。
昭和も遠くなった平成の世。『平成残侠伝』は作れるのか。
『死んで貰います』の方には、子役時代の真田広之さんが出ていました。当時の芸名は下沢広之。
目元に面影が有りました。
(1965・日本) 1h31
監督 : 佐伯清
出演 : 高倉健、池部良、三田佳子
『昭和残侠伝 死んで貰います』
(1970・日本) 1h32
監督 : マキノ雅弘
出演 : 高倉健、池部良、藤純子
本年10月にお亡くなりになられた池部良さんを偲び。
《さらば、二枚目スター 池部良さんお別れ上映会》 新文芸坐にて。
不器用なまでに任侠道を貫こうとする男。任侠道を汚す輩との対立の末、頼りになる助っ人とともに日本刀片手に殴り込み。
池部良さんは頼りになる助っ人役。池部良さんの出演作はあまり観た事がないですが、極道者のイメージはありませんでした。
ちょっと異質な極道者といった感じでカッコよかった。
『残侠伝』が示すとおり1960年代半ば、昭和40年あたりですでに義理と人情の任侠の世界は懐かしむものになっていたのだろうか。
昭和も遠くなった平成の世。『平成残侠伝』は作れるのか。
『死んで貰います』の方には、子役時代の真田広之さんが出ていました。当時の芸名は下沢広之。
目元に面影が有りました。
モンガに散る [2010年12月に観た映画]
『モンガに散る』
(2010・台湾) 2h21
監督・脚本・出演 : ニウ・チェンザー
出演 : マーク・チャオ、イーサン・ルアン、クー・ジャーヤン、マー・ルーロン、リディアン・ヴォーン
台湾最大の繁華街モンガで散った不良たち。
散りました。
まあ悪の道に入れば大体散りますが。
じゃあ入んなきゃいいじゃん。と言ってしまうと映画にはなりづらい。
そこに友がいたから悪の道へと進む。で、散る。映画になります。
成増(なります)は板橋区にあります。っていう関東の狭いローカルネタで。
モンガと言えば『21エモン』のモンガー。
http://www.fujiko-f-fujio.jp/characters/c003_w003.html
『アイアンマン』でのジェフ・ブリッジスのパワードスーツをアイアンモンガーと言うんだそうで。知らなかった。
ソネットの翻訳で調べたらMONGERは商人の意。IRON MONGER鉄の商人。なるほどなネーミング。
森崎書店の日々 [2010年12月に観た映画]
パラノーマル・アクティビティ 第2章/TOKYO NIGHT [2010年12月に観た映画]
『パラノーマル・アクティビティ 第2章/TOKYO NIGHT』
(2010・日本) 1h30
監督・脚本 : 長江俊和
出演 : 中山蒼、青山倫子
ケイティ来日。
観ようかどうしようか迷っていたけど観て良かった。と言うか、この日のこの回のお客さんたちと一緒に観れたのがとても良かった。
10代の女の子たちが8割がたを占める客席数少なめながらほぼ満席の劇場。
女の子たちの感情移入度が半端じゃなく、完全に入り込んでいる。そのため終盤のショッキング演出連発時の悲鳴が凄まじかった。
数十人が一斉に上げる悲鳴。本当に凄かった。
恐怖感への一体感と言うか。皆が皆恐怖している。そんな稀な現場を体感出来たのは今までで初めて。
ホラー映画は観客の悲鳴をもって完成するのだ。と分かりました。
ありがとう女の子たち。
この映画を観るNON STYLEの石田さんを見てみたい。
ゴースト もういちど抱きしめたい [2010年12月に観た映画]
『ゴースト もういちど抱きしめたい』
(2010・日本) 1h56
監督 : 大谷太郎
出演 : 松島菜々子、ソン・スンホン、樹木希林、鈴木砂羽、橋本さとし、芦田愛菜
1990年の作品『ゴースト/ニューヨークの幻』の日本版リメイク。
ロサで上映されたので観ました。がんばれシネマ・ロサ!
酷評率高めのようなので期待値低めで観たら特に不満も無く観れてしまった。
好みの問題として好きかというと決して好きでは有りませんが、悪い印象ではない。といった所。
ハリウッド映画をベースに、トレンディドラマ(死語?)とジャパニーズホラーと韓国ドラマを1本にまとめあげたある意味力技は評価してもいいのでは。
終盤、タイトルの『もういちど抱きしめたい』にかかる展開はオリジナルからの変更点だと思うけど、改良ではないかと思う。
GAMER [2010年12月に観た映画]
《シネマ落語》 落語研究会 昭和の名人 [2010年12月に観た映画]
『《シネマ落語》 落語研究会 昭和の名人』
(2010・日本) 2h00
出演 : 八代目 桂文楽、三代目 古今亭志ん朝、十代目 金原亭馬生、六代目 三遊亭圓生
一時期の落語ブームは過ぎ、定着したのだろうか。東劇にて。お客さんでいっぱいでした。
オフィシャルサイトより解説(抜粋)
「本格落語をもっと見たい!」「懐かしい名人の高座がもう一度みたい!」という声に答えて、このたび松竹のスクリーンに昭和の名人が復活することとなりました。 TBSは1968年から国立劇場・小劇場にて「古典落語の研究改良、若手真打の向上、落語界の刷新」を目的として「第五次 落語研究会」を主催してまいりました。そして多くの貴重な名演の映像が残されています。 「シネマ落語」では、昭和の名人達の「夢の名人会」を組んで、「映画館」で皆さまにたっぷりと存分に古典落語の世界を楽しんでいただこうと思っています。
演目
桂文楽 明烏('68) 25分
古今亭志ん朝 抜け雀('72) 37分
金原亭馬生 親子酒('78) 19分
三遊亭圓生 掛取万歳('73) 39分
面白かったですが、古典落語初心者な上勉強不足のため、基礎知識が無い。って所でよく分からない部分があり、自分の中に比較対照するものが無い。って所で名人芸の素晴らしさがよく分かりませんでした。
それでも面白いと感じたのは、それが名人芸だったからなのかも。
落語家さん、身一つで舞台に座り、30分だか40分だか喋り続け物語を語り、笑わせ、時に泣かせ、時に怖がらせ、時に欲情させる。
それらは全てお客さんを楽しませるため。人を楽しませる職業。なんて素敵なおじさんたち、おじいちゃんたちなんだろう。
キス&キル [2010年12月に観た映画]
『キス&キル』
“KILLERS” (2010・アメリカ) 1h41
監督 : ロバート・ルケティック 製作・出演 : アシュトン・カッチャー
出演 : キャサリン・ハイグル、トム・セレック、キャサリン・オハラ、ロブ・リグル
ネタバレあり。
KILLERがいっぱい。
っていう内容でした。意外性があって嫌いじゃないですが、その意外性が面白さに変わらなかった。
『キューティ・ブロンド』の監督さんなので期待してたのですが。
ところで、主人公にかけられた懸賞金2,000万ドル。って誰が出してたんだろう?
主人公の会社の女子社員役、キャサリン・ウィニックが綺麗だった。綺麗でアクションも出来て。
出番は短かったですが、すっかり心奪われました。
何故かポール・ジアマッティと。
アメリア 永遠の翼 [2010年12月に観た映画]
『アメリア 永遠の翼』
“AMELIA” (2009・アメリカ=カナダ) 1h52
監督 : ミーラー・ナーイル 製作総指揮・出演 : ヒラリー・スワンク
出演 : リチャード・ギア、ユアン・マクレガー、クリストファー・エクルストン
アメリア・エアハート。女性初の大西洋単独横断飛行を成し遂げた飛行士。
世界一周挑戦中に行方不明になってから70年以上経った現在でもアメリカでは国民的ヒロインとして人気があるそうです。
そのためかアメリア・エアハートの事を知らない自分にとっては説明不足な感じでした。
皆さんご存知のこの人の事をおさらいしましょう。な映画。
世界恐慌真っ只中という時代背景が重要かと思うけど、そこは軽くスルー。
アメリア・エアハートの人となりも分かったような分からなかったような。
そのため、飛んだ、恋した、いなくなった。それだけの映画になってしまった気がします。
デスカッパ [2010年12月に観た映画]
『デスカッパ』
“DEATH KAPPA” (2010・アメリカ=日本) 1h25
監督・特技監督 : 原口智生
出演 : 平田弥里、深華、なべやかん
昭和85年、日本。あの戦争の敗戦から立ち直れない秘密組織が、河童の細胞を悪用した人体改造兵器を開発してしまった。
一部マニア受け。を完全に狙ってるように思えました。低予算を逆手にとっての戦略だろうか。
それはそれで有りなんだろうけど。
低予算ながらもそこはプロ。しっかりとしたお仕事を見せてくれます。着ぐるみバトル(解説付き)は面白かったです。
しかしながら広く大多数に受けるものを狙ったけど一部マニアにしか受けなかった。と、最初から一部マニア受けを狙うのとでは何かが違うような気がするなぁ。と感じた次第です。
間口は広かったけど入ってみたら狭かった。間口が狭かったけど入ってみたらやっぱり狭かった。
どっちも一緒だった。
ゲゲゲの女房 [2010年12月に観た映画]
『ゲゲゲの女房』
(2010・日本) 1h59
監督・脚本 : 鈴木卓爾
出演 : 吹石一恵、宮藤官九郎
水木しげる先生と奥さん布枝さんの新婚時代の物語。
質屋さん大活躍。質屋さんなくして水木作品は誕生しなかった。とも言える。
原作、テレビドラマ大ヒット。映画今イチ。という状況なのかと思いますが、映画良かったと思います。
鈴木卓爾監督の作品は短編しか観た事ありませんが、鈴木卓爾監督らしい映画で。カットが長い。
吹石さん、宮藤さん良かった。宮藤さんがこんなにいい役者さんだったの知らなかった。
新婚初夜明けの朝。なんていう色んな事を想像させるシーンはNHKの朝のドラマでは出来ないだろうなぁと思いました。
色んな想像をさせるアイテムが寝巻きの紐。ってのが上手い。
鈴木監督は『トキワ荘の青春』では藤子不二雄A先生を演じておられます。
水木先生と手塚先生、トキワ荘メンバーの年齢差はこんな感じ。
水木しげる 1922年(大正11年)生
手塚治虫 1928年(昭和3年)生
寺田ヒロオ 1931年(昭和6年)生
藤子・F・不二雄 1933年(昭和8年)生
藤子不二雄A 1934年(昭和9年)生
赤塚不二夫 1935年(昭和10年)生
石ノ森章太郎 1938年(昭和13年)生
さらには、白土三平 1932年、横山光輝 1934年、さいとう・たかを 1936年、つげ義春 1937年、松本零士 1938年、ちばてつや 1939年生まれ。
漫画の隆盛とともに夢とか野心を持った人たちが漫画界にドドドッと流れ込んできた。
それは戦国時代にも引けをとらないドラマチックな出来事だったのでは。
戦国時代と違うのは、成功を掴み取るためカブラペンとかに墨汁つけてカリカリカリカリ漫画を描く。っていう見た目非常に地味な所。
色んなエピソードも山ほど有ったと思います。『トキワ荘の青春』では赤塚不二夫先生とつげ義春先生との間に交流があった事を知りました。
このそうそうたるメンバーがどこかですれ違ったり、がっつり対峙したりしながら(フィクションも織り交ぜて)の日本漫画史を描く映画を3部作ぐらいで観てみたい。
少女漫画もあるから4部作で。最終作を前・後編の計5作品で。
サイドストーリーとして漫画家を諦めてアニメーションに進んだ宮崎駿監督(1941年生まれ)のエピソードも交えたりして。
デイブレイカー [2010年12月に観た映画]
『デイブレイカー』
“DAYBREAKERS” (2009・オーストラリア=アメリカ) 1h38
監督・脚本 : マイケル・スピエリッグ/ピーター・スピエリッグ
出演 : イーサン・ホーク、サム・ニール、ウィレム・デフォー、クローディア・カーヴァン
吸血鬼が支配する世界。人間は吸血鬼の食糧供給源として存在していた。
一風変わったバンパイア映画。ながらどこか突き抜けないもどかしさが有り。
不意をつくショッキング演出有りでその点では退屈しないけど、ここが凄かった。あれが面白かった。という所があまり無かった。
印象に残っているのは、後半でイーサン・ホークの服装がハン・ソロみたいになってた。
イーサン・ホークのハン・ソロ役ってのも意外と有りなんじゃないかと思えました。
・・・やっぱ無いか。