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男はつらいよ 50作目 [男はつらいよ]

男はつらいよ お帰り 寅さん
50歳になった満男。ある日初恋の人及川泉の夢を見る。

渥美清さん不在の中でどんなミラクルを起こして爆笑喜劇を観せてくれるのだろうと期待と不安の中で観たがミラクルは起きなかった。敢えて起こさなかったのかもしれない。
考えてみれば寅さん以外の人たちは他の一般と較べても至って真面目な常識人なわけで、そんな人たちが寅さんたった一人に引っ掻きまわされて大騒動が起きる。今回も寅さんがいたらしっちゃかめっちゃかな事になったのだろうし。
しかし寅さんは不在。考えてみれば寅さんが柴又にいる時間というのは一度には長くて数日、短いと数時間。くるまやに寅さんがいない時間の方が圧倒的に長くてくるまや、柴又にとって寅さんがいない時間が日常で、いる時間の方は非日常。
本作はそんな寅さんのいないいつもの日常で常識のある人たちにちょっとした事件が起きて常識的に解決する。
それこそが寅さんが常日頃から言っていた俺のような人間にはなるな、真っ当な仕事をして幸せな家庭を築けよ。なのであって。寅さんが見たらそれでいいんだよと目を細くして微笑むのだろう。
満男はちょっと反抗して安定的とは言えない物書きになるけど。そこは寅さんの血なのかも。

ただそうなると寅さんのいない中で50になった満男の黄昏流星群になってしまっていて。正直な所男はつらいよで黄昏流星群が観たかったかと言えば観たくは無かった。
黄昏流星群をちゃんと読んだ事は無いのにこんな所でまるで良くない様な例えの引き合いに使ってしまって申し訳無く思っている。黄昏流星群は多分恐らく面白い。
吉岡秀隆さんのやたらと目を見開くお芝居もこれまでの男はつらいよには合わない感じがして個人的にはちょっと駄目だった。
満男とあけみのやり取りは寅さんとタコ社長の関係が継続(力関係は完全に逆転)されていて面白かった。

結局寅さんは今もまだいるのかいないのか。仏壇に写真が飾られていないのでいる事はいるんだろうと思う。
あんまり帰って来てはいないという事なのか。二十何年間も帰って来ていないのだったらもっと心配しているはずだろうし。
あのお兄ちゃん大好きなさくらもどうしてもお兄ちゃんに会いたいという感じではない。会いたいなあと思ってしまうと寅さんは現れて常識的で平和な日常が壊されてしまう。長年帰って来ない間に寅さんのいない日常の方が大切になってしまったのか。
心配はしていないという事は手紙くらいは寅さんから一方的に来ているのかも。義理堅い寅さんだから年賀状は必ず来るだろうし。寅さんからの年賀状がくるまやに届けば本作の中でも新年を迎えられたのだろう。

リリーがおしっこに行くのは「粋なネエチャン立ちしょんべん」から来ているのだろうか。「ちゃらちゃら流れるお茶の水」で近くの神保町。他にも色々隠しネタが有るのかも。
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男はつらいよ 46作目から49作目 [男はつらいよ]

男はつらいよ 寅次郎の縁談
旅先で花嫁行列を見届け門出に言葉を贈る寅さん。晴れやかな気持ちの寅さんだったがテキヤ仲間のポンシュウのデリカシーの無さに呆れる。
柴又、くるまやには加代が新しく雇われる。満男は就職活動中。おいちゃんおばちゃんは30幾つも就職試験を受け未だ決まらない事を心配し、タコ社長はいざとなったらうちに来ればいいと言うが博は満男にこんな厳しい仕事が務まるはずは無いと断る。
今度も不採用の連絡を受けた満男はもう就職活動はやめると言い出し、逃げる様にどこに向かうのかも分からない寝台列車に飛び乗った。
柴又に帰ってきた寅さん。江戸川の土手でグレートピレニーズを散歩させている源公と再会。
くるまやの店先で郵便小包を受け取り満男の家出で憔悴しているさくらとも再会。しかしまだ家出してから8日目と聞いて俺なんか16の頃から20年間家出してたんだから心配するほどの事じゃないと自慢げに言いその間ずっと心配していたおばちゃんに怒られひと悶着。
寅さんが受け取った小包は満男からだった。中身は瀬戸内海名物のママカリ。香川県琴島から送られていて同封の手紙で無事である事も分かり一安心。
何故満男は琴島にいるのか?風来坊の寅さんはその時の満男の心境を見事に推察する。今後はどうするのかさくらと博が口論するのに耐えられない寅さんは俺が明日の朝一番に琴島に行って満男を迎えに行ってやるとさくらに約束する。しかし今度の問題は色恋沙汰ではないから寅さんが適任なのかおいちゃんは心配。
翌日寅さんを東京駅まで車で送っていった博だったが新幹線に乗る直前になって新幹線は速過ぎて目が回るからイヤだと寅さんがゴネ出してまたひと騒動。
瀬戸内海で漁の手伝いをしている満男。数少ない若い働き手として島になじみ、島の診療所の看護婦亜矢ともすっかり顔なじみ。
満男が寝泊まりしているのは元外国航路船船長の家。家には船長の娘で神戸の料理屋の女将をしている坂出葉子も滞在していた。
寅さん、琴島に上陸。着いて早々島に飲み屋が無い事を知り長居は無用と決める。島の地図を見て一回りすれば見つかるさと歩き出す寅さん。早速亜矢と仲良さそうに歩いている満男を発見。もう気も晴れただろうから柴又へ帰るぞと言う寅さんに帰りたくないと返す満男。それでは立つ瀬がない、しょうがねえお前とじっくり話し合うとするか。と、寅さんは満男の寝泊まりしている所に行こうとするが葉子がいる事を思い出しなんとか寅さんに葉子を会わせないようとする満男。しかし出会ってしまい寅さんは葉子に惚れる。

1993年12月25日公開、104分。
1993年はジュラシック・パーク公開の年。なのでポンシュウが商売品にS・スピルバーグ提供ジェラシック・パークの恐竜のおもちゃを扱う。
1作目のマドンナ冬子が登場するが寅さんとは出会わず。御前様の所に里帰りしていて御前様は健在という設定。
ある釣り人がくるまやの前を通るがこちらも寅さんとは出会わず。



男はつらいよ 拝啓車寅次郎様
新潟県上越市高田で寅さんはキャンペーン中の演歌歌手小林さち子と知り合う。人相を見てあんたは大器晩成型だから頑張んなよと励ます。謙信公祭りの商売では揉め事が起こるが謙信公の登場で一件落着。
柴又では満男が会社員に。大学時代の先輩から地元の滋賀県長浜の曳山(ひきやま)祭りに遊びに来いとの葉書が届いていた。
くるまやでは加代に対する三平の態度を見てさくらはお互いに気が有るのかもと見抜く。おいちゃんおばちゃんは店を三平と加代に譲って自分たちは養老院で仲良く暮らそうという話にタコ社長も乗っかるがおいちゃんに断固拒否されて拗ねる。
寅さんが柴又に帰ってきて源公と再会。早速お金を借りようとするが逃げられてしまう。
夜、くるまやでみんなが顔を合わせる。社会人としての挨拶を立派にする満男に感心する寅さんは就職祝いを渡すが目録だけで中身は無く後で郵便為替で送るよと言う。
円高のため仕事も恋も全然ダメ。満男の方はどうなんだと聞く寅さんにさくらは社会人としての悩み事が有りそうな満男の話を聞いて欲しいと頼む。満男の会社は靴を売っていると聞き、物を売る商売同士で勝負をしてみるかとけしかける。結果は寅さんの圧勝。何事も修業が大事。頑張って一人前の会社員になって下さいと満男を励ます。
翌日寅さんは満男の勤めている会社に伯父として挨拶に行く行かないでおいちゃんと大喧嘩になりもう二度と柴又に戻って来るか!の捨て台詞を残し旅に出た。
琵琶湖の湖畔で写真撮影をしている女性と知り合った寅さん。足場の悪い所で転び怪我をした女性の世話をする。
満男は先輩に誘われた滋賀県長浜琵琶湖の畔に向かう。長浜の町は祭りの準備中。到着した満男は先輩の実家へと行き昼寝をしている先輩の妹川井菜穂と出会う。寝顔を見ず知らずの男に見られて不機嫌な菜穂。最悪の出会いをしてしまった満男と菜穂だったがよその家のハスキー犬が二人を打ち解けさせお互いに好意を持つようになる。
女性の身の上話を聞き、長浜の祭りに行って気晴らしをしようと言う寅さん。出発直前、怪我の知らせを聞いて駆けつけてきた女性の亭主が現れる。

1994年12月23日公開、101分。
マドンナが寅さんに自分の名前を名乗らないまま出会って別れる。のちに女性の名刺で寅さんは名前を知る。名前は宮典子(みや のりこ)。
オープニングロールのキャスト、スタッフの字体が以前のに戻る。
満男が大学時代には野球部に所属していたのが判明。主にバッティングピッチャーだったとの事。



男はつらいよ 寅次郎紅の花
岡山県津山市、美作滝尾(みまさかたきお)駅。新聞の尋ね人に載せるほど柴又では寅さんの事を心配しているが当の寅さんはのん気にトンボ採り。造り酒屋の試し飲みではポンシュウと共に昼間っから酔っ払う。
くるまやに寅さんから最後に連絡が有ったのが1月。神戸からクッキーを送って来てくれて以来なしのつぶて。その後阪神・淡路大震災が起きたので安否が気になる。震災から8カ月が経ち、テレビ番組では被災地でのボランティア活動を特集され、その映像の中に寅さんの姿が有り2月か3月頃には寅さんは神戸にいて無事だった事が分かって一安心する。そこに寅さんを訪ねて神戸からやってきた人物。神戸でパン屋を営んでいて震災後に被災住民が寅さんに随分世話になったという。しかし被災者の中に美人がいて。と聞いてその後の展開を察するさくらと博。
満男も結婚を考える年頃で、満男はもう終わったと言っている泉との関係はどうなっているのか気になる母親のさくら。
突然満男の前に現れる泉。晩飯はさくらの手料理。
泉に恋人はいるのか。いなきゃおかしい。でもいたら満男になんか会いに来ない。そんな博の言葉に惑う満男。
夜の散歩に出掛ける満男と泉。ファミレスで泉からお見合いをしてその相手と結婚するかもしれないと告げられ動揺するが強引にでも引き止める事の出来ない満男。そんな満男に落胆する泉。
名古屋に帰った泉の結婚の準備は着々と進む。鹿児島にいる寅さんがくるまやに電話するが出たのが加代だったため話が噛み合わない。とりあえず電話が有った事を知って安心するさくらだったが今は2日前から会社を無断で休み行方も分からなくなった満男の方の事が心配でならない。
岡山県津山、泉の結婚式当日。花嫁行列の車の列の前に立ちはだかる満男の姿が有った。
鹿児島県奄美大島にいるリリー。加計呂麻島(かけろまじま)への連絡船に乗ると船には満男が乗っていた。島では見かけない若者の動向が気になり加計呂麻に着くと声を掛け車に乗せる。殺風景な崖っぷちで車を降りる満男。やはり心配になって満男の後を追いかけるリリー。満男は海に向かい…。
リリーは満男を自宅に連れて来る。1か月ほど前から先客がいるとの事だったがそこにいたのは寅さんだった。リリーは謎の若者が寅さんの従弟で以前柴又で会った事の有る満男だと分かり、満男もリリーだと分かる。

1995年12月23日公開、107分。
紅の花の読みはべにのはな。宮崎アニメ紅の豚(くれないのぶた)は1992年の公開。
翌1996年に渥美清さんがお亡くなりになったため26年間続いたシリーズは本作で終了。渥美さんの体調も思わしくなかったみたいだけどこれで最後と決めての事では無かったようなのでシリーズとしてきっちりと幕を閉じたという感じでは無く、それが寅さんは生きていてまだ旅を続けていると今でも思えるのは良かったと思う。
最後と決めていたわけではないんだろうけどリリーの4度目の登場とか、舞台がテレビ版で寅さんがハブに咬まれて死んだ奄美だったり、満男と泉シリーズの再開だったりである程度の覚悟が有ったのだろうと思える。
寅さん、リリー、満男が顔を合わせるシーンが面白かった。寅さんは満男が来た事に驚き、リリーは若者が満男である事に驚き、満男は寅さんがいる事と女性がリリーである事に驚く。



男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花 特別篇
営業セールスとして各地を転々として靴を売り歩く生活の満男。伯父さんもこんな暮らしをしていたのかとしばらく会っていない寅さんに会って話をしたくて仕方がない。そして寅さんの数々の恋の中でも満男にとっても印象に残っているリリーとの事を思い出す。

1997年11月22日公開、106分。
渥美清さんの没後1年に公開。リマスターされた25作目の寅次郎ハイビスカスの花の全編と、それ以前にリリーが登場した11作目寅次郎忘れな草、15作目寅次郎相合い傘の映像、そして新しく撮影されたシーンを加えた特別篇。
25作目ハイビスカスの花は1980年。寅さんがまだ傍若無人だった頃。気性の激しかった頃もシリーズの終盤になってちょっと丸くなった頃もどれもが寅さんであり、どの寅さんも優しい。そして面白くて面倒臭い。







キャラクターデザインは森やすじさん。確か何話か観た記憶が有るが映画と違い短命で終わってしまったという事。野球中継(ジャイアンツ戦)で結構放送が潰れたとか。

男はつらいよとクレヨンしんちゃんの共通点はかなり有ると思っている。しんちゃんが大人になって寅さんになる可能性も有るのではないかと。しんちゃんは不良にはならないとは思うが。5歳児が将来どうなるのか分からないけど。
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男はつらいよ 41作目から45作目 [男はつらいよ]

男はつらいよ 寅次郎心の旅路
旅先で風邪を引いた寅さんの元にさくらから寅さんを気遣った手紙が届く。
柴又では満男が浪人生となりさくらと博の心配は尽きない。
東京の一流企業に勤める坂口兵馬は仕事に疲れていた。
宮城県栗原のローカル線に乗って次はどこに行こうか決めかねている寅さん。電車が急停車し線路の上には自殺未遂の兵馬が横たわっていた。精神的に参っている兵馬を元気づけようと宴会を開く寅さん。翌朝元気を取り戻した兵馬は寅さんを慕いそばから離れようとしない。寅さんは兵馬にお前はどこに行きたいんだと訪ねると兵馬はウィーンに行きたいと答える。
ウィーンに着いた寅さんと兵馬。念願のウィーンを満喫する兵馬とは対照的に3日間ホテルから一歩も外に出なかった寅さんだったが、このままじゃどうしようもねえ。と兵馬と外出する事に。案の定ウィーンの街で兵馬とはぐれた寅さんは日本人ツアーガイドの江上久美子と知り合う。ガイドの仕事のある久美子は知人のウィーン在住の日本人女性に寅さんの世話を頼む。寅さんはその女性をマダムと呼びマダムと久美子が知り合ったいきさつを聞く。
兵馬は舞踏会に出掛けワルツを踊ったウィーンの女性にダンスが上手ねと褒められる。
寅さんと久美子はドナウ川のほとりをドライブ。寅さんと一緒にいて故郷の事を思い出したと言う久美子の寂しげな顔を見て寅さんは日本に戻ったらどうだい?と提案する。迷った結果日本に帰る事を決めた久美子は恋人のヘルマンにその事を告げる。

1989年8月5日公開、109分。
平成最初の男はつらいよであり、年2本の公開が最後のため8月公開はこれが最後。
寅さんに一度ウィーン行きを断られた時の兵馬の顔面蒼白が恐怖映画ばりの蒼白さで怖かったけど面白かった。
初めて海外が旅先になったいきさつは当時のウィーン市長に招致されたからという事らしい。しかし寅さんがウィーンでも現地の人を相手に大騒動というわけにはいかず。それは寅さんの性格や行動や嗜好を熟知しているからこそであって、そして何よりも言葉が通じないという事を考えればそうなるのも納得だし、そこで無理して現地の人と絡んで上手くいかなかったりしたらそっちの方が大惨事になったんじゃないかなと思う。
竹下景子さんが3度目のマドンナ。それぞれ別の役。前の2回では寅さんが及び腰で上手くいかずのパターンだったけど今回はちゃんとフラれる。



男はつらいよ ぼくの伯父さん
茨城県でローカル線に乗っている寅さん。老人に席を譲らない学生に注意をして老人と揉める。
柴又では浪人中の満男の生活態度をめぐって親子の仲はぎくしゃくしていた。予備校の授業中、高校時代の後輩及川泉の事を思い出す満男。家に帰ると泉からの手紙が届いていたがさくらの詮索を煩わしく感じる満男の怒りが爆発。
矢切の渡しに乗って柴又に帰ってきた寅さんを源公が出迎える。
くるまやでは満男の事で悩むさくらが寅さんの帰りを待ちわびていた。帰ってきた寅さんは満男にも悩み事が有るはずだから俺が相談に乗ってやると言いさくらは喜んでお願いする。しかしおいちゃんおばちゃんは寅さんが相談相手になる事が心配でタコ社長はさくらと博に寅さんなんかで大丈夫かい?と不安を煽るのだった。
浅草でどぜう鍋を囲む寅さんと満男。未成年の満男に日本酒の飲み方を教える寅さん。満男は正直にありのままの恋の悩みを相談しその後は飲み明かし二人してベロベロになって帰ってくる。博やおいちゃんおばちゃんはそんな二人を見て怒るが寅さんは満男はいい奴に育ったと言い、翌朝旅に出る。
しばらくして満男も置手紙を残しバイクで旅に出る。行先は泉が両親の離婚で母親について行った名古屋。しかし名古屋に泉の姿は無く母親の礼子に話を聞くと礼子の妹の住む佐賀に引っ越していた。名古屋から佐賀へと向かった満男は無事泉と再会を果たす。満男の宿泊先には偶然佐賀で商売をしていた寅さんがいて相部屋に。ここでも寅さんは満男の相談相手になり、及び腰の満男に小野小町と深草少将(ふかくさのしょうしょう)の話を聞かせて励ます。
題経寺で御前様にこれまでの報告をするさくらに今は親離れ子離れの時間で満男君はしっかりしているから心配ないと言う御前様だったが寅さんが一緒にいると聞いてそれはいかんと顔色を変える。
翌日満男に頼まれ泉の家を一緒に訪ねた寅さんは泉と叔母の奥村寿子に出会う。

1989年12月27日公開、109分。
満男と泉の恋の話がメインになる。渥美清さんの体調不良も一因でそのため年1本の製作にもなったという事だけど画面に映っている姿を見る限りでは弱弱しいとか体調悪そうとかそういう事は無い。



男はつらいよ 寅次郎の休日
旅先でさくら、源公の出てくる夢(平安時代。寅麿とさくら式部兄妹の再会)を見た寅さん。
柴又では満男が大学生になり自堕落な生活態度にさくらと博は内心では怒り心頭。満男は八王子のキャンパス近くで一人暮らしをしたいと相談するがさくらは反対する。
さくらが満男の一人暮らしの件をおいちゃんおばちゃんに話すと話題は寅さんの事に。そこに寅さんから電話。日本のどこかにいて気が向いたら寄るとの事。酒屋でお銚子2本と食い物を出してもらい代金として店主が500円のつもりで手のひらを拡げるとと50円と勘違いした寅さんはあいよと100円玉一枚を出し釣りは要らないよと颯爽と立ち去る。店主に今時非常識だと呆れられるがやはり憎まれない。
満男と口論になった博は勢いで家から出て行けと言うと満男はそれを口実に家を出て行く準備を進める。
くるまやに泉が訪ねて来る。現在は名古屋で母親の礼子と一緒に暮らしていた。父親の一男に会いに東京に出てきたが父親には会えず満男とさくらたちに挨拶するために来た。さくらは一緒にご飯を食べようと誘い泉を自宅に連れていく。
引っ越し先を決めた満男は軽トラックを借りて荷物を運び出そうと自宅に帰るが家の中に泉の姿を見つけ急遽引っ越しは中止。
諏訪家3人と泉とで食卓を囲む。両親は父親に別の女性が出来て別れた事、父親に母親との復縁を頼みに来た事を話す泉。
翌日満男は泉に付き添い父親の職場の有る秋葉原へ向かうが父親は既に職場を辞めていて大分県日田に移り住んでいる事が分かる。
寅さんが柴又に帰ってくる。みんなの出迎えの態度が気に入らず題経寺にお参りに行ってくると店を出た矢先帰ってきた満男と泉に再会する。泉は寅さんと再会出来た事を喜び、寅さんは話せば長くなるという泉が柴又にいる理由を聞くために喫茶店に連れて行く。
夜はくるまやで食卓を囲み泉の事を色々と心配する一同。寅さんは別れ際泉にみんな泉ちゃんが幸せになる事を願っているよと言う。
3年後、社会人となった満男は泉と結婚。子供が生まれ、名付け親はもちろんこの俺。と、寅さんの妄想。
翌日の新幹線のホーム。名古屋に帰るはずの泉が満男に博多行きの乗車券を見せる。やはり父親に一目会って戻ってきて欲しいと頼みたいと新幹線に乗る泉。ドアが閉まる直前満男も乗り込み二人で九州へと向かう。寅さんは泉の母親礼子と共に二人を追いかける。

1999年12月22日公開、106分。
サブタイトルやスタッフクレジットの字体がちょっと可愛らしい感じに変わる。これも満男と泉の若者の話がメインという事だからだろうか。
前々作、本作で諏訪邸の建っている場所や外観、間取りなどが変わる。
100円エピソードは最新作おかえり寅さんでの中学生以下の鑑賞料金100円につながっているのだろうか。



男はつらいよ 寅次郎の告白
旅先で故郷柴又の江戸川を想う寅さん。
柴又、朝のジョギングを終え自宅に戻った博は大学へ行く満男から何年振りかに朝の挨拶をされ戸惑う。泉が名古屋から東京に出て来る日で上機嫌な満男。泉は大学へは進学せず東京で就職するための面接での上京だった。
泉の苦労を満男がどれだけ理解出来るのか、それが二人の行く末を左右する。と博は思う。
くるまやではタコ社長が働き手不足に苦労し働き者の三平を引き抜こうとするが失敗。
寅さんが帰ってきて寅さんの商売も人手不足でサクラ役を探してると言い三平をスカウトしようと商売の手口を演じて見せるがそのインチキな手口に三平に断られさくら達には呆れられる。
泉もくるまやに来て楽しく食卓を囲む。別れの時泉に泉ちゃんが会いたいなあと思った時にまた会えるよ。と言って送り出す寅さん。
満男と泉の将来を満男の泉への想いが重過ぎて添い遂げられないだろう。とシビアに予見する寅さん。タコ社長に寅さん自身の事を茶化されて久し振りの大騒動に。
泉の面接は条件が合わず不採用。落ち込む泉に何もしてやれない満男も落ち込む。
名古屋に帰った泉。母親の礼子が恋人を自宅に連れて来るが泉はその事が許せなかった。
寅さんは鳥取で商売。
満男の所に泉から絵葉書が届くがその文面から泉の事が心配になり礼子に電話をすると母娘喧嘩をして家を出て行った事が分かり満男は絵葉書が送られてきた鳥取へと向かおうとする。鳥取のどこにいるのか分からないまま行ったってしょうがないじゃないと引き留めるさくらに泉から連絡が有ったら鳥取砂丘で待っていると伝えて欲しいと言って満男は家を飛び出した。
鳥取を一人旅する泉。立ち寄った駄菓子屋で店主の婆さんに良くしてもらう。晩御飯も一緒に食べようと婆さんは泉に豆腐を買いに行かせると町中で偶然寅さんと再会。寅さんの言った通り会いたいと思った時に会う事が出来て号泣する泉。
寅さんに母親との事の思いの丈を話し気持ちの整理がつく泉。満男とも無事鳥取砂丘で再会。後は泉を名古屋に送り届けるだけ。その前に鳥取での寅さんの行きつけ鮎料理が名物の料亭に寄る事に。料亭の女将聖子は昔寅さんが惚れた女性で男前の無口な板前と結婚し寅さんはフラれていた。

1991年12月21日公開、104分。
おいちゃんおばちゃんの台所に文明の利器電子レンジが導入されている。
いつものさくらの御前様への報告に自分も若い頃は寅さん以上に激しい恋を幾つもした。と御前様が衝撃の告白。



男はつらいよ 寅次郎の青春
旅先で満男、泉、源公の出てくる夢(文学博士、車寅次郎)を見た寅さんは宮崎県で商売。
柴又では博の朝のジョギングに満男が嫌々付き合わされていたが満男は東京で就職した泉を今晩の食事に誘う予定を立てていたので上機嫌。
くるまやではおばちゃんが最近顔を見せなくなった満男の事を嘆き寅さんの事を思い出していた。
諏訪邸でさくらの手料理を囲み会話も弾む4人。そろそろ会社の寮の門限が有るからと言う泉に翌日は休みだし寮の方には私から連絡するからとさくらが引き留めるのを息をのんで見守る満男。無事泉は泊まる事に。
親友が宮崎で結婚する事になり有休を取って結婚式に出席する事を満男に話す泉。
宮崎県油津。床屋の店主蝶子が昼食に入った馴染みの店には寅さんが先客でいた。少し会話を交わし蝶子の分の昼飯代も出して店を出る寅さん。再び通りで出くわした蝶子に散髪していかんねと言われ素直について行く。
散髪の途中で蝶子の弟で船乗りの竜介が沖縄に行く予定が低気圧が近付いて2、3日は出航出来ないと帰ってくる。寅さんの散髪が終わり支払いも済ませた頃、外は雨模様。蝶子に言われ雨宿りのつもりが雨は降り続け晩飯を御馳走になる寅さん。更にお言葉に甘えて宿泊する事に。
結婚式出席のために宮崎にやって来た泉。結婚式が終わり一人飫肥城(おびじょう)見学に訪れ寅さんと偶然再会。喜びの再会をし、寅さんはお茶でも飲もうかと泉を誘うが蝶子と一緒に来ていた事をすっかり忘れていた。蝶子は泉といる寅さんに気を使い、泉は蝶子に気を使ってお互い寅さんと離れようとするが二人の間でどちらとも離れたくない寅さんは体勢を崩して右足を負傷してしまう。骨が折れたと大騒ぎする寅さん。
満男は久し振りのくるまやで薪割りの手伝い。長らく御無沙汰の寅さんからの手紙の内容に呆れたおいちゃんおばちゃんはもう死んだ事にして心配するのはやめたと言い、そこに泉から緊急の電話。薪割りから一目散で電話を取り次いだ満男は寅さんが怪我をして病院に運ばれた事を知らされ今すぐ宮崎に向かうと言う。おばちゃんは怪我の具合が分からない寅さんの事が心配でたまらず、そしてそのニュースは寅さんが危篤となってあっという間に商店会中に広まった。
満男が宮崎へ行った一番の目的は泉に会うためだろうと博とさくらには見透かれていた。
宮崎に着き泉と再会出来た満男だったが泉のそばにいる竜介の存在が気になって仕方ない。そして寅さんと蝶子の関係も気になるのだった。

1992年12月26日公開、101分。
おいちゃんおばちゃんの所は電子レンジは導入されても風呂はまだ薪風呂なのだろうか。それとも団子の調理の時に薪を使うのか。
満男の部屋にリュック・ベッソン監督のポートレート。1992年までのリュック・ベッソンはグレート・ブルー、ニキータのリュック・ベッソンでそれはポートレートも飾られて当然の存在。
満男と泉シリーズの第4弾。満男と泉のテーマソングは徳永英明さんが担当。泉が勤めるCDショップでも一押し。
映画の最初では何かと問題のある満男が寅さんと行動を共にする事で寅さんから影響を受け最後にはちょっとだけ成長しているという事が描かれるシリーズでもある。
本作公開の3か月後に笠智衆さんがお亡くなりになったため御前様が姿を見せるのは最後。
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男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎 [男はつらいよ]

男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎を観た。
岡山県を旅する寅さん。義弟・博の父親、諏訪飇一郎の墓参りに訪れた寺の住職の娘朋子に一目惚れ。

角川シネマ有楽町《男はつらいよ 4Kデジタル修復上映》にて。

1983年12月公開の32作目。映画のシリーズ開始から14年。この時点で既に大長寿シリーズ。お約束なパターンは有るけどそれがマンネリという事ではなくて。お約束を外さない面白さというのは有るし、まるっきり同じ事を繰り返しているのではなくて年を重ねてきての変化の面白さだったり感慨深さも有るし。
寅さんも当然変化している部分は有るけど一番変化しているのは満男だろうと思う。成長と言った方が正しいか。満男の成長によって周りもみんな変化(悲しいけど老化)していく。

4Kデジタル修復にはそれほど期待はしていなかったけどやっぱり映像は綺麗だった。
それと映画館で観ると他の人の笑い声クスクス笑いだったり爆笑だったりがプラスされるのでそれがまたいい感じ。劇場初公開当時の劇場の雰囲気とはどの様なものだったのだろうか。もうこの様な極めて稀な時代を重ねていく国民的映画と呼ばれる映画も出て来ないだろうし、一度は体験してみたかった。と、今さらになって思う。
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男はつらいよ 36作目から40作目 [男はつらいよ]

男はつらいよ 柴又より愛をこめて
旅の途中でさくら、博の出てくる夢(寅さん宇宙へ行く)を見た寅さん。
柴又ではタコ社長の娘あけみが夫婦喧嘩の末に家出し1か月以上が過ぎていた。心配でたまらないタコ社長は朝のテレビ番組の尋ね人のコーナーに出演する。その哀れな姿を見たあけみからとらやに電話が有り伊豆の下田にいると言い、そして寅さんに会いたいと言う。
柴又に帰ってきた寅さんはいつになく熱烈な歓迎を受け、事情を聞き早速下田へ向かいツテを使ってすぐさまあけみを探し出す。寅さんに会って喜ぶあけみ。しかし今は柴又へは帰りたくない、一緒に旅をしたいと言うあけみを温かく見守り船に乗って式根島へと向かう。
ほどなくして船内で知り合った若者たちと仲良くなりあけみの事をほったらかしにする寅さん。同窓会のために帰郷した若者たちと行動を共にし島の小学校教諭の真知子先生と知り合う。そんな寅さんに呆れたあけみは島の青年茂と知り合う。
真知子が東京の堀切出身という事で二人の仲は縮まり、寅さんは真知子の悩みを知って真知子の幸せを願う。一方あけみは茂にプロポーズされ激しく動揺する。
名残惜しくも柴又に帰ってきた寅さんは遠く離れた真知子の事を想うあまりついに気が触れてしまう。

1985年12月28日公開、105分。
笑いの小道具として使った釣り道具をその後失恋の悲しさを表す小道具として再び使うのがさすが。
あけみ役美保純さんのサービスカット有り。後ろ姿だけどそれでも男はつらいよでは相当珍しい。
御前様の英語がマイケル・ジョーダン(マイコーさん)の時の「ペラペラ~ペラペラ~」からかなりの上達。源公には笑われ相手にもあまり伝わってはいなかったみたいだけど。



男はつらいよ 幸福の青い鳥
旅の途中でさくら、博、満男、源公の出てくる夢(幸福の青い鳥探し)を見た寅さん。
柴又、朝日印刷では機械設備の充実により余剰人員が出る事態に。とらやの余剰人員こと寅さんの話題が出てきた所に寅さんから電話。今回は1年間の長旅で現在居る所は長州(山口県)。
テキヤ仲間のポンシュウのコンピューターおみくじで南の方角に素晴らしい出会いが待っていると出た次の旅先は九州福岡県筑豊。嘉穂劇場へと立ち寄った寅さんは以前にもここで観た芝居の事を思い出す。懇意にしていたその旅一座の座長が最近亡くなった事を知った寅さんは線香を上げるために座長の家に向かう。娘の美保が出迎え寅さんが以前にも美保が大空小百合の芸名で舞台に立っていた頃に何度か会っていると伝えると美保も思い出す。
父親の看病で苦労した事、そして今の暮らしが楽では無く一緒に東京に行きたいと言う美保に寅さんは俺に出来る事はないかいと尋ねると美保はおとぎ話の幸福を呼ぶ青い鳥が欲しいと言う。
しばらくして美保は寅さんを頼りに東京に出てくるが寅さんはまだ帰って来ていなかった。寅さん以外に誰も知り合いが無く体調を崩していた美保は偶然知り合ったやんちゃながら親切な青年健吾と知り合い一晩だけベッドを借りぐっすりと眠る。健吾も田舎から出てきて映画の看板屋で働きながら画家を目指していた。
寅さんが1年振りにとらやに帰ってくる。早々においちゃんおばちゃんと口論になり、おいちゃんは我慢出来ず出て行ってくれ!と言い、それを言っちゃおしまいよ。と、寅さんがとらやを出て行こうとした矢先に美保が現れ即事態は収拾。美保は寅さんの部屋に住む事に。勤め先も決まり次は婿探し、そして子供の名付け親は俺だという寅さんだったが、その子供は寅さんの妄想の中ではいつの間にか寅さんと美保の間に生まれた子供になっていた。

1986年12月20日公開、106分。
この年は松竹大船撮影所50周年記念作品で山田洋次監督がキネマの天地(男はつらいよ出演者がほぼ出演、ゆかりの有る人たちも多数出演)を撮ったので夏の作品は無し。なので寅さんも1年間の長旅。
あの素直で可愛かった満男が思春期、反抗期を迎えさくら、おばちゃんを嘆かせる。



男はつらいよ 知床慕情
みちのく(秋田県角舘)では桜が満開の頃、寅さんは故郷柴又に想いを馳せていた。
とらやはおいちゃんが風邪をこじらせ入院し休業中。おいちゃんの様態が安定し安心した所で御前様やおばちゃんの気掛かりはとらやの跡取り寅さんの事。
とらやに帰ってきた寅さんはおいちゃんの入院を知り早速担当医や同室患者への配慮に動くがそれがあだとなる。
とらやが営業を再開する事になり、職人やあけみの手を借りる事となったがその話に自分が含まれていない事に腹を立てる寅さん。寅さんが出来る仕事を探して金庫番を任される。しかし全く役に立たない寅さんはみんなを裏切ってしまう。激怒するおばちゃんの様子を見た寅さんは店の中に入る事は出来なかった。
寅さんに頼まれ荷物を持って柴又駅に見送りに来た満男から反省を促され、まだ子供だと思っていた満男に痛いところを突かれ憤慨する寅さんだったが電車の扉は閉まり次の旅へと向かう。
おいちゃんは無事退院し、おばちゃん、さくらと点けていたテレビを見ていると北海道阿寒国立公園川湯温泉が映し出されご当地インタビューで偶然寅さん登場。
知床で家畜の獣医をしている頑固で偏屈な老人上野順吉と知り合いになった寅さんは順吉に気に入られ家に泊まる事に。妻に先立たれ、一人娘のりん子は駆け落ちし東京へと出て行った。順吉が頑固で偏屈な理由はそこに有ると見た寅さんは後妻を貰う事を勧める。順吉はそれよりも現代日本の農政に不満を募らせていた。
近くのスナックはまなすの雇われママ悦子は一人暮らしの順吉の身の回りの世話をしていた。スナックはまなすに通い悦子や常連客と仲良くなる寅さん。
りん子が一人で知床へ帰って来るが順吉はつい乱暴な態度をとってしまう。そんな二人の間を取り持つ寅さんと悦子。
とらやに寅さんからの手紙が届き、現在は知床で楽しく暮らしている事が報告され、知床名産の昆布を東京に用事の有るりん子がとらやに届ける事が記されていた。謎の女性りん子の存在にとらや一同は色めき立つ。

1987年8月15日公開、107分。
順吉の悦子への愛の告白に驚き感心する寅さん。そういえば寅さんは恋した相手に真剣に告白した事は無いんじゃないだろうか。照れ隠しでふざけた感じで言う事は有っても。順吉役の三船敏郎さんが役の上で愛の告白をするというのもそんなに無かった事なのかもしれない。
地元の人たちに帰郷を歓迎されながら結局りん子は再び東京で生活するみたいだけど、あれは寅さんを追ってきたという事なのだろうか。ウィキペディアには一部に本作が最終回の憶測も有ったとの事。製作側にそういう意識が有ったのか無かったのかは分からないけど何らかの関係は有るのかなあとも思える行動ではある。
満男が高校に入学したらしい。
1987年、日本はバブル景気真っただ中。ジャパンマネーの象徴とも言えるゴッホのひまわり(ニセモノ)が作品中にも登場。



男はつらいよ 寅次郎物語
旅先で子供時代の父親との喧嘩の夢を見た寅さん。
柴又では満男の進路、大学受験について当の満男と意思の疎通が取れずさくらは悩んでいた。
満男は柴又駅前で偶然知り合った少年が寅さんを訪ねて来たと知り驚き、少年をとらやに連れて来る。さくら、おばちゃん、あけみが話を聞くと名前は秀吉(ひでよし)、母は蒸発し父が亡くなったため父から寅さんを頼れとの言い付けを守って福島県郡山から一人で柴又までやって来た事が分かる。父親が寅さんの知り合いである事と身の上が不憫である事から秀吉をとらやに泊める事に。おばちゃんとタコ社長は秀吉の父親は実は寅さんなのではないかと想像する。
しばらくして寅さんが柴又に帰ってくる。秀吉の顔に見覚えのある寅さん。郡山から来たと聞きはっきりと思い出す。秀吉の今の境遇を知り、おいちゃん、おばちゃん、あけみに秀吉の父親と母親について話す。父親はテキヤ仲間で般若の彫物を入れた般若の政。飲む打つ買うの酷い男で母親のふでが秀吉を残して蒸発した事にも理解を示す。そして秀吉という大層な名前の名付け親は寅さんだった。
テキヤ稼業のネットワークを駆使してふでの居場所を捜す事にする寅さん。ふでが和歌山にいるとの情報を得て商店会一同に盛大に見送られ秀吉と共に和歌山へと旅立つ。しかし、さくらは福祉事務所の職員にそれは福祉事務所で行う事ですと言われ、確かにせめて寅さん一人だけを行かせるべきだったと反省する。
大阪で足止めを食い、和歌山から奈良への強行軍の寅さんと秀吉。奈良県吉野の旅館には化粧品のセールスで各地を車で回る高井隆子が宿泊していた。その旅館でふでが働いているとの情報で寅さんと秀吉もやって来るがそこにもふでの姿は無く旅館で一泊する事に。その夜秀吉が過密行程がたたって高熱を出すと隣室の隆子も秀吉の看病を手伝い、寅さんが隠居した耳鼻科の老医者を連れてきて適切な処置を施してもらう。老医者に3人が家族だと間違われた寅さんと隆子はそれ以降「母さん」「父さん」と呼び合う。
秀吉の熱も下がり寅さんは隆子に秀吉の看病の礼を言い、隆子は秀吉が助かった事で実は自分も救われたのだと言う。
夜になり寅さんと秀吉の部屋にやって来る隆子。これまでの人生を嘆く隆子に寅さんはこれからの人生にはきっといい事がいっぱい待っているよと慰める。
ふでが現在は伊勢志摩にいるとの確実な情報を得た寅さんと秀吉は隆子と別れ伊勢志摩へ向かう。

1987年12月26日公開、101分。
終盤の寅さんと満男の会話はシリーズ屈指の名シーン。満男の真剣な問いかけにふざけず、かと言って気取らず真面目に寅さんなりの答えを悩める満男に贈る。
老医者役は二代目おいちゃんの松村達雄さん。
あけみは本作以降、今年公開の最新作まで姿を見せないらしい。
出川哲朗さんが柴又の商店会の一員としてちらっとだけ出演。オープニングの出演者に名前は無し。



男はつらいよ 寅次郎サラダ記念日
長野県小諸を旅する寅さん。
くるまやでは新しい従業員の三平が働き、さくらがほぼ店の事を仕切っている。
さくら、博は満男の進路について頭を悩ませ、満男も自分の将来について悩んでいた。
寅さんは小諸の駅前でキクエ婆さんと知り合い、婆さんに気に入られ家について行く。亭主と死に別れ息子夫婦も東京に出て行き一人暮らしの婆さんと楽しく晩酌を交わす。夜な夜な現れると婆さんは言う亭主の亡霊の気配を感じる寅さん。奇妙な夜が明けると女医の原田真知子が入院して検査と治療が必要な婆さんを迎えに来て寅さんと出会う。婆さんは入院を拒むが寅さんが病院について行ってやると言って受け入れる。
真知子はそのお礼に寅さんに食事をごちそうする事に。婆さんから真知子も亭主と死に別れた身だからオラと同じ様に慰めてやって欲しいと言われていた寅さんは喜んで真知子の家について行く。道すがら真知子の仕事の悩みを聞く寅さん。小諸駅前では真知子の姪、由紀と出くわす。東京の大学に通っているがちょくちょく真知子の元を訪れるという由紀。真知子の家でも楽しい時を過ごす寅さんは満男に電話をして早稲田大学を受けなさいと言う。由紀が早稲田大学の学生である事からの発案。由紀が大学では短歌を勉強している事を知り同じく七五調の得意の口上で二人を楽しませ、世間の目が有るから女性宅に長居は良くないと家を後にする寅さん。
由紀が今回来た目的は真知子への縁談についてだったが真知子には初めからその気は無く見合い写真を見てもタイプでは無いと言い、死んだ亭主と似たところの有る寅さんがタイプだと言う。
翌日キクエ婆さんの病床には寅さんからの見舞いの花束が有ったが既に東京に帰っていったと知り残念がる真知子。
柴又では朝日印刷に地上げ屋対策の大看板が掲げられる。さくらがすっかりと団子屋のおかみになってしまった事にタコ社長やおいちゃんは本来の後継者である寅さんを思い浮かべ、そこに寅さんが帰ってくる。
久し振りの会話の中で人それぞれ悩みが有ると言うさくらに「ごもっとも。俺にも悩みが有る」と、寅さん。
その晩、小諸での出来事を話す寅さん。話の中には老婆と医者(性別は伏せられる)しか出てこず拍子抜けする一同。結局寅さんの悩みは何なのか分からずじまいだったが、満男は寅さんからの電話の早稲田大学にヒントが有ると見抜く。
チンチン電車に乗って早稲田大学のキャンパスへ由紀に会いに行く寅さん。たまたま知り合った学生の茂に由紀の事を調べてもらい教室に入り込み、かつてくるまやでガス爆発を起こしたワットくんの話で講義の時間を盛り上げる。
由紀と再会し、真知子が寅さんに好意を持っている事を聞き電話番号を渡されすぐにでも電話をかけたい。が、店の電話でさくらやおばちゃんのいる所では掛けづらい寅さんと何も知らないさくらとの間でいざこざ発生。真知子の方から電話が有り一週間休暇をもらい東京の実家に来ているのでくるまやに遊びに行く事を約束する。約束の当日、実家に預けている息子、由紀、そして金町に住んでいる茂と共に柴又へやって来る真知子。再会の時の演出を綿密に頭の中で組み立てていた寅さんだったが始まりから破綻。しかし楽しい時間を過ごす。帰りの柴又駅で真知子自身から好意を伝えられる寅さんだったが。

1988年12月24日公開、100分。
本作から屋号がとらやからくるまや(正式にはくるま菓子舗)に。とらやからくるまやに変わったのか、元々くるまやでとらやは無かった事にされたのかは分からない。
寅さんとさくらの電話をめぐってのいざこざが面白い。大抵はお兄ちゃん想い、たまに辛抱出来ず叱る事も有るさくらだけど対等にやり合うのも面白い。考えてみれば寅さんと一番対等にやり合えるのはさくらなのかもしれない。
マドンナの名前が真知子で、茂という青年が出てくるのは36作目の柴又より愛をこめてと一緒。何か意味が有るのだろうか。
出川さんは本作にもテキヤの若い衆として出演。出演者に名前は無し。
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男はつらいよ 31作目から35作目 [男はつらいよ]

男はつらいよ 旅と女と寅次郎
旅先でさくら、おいちゃん、おばちゃん、博、満男、タコ社長、源公の出てくる夢(舞台・佐渡金山一揆のその後)を見た寅さんが柴又に帰ってくる。
とらやでは満男の小学校最後の運動会の準備の最中。寅さんが当日仕事で行けない博の代わりに満男の応援を買って出た事が問題に。
寅さんの次の旅先は新潟。商売をしている目の前の公会堂では人気演歌歌手京はるみの公演が予定されていた。
翌日寅さんは港町に場所を移すが商売にならず漁船の船長が佐渡ヶ島に帰ると言うと寅さんも一緒に船に乗っけて欲しいと頼み、そばで話を聞いていた女性も同乗して佐渡ヶ島へ向かう。
同じ宿に泊まり一人旅をする女性の悩み事を聞き、女性が口ずさむ歌声にあんた歌上手いねえと感心する寅さん。後になって宿の老婆から女性が京はるみだと教えられた寅さんだったがはるみの事情を察して知らない振りをする。
翌日島でデートのような時間を過ごす二人。すっかり気分転換出来たはるみは仕事に戻る決意をする。
とらやに戻った寅さんははるみへの恋心を忘れられず気もそぞろで皆に心配をかけていた。そんな時とらやに大スター京はるみが訪れ柴又がパニックに。

1983年8月6日公開、101分。
冒頭江戸川土手のシーンに細川たかしさんが特別出演。矢切の渡しが大ヒットしていた頃。
寅さんのウォークマンの持ち方が面白い。
よく見るとウォークマンではなく東芝のウォーキーという商品だけど後のウォークマンのこのCMに寅さんが与えた影響は有ったのか無かったのか。




男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎
旅の途中、さくら、おいちゃん、おばちゃん、博、タコ社長、マドンナ(写真)の出てくる夢(熊さんの男はつらいよ)を電車の中で見た寅さん。うなされる寅さんを心配して声をかけてきた子供連れの工事現場作業員の出で立ちの男と束の間旅を共にする。
とらやでは博とタコ社長が朝日印刷の経営方針を巡り対立していた。そこに寅さんから電話。現在、博の父飇一郎の故郷備中高梁(びっちゅうたかはし、岡山県)にいるので三回忌の墓参りをしたいから寺の名前を教えろとの事だった。
墓参りを済ませた寅さんは帰り道で寺の和尚と和尚の娘朋子と出会い朋子に一目惚れし寺に居着く事に。
和尚には大学生の息子一道もいたが折り合いは悪かった。
博、さくら、満男が飇一郎の三回忌法要のため高梁へとやって来る。博の兄姉と久し振りに顔を合わすがこちらも色々と折り合いが悪かった。
法事の席に坊主の格好をした寅さんが現れ気が気ではないさくらだったが朋子の姿を見てその理由を理解する。
一道はカメラマンになる夢を追いかけ東京に旅立つ。寺の跡取り問題で寅さんの名前が出てきている事、朋子にもその気が有る事を寅さんは知り今後の事について身内と相談したいと柴又へ帰る。

1983年12月28日公開、105分。
和尚役は2代目おいちゃんの松村達雄さん。
博の長兄の娘役は森口瑤子さん(旧芸名の灘洋子での出演)。本作がデビュー作。
工事現場作業員役はレオナルド熊さん。夢のシーンにも出演。石倉三郎さんも蕎麦屋の出前持ち役で出演。コント・レオナルドが人気絶頂の頃だろうか。
御前様のお説教
御前様 1.jpg
御前様「んんー、仏教における修業とは煩悩を断ち切るための命懸けの戦いです。寅のごとき煩悩が背広を着て歩いている様な男がどうして修業が出来ますか」
おいちゃん「ごもっともで御座います」
御前様「本人のたっての願い故、修行の真似事をさせてはみましたが三日で音を上げる始末」
さくら「申し訳御座いません」
おいちゃん「くくく、三日坊主とはこの事で御座いますね」
おばちゃん「へへへ」
御前様「冗談を言ってる場合ですか! 困った人たちだ。当分寺への出入りを差し止める。さぞ申し伝えなさい」
その直後とらやを出て参道で美人とすれ違う御前様
御前様 2.jpg
御前様「いかん。修行が足りん」



男はつらいよ 夜霧にむせぶ寅次郎
旅の途中でタコ社長、源公、マドンナ、トニーの出てくる夢(ギャングの復讐劇)を見た寅さん。
とらやでは満男が中学生になり吹奏楽部に入部してフルートを担当。タコ社長の娘あけみの結納を終え寅さんの噂をしていた所に寅さんからの小包が届く。中身は満男への中学入学祝いで岩手、盛岡よりとあった。
岩手から青森に北上した寅さんは昔の舎弟、登と何年か振りに再会する。堅気となった登との再会に喜ぶ寅さんだったが舞い上がる登に渡世人と堅気とは住む世界が違うんだぞとたしなめる。
更に北上し北海道釧路に移動した寅さんは理髪店で職探しをしている女性に出くわす。名前は風の子で風子(ふうこ)、周りからはフーテンの風子と呼ばれていると知った寅さんと意気投合し根室まで旅を共にする事に。
東京でサラリーマンをしている福田栄作も何故か加わり福田の用事に付き合い福田は東京に帰っていった。
根室に着いた寅さんと風子。風子は理容師としての職を見つけサーカスのオートバイショーの花形スター、トニーと知り合う。
寅さんの旅にこれからも付いて行きたいという風子に寅さんは真面目に地道に働いて幸せになるべきだと言って去っていく。
柴又ではあけみが題経寺で挙式。とらやに福田が訪れ丁度帰ってきた寅さんと再会する。福田は東京で風子に会い金の無心をされたと言う。風子が東京で辛い思いをしているに違いないと心配する寅さん。
トニーの東京でのアパートで体調を崩し寝込んでいた風子をとらやに引き取った寅さんはトニーと渡世人同士の話し合いをする。

1984年8月4日公開、102分。
タコ社長の娘あけみが初登場。
夢のシーンでのナレーションは小林清志さん。
寅さんの恋心は惚れた相手に自分以外の誠実な相手と幸せになって欲しいという風に変化してきている。倒錯しているとも言えなく無いがそれが寅さんの美学だとは納得できる。ただ物語として成立させるのにはちょっと難しいと言うか本作ではまだ試行錯誤の段階なのかなあと思えた。なので喜劇としてのオチを強引気味に付けるがその強引さが面白かった。前作のレオナルド熊さんの出演と若干つながってる?



男はつらいよ 寅次郎真実一路
旅先でさくら、博、タコ社長、源公の出てくる夢(車博士VS怪獣)を見た寅さんが柴又に帰ってくる。
とらやではタコ社長の娘あけみが亭主と喧嘩して愚痴をこぼしていた。どうにかなだめすかしていた所に寅さんが現れ台無しにしてしまい寅さんとタコ社長は参道で大立ち回り。その結果おいちゃんも含めて御前様に怒られる事に。
上野の焼き鳥屋でヤケ酒の寅さん。隣の客の口調から九州出身と見抜き、見抜かれた男は名刺を渡し今度また飲みましょうと言い寅さんの飲み代を払って帰っていった。
翌朝さくらの家で朝食をとる寅さんは博にその名刺を見せ、博は会社が大手証券会社で名刺の男富永はエリートサラリーマンだと言う。
寅さんは律義にその会社へ出向き昨夜の礼を言い仕事が終わったら一杯やろうと富永を誘う。
とらやには富永の妻ふじ子から寅さんが今晩富永の自宅(茨城県牛久沼)に泊まると連絡が入る。
翌朝寅さんは富永の自宅で目覚め家の中をうろうろしているとふじ子と出会いようやく自分が今いる場所を理解する。富永は既に朝早くに出社していて毎日朝早くから夜遅くまで働いている事を寅さんは知る。
とらやに帰った寅さんは富永の激務の陰でふじ子が寂しい思いをしているに違いないと語り、タコ社長は寅さんが人妻のふじ子に惚れた事を見抜く。

1984年12月28日公開、107分。
松竹創業90周年番組。
寅さん2度目の飛行機を嫌がらず。沖縄の時に学習したのだろう。
大原麗子さんが2度目のマドンナ。
何作か前までは劇中でどこも不景気だと言っていたがこの頃だとバブル景気の前触れといった感じの様。バブルの恩恵はとらや、朝日印刷には来るのか来ないのか。



男はつらいよ 寅次郎恋愛塾
旅の途中でさくら、おいちゃん、おばちゃん、博、満男、タコ社長、源公、ポンシュウの出てくる夢(姥捨ものがたり)を見た寅さん。
柴又のとらやでは満男が中学校で将来の夢を音楽家と答え担任にもっと現実的に考えなさいと言われ憤慨し博に相談する。現実的な夢とは、そして個性的とはという話から寅さんの話題になったところで寅さんから電話が有り今は長崎にいるという。
テキヤ仲間のポンシュウと五島列島に渡った寅さんは道で転んだ婆さんを助ける。家まで送り届けるとそのまま夕飯を囲み婆さん自慢のお手製のラッキョウを肴に焼酎を飲み楽しい夜を過ごす。
就寝時、婆さんの具合が急変し最期を看取った寅さん。クリスチャンの婆さんの葬儀は教会で行われ寅さんとポンシュウは墓の穴を掘る手伝いをしていた。葬儀のために東京から帰郷した孫娘の若菜。葬儀の途中で退席し俺たちみたいなヤクザがいていい場所じゃないと言う寅さんに祖母が世話になったお礼をし最後の夜の事を聞きたいと東京での再会を約束する若菜。
その夜は島の宿に泊まった寅さんは女中から若菜の家の事情を聞きその身の上を気の毒に思う。
とらやには夫婦仲があまり上手くいっていないあけみが寅さんに会いたいとやって来るが寅さんはまだ帰っていなかった。
その直後に寅さんは帰って来ていつ死んでもおかしくない老夫婦の元気そうな姿を見て安心したと言っておいちゃんおばちゃんを複雑な気分にさせる。
若菜からの手紙が届き早速会いに行く寅さん。若菜の住むアパートの1階では司法試験のため猛勉強をしている青年、民夫がいた。
若菜と仲良くなった寅さんは御前様にキリスト教へ宗旨替えをしたいと申し出て御前様もそれを受け入れていた。
再び若菜に会いに行った寅さん。あいにく若菜は留守だったが民夫の部屋で暇をつぶす事に。民夫も若菜に惚れている事を知った寅さんだったがお前の顔は恋愛向きではない。とバッサリと駄目を出す。
試験勉強が手につかないほど真剣に悩む民夫は大学の教授に相談に行くが解決する事は無く悶々とする日々は続く。
民夫の事を若菜は気にも留めていないと思っていた寅さんだったが実は脈有りだと気付いてしまいそれからは若菜の幸せのために民夫との仲を取り持とうと二人のデートを計画、実行する。

1985年8月3日公開、108分。
大学教授役は2代目おいちゃんの松村達雄さん。
夏場のスキー場のリフトでの愛の告白(寅さんが代弁)が面白い。
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男はつらいよ 26作目から30作目 [男はつらいよ]

男はつらいよ 寅次郎かもめ歌
旅先でさくら、おいちゃん、おばちゃん、博、タコ社長、源公の出てくる夢(柴又村の悪代官退治)を見た寅さんが柴又に帰ってくる。さくら一家が潜水艦みたいなアパートから中古の一戸建てに引っ越した事を知った寅さんは源公に大枚を借りて祝儀を出す。それをきっかけにひと悶着有り再び旅に出る寅さん。
旅先の北海道でテキヤ仲間が亡くなった事を知り奥尻島まで香典を届けに行った寅さんは亡くなったテキヤ仲間の一人娘すみれと知り合う。
高校を中退してしまった事を悔やみ東京で働きながら定時制の高校に通いたいというすみれの想いを知った寅さんはすみれの親代わりとなりとらやで世話をする事に。とらや一同の応援も有り東京での新しい生活を始めるすみれ。親代わりと言いつつもすみれに惚れている事が周囲にはバレバレの寅さん。すみれの学校生活には常に寅さんの姿が有り、もはや授業は受けない生徒同然になっていた。
ある日すみれの元に別れた恋人が札幌から訪ねて来る。
寅さんが旅に出た後、学校嫌いの寅さんが定時制高校の雰囲気を気に入っていた事をさくらは知る。

1980年12月27日公開、100分。
オープニング江戸川土手のシーンの津嘉山正種さんはボクサー。
すみれの東京での就職先はセブンイレブン。1980年当時のセブンイレブンはまだ紙袋。店内で掛かっていた曲は順子。
すみれの定時制高校の同級生役の田中美佐子さん(当時は田中美佐)も美人だった。先生役は2代目おいちゃんの松村達雄さんで寅さん、さくらとの共演シーン有り。
本作のマドンナすみれ役はランちゃん。同時上映の土佐の一本釣りにはスーちゃんが出演で元キャンディーズの二人が出演の番組編成。
赤ん坊時代から満男役で出ていた中村はやとさんは本作で最後。新居の2階に行ったきり。



男はつらいよ 浪花の恋の寅次郎
旅先でさくら、博、タコ社長、源公、マドンナの出てくる夢(浦島寅次郎)を見た寅さんが柴又に帰ってくる。とらやに帰って早々タコ社長と喧嘩になりまた旅に出る寅さん。旅先の瀬戸内海の小島で大阪から祖母の葬儀のために帰郷している浜田ふみと出会いほんのわずかな時間ながら意気投合する二人。
大阪の知り合いの宿で宿賃を滞らせながら商売をする寅さんはふみと再会しふみが大阪で芸者をしている事を知る。別の日、宝仙寺にデートに出掛け会話の中でふみには20年間会っていない弟ヒデオがいる事を知った寅さんは今から会いに行こうとヒデオの職場へと向かう。
その夜、ふみは酒に酔い寅さんの宿泊先を訪れる。二人同じ宿に泊まるが翌日の早朝ふみは置手紙を残して去っていく。別れの手紙と理解した寅さんも宿賃の払い残しがあるまま柴又へと帰る。
失恋のショックからなかなか立ち直れない寅さんだったがある日ふみがとらやを訪ねて来る。
しばらくして旅に出て寅さん不在のとらやに宿屋のオヤジも大阪からやって来る。

1981年8月8日公開、104分。
本作から満男役は吉岡秀隆さん。テレビドラマ北の国からの純役とは同時期。どちらも代表作になるのがすごい。
マドンナは松坂慶子さんで愛の水中花のリリースからは2年後。
新居に移ってとらやとの距離が離れたという事でさくらが原付に乗る。結構スポンサーとか出演CMの関係とかで商品がクローズアップされる事が有るのでこの時もそうだったのだろうか。
お盆公開作品なので御前様がラフな格好で境内に水まき。
オープニング江戸川土手の津嘉山正種さんはサイクリスト。



男はつらいよ 寅次郎紙風船
旅先でさくら、おいちゃん、おばちゃん、博、タコ社長、源公、マドンナの出てくる夢(ノーベル医学賞受章)を見た寅さんが柴又に帰ってくる。とらやで満男がコンピューターゲームで遊んでいる所に寅さんが現れ満男への土産として紙風船を渡す。タコ社長に軽口を叩かれ気分を害しとらやを出て行こうとする寅さんをさくら達は柴又小学校同窓会の報せで引き留める。気分を変えて同窓会に出席した寅さんだったが翌朝早くにまた旅に出る。
旅先は大分県夜明(よあけ)。宿で相部屋になった18歳の愛子は静岡から家出してきたと言う。愛子に懐かれ旅を共にする寅さんは商売先でテキヤ仲間常三郎の妻倉富光枝と出会い常三郎が体調を崩し療養中である事を知らされる。
福岡県秋月へと見舞いに訪れた寅さんは常三郎から自分の身に何かあったら光枝の面倒を見て欲しいと頼まれ引き受ける。
愛子に故郷に帰る様置き手紙を残し柴又へ帰る寅さん。愛子は柴又まで追いかけてきてとらやに厄介になるがしばらくしてマグロ漁船で働く兄がマグロ一本を手土産にとらやに現れる。
寅さん宛てに光枝から手紙が届き現在は文京区本郷の旅館で働いているという。早速寅さんは会いに行きその夜晩飯時とらや一同に近々所帯を持つ事になるだろうと告げ、所帯を持つために就職活動も始めるのだった。

1981年12月29日公開、101分。
オープニングの江戸川土手のシーンに津嘉山正種さんの姿は無し。
寅さんの小学校時代の同級生役で出演の前田武彦さんは12作目私の寅さんに出ていた出べそと同一人物なんだろうけど寅さんに対する態度が豹変している。24作目寅次郎春の夢に出ていた棟梁(犬塚弘さん)も多分同一人物。
愛子の兄役の地井武男さんが野性味溢れていてカッコ良かった。



男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋
旅の途中、さくら、博、満男の出てくる夢(襖の雀)を見た寅さん。信州を旅している寅さんは代筆を頼みとらやに絵葉書を出した。葉書には達筆で次は京都へ向かうと書かれていた。
京都で寅さんは老人の下駄の鼻緒の修繕をしてあげる。お礼にと老人は料亭で寅さんと飲み明かし、翌朝寅さんは見知らぬ部屋で目覚め部屋にやって来たかがりと出会う。老人は人間国宝の陶芸家加納作次郎で寅さんは作次郎の屋敷に泊まり、かがりは屋敷で働く女中だった。
翌日も屋敷を訪れる寅さん。昨日の一宿のお礼と作次郎の古びた下駄を見かねて商売物の下駄をお土産に持ってやって来た。かがりが丹後(京都府北部)の出で5年前に夫を亡くし小学生の一人娘を丹後の実家に残して働きに出ている事を寅さんは知る。
作次郎の屋敷に弟子の蒲原が訪ねて来るが、蒲原の不義理に作次郎は怒りかがりにまでその怒りをぶつけてしまう。傷心のかがりは女中をやめ丹後へと帰った。
その事を後になって聞いた寅さんは作次郎も悪いとたしなめ、作次郎も十分に反省していた。丁度京都を離れる頃合いだと言う寅さんに作次郎は丹後を訪れかがりの様子を見てきて欲しいと頼む。旅の行く先は風の向くまま気の向くままと言いながらも寅さんは丹後に向かいかがりが思いの外元気そうで安心する。その日はかがりの家に泊まる事になった寅さん。翌朝別れ際かがりの寂し気な姿を見ても寅さんはどうする事も出来なかった。
柴又に帰りすっかり恋の病にかかり寝込んでしまう寅さん。時が経ち次第に元気を取り戻しおばちゃんとの口喧嘩を理由に旅に出ると息巻いた矢先かがりがとらやを訪ねて来る。お互い緊張して会話も弾まないままかがりは寅さんにそっと逢引の手紙を渡す。

1982年8月7日公開、110分。
全体的にしっとりとした雰囲気。その分とらやでのドタバタがいつも以上に弾けていて面白い。
マドンナはいしだあゆみさん。吉岡秀隆さんとは北の国からでは母子の関係。
満男の野球帽は恐らく地元の少年野球チームの帽子。球団マークは"SF”とあるが柴又ファイターズなんではないかと予想する。
津嘉山正種さんが江戸川土手のシーンではなく作次郎の弟子蒲原役で出演。セリフも有り。江戸川土手のシーンでは聞く事は出来ないがやっぱりいい声。
写真撮影の場面で「バター」は無し。
御前様が源公にゲンコツお見舞い。
冒頭の夢のシーンの空飛ぶ雀のアニメーション制作は白組。



男はつらいよ 花も嵐も寅次郎
旅先でさくら、おいちゃん、おばちゃん、博、満男、タコ社長、源公、ジュリー、SKDの出てくる夢(ブルックリンの寅VSスケコマシのジュリー)を見た寅さんが柴又に帰ってくる。帰って来て早々とらやの店先で向かいの江戸屋の娘桃枝と久し振りに再会しお互いに軽口を交わす。その事がハレンチだとおいちゃんは気に入らず寅さんに冷たく当たり、晩飯時にもつい調子に乗る寅さんにおいちゃんは出て行けと言ってしまう。それを言ったらおしまいよと寅さんも売り言葉に買い言葉で出て行く素振りを見せるが頼みのさくらには引き止めてもらえず寅さんはまた旅に出る事に。
大分県湯平温泉(ゆのひらおんせん)では東京の大丸デパートに勤める螢子(けいこ)とゆかりが二人旅をしていた。今夜の宿を決める際そばを通りかかったハンサムな男と同じ宿に決める二人。その宿は寅さんのその地での常宿で寅さんもやって来る。
亡くなった母の遺骨を故郷に納骨するために車を走らせ大分まで来ていたハンサムな男三郎は用事を済ませ東京に帰る途中螢子を見かけ行き先まで送ると声をかける。ゆかりと寅さんも姿を現し4人で行動を共にしサファリパーク、遊園地と仲良く遊び別れの時が来る。螢子は仲良くなった寅さんに東京でも会いたいと言い、三郎は螢子に恋の告白をするがあっさりと振られてしまう。失意の三郎に恋のアドバイスをする寅さん。東京の動物園で働きチンパンジー相手の方が得意な三郎は螢子との間を取り持ってもらおうと寅さんを車で東京まで送ると言う。
とらやに着いた寅さんと三郎はすっかり疲れ果て寅さんの部屋で二人で眠りこける。おばちゃんの晩ご飯を食べ帰り際三郎は螢子との事を寅さんにお願いした。
数日後寅さんと螢子は再会し話題は三郎の事に。螢子が三郎を振った理由が分かり、三郎に「断られました」と伝えると三郎の落ち込みぶりに居たたまれなくなった寅さんは騙し討ちのお見合い作戦を決行する。

1982年12月28日公開、106分。
寅さんの「断られました」の言い方が面白い。
オープニングの江戸川土手のシーンはアパッチけんさん。



寅さんの片想いが実らないのではなく、マドンナも好意を持っているが寅さんがしり込みしてしまうパターンが見られるようになってくる。それは25作目ハイビスカスの花でのリリーとの一件が寅さんの心情の中で大きく後を引いているんじゃないだろうか。それ以前にもしり込みしてしまう事は有ったけど。

満男役が吉岡秀隆さんに代わったがさすが天才子役で上手い。そして可愛くて面白い。世に天才子役と呼ばれた子たちもそれなりにいただろうけどその中でも飛び抜けた存在なんではないかと個人的には思う。
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男はつらいよ 21作目から25作目 [男はつらいよ]

男はつらいよ 寅次郎わが道をゆく
旅先でさくら、おいちゃん、おばちゃん、博、満男、タコ社長、源公の出てくる夢(帽子型UFO)を見た寅さんが柴又に帰ってくる。おいちゃんが体調を崩していた事を知り心ばかりのお見舞いを渡す寅さんにおいちゃんおばちゃんは感謝感激。その流れでとらやの将来の展望について語りだす寅さんだったがその独自な展望に一同は呆れ寅さんは気分を害して旅に出る。
旅先の田の原温泉(熊本県)では農家の息子の留吉の失恋現場に遭遇した事をきっかけに留吉の人生の師となる寅さん。
金欠でさくらに迎えに来てもらい柴又に帰ってきた寅さんは心を入れ替えとらやで真面目に働いていたが、ある日とらやにさくらの学生時代の友達で現在はSKD松竹歌劇団のトップスター紅奈々子が訪ねてきて恋心を抱きそれ以来とらやの仕事はそっちのけでSKDの豪華絢爛なレビューにどっぷりハマる。農村の将来を考えるシンポジウム熊本代表で上京し寅さんを訪ねに来た留吉も一緒にレビューにどっぷりハマりそのまま居着いてしまう。
奈々子は10年付き合っている相手と結婚するか、このまま踊りを続けていくか悩んでいたが奈々子の下した決断を黙って見守る寅さんだった。
1978年8月5日、103分。
冒頭の夢のシーンのUFOと宇宙人との遭遇、未知との遭遇の日本公開が1978年の2月でピンクレディのUFOが1977年12月にリリース。
留吉役は武田鉄矢さん。山田洋次監督は本作の前年1977年に武田さんも出演している幸福の黄色いハンカチを撮っている。
倍賞千恵子さんはSKD出身。



男はつらいよ 噂の寅次郎
旅先でさくら、博、タコ社長、源公の出てくる夢(寅地蔵)を見た寅さんが柴又に帰ってくる。お彼岸の墓参りで偶然顔を合わせた寅さん、さくら、おいちゃんおばちゃん、御前様。いつになく和やかな再会となったがその夜タコ社長と喧嘩になった寅さんはまた旅に出る。
旅の道中木曽(長野県)に向かうバスの中で博の父飇一郎(ひょういちろう)と偶然再会し旅を共にする寅さん。ある夜、飇一郎は寅さんに今昔物語の中の一説を話して聞かせる。人生の儚さ切なさを痛感した寅さんは飇一郎と別れ柴又に帰る事に。
その頃とらやでは荒川早苗が従業員として働き始めていた。柴又に帰ってきた寅さんはとらや一同に人生の儚さを説き早々に修行の旅に出ようとしたところ早苗と顔を合わせ早速恋に落ちる。早苗は現在別居中で離婚に向けて話は進んでいた。離婚の手続きや引っ越しなど何かと早苗の世話を焼く従兄の肇とも知り合った寅さんは肇も早苗に惚れている事を察した。
1978年12月27日公開、104分。
1作目、8作目に登場した博の父飇一郎は本作で最後。風に犬が3匹でひょうと読むのはどういう意味なんだろう。
調べると意味はつむじ風でひょうは風の音を表しているみたい。犬3匹は何だろう?



男はつらいよ 翔んでる寅次郎
旅先の病院でさくら、おいちゃん、おばちゃん、博、タコ社長、源公の出てくる夢(便秘薬開発)を見た寅さんが柴又に帰ってくる。朝日印刷の従業員の結婚式が終わりとらやに帰ってきたさくら、博、タコ社長。寅さんの事が話題に上がった所に丁度寅さんが現れ、寅さんが未だに独身である事に一揉め有り更には晩飯時に一旦は反省した寅さんだったが満男が学校で三重丸を貰った作文の内容で再び揉めて旅に出る。
旅先の北海道では東京から車で一人旅をしているひとみと出会う。結婚を間近に控え気分が落ち込んでいるというひとみを励まし、何か有ったらとらやを訪ねるよう言い聞かせ二人は別れる。
結婚式当日、式場を飛び出しとらやにやって来たひとみ。丁度柴又に帰ってきていた寅さんはひとみをとらやの2階に住まわせる。ひとみとの結婚を予定していた相手の邦男がひとみの前に現れ邦男が本当にひとみに惚れている事を知る寅さんだったが自分もひとみに惚れているため二人の恋の手助けには消極的だった。ひとみは邦男と度々会う事になり邦男の本当の人柄を知ってある決心をする。
1979年8月4日公開、107分。
柴又での手作りでささやかな結婚式のシーンが良かった。1作目のオマージュ的な意味も有るのだろう。
タイトルロールの江戸川の土手のシーンでブチ切れる男は本作では上條恒彦さん。
2代目おいちゃんの松村達雄さんが違う役で出演。とらや一同との共演は無し。
さくらのトレードマークの一つであるハイソックス姿が見られなかった。ハイソックス自体は履いていたようだけど。まあいつまでもハイソックスというわけにもいかないだろうし。
御前様のげんこつの仕種(仕種だけで実際には殴らない)が可愛い。本作で御前様は歌声も披露。



男はつらいよ 寅次郎春の夢
旅先でさくら、博、タコ社長、源公の出てくる夢(サンフランシスコのチャイナタウン)を見た寅さんが柴又に帰ってくる。早々に寅さんの土産のブドウで揉め、晩飯時には満男が習い始めた英会話と新聞記事の事で揉めて寅さんはまた旅に出る。
しばらくして題教寺に日本語が片言しか話せない外国人が現れ、困った御前様がさくらを頼ってとらやに連れて来る。偶然とらやにいた満男の英会話教室の先生高井めぐみの母親圭子が通訳しアメリカからビジネスで来たマイケル・ジョーダンという事が分かり、この近くで安く泊まれる宿を探していた事も分かる。日米親善のためにという御前様の提案によりマイケルはとらやの2階に住む事となり、とらや一同はマイケルの事をマイコーさんと呼ぶ事になった。
とらや一同が寅さんが帰ってきてマイコーの事で揉める事を心配していた所に丁度帰ってくる寅さん。さり気なくアメリカの事をどう思うか寅さんに訪ねるとアメリカ大嫌いと寅さんは答える。マイコーと出会った寅さんは戦う決意をし待ち構えている所に高井母子が訪ねてきて圭子に一目惚れする寅さん。圭子が未亡人である事が分かり寅さんの恋心は燃え上がりマイコーの事は結局うやむやになったまま寅さんは高井家に出入りするようになる。
寅さんとマイコーはぎくしゃくしたままだったがケンカした事をきっかけに二人の仲は縮まる。マイコーはビジネスで関西まで足を運び、そこで寅さん馴染みの旅芝居一座の演目蝶々夫人を見て自分と自分にいつも優しくしてくれるさくらとを芝居の内容に重ね合わせる。
寅さんとマイコー、日米二人の純情中年男の恋の行方は。
1979年12月28日公開、104分。
オープニングの江戸川土手でブチ切れる男は津嘉山正種さんが復活。女子運動部のコーチ。
さくらのハイソックスも復活。前作で非難の声でも上がったのだろうか。ハイソックス復活の折衷案なのかスカートの丈が以前より長くなってる。ジーパン姿も見られる。
マイコーさんを演じたハーブ・エデルマンはスパルタンXにも出演されているらしい。
御前様がマイコーにさああなた英語で喋りなさいと促す際の「ペラペラ~、ペラペラ~」が面白い。
満男、ヤクルトの野球帽を被っている。確か以前は巨人のだった。ヤクルトは前年の1978年に球団初の日本一に。しかし本作公開の1979年はセ・リーグ最下位。博の性格(思想と言った方がいいのか)からすると巨人ファンではないような気がする。父親の影響を受けてヤクルトなのかも。



男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花
旅先でさくら、博、タコ社長、源公の出てくる夢(鼠小僧寅吉)を見た寅さん。博が配達先の街中でリリーを見かけ声をかける。とらやに戻りリリーが少しやつれている事を心配していると久し振りに寅さんから電話が有り、さくらは博がリリーに会った事、リリーが寅さんに会いたがっていた事を伝える。寅さんもリリーの事を懐かしく思い出しまた旅を続ける。
それから1か月が経ち寅さんが柴又に帰ってくる。早々に揉め事が起こり気分を害した寅さんはとらやを出ていこうとするが、とらやに届いていた速達が寅さん宛てのリリーからのものだと分かり寅さんを引き留める。手紙の内容からリリーが旅先で体調を崩し入院中である事が分かり一刻も早くリリーの入院先へ駆け付けたい寅さんだったがその場所は沖縄。最速の移動手段は飛行機である事は明白であったが飛行機が怖い寅さんは必死に駄々をこねる。とらや一同、ご近所さん、そして御前様にも迷惑をかけた結果沖縄に到着する寅さん。病床のリリーは寅さんと再会した事で元気を取り戻し急速に回復し退院する。退院後はリリーの療養のため二人で住むところを借りて暮らし、リリーはこのまま寅さんと一緒にいる事を望むが、寅さんは生来の風来坊としての顔をのぞかせてしまう。
1980年8月2日公開、104分。
沖縄に行くには飛行機が一番早いと分かってからの寅さんの駄々のこね方が面白かった。何言われても絶対イヤだの一点張り。
結局飛行機に乗って沖縄までリリーに会いに行く。シリーズ通してこれまでで一番ロマンティックな行動とも言え、しかも相手がリリー。これでも寅さんの恋は実らない。当時リアルタイムで観ていた人はいつか寅さんの恋が実る日が来るかもしれないと思っていたかもしれないが、本作でこれは一生無理なのかもと思ったのではないだろうか。
津嘉山正種さんが本編に出演。沖縄出身という事もあってだろうか。医師役で台詞はちょっとだけ。
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男はつらいよ 16作目から20作目 [男はつらいよ]

男はつらいよ 葛飾立志篇
旅先でさくら、タコ社長、源公の出てくる夢(西部劇、タイガーキッド)を見た寅さん。山形から修学旅行で東京に来た女子学生順子がとらやを訪ねに来ていた所に寅さんも帰って来る。寅さんは順子の母親と知り合いだった。順子と友人たちをご馳走でもてなして送り出し、さくらたちに順子の母親と知り合ったきっかけを話すがタコ社長に茶化され気分を害した寅さんは旅に出る。旅先の山形で今は亡き順子の母親の事を知る寺の和尚と話しをした事をきっかけに学問に目覚める寅さん。その頃とらやには御前様の親戚で大学で考古学を学んでいる礼子が下宿する事になっていた。学問をするために柴又に帰ってきた寅さんは早速礼子と知り合い早速好きになる。そして御前様の発案で礼子が寅さんに歴史を教える事に。
礼子の考古学の師匠である大学教授田所が礼子を訪ねにとらやに来るとインテリ然としていない田所と寅さんは意気投合し、田所は寅さんの事を恋愛に関する師と決める。田所は惚れている相手が誰かは伝えずに寅さんにアドバイスをもらい自分の想いをその相手に伝えた。
1975年12月27日公開、97分。



男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け
旅先でさくら、源公の出てくる夢(人喰いザメ)を見た寅さんが柴又に帰ってくる。甥の満男が小学校に入学しお祝いムードのとらや。しかしある事で寅さんは気分を害しタコ社長と喧嘩になりそのまま旅に出る。つもりだったがさくらに引き留められ、外に飲みに出掛けて飲み屋で知り合った無一文の老人を連れてとらやに戻ってくる寅さん。老人は傍若無人な振る舞いでおいちゃんおばちゃんは怒り心頭。反省した老人がお詫びに描いた一枚の絵によって日本画の大家である事が分かる。老人はとらやを去り、寅さんもとらやで喧嘩となり旅に出る。
播州龍野(兵庫県)で偶然再会した寅さんと老人。池ノ内青観画伯として生まれ故郷の市から歓待を受ける老人に便乗して厚くもてなされる寅さんは宴会の席で芸者のぼたんと知り合う。「いつか所帯を持とう」と寅さんが気軽に言えるほど気の合う二人だったが、老人の密かな用事も済んだ事で二人一緒に東京に戻る事に。寅さんが龍野での思い出に呆けているとぼたんがとらやを訪ねて来る。ある重大な用事が有って東京にやって来たぼたんだった。
1976年7月24日公開、109分。
宇野重吉さんと寺尾聰さんの親子共演。
ジョーズの日本公開は1975年12月6日。新鮮なネタをすかさずパロディとして取り入れる所は年間2本製作している事の強みだろうか。



男はつらいよ 寅次郎純情詩集
旅先の床屋でさくら、タコ社長、源公の出てくる夢(カサブランカ、アラビアのトランス)を見た寅さんが柴又に帰ってくる。その日は満男の家庭訪問の日。担任は産休で代理の若い女性教師柳生雅子がとらやに来る予定だった。とらやに帰ってきた寅さんは雅子と出会い、さくらと博をそっちのけで雅子と話し込んでしまったためおいちゃんたちは怒り、喧嘩になった寅さんは旅に出る。旅先の長野県別所温泉で旧知の旅芸人一座と再会した寅さん。その結果警察の世話になりさくらに迎えに来てもらい柴又に帰ってきた寅さんは雅子の母親綾と出会う。綾ととらやの一同とは実は顔見知りで寅さんと綾はすぐに仲良くなるが綾との出会いで寅さんは人生のままならなさを痛感する事になる。
1976年12月25日公開、104分。
題経寺から姿を消した源公を「げーん、げーん」と探す御前様が可愛かった。これに限らずおおむね御前様は可愛い。



男はつらいよ 寅次郎と殿様
旅先でさくら、タコ社長、源公の出てくる夢(鞍馬天狗)を見た寅さんが柴又に帰ってくる。帰った早々鯉のぼりととらやで飼う事になった犬の名前で揉めた挙句旅に出る寅さん。行き先は伊予大洲市(愛媛県)。旅館で同宿になった女性に土地の名物をもてなす寅さん。翌日、思わぬ出費で金欠になった事を嘆いているとひょんな事から知り合った老人の家に招待される。老人の正体は大洲の殿様の子孫で現在も町の有力者。寅さんは老人の事を殿様と呼び、殿様は寅さんに東京で"まりこ"という女性の人探しを頼む。
それから10日後、上京してとらやにやって来た殿様。偶然寅さんも帰ってきて"まりこ"探しが始まった。"まりこ"探しに全く進展の無い中でとらやに大洲で知り合った女性が訪ねて来る。名前をまだ知らなかった寅さんが女性に聞くと女性の名前は奇遇にも鞠子(まりこ)だった。
1977年8月6日公開、99分。
殿様役は嵐寛寿郎さん。アラカンさんの当たり役が鞍馬天狗という事で夢のシーンが鞍馬天狗のパロディ。杉作役が満男だったのだろうか。
冒頭の寅さんが江戸川の土手を歩いて帰ってくる恒例のシーン。寅さんがやらかしてブチ切れる男を演じているのはクレヨンしんちゃんファンにはオトナ帝国イエスタデイ・ワンスモアのケン役で知られる津嘉山正種さん。今までずっと"まさたね"だと思っていたけど"まさね"さん。
満男、寅さんに貰った鯉のぼりを「鯛焼きー」と言い、別の作品(次作だったか)ではお土産に貰った伊勢海老を「ザリガニー」と言う。



男はつらいよ 寅次郎頑張れ!
旅先でとらやと朝日印刷が裕福になる夢(さくら、おいちゃん、おばちゃん、博、満男、タコ社長。源公もいた?)を見た寅さんが柴又に帰ってくる。寅さんの不在中とらやに下宿していた青年良介とひと悶着ありながら意気投合する。遅めの朝飯に入った食堂で昼飯を食べる良介とばったり出会い、良介が食堂で働く娘幸子に惚れている事を敏感に察知した寅さんによる良介への恋愛指南が始まり、その結果幸子にフラれたと勘違いした良介はとらやでガス爆発を起こし故郷の長崎県平戸へと帰る。心配になった寅さんは平戸まで様子を見に行き、良介の姉藤子と出会い一目惚れする。良介が世話になった事で寅さんに感謝する藤子だったが寅さんの想いには気付いていなかった。再び旅に出た寅さんは馴染みの旅回りの一座と再会する。
1977年12月29日公開、95分。
何度か登場している旅回り一座の娘を演じている(一座の娘以外の役でも出演)岡本茉利さんはいなかっぺ大将のキクちゃん、けろっこデメタンのラナタン、ヤッターマンのアイちゃん役の人だとか。
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男はつらいよ 11作目から15作目 [男はつらいよ]

男はつらいよ 寅次郎忘れな草
旅先でさくら、博、タコ社長、源公の出てくる夢を見た寅さんが柴又に帰ってくる。実の父親の二十七回忌の法要で御前様を怒らせてしまう寅さん。そしてさくらが満男のためにピアノが欲しいという願いを茶化して居づらくなった寅さんは旅に出る。旅先の北海道ではドサ回りの歌手リリーと顔見知りになり、今度こそ真面目に生きようと酪農農家で働くが結局さくらに迎えに来てもらう。柴又に帰ってきた寅さんはリリーと再会し意気投合する。しかしリリーが荒んだ時に突き放してしまった事を後になって後悔する寅さん。リリーも寅さんに八つ当たりしてしまった事を反省していた。
1973年8月4日公開、99分。



男はつらいよ 私の寅さん
旅先でさくら、タコ社長、源公の出てくる夢を見た寅さんが柴又に帰ってきたのはさくらと博が計画したおいちゃん、おばちゃんへの感謝の気持ちを込めた九州旅行前日の事だった。その事を素直に話してくれなかった事に寅さんは気分を害するが3泊4日の旅行中とらやの留守番をする事に。人を待つ身の心情を体験した寅さんは帰ってきた皆に心ばかりの振舞いをする。
小学生時代の同級生出べそに再会した寅さんと出べその妹りつ子の出会いは喧嘩から始まったが翌日には仲直りし寅さんはりつ子に恋をする。寅さんは次第に芸術家であるりつ子を理解し、りつ子の芸術家としての生き方を理解する。
1973年12月26日公開、107分。
寅さんが柴又で留守番でとらやのみんなが旅に出る逆パターン。



男はつらいよ 寅次郎恋やつれ
柴又に帰ってくる電車の中でさくら、博、タコ社長、源公の出てくる夢を見た寅さん。現在は温泉津温泉(ゆのつおんせん、島根県)の旅館で働き、柴又には重大な報告のために一時的に帰ってきたという。様子を見に寅さんと共にさくらと大阪での用事のついでにタコ社長が現地に向かうが寅さんは別の旅に出る事に。津和野(島根県)で2年前に知り合った歌子と再会した寅さんは歌子の現在の境遇を知り不憫に思うがそのまま旅を続けてしまった事を後悔する。柴又に帰ってきた寅さんは再び歌子と再会し、歌子の結婚の事で仲をこじらせた歌子と父親の仲直りのため一肌脱ぐ。
1974年8月3日公開、104分。
3度目のバター。
2代目おいちゃんの松村達雄さんは本作が最後のおいちゃん。



男はつらいよ 寅次郎子守唄
さくらと博の出てくる夢で寅さんは神様となり子宝に恵まれない二人に赤ん坊を授ける。柴又に帰って来て早々に喧嘩になった寅さんは旅に出る事に。旅先の唐津(佐賀県)では女房に逃げられた赤ん坊連れの男と飲み明かした翌朝、男は赤ん坊を残して姿を消した。赤ん坊連れで柴又に帰ってきた寅さんにみんなは誤解するが事情を知りとらやで赤ん坊の面倒を見る事に。赤ん坊の具合が悪くなった時に診てもらった病院の看護婦の京子に一目惚れする寅さん。京子に誘われコーラスグループに参加する事になったさくら。付き添いの名目で付いて行った寅さんはグループのリーダー弥太郎とも知り合う。弥太郎も京子に惚れていると知った寅さんはどうせ振られるだろうと弥太郎に恋のアドバイスをする。
1974年12月28日公開。104分。
3代目おいちゃんは下條正巳さん。やはり以前のお二人とはちょっと雰囲気が違う。
おばちゃんがヒゲ面の弥太郎の事を「ヒゲ中顔だらけの人」と言ったのが面白かった。ヒゲ中顔だらけのビジュアルを想像するとかなり怖い。
おばちゃんたまに言い間違いするけどこれが最初?これより前にも有った気はする。



男はつらいよ 寅次郎相合い傘
旅先の映画館でさくら、博、おいちゃん、おばちゃん、満男、タコ社長、源公の出てくる夢(海賊タイガー)を見た寅さん。青森ー北海道の旅には東京でサラリーマンをしている兵頭もなぜか同行していた。道中リリーと偶然再会し3人で仲良く旅を続けるが小樽で寅さんとリリーは喧嘩をしてしまい3人での旅は終わり兵頭も自分の家に戻る。柴又に帰ってきた寅さんはリリーを傷付けてしまった事を悔いていたがリリーがとらやに現れ二人はすぐに仲直りする。二人の仲は柴又中で噂になるほどでさくらも悪い気はせず、ついにリリーにお兄ちゃんと結婚して欲しいと話しリリーもそれを受け入れた。
1975年8月2日公開、91分。




満男、どこかの作品で柴又ルンビニー幼稚園に入園。ちょっとずつセリフを言うようになる。
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男はつらいよ 1作目から10作目 [男はつらいよ]

2019年が男はつらいよシリーズ開始から50周年、年末にはシリーズの最新作が公開されるとの事でNETFLIXで。年末までに観終えたい。
1作目と2作目は何年か前に多分東劇で観た。5、6年前だったかと思ったがもう11年も前だった。

男はつらいよ
20年振りに生まれ故郷の葛飾柴又に帰ってきた車寅次郎。小さい頃に別れたきりで今は年頃になった妹さくらのお見合いをぶち壊すが密かに両想いだった博との結婚を結果的に取り持つ。一方で柴又帝釈天の住職御前様の娘冬子への片想いは成就せずまた旅に出る。
1969年8月27日公開、91分。
御前様のスーツ姿はこれきりだろうか。カッコいい。バター。


続・男はつらいよ
中学生の時の恩師の一人娘夏子に惚れた寅さん。柴又で問題を起こし旅に出た京都で実の母お菊と初めて顔を合わすが喧嘩別れしてしまう。柴又に帰るが夏子は寅さんがきっかけで知り合った医師と結婚。寅さんは旅に出る。
1969年11月15日公開、93分。


男はつらいよ フーテンの寅
柴又に帰ってきた寅さんがお見合いをする。顔見知りだった見合い相手と元の旦那の復縁を取り持ち再びの門出を豪勢に祝した事でとらやにいづらくなり旅に出る。旅先の宿の女将お志津に惚れた寅さんは女将の弟と幼馴染との恋を取り持ち自分は失恋し、また旅に出る。
1970年1月15日公開、90分。
監督 森崎東、脚本 山田洋二/小林俊一/宮崎晃
前作から2か月での公開。


新・男はつらいよ
おいちゃん、おばちゃん孝行を思い立ち競馬で大儲けした寅さん。3人でのハワイ旅行出発当日に旅行資金を持ち逃げされた事が分かる。世間体を気にしてとらやに籠っていると泥棒に入られ、その挙句おいちゃんと喧嘩になり家を出ていく。1か月後帰ってきた寅さんは留守中に自分の部屋に下宿していた春子に惚れるが失恋し旅に出る。
1970年2月27日公開、92分。
監督 小林俊一、脚本 山田洋二/宮崎晃
前作から1か月半での公開。


男はつらいよ 望郷篇
虫の知らせでおいちゃんの身を案じ柴又に帰ってきた寅さん。おいちゃんは何ともなかったが昔世話になった札幌の親分の危篤の報せを受け舎弟の昇とともに北海道へ向かう。そこで堅気になる事を誓い昇と別れ柴又へ帰ってきた寅さん。しかし柴又で仕事は見つからず、江戸川を下った浦安の豆腐屋で働く事に。そのきっかけは豆腐屋の娘節子に惚れた事だったが失恋し堅気になる事も諦め旅に出る。
1970年8月26日公開、88分。
1作目公開から1年間で5本が公開される。
これがシリーズの最後という事で山田洋二監督が復帰したらしい。しかしこの後も長く続き本作以降すべての監督をする事に。


男はつらいよ 純情篇
長崎で知り合いになった女性に妹さくらの面影を見て里心の付いた寅さんが柴又に帰ってくる。とらやに下宿する事になった訳ありの人妻夕子に一目惚れする寅さん。義弟・博の独立問題に首を突っ込むが解決出来ず、さくらの提言によって結論は先延ばしされる。寅さんは失恋し旅に出る。
1971年1月15日公開、89分。


男はつらいよ 奮闘篇
所帯を持つ事になりそうだ。との手紙が1年前に届き京都から柴又へと訪ねに来た寅次郎の母・菊。寅さんも柴又へ帰ってきていたが入れ違いで翌日菊の滞在先の帝国ホテルで2年振りに再会する。しかし口論になってしまい勢いで旅に出た寅さんは旅先の焼津で青森から働きに出ている純真な女の子花子に出会う。二人は柴又で再会し何かと親身に世話をするうちに寅さんは花子を結婚相手として意識し始めるが迎えが来て花子は青森へと帰っていった。
1971年4月28日公開、92分。


男はつらいよ 寅次郎恋歌
柴又に帰ってきた寅さん。早々においちゃんと喧嘩になりとらやを飛び出す。博の母親が亡くなり博とさくらが葬儀のため岡山に向かうと偶然岡山にいた寅さんも葬儀に参列する。葬儀が終わり一人残った寅さんは博の父との会話の中で自分の人生を改める決意をし再び柴又へと帰る。丁度その頃柴又で喫茶店を開いた未亡人貴子に惚れた寅さんだったが、やはり自分には風来坊として生きる事しか出来ないし、その辛さを他人には理解するのが難しいと悟りその恋を諦め旅に出る。
1971年12月29日公開、113分。
初代おいちゃん役の森川信(もりかわしん)さんが本作公開の翌年3月にお亡くなりになり本作が森川さん最後の出演。森川さんチャーミングで面白かった。


男はつらいよ 柴又慕情
旅先でさくらと博が出てくる夢を見て寅さんが柴又に帰ってくる。しかし、さくらと博のマイホーム計画を茶化した事で喧嘩になりすぐ旅に出る。北陸で知り合った女の子3人組の一人歌子に惚れ、帰ってきた柴又で再会するとその想いは燃え上がるが、歌子には結婚を考えている相手がいて父親との二人暮らしの環境から決心がつかずにいた。歌子はさくらと博に相談し結婚の決意を固め、寅さんは失恋し旅に出る。
1972年8月5日公開、108分。
2代目おいちゃん役は松村達雄さん。6作目の純情篇では別の役で出演していた。森川信さんのおいちゃんが面白かったのでちょっと不安だったが、松村さんのおいちゃんも良かった。
バター再び。


男はつらいよ 寅次郎夢枕
旅先でさくらと博の出てくる夢(マカオの寅)を見た寅さんが柴又に帰ってくる。とらやの皆を含め柴又中で自分の事を馬鹿にしていると思い込んだ寅さんは気分を害するがそうではないと分かり心を入れ替え堅気に生きる事を誓う。先ずは身を固める事と結婚相手を探すが柴又では全て断られ失意の寅さんは旅に出る。旅先で渡世人としての生き方に不安を感じ再び柴又に帰ってきた寅さんはとらやにしばらくの間下宿する事になった御前様の甥で東大助教授の男と幼馴染で同級生だった千代に出会う。千代に一目惚れした助教授の哀れな姿を見て二人の仲を取り持とうとする寅さんだったが、千代が好きなのは自分である事を知り激しく動揺してしまう。結局寅さんと千代の仲は進展する事は無く寅さんは旅に出る。
1972年12月29日公開、98分。
前作あたりからタコ社長を含んだとらやメンバー、寅さんをリーダーとしたさくら、おいちゃん、おばちゃん、博のチームワークがより強固なものとなった感じがしてとらやのシーンが安定して面白い。中でもさくらと博の息子満男の演技も何にもしていない自由っぷりが面白い。
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