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男はつらいよ 36作目から40作目 [男はつらいよ]

男はつらいよ 柴又より愛をこめて
旅の途中でさくら、博の出てくる夢(寅さん宇宙へ行く)を見た寅さん。
柴又ではタコ社長の娘あけみが夫婦喧嘩の末に家出し1か月以上が過ぎていた。心配でたまらないタコ社長は朝のテレビ番組の尋ね人のコーナーに出演する。その哀れな姿を見たあけみからとらやに電話が有り伊豆の下田にいると言い、そして寅さんに会いたいと言う。
柴又に帰ってきた寅さんはいつになく熱烈な歓迎を受け、事情を聞き早速下田へ向かいツテを使ってすぐさまあけみを探し出す。寅さんに会って喜ぶあけみ。しかし今は柴又へは帰りたくない、一緒に旅をしたいと言うあけみを温かく見守り船に乗って式根島へと向かう。
ほどなくして船内で知り合った若者たちと仲良くなりあけみの事をほったらかしにする寅さん。同窓会のために帰郷した若者たちと行動を共にし島の小学校教諭の真知子先生と知り合う。そんな寅さんに呆れたあけみは島の青年茂と知り合う。
真知子が東京の堀切出身という事で二人の仲は縮まり、寅さんは真知子の悩みを知って真知子の幸せを願う。一方あけみは茂にプロポーズされ激しく動揺する。
名残惜しくも柴又に帰ってきた寅さんは遠く離れた真知子の事を想うあまりついに気が触れてしまう。

1985年12月28日公開、105分。
笑いの小道具として使った釣り道具をその後失恋の悲しさを表す小道具として再び使うのがさすが。
あけみ役美保純さんのサービスカット有り。後ろ姿だけどそれでも男はつらいよでは相当珍しい。
御前様の英語がマイケル・ジョーダン(マイコーさん)の時の「ペラペラ~ペラペラ~」からかなりの上達。源公には笑われ相手にもあまり伝わってはいなかったみたいだけど。



男はつらいよ 幸福の青い鳥
旅の途中でさくら、博、満男、源公の出てくる夢(幸福の青い鳥探し)を見た寅さん。
柴又、朝日印刷では機械設備の充実により余剰人員が出る事態に。とらやの余剰人員こと寅さんの話題が出てきた所に寅さんから電話。今回は1年間の長旅で現在居る所は長州(山口県)。
テキヤ仲間のポンシュウのコンピューターおみくじで南の方角に素晴らしい出会いが待っていると出た次の旅先は九州福岡県筑豊。嘉穂劇場へと立ち寄った寅さんは以前にもここで観た芝居の事を思い出す。懇意にしていたその旅一座の座長が最近亡くなった事を知った寅さんは線香を上げるために座長の家に向かう。娘の美保が出迎え寅さんが以前にも美保が大空小百合の芸名で舞台に立っていた頃に何度か会っていると伝えると美保も思い出す。
父親の看病で苦労した事、そして今の暮らしが楽では無く一緒に東京に行きたいと言う美保に寅さんは俺に出来る事はないかいと尋ねると美保はおとぎ話の幸福を呼ぶ青い鳥が欲しいと言う。
しばらくして美保は寅さんを頼りに東京に出てくるが寅さんはまだ帰って来ていなかった。寅さん以外に誰も知り合いが無く体調を崩していた美保は偶然知り合ったやんちゃながら親切な青年健吾と知り合い一晩だけベッドを借りぐっすりと眠る。健吾も田舎から出てきて映画の看板屋で働きながら画家を目指していた。
寅さんが1年振りにとらやに帰ってくる。早々においちゃんおばちゃんと口論になり、おいちゃんは我慢出来ず出て行ってくれ!と言い、それを言っちゃおしまいよ。と、寅さんがとらやを出て行こうとした矢先に美保が現れ即事態は収拾。美保は寅さんの部屋に住む事に。勤め先も決まり次は婿探し、そして子供の名付け親は俺だという寅さんだったが、その子供は寅さんの妄想の中ではいつの間にか寅さんと美保の間に生まれた子供になっていた。

1986年12月20日公開、106分。
この年は松竹大船撮影所50周年記念作品で山田洋次監督がキネマの天地(男はつらいよ出演者がほぼ出演、ゆかりの有る人たちも多数出演)を撮ったので夏の作品は無し。なので寅さんも1年間の長旅。
あの素直で可愛かった満男が思春期、反抗期を迎えさくら、おばちゃんを嘆かせる。



男はつらいよ 知床慕情
みちのく(秋田県角舘)では桜が満開の頃、寅さんは故郷柴又に想いを馳せていた。
とらやはおいちゃんが風邪をこじらせ入院し休業中。おいちゃんの様態が安定し安心した所で御前様やおばちゃんの気掛かりはとらやの跡取り寅さんの事。
とらやに帰ってきた寅さんはおいちゃんの入院を知り早速担当医や同室患者への配慮に動くがそれがあだとなる。
とらやが営業を再開する事になり、職人やあけみの手を借りる事となったがその話に自分が含まれていない事に腹を立てる寅さん。寅さんが出来る仕事を探して金庫番を任される。しかし全く役に立たない寅さんはみんなを裏切ってしまう。激怒するおばちゃんの様子を見た寅さんは店の中に入る事は出来なかった。
寅さんに頼まれ荷物を持って柴又駅に見送りに来た満男から反省を促され、まだ子供だと思っていた満男に痛いところを突かれ憤慨する寅さんだったが電車の扉は閉まり次の旅へと向かう。
おいちゃんは無事退院し、おばちゃん、さくらと点けていたテレビを見ていると北海道阿寒国立公園川湯温泉が映し出されご当地インタビューで偶然寅さん登場。
知床で家畜の獣医をしている頑固で偏屈な老人上野順吉と知り合いになった寅さんは順吉に気に入られ家に泊まる事に。妻に先立たれ、一人娘のりん子は駆け落ちし東京へと出て行った。順吉が頑固で偏屈な理由はそこに有ると見た寅さんは後妻を貰う事を勧める。順吉はそれよりも現代日本の農政に不満を募らせていた。
近くのスナックはまなすの雇われママ悦子は一人暮らしの順吉の身の回りの世話をしていた。スナックはまなすに通い悦子や常連客と仲良くなる寅さん。
りん子が一人で知床へ帰って来るが順吉はつい乱暴な態度をとってしまう。そんな二人の間を取り持つ寅さんと悦子。
とらやに寅さんからの手紙が届き、現在は知床で楽しく暮らしている事が報告され、知床名産の昆布を東京に用事の有るりん子がとらやに届ける事が記されていた。謎の女性りん子の存在にとらや一同は色めき立つ。

1987年8月15日公開、107分。
順吉の悦子への愛の告白に驚き感心する寅さん。そういえば寅さんは恋した相手に真剣に告白した事は無いんじゃないだろうか。照れ隠しでふざけた感じで言う事は有っても。順吉役の三船敏郎さんが役の上で愛の告白をするというのもそんなに無かった事なのかもしれない。
地元の人たちに帰郷を歓迎されながら結局りん子は再び東京で生活するみたいだけど、あれは寅さんを追ってきたという事なのだろうか。ウィキペディアには一部に本作が最終回の憶測も有ったとの事。製作側にそういう意識が有ったのか無かったのかは分からないけど何らかの関係は有るのかなあとも思える行動ではある。
満男が高校に入学したらしい。
1987年、日本はバブル景気真っただ中。ジャパンマネーの象徴とも言えるゴッホのひまわり(ニセモノ)が作品中にも登場。



男はつらいよ 寅次郎物語
旅先で子供時代の父親との喧嘩の夢を見た寅さん。
柴又では満男の進路、大学受験について当の満男と意思の疎通が取れずさくらは悩んでいた。
満男は柴又駅前で偶然知り合った少年が寅さんを訪ねて来たと知り驚き、少年をとらやに連れて来る。さくら、おばちゃん、あけみが話を聞くと名前は秀吉(ひでよし)、母は蒸発し父が亡くなったため父から寅さんを頼れとの言い付けを守って福島県郡山から一人で柴又までやって来た事が分かる。父親が寅さんの知り合いである事と身の上が不憫である事から秀吉をとらやに泊める事に。おばちゃんとタコ社長は秀吉の父親は実は寅さんなのではないかと想像する。
しばらくして寅さんが柴又に帰ってくる。秀吉の顔に見覚えのある寅さん。郡山から来たと聞きはっきりと思い出す。秀吉の今の境遇を知り、おいちゃん、おばちゃん、あけみに秀吉の父親と母親について話す。父親はテキヤ仲間で般若の彫物を入れた般若の政。飲む打つ買うの酷い男で母親のふでが秀吉を残して蒸発した事にも理解を示す。そして秀吉という大層な名前の名付け親は寅さんだった。
テキヤ稼業のネットワークを駆使してふでの居場所を捜す事にする寅さん。ふでが和歌山にいるとの情報を得て商店会一同に盛大に見送られ秀吉と共に和歌山へと旅立つ。しかし、さくらは福祉事務所の職員にそれは福祉事務所で行う事ですと言われ、確かにせめて寅さん一人だけを行かせるべきだったと反省する。
大阪で足止めを食い、和歌山から奈良への強行軍の寅さんと秀吉。奈良県吉野の旅館には化粧品のセールスで各地を車で回る高井隆子が宿泊していた。その旅館でふでが働いているとの情報で寅さんと秀吉もやって来るがそこにもふでの姿は無く旅館で一泊する事に。その夜秀吉が過密行程がたたって高熱を出すと隣室の隆子も秀吉の看病を手伝い、寅さんが隠居した耳鼻科の老医者を連れてきて適切な処置を施してもらう。老医者に3人が家族だと間違われた寅さんと隆子はそれ以降「母さん」「父さん」と呼び合う。
秀吉の熱も下がり寅さんは隆子に秀吉の看病の礼を言い、隆子は秀吉が助かった事で実は自分も救われたのだと言う。
夜になり寅さんと秀吉の部屋にやって来る隆子。これまでの人生を嘆く隆子に寅さんはこれからの人生にはきっといい事がいっぱい待っているよと慰める。
ふでが現在は伊勢志摩にいるとの確実な情報を得た寅さんと秀吉は隆子と別れ伊勢志摩へ向かう。

1987年12月26日公開、101分。
終盤の寅さんと満男の会話はシリーズ屈指の名シーン。満男の真剣な問いかけにふざけず、かと言って気取らず真面目に寅さんなりの答えを悩める満男に贈る。
老医者役は二代目おいちゃんの松村達雄さん。
あけみは本作以降、今年公開の最新作まで姿を見せないらしい。
出川哲朗さんが柴又の商店会の一員としてちらっとだけ出演。オープニングの出演者に名前は無し。



男はつらいよ 寅次郎サラダ記念日
長野県小諸を旅する寅さん。
くるまやでは新しい従業員の三平が働き、さくらがほぼ店の事を仕切っている。
さくら、博は満男の進路について頭を悩ませ、満男も自分の将来について悩んでいた。
寅さんは小諸の駅前でキクエ婆さんと知り合い、婆さんに気に入られ家について行く。亭主と死に別れ息子夫婦も東京に出て行き一人暮らしの婆さんと楽しく晩酌を交わす。夜な夜な現れると婆さんは言う亭主の亡霊の気配を感じる寅さん。奇妙な夜が明けると女医の原田真知子が入院して検査と治療が必要な婆さんを迎えに来て寅さんと出会う。婆さんは入院を拒むが寅さんが病院について行ってやると言って受け入れる。
真知子はそのお礼に寅さんに食事をごちそうする事に。婆さんから真知子も亭主と死に別れた身だからオラと同じ様に慰めてやって欲しいと言われていた寅さんは喜んで真知子の家について行く。道すがら真知子の仕事の悩みを聞く寅さん。小諸駅前では真知子の姪、由紀と出くわす。東京の大学に通っているがちょくちょく真知子の元を訪れるという由紀。真知子の家でも楽しい時を過ごす寅さんは満男に電話をして早稲田大学を受けなさいと言う。由紀が早稲田大学の学生である事からの発案。由紀が大学では短歌を勉強している事を知り同じく七五調の得意の口上で二人を楽しませ、世間の目が有るから女性宅に長居は良くないと家を後にする寅さん。
由紀が今回来た目的は真知子への縁談についてだったが真知子には初めからその気は無く見合い写真を見てもタイプでは無いと言い、死んだ亭主と似たところの有る寅さんがタイプだと言う。
翌日キクエ婆さんの病床には寅さんからの見舞いの花束が有ったが既に東京に帰っていったと知り残念がる真知子。
柴又では朝日印刷に地上げ屋対策の大看板が掲げられる。さくらがすっかりと団子屋のおかみになってしまった事にタコ社長やおいちゃんは本来の後継者である寅さんを思い浮かべ、そこに寅さんが帰ってくる。
久し振りの会話の中で人それぞれ悩みが有ると言うさくらに「ごもっとも。俺にも悩みが有る」と、寅さん。
その晩、小諸での出来事を話す寅さん。話の中には老婆と医者(性別は伏せられる)しか出てこず拍子抜けする一同。結局寅さんの悩みは何なのか分からずじまいだったが、満男は寅さんからの電話の早稲田大学にヒントが有ると見抜く。
チンチン電車に乗って早稲田大学のキャンパスへ由紀に会いに行く寅さん。たまたま知り合った学生の茂に由紀の事を調べてもらい教室に入り込み、かつてくるまやでガス爆発を起こしたワットくんの話で講義の時間を盛り上げる。
由紀と再会し、真知子が寅さんに好意を持っている事を聞き電話番号を渡されすぐにでも電話をかけたい。が、店の電話でさくらやおばちゃんのいる所では掛けづらい寅さんと何も知らないさくらとの間でいざこざ発生。真知子の方から電話が有り一週間休暇をもらい東京の実家に来ているのでくるまやに遊びに行く事を約束する。約束の当日、実家に預けている息子、由紀、そして金町に住んでいる茂と共に柴又へやって来る真知子。再会の時の演出を綿密に頭の中で組み立てていた寅さんだったが始まりから破綻。しかし楽しい時間を過ごす。帰りの柴又駅で真知子自身から好意を伝えられる寅さんだったが。

1988年12月24日公開、100分。
本作から屋号がとらやからくるまや(正式にはくるま菓子舗)に。とらやからくるまやに変わったのか、元々くるまやでとらやは無かった事にされたのかは分からない。
寅さんとさくらの電話をめぐってのいざこざが面白い。大抵はお兄ちゃん想い、たまに辛抱出来ず叱る事も有るさくらだけど対等にやり合うのも面白い。考えてみれば寅さんと一番対等にやり合えるのはさくらなのかもしれない。
マドンナの名前が真知子で、茂という青年が出てくるのは36作目の柴又より愛をこめてと一緒。何か意味が有るのだろうか。
出川さんは本作にもテキヤの若い衆として出演。出演者に名前は無し。
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