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『スイング・ステート』 [映画]

『スイング・ステート』を観た。2020年、アメリカ、1時間42分。
2016年のアメリカ大統領選で共和党のドナルド・トランプ候補に敗れた民主党ヒラリー・クリントン候補陣営選挙参謀のゲイリー・ジマー。
選挙後休む間もなく激戦区ウィスコンシン州の小さな町ディアラーケンの町長選挙に動画配信で話題の人物を民主党候補として擁立するがそれに気付いた共和党は元々共和党支持者である現町長に強力な応援を送り込む。

スティーヴ・カレル主演の政治コメディ。フィルモグラフィを見ると最近のアメリカ人コメディ俳優にしては珍しく主演、出演作は日本でも結構劇場公開されている。
ドラマの出演作も多く、それになんと言っても怪盗グルーの声を担当しているのが大きいのだろうか。
怪盗グルー以外のコテコテのコメディとなると劇場未公開になってしまうが、本作もコメディではあるけど選挙戦のリアルに笑える所をより面白おかしく描いているのと、ドラマとしてのある仕掛けが用意されているのでコテコテのコメディの範疇にはギリギリ入らなかったのかもしれない。

選挙で勝ち負けが決まったからそれで終わりではなくて、勝った方負けた方どちらもその次の選挙で勝てるように即実行に移る。そういう風にして政治というものは常に動き続けていると。それが巨大な資金が動くビッグビジネスにもなっていて、そこに本作は目をつける。
政治と経済は密接につながっていて経済が動かなきゃどうにもならないのかもしれないがあまりに政治がビジネスになってしまうのは良くないよと。
止まる事なく動き続けているから超大事な大統領選で負けた責任の一端もあるゲイリーがその後も重要なポストで雇われているのだろう。
そう考えると現実のこの前の大統領選で負けた共和党も今現在どこかで何かしらの行動をしているという事か。トランプ氏が再びどうとかは無いのだろうけど、政権を取るためにはトランプ氏以上に注目を集める人を担ぎ出してくる準備を着々と進めているのかも。
なんかすっかり共和党が悪役のイメージになってしまっているがそれも民主党の戦略だったりして。
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『シャン・チー/テン・リングスの伝説』 [映画]

『シャン・チー/テン・リングスの伝説』を観た。2021年、アメリカ・2時間12分。
サンフランシスコのホテルで駐車係をしているショーンにはある重大な秘密があった。

マーベルの新たなヒーロー。マーベル・シネマティック・ユニバースでは25作目らしい。25というと50の半分、100の4分の1で大々的に25作目おめでとう!的になる感じだと思うがそういう事は無く。なので後でウィキペディアを見てそうだと知った。
2008年の『アイアンマン』から始まったという事で大体1年に2本のペース。映画以外に配信のミニシリースにも広がっていてそちらの方は全く追えていない。と言うか追う気がない。なのでこれからどんどん訳が分からなくなっていくのだろうと思う。本作も途中まで何の話なんだかよく分からなかった。なんの話なんだか分からせないようにしていたのかもしれないが。どういった話で何をやろうとしているのかが分かってくると面白い。
でも後から考えてみると、結構な時間を割いていたペンダント争奪戦って必要だった?と思わないでもない。父親が子供たちに「一緒にお母さんを助けよう」って言えば済んだ事なんじゃないかと思うが。序章の見せ場としては必要だったのかもしれないけど。

ユニバースの中でのこれまでの歴史、大きな所だと地球の人口が半分に減ったり戻ったり、過去が改変されたり、小さな所だと過去のシリーズの中でちょっとだけ出ていた人が大きくフィーチャーされたり、それらがユニバース全作品の共通項として踏まえて作られているというのがやっぱり稀有な大ヒットシリーズだからこそ出来る事で、そういった所にしっかりとついていければとても面白いのだろうなと思う。

個人的に一番面白かったのはシャン・チーの伯母さん(ミシェル・ヨーが変わらぬ美貌とアクションを披露)が初めて顔を合わせたシャン・チーに「お母さんそっくり」と言ったシーン。「んなわけねえだろ!」とツッコミたい気持ちを抑えて、それは顔を見て言ったのではなくて内面を見抜いてそう言ったのだろうなと解釈した。
見た目はほぼレイザーラモンRGさん。仕事の早いRGさんは既にネタにしていた。https://twitter.com/rgizubuchi/status/1438022661016223750/photo/1
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『レミニセンス』『隠し砦の三悪人』『偽りの隣人 ある諜報員の告白』 [映画]

『レミニセンス』を観た。2021年、アメリカ、1時間56分。
気象の変化により海面が上昇し続け大規模な戦争の後遺症も残り荒廃する世界。格差は広がり持たざる者たちは自分の中にある過去の幸せな記憶にすがる。戦時中には軍隊の尋問用に使われた脳に刻み込まれた記憶を再現する装置を使い訪れる人々の過去の記憶を辿る男は一人の女性と出会い結ばれるがある日突然女性は姿を消す。男は麻薬組織への捜査の協力で売人の記憶を辿っていた時にその記憶の中に女性の姿を見つける。

本作を観る前に渡辺麻紀さんが本作を「メロドラマ」と評していたのをチラッと目にしていて、人の意見に左右されやすいのでそうなんだと思いながら観ていたが、メロドラマと言うよりハードボイルドではないかなと感じていたが最後で思いっきりメロドラマになった。
ミステリーなハードボイルドとしては良かったと思うけどメロドラマになってしまうとあの物件の何十年分の家賃、光熱費は誰が払ってるんだろう?とか考えてしまうタイプの人間なので向いてない。

自分自身の記憶を映像として再現した時に自分自身の姿が映し出される事についてちゃんと説明が有って納得出来たのが良かった。安い旧式機材だと主観視点となりしかも2Dというのがなるほどなあと思った。

日本向けの予告ではノーランの名前を使っているが、クリストファー・ノーランは本作には直接的には関わっていない。関わっているのは実弟のジョナサン・ノーランで製作を担当。監督と脚本はジョナサン・ノーランの奥さんのリサ・ジョイ監督。
ヒュー・ジャックマンは2006年のクリストファー・ノーラン監督作品『プレステージ』に主演。『プレステージ』でジョナサン・ノーランはクリストファー・ノーランと共同脚本。



『隠し砦の三悪人 〈4Kデジタルリマスター版〉』を観た。1958年、日本、2時間19分。
戦国時代、二つの国の間で起きた戦に参加し一旗揚げようとした百姓二人。しかし戦には間に合わず悪い事に敗れた国の陣地にいたために追われる身に。なんとか逃げ延びた二人だったが自分たちの国への境には関所が設けられ容易には帰れない。取り敢えず腹が減っては何も出来ず米を盗んで炊こうとしたが薪の火の着き具合が悪く苛立つままに乱暴に投げ捨てると何故か金属音がし不思議に思い拾い直すと薪の中には敗軍が隠したとされるお国再興のための金の延べ棒が仕込まれていた。金が仕込まれた薪が他にも落ちているはずと探し回る様子を遠まきで見ている男の姿に二人は気付くのだった。

大分昔に1回だけ観た事は憶えている。確かレンタルで、DVDではなくビデオだったか。確か東宝の黒澤作品はビデオ化していなかったのがある時にされてその時に観た様な。
『ブルース・ブラザーズ』は劇中使用されている楽曲の権利の関係でビデオ化が難しく、『スターウォーズ』も中々ビデオ化されない作品ではなかったかと記憶している。
その当時でも『スターウォーズ』に影響を与えた作品という事で有名な作品でそればかりを気にし過ぎて観てしまったのがあんまり良くなかった印象。そう言われればそうなのかな。くらいの感じで今回は観たので面白かった。

ネタバレ有。

百姓二人が度々起こす小さな裏切り(未遂に終わる)が物語の行方を左右し、絶体絶命の時に「裏切り御免!」と大きな裏切りが起きる。あの場面での大きな裏切りに驚きを感じながらも物語の上で違和感なく馴染むのはそれ以前にその予兆として小さな裏切りが起きていたからなのではないかと思う。

2時間19分はちょっと長いかなとは思う。2008年のリメイク『隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS』は1時間58分。もしそれくらいだったらどうだっただろう。削る所なんか無いだろうけど。
リメイクの方は内容をかなり変えているみたいだがどんなだったか憶えていない。



『偽りの隣人 ある諜報員の告白』を観た。2020年、韓国、2時間10分。
1985年、軍事政権下の韓国。選挙を間近に控え現職大統領側にある国家安全企画部は再選を確かにするべく有力な候補予定者を自宅軟禁し共産主義者に仕立て上げ貶めるための偽装に必要な情報を盗聴により得ようと画策する。

てっきり実話の映画化と思って観たが、軍事政権下での社会状況等の時代背景は当時そのままを再現し、登場人物や本作の中で起こった出来事はあくまでフィクションという事らしい。それでも金大中氏がモデルであろうという事は言われているみたい。実際に金大中氏が大統領になるのは1998年。

シリアスな物語ながらコメディ要素で引き付ける。そして次第にシリアスを前面に押し出して更に引き付けた所に主人公が大活躍する見せ場も持ってくる。『タクシー運転手 約束は海を越えて』も似た感じだったけど主人公の見せ場が必要なのか?と思ってしまう。それが韓国映画の良さで有るかもしれないけどシリアスなままで派手な見せ場は無くても良かったんじゃないかと個人的には思う。例えば日本での金大中氏事件を描いた阪本順治監督作品の『KT』みたいな。『KT』にコメディ要素は無くずっとシリアスだったか。

韓国には大泉洋さん、なだぎ武さん、つぶやきシローさん、バカボンのパパに似ている役者さんたちがいるのだなあと思いながら観ていた。
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『スパイラル:ソウ オールリセット』『サマーフィルムにのって』 [映画]

『スパイラル:ソウ オールリセット』を観た。2021年、アメリカ、1時間33分。
腐敗した警察署で一人孤立する刑事ジークが新米とコンビを組む事となってからかつて起きたジグソウ事件を模倣した連続殺人事件が起きる。その標的にされたのは同じ署の刑事達で犯人からはジークの元に挑発めいたメッセージが送られてくる。

2004年から2017年にかけて8作品製作された人気ホラー映画シリーズの新たな始まり。とは言っても8作品目も新たな始まりだったらしい。人気が有るだけに何度でも新たに始められる。
どうも今回も今後のシリーズ化が確約されるほどの大成功とはいかなかったみたい。コロナ禍での公開という事もあるけど。

コメディ俳優としての印象が強いクリス・ロックが製作総指揮も兼ねて主演。コメディ出身のジョーダン・ピールがホラー作品で大成功した事からの影響も有るのだろうか。
ジョーダン・ピールは監督やプロデューサーとして作る側に回った訳だけどクリス・ロックはあくまで出る側。それがどうだったのかと考えてしまう。いくらシリアスな表情で顔をしかめてもただ何か眩しくて目を細めているだけにしか見えない。クリス・ロックにコメディの印象が無い人から見たらどうなんだろう?
ある人物が蝋で顔面に大火傷を負わされてしまうが蝋パックでお肌ツルツルという不謹慎なオチを考えてしまうのはクリス・ロックだけの問題では無いのかもしれないが。

この『ソウ』シリーズが人気なのは残虐に無慈悲に人が殺されていく所にあるのだろうと思う。残虐さは見事に継承されていて、無慈悲という点では映画のラストカット、あの瞬間でスパッと終わらせるのが慈悲が無いという事は元より映画として単純にカッコいい終わり方だと思った。ただ残念なのは折角切れ味鋭くスパッと終わらせたのにその後にスタッフのクレジットが流れる事。あの終わらせ方を最大限に活かすためには映画の最初にスタッフクレジットを流すくらいの大胆さが必要だったのではないかと思う。それかスタッフクレジットをQRコードにするとか。



『サマーフィルムにのって』を観た。2020年、日本、1時間37分。
ある高校の映画部は夏休みに毎年一本の映画を撮り秋の文化祭で発表していた。今年の作品はほぼ全員一致で恋愛映画に決定し撮影も順調に進んでいたがただ一人撮影現場を恨めしく見ている女性部員がいた。彼女の書いた青春時代劇の脚本の完成度は高く一部では高く評価されていたが理想とする主人公の配役が決まらないため彼女自身が映画化する事を諦めていた。

池袋シネマ・ロサにて。

個人的に最近の日本映画は敬遠傾向に有るがこの映画は映画制作の話しという事もあってちょっと興味が有った。それがロサでも上映される事になったので観た。
ロサでの上映以前に観なかったのは青春映画だからという所も有ったが結果的には観て良かった。いい映画だった。アメリカ映画の『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』と偶然ちょっと似ている感じ。
勝手な思い込みで相手の印象を決めつけて遠ざけてしまうが何かのきっかけで相手の事を知り自分の思い込みが間違っていた事に気付く。それは自分が苦手だと思い込んでいる映画のジャンルにも当てはまる事も有ると。自分にとっては本作が正にそうであった。ただ、今後このジャンルにはまっていくとは考えづらい。

基本青春映画なのだけどSFも入ってきて、そして時代劇映画が若者の青春時代を映し出す重要な役割を担う。
時代劇映画の一番の見せ所は主人公と敵役が戦うチャンバラシーン。いかに主人公がカッコよく勝つか、それも重要ではあるけど、敵役も一人の人間であり自分なりの想いや正しさを持った上で戦いに挑んでいる。そんな二人がそれぞれの想いを刀に込めてぶつかり合う。そういうチャンバラが時代劇映画をより良いものにするのだし、お互いの想いを素直にぶつけ合うのが許されるのが青春時代の特権でも有るという事が見事に融合されていたと思う。ちょっと(大分か)感動した。

最近の日本の俳優事情にめっきり疎くなってしまったが本作に出演の若い俳優さん達(ダディボーイ役の人は35歳)はお芝居がお上手で面白い。他の日本映画がどうなのかは分からないが。
元アイドルネッサンスの比嘉奈菜子さんが映画部の後輩部員役で出ていた。
主人公のハダシ役の人は原田珠々華さんに似ていたし、ビート板役の人は石野理子さんに似ていたのはただの偶然だったのだろうか。







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『フリー・ガイ』『プロミシング・ヤング・ウーマン』『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』『ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結』『少年の君』 [映画]

『フリー・ガイ』を観た。2020年、アメリカ、1時間55分。
オンラインゲーム"フリー・シティ”の中で背景の一部の役割でしかないガイ。自分がいるのがゲームの世界である事も知らず毎日何一つ変わらない日常が続く事に幸せを感じていたがゲーム内に現れたある女性を一目見た瞬間にガイの中に変化が現れる。

オンラインゲームは全くやった事が無いけどこの映画の中で起きている事をなんとなくは理解出来る。でもなんとなくなのでこの映画の面白さを十分に理解出来ているとは思えない。
恐らくこの映画で起きている事も面白さも全く理解出来ない人もいる事だろうと思う。そういった人達の事は完全に置き去りにしている様に思える。
ゲームの中に存在するキャラクターは救うけどリアルのアナログ世代は救わない。現実にこれからそういう世界になっていくのかもしれない。
映画の中では結局リアルも大事という事にはなっている。これからはリアルとヴァーチャルの2つの世界が存在して(ヴァーチャルではもっと多様にもっと複雑な世界になるのか)その両方で上手く立ち回らないと生きていけなくなるのかも。

自分は生まれた時からテレビが有った生まれつきのテレビっ子であった。現在はテレビから大分離れてしまったが。これからは生まれついてのヴァーチャルっ子(SNSも含まれるのかもしれない)が普通になってくる時代になるのだろう。

日本のテレビレポーター役で野村祐人さんが出ていた。一緒に出ていた少年は恐らく野村さんのお子さんなんではないかと思う。
野村さんの出演作品ではテレビドラマの『きらきらひかる』が良かった。数少ない全話観たテレビドラマ。



『プロミシング・ヤング・ウーマン』を観た。2020年、イギリス=アメリカ、1時間53分。
バーで一人酔い潰れた女性を介抱する男。男の親切心の裏に良からぬ企みを見抜いた時、女性からの鉄槌が下される。

池袋シネマ・ロサにて。

悲しい話し。途中に救いが有るかと思わせる所がまた悲しみに容赦がない。ではあるけどそれを過度にお涙頂戴としてアピールはしないのがこれはもう作っている側のセンスという事になるのだろう。なので悲しいんだけども物語として面白い。
韓国映画からの影響も有る様な気がする。パク・チャヌク監督の復讐3部作に連なる作品と言われても納得出来る。
主人公のキャシーの過激な行動には原因と理由が有るがその事についてはそこまで詳しくは描かれない。描かれないからこそその事について深く考えなければならないと思えるのかもしれない



『ワイルド・スピート/ジェットブレイク』を観た。2020年、アメリカ、2時間23分。
ミスター・ノーバディが乗った飛行機が墜落。その直前にミスター・ノーバディからドム達に向けて極秘のメッセージが送られていた。墜落現場に向かったドム達は飛行機の残骸の中から半円球の物体を見付ける。

ドム達ファミリーが世界規模の犯罪に立ち向かう。しかしドム達はこれまでと同じくなんにも特殊な能力は持たずに特別な訓練を受けたわけでも無い。運転技術が有って喧嘩が強くて度胸が有るが、とは言えスーパーマンではないしジェームズ・ボンドでもない一般市民。そんなドム達とシリーズを重ねる毎にデカくなり続ける犯罪のスケールのバランスはどんどんおかしくなっている。
かろうじてバランスが保たれているのはローマンとテズのコンビが自分達を含めたこのシリーズ自体を茶化す事によってシリアスになり過ぎるのを防いでいるからではないかと思う。

遂に空を越えてしまったけどシリーズ完結まで残り2作どうするんだろう?空を越える以上の事と言うと後はもう時を越えるしか無いのでは。もはや何でも有りなのでそれも有りなのかも。丁度いい事に『バッグ・トゥ・ザ・フューチャー』は同じユニバーサルなのでドムとドクが出会ってデロリアンに乗って1作目まで戻るとか。こう言ってはなんだが、そうすればポール・ウォーカーの姿を自然にスクリーンに映し出せそうな気がする。



『ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結』を観た。2021年、アメリカ、2時間12分。
アメリカ政府によって集められた犯罪者集団が政府との取引によって失敗の許されない重要な任務に就く。

邦題に付いている"極"悪党は「ごくあくとう」ではなくて「ごく、あくとう」と読むのが正しいのだと『ハリウッド・エクスプレス』で岡田マリアさんがその様に読んでいて気付かされた。

異常な犯罪者達が集められたという割にはメンバー同士信頼し合ったり合わなかったりでチームワークも芽生えたりして、そこら辺が思ってるのと違ったりするのだけど、何に対して異常なのかと考えれば世間の常識や倫理に対してもそうなのだけど一番はアメリカの正義に対して異常と位置付けされていると考えると全てが丸く収まる気がする。アメリカの正義が異常だったとしたら異常に対する異常は正常という事ではなくまた種類の異なる異常。
その異常者達をアメリカの正義の力で抑え込んで利用しようとするが異常者達もそう簡単に利用されるだけではない。という所がアウトロー映画の面白さであるのだろうと思う。



『少年の君』を観た。2019年、中国=香港、2時間15分。
2011年、超学歴社会となった中国。学校内ではいじめが深刻化し社会問題となっていた。

いじめ問題を描いた映画だとは知らずに観た。経済発展し競争社会、学歴社会となった事で学校内のいじめが社会問題として発覚する。というのはどこの国でも似たようなものなのだなと思う。
中国ではそれ以前はどういう感じだったのかは分からない。もっと穏やかでのどかないじめなんて全く無かったのか。穏やかでのどかだったとしてもいじめやそれに似た事は有ったはずだと思うが。

ネタバレ有。

青春恋愛映画でもあって、愛し合う若い二人の取った行動がミステリー仕立てになったりもするが、結果的に中国政府、公安が出し抜かれない結末へと導かれてしまう。それは道徳的倫理的には正しいのだろうけど、どんな映画を作っても、それがピカレスクな作品だったとしても中国の正義が覆される事は決して有ってはならないとする所が今の中国映画の限界になってしまうのだろうなと思う。
そして映画の最後には中国政府はしっかりといじめ問題への対策が行われている事を出演者が説明して教育映画な雰囲気で終わる。
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スペース・プレイヤーズ、ドント・ブリーズ2 [映画]

スペース・プレイヤーズを観た。2021年、アメリカ、1時間56分。
ワーナーブラザーズのサーバーに存在するアルゴリズムが意思を持ち誰よりも有能でありながら誰にも認められない自分という存在を世界中の人間に認めさせるためNBAのスーパースターであるレブロン・ジェームズを利用しようと企む。

1996年のマイケル・ジョーダン主演の『スペース・ジャム』のリブートではなく続編という事になるらしいが繋がりはそんなに無い様に思えた。と言うか『スペース・ジャム』の内容を殆ど憶えていないので繋がりがどうとか分かるはずもないのだった。
でも本作の中では『スペース・ジャム』の事はそんな事も有ったっけ。といった具合にネタとして使われるくらいだったと思う。
マイケル・ジョーダンネタであの人が出てきたのが面白かった。あの人はアメリカではああいう「じゃない方」扱いなんだろうか。

賑やかな映画だった。賑やか過ぎるとも言えなくも無いが賑やか過ぎるのがルーニー・テューンズらしさでもあるのだろうし。

ルーニー・テューンズのキャラクターの中ではマーヴィン・ザ・マーシャンが好きだけど出演作品を観た事が無く、マーヴィン・ザ・マーシャンが単独で主役の作品が有るのかどうかも分かっていないのでルーニー・テューンズのキャラクターたちの中でどういうポジションなのかも分かっていなかった。どうやら仲間ではなく火星から来たお騒がせキャラといった感じ。



ルーニー・テューンズのキャラクター以外にもワーナーブラザーズの有名映画からそのシーンだったり登場人物が使われていて面白い。ただ、モブキャラの中に見た事のあるキャラクターがいるとそっちに目が行ってしまうというあまり良くない効果も有る。

アルゴリズムを楽しそうに演じるのはドン・チードル。この映画ではコミカルな役を演じているが、ドン・チードルを初めて見た時(2度目だったかもしれない)にギャングの役を演じていてマジで本物の映画とかに出ちゃいけない人が出てる。と思って本当に恐ろしかったのが印象に残ったまま現在に至っている。



ドント・ブリーズ2を観た。2021年、アメリカ、1時間38分。
盲目の老人が幼い少女を引き取ってから8年の時が過ぎていた。老人は世間の悪から少女を守り抜く事を自らに課し、そのため少女にも厳しいルールを課していた。
そんな老人と少女の前に闇夜に乗じて凶暴な男達が現れる。

こちらも続編。『スペース・プレイヤーズ』の様に25年振りでは無く前作は2016年で5年振りという事になるけど5年も経てばもう無理、大分忘れている。前作の時代設定がリアルタイムだとしたら本作の設定は近未来という事になるのだろうか。
前作との繋がりがよく分からないまま観ていたが、観終わってから公式サイトなどを見てみるとどうやら前作との繋がりは盲目の老人くらいでほぼ無いらしい。
だったら老人が何故少女を引き取る事になったのかその辺りはもうちょっと詳しく描かれるべきだったんじゃないかと思う。
それと画面がやたらと暗くて何をしているのか分かりづらい。盲目の老人と似た環境を実感させる狙いが有るのかもしれないけど。
色々と不満は感じていたけど、最終的にこの物語は前作と合わせてクリント・イーストウッド監督作品『許されざる者』と同じ事が描かれているのだと思った。
かつて凶悪な犯罪者だった男が改心する事で過去の罪は許されるのかといった。宗教における神は赦しを与える存在なので赦すだろうけど、実際の生活、世間においてそんな都合のいい話はそうは無くて、だからといって改心せずに悪の道に戻るのではなく過去の罪を一生背負って自分は許されざる者なのだと受け容れた上で残りの人生を真っ当に生きるべきと。
『許されざる者』では主人公が自分は許されざる者なのだと受け容れた後の人生は詳しく描かれないが、本作はどうやら続きも無くは無い様な感じだったので三部作としてかつて凶悪犯だった老人の人生にどう決着を付けるのか興味はある。
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ジャングル・クルーズ、モンタナの目撃者 [映画]

ジャングル・クルーズを観た。2020年、アメリカ、2時間8分。
第一次世界大戦中。アマゾンのジャングル奥地に有るという全ての病を治療する伝説の花"月の涙"を平和利用のため採取に向かう英国人女性植物学博士。しかしドイツ帝国の皇子もその花を軍事目的のために狙っていた。

ディズニーランドのアトラクションを映画化。と言えば『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズの興行的な大成功が思い起こされ、その夢を再びといった所かと邪推。アトラクションの映画化としては以前には他にエディ・マーフィ主演の『ホーンテッド・マンション』も有ったなあと思い出すが内容の方は全然憶えていない。
ディズニーランドにはうん十年前に一度きりしか足を踏み入れた事が無い。イクスピアリのシネコンには何度か行っている。なのでアトラクションのジャングル・クルーズについては全く知らないが、映画の最初の方でドウェイン・ジョンソン演じる船長の観光客向けのクルーズの様子でなんとなくの感じは分かった。恐らくアトラクションでの船長さんもジョーク多めで進行させるのでは。
映画で登場する動物が一部CG感が強めなのはアトラクションの動物も作り物感を残しているからだろうか。

想像だとそんなに激しいアトラクションではないのだろうと思う。そこから話を拡げてそこそこスケールの大きい物語にしたのはさすがだなあと感心する。『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズと『インディ・ジョーンズ』シリーズとを合わせて超古代文明も混ぜ合わせたという感じではあるけど。
ドイツ海軍のUボートを出してきた所が面白かった。

"月の涙"を守る部族の人達は自分達のためには"月の涙"を使わなかったという事なのだろうか。何百年にも渡ってそんな神秘の力が身近に有ったのなら何人かは使った人がいたんじゃないかと思ってしまう。

ポール・ジアマッティが出ているが映画を観ている間中ずっと名前なんだっけ?と考え続けて、何故か全く関係の無いディラン・マクダーモットの名前か思い浮かんで来てしまい遂に最後まで出てこずエンドクレジットでようやっと分かった。
そして実はエミリー・ブラントの名前も出てこなかった。
ジェシー・ブレモンスはすんなり名前が出てきたんだけど。



モンタナの目撃者を観た。2021年、アメリカ、1時間40分。
フロリダで起きた州検事宅の爆発事故。そのニュースを見た訴訟会計士は息子を連れモンタナの義理の弟の元へと向かうが二人組の殺し屋がその後を執拗に追う。殺し屋たちはこの件に関わる全てを闇に葬る為に手段を選ばず遂には大規模な山林火災まで引き起こす。

アンジェリーナ・ジョリーが心に傷を負った山岳消防士を演じる。
全く関係の無い事件に巻き込まれていくが、消防士が主役なだけに当然火災が起こる。その事件と火災が起きる原因の関連がちゃんと理屈が通っていて納得できる。ただ、火災シーンはそれほど重要視はされていなくて、あくまでシチュエーションとして事件と同時期に火災が起きているといった感じ。火災現場で主人公が心の傷を克服する作用は一応有るが。

ハリウッド映画のトレンドで『ジャングル・クルーズ』もそうであった様に女性が主導権を握る。これが数年前の3D映画みたいに一時のトレンドで終わらない様にしないといけないのでは。そのためには何が必要かと言えば、一番はそれによって映画が面白くなればいいわけで。残念ながら3Dはこれまでの所ではそれによって面白くなったとは言い難い。
本作では最強のサバイバルガイドの女性がカッコ良かった。サバイバルガイドの女性がカッコ良かったのは悪役の殺し屋(男性)が良かったからという所もかなり大きいと思う。最強のサバイバルガイドと殺し屋が最後に対峙するシーンが良かった。
女性が主導権を握ればそれでいいのではなくて女性、男性どちらが優位とかも無くお互いが同等の立場で映画を面白くしていくのが理想なのだろうと思う。

子役の少年の唇がアンジェリーナ・ジョリーの特徴的な唇に似ている様に思えて、もしかしてアンジェリーナ・ジョリーの息子なのかなと思い込んで、そうならブラッド・ピットの息子でもあり、そう思い込んだら少年の顔にブラッド・ピットの面影が見えるようになってきて、これは間違いなく少年はアンジェリーナ・ジョリーとブラッド・ピットの息子だと確信したけど違った。全然赤の他人。お恥ずかしい。
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すべてが変わった日、白頭山大噴火 [映画]

すべてが変わった日を観た。2020年、アメリカ、1時間53分。
1963年、アメリカ合衆国モンタナ州。初孫の誕生を喜ぶ夫婦。しかしその幸せは長くは続かず孫と離れ離れになる事に。孫の置かれている環境が思わしいものではないと見抜いた祖母は愛する孫を取り戻す決意を夫に告げる。

50年以上前の話しという事になってしまうけど現代に通じている所は多々有ると思う。
西部劇の要素はかなり有ってそれを不自然にならなくするためには1960年代にする必要が有ったのかも。
アメリカ地方都市の得体のしれない闇が描かれるが。その描写はちょっと物足りない。もっとハードに得体がしれなくても良かったかなと思うけど、やり過ぎるとホラー映画になってしまうし。
結局最後は力(暴力)がものを言う所は、映画としての面白さを選べばそうなるのだろうし、そういう展開になる事を期待もしていた。『ランボー ラスト・ブラッド』的な。しかし、でも実際にそういう暴力での解決を見せられるとそれが一番確実で手っ取り早いのも理解出来てしまうしその代償もきっちりと有るのだけど、それでいいのか?とも思え何かモヤモヤとしたものが残る。それはケヴィン・コスナーとスタローンの映画スターとしての資質の違いによるものなのだろうか。



白頭山大噴火を観た。2019年、韓国、2時間8分。
北朝鮮と中国の国境にある白頭山(ペクトゥサン)が噴火。韓国にも甚大な被害が及びその後も第四波まで起こり朝鮮半島に壊滅的な被害が予想される事が研究者から告げられる。韓国政府は北朝鮮に部隊を潜入させ核ミサイルの弾頭を奪取しそれを使って噴火のエネルギーを抑える作戦を決行するがそこに大国のアメリカと中国の思惑が絡んでくるのだった。

噴火の影響は韓国でも凄まじく状況的にはかなり深刻。なのだけど登場人物の言動にはコミカルさも交えられる。むしろコミカルさがメインの様な。それがディザスター映画にはそぐわない所もあり緊張感を削いでしまっている所は正直有るが、でもコミカルである事の面白さも確かに有って、本作はそういう映画なんだなと理解すれば十分に面白いと思う。

ハ・ジョンウ、イ・ビョンホン、マ・ドンソクの3大スター共演作。個人的な記憶力の問題と老化現象で韓国スターの中で顔と名前が一致する数少ない3人。顔だけは分かる人は多くいるがとにかく名前が覚えられない。今やそれは韓国スターだけに限った事ではなくなってきている。
その3人ともがそれぞれのイメージとはちょっとひねりを加えた役柄を演じているのが面白い。
イ・ビョンホンがやっぱり頭一つ抜けてるスターなんではないかなと勝手に想像する。
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竜とそばかすの姫 [映画]

竜とそばかすの姫を観た。2021年、日本、2時間1分。
高知の女子高生が仮想の世界でスーパースターになる。

現在の社会の問題点が如実に取り入れられているのだろうと思う。テクノロジー的な事においてはこれからの社会はこうなっていくのだろうなと思うと全くついていける気がしない。
現代の若者像はどうしてもナイーブになってしまうのだろう。それがどうにも歯痒く思えてしまう。
SNSなどにおいて匿名であるのをいい事に無責任に誰かを誹謗中傷する行為の不快さが感じられる様になっていて、それが予防線となって本作の悪い方の感想を言いづらくさせている。
本作の構成は起承転結にきちんと分けられるのではないかと思う。学校のマドンナの意外な告白を含めて転の所だけ良かった。

現実でも仮想でも騒動が一応なんとかなんとなくぼんやりと収まってみんなで一緒に歌おうや。となってのエンドロールで流れるのがそんな雰囲気の歌じゃないのは折角淑女軍団に歌の上手い人たちをキャスティングした意味が無くて残念。
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木曜洋画劇場 サンダーボルト [映画]



この時の放送は1996年で平成だけど昭和の時代サンダーボルトはよくテレビで放送していた。アルカトラズからの脱出、ガントレット、ファイヤーフォックスその他にも色々。西部劇も。それになんと言っても忘れちゃいけないダーティハリーシリーズをよく放送していた。
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金曜ロードショー アルカトラズからの脱出 [映画]



1994年1月28日に放送。
TBSの月曜ロードショーで観た印象の方が強い。荻昌弘さんの解説込みで。確か荻さんがスタジオじゃなくてどこかの海岸で解説していた記憶が有る。
日本語吹き替えのキャストは金曜ロードショーも月曜ロードショーも多分同じじゃないかと思う。ウィキペディアを見ると元々はテレビ朝日の日曜洋画劇場が最初みたいでその時のを使用しているのか。
ルパン三世の御三方が揃っているのが嬉しくなってしまうが、それによって映画が全然ルパン三世っぽくはならない所がさすがだなあと思う。

脱獄モノが好きなのは最初に中学生(小学生だったか?)の時にテレビ放映で観たこの映画からの影響がかなり有ると思う。『ショーシャンクの空に』がそうだし、スタローン、カート・ラッセル共演の『デッドフォール』も。最近ではダニエル・ラドクリフ主演の『プリズン・エスケープ 脱出への10の鍵』が良かった。

テレビ放映で観て、その後に字幕版をレンタルビデオで借りたのか記憶は曖昧だけど観てみるとエンドロールがちょっと不気味で怖い事を知る。
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私立探偵エイブ 折り紙殺人事件 [映画]

私立探偵エイブ 折り紙殺人事件を観た。2020年、カナダ、1時間37分。
生まれ育った町で天才少年探偵としてもてはやされていたエイブだったが初めての重大事件を期待されながら解決出来ずに信頼を失う。それから20年が過ぎてもエイブはその町で探偵を本業として両親に心配をかけながら細々と暮らしていた。

探偵モノを大雑把に二分すると本格推理かハードボイルドかに分けられるのではないかと思う。
大人になった元天才少年探偵が殺人事件を推理する事になるがその行動は天才探偵だった片鱗を見せながらもずっこけ気味に描かれて面白い。しかし、実は狙っているのはハードボイルドなんではないかと思いながら観ていた。
結果やはりハードボイルドだったと思う。
20年来の失った信頼を取り戻す目論見も含めて町で起きた殺人事件を推理する事になる。天才少年探偵の頃の様にちょっとした事件と言うか困り事を解決すれば無事一件落着という単純なものではなくて、事件の真相に迫る事で事件が起きた要因である人間の暗部、被害者や関係者に残る心の傷に触れ、そして事件を解決する事で新たな問題も起こってしまう。それらの苦い現実に直面する事、事件は解決出来てもそれらの問題の全てを解決は出来ないという事を知って元天才少年探偵だったエイブは本当の大人の探偵になったのだと思う。しかしその苦い現実はまだエイブには辛すぎたという事での最後のあの涙であるのだろう。
作品としては派手なカーチェイスも爆発も無い小品。アクションはちょっとだけ有る。見せ場たっぷりな大作ではないけど小品ならではの良作だったと思う。

探偵事務所の秘書役はキーファー・サザーランドの娘さんのサラ・サザーランド。その内サザーランド三代の共演作も出来るのかも。
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クイーン&スリム [映画]

クイーン&スリムを観た。2019年、アメリカ/カナダ、2時間12分。
マッチングアプリを介して出会った黒人男女の初めてのデート。豪華とは言えないディナーを済ませ男は女を車で家へと送る途中警察に呼び止められる。それが二人のオハイオからフロリダへの逃避行の始まりだった。

クイーン(本名アンジェラ、女性)は弁護士で、スリム(男性)はスーパーの店員。接点がほぼ無い二人がたまたま出会い不幸な偶然が重なった事による逃亡劇。
シリアスなサスペンスが展開されるのかと予想するが、出会った当初は社会的立場が異なりそりも合わない男女によるロードムービーで、当然警察に追われるサスペンスも有るけどロードムービーならではのアメリカ縦断で各地を転々とする事による人との出会いと、二人旅の道中本音を晒す事でお互いの事を分かり合い次第に親密になっていく二人がユーモアも交えて描かれる作品で良い映画だった。

アメリカの地理的な所がよく分かっていないのでスタートのオハイオがどの辺りかも分かっていなかったが地図を見ればカナダの方が近い。それならカナダに行った方がいいんじゃないかと思うが、先ずは叔父さんのいるケンタッキーを目指して南下。そして更に南のフロリダへ。

ネタバレ有。
未だに出口の見えないアメリカの黒人と白人の対立が二人の逃亡劇の結末に大きく関係してくる。逃避行の過程を観ているだけにハッピーエンド的なものを期待してしまうが、それは劇中の民衆(主に黒人)とは違う感情なのかもしれない。民衆の二人への感情、期待、希望はもっと社会的な背景を背負っているのかもしれない。
偶発的とはいえ罪を犯してしまった報いは受けないと神の赦しも無いだろうし、ちゃんと報いを受ける事によって民衆の間の伝説となったという事なのだろう。

ホラー映画『ゲット・アウト』で一躍スターとなったダニエル・カルーヤの新たな代表作になったと思う。
今年のアカデミー助演男優賞を受賞した『ユダ&ブラック・メシア 裏切りの代償』(歌曲賞も受賞)も代表作になるだろうから現在絶好調。
『ユダ&ブラック・メシア』も本作同様に残念ながら日本では劇場未公開となりDVDレンタルが9月3日、デジタル配信は来年1月5日に予定されている。
クイーン役のジョディ・ターナー=スミスも良かった。特に髪型が変わってからがカッコいい。
ちなみに二人ともイギリス出身。イギリス英語のアクセントでの二人の共演作も観てみたい。
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ずっとお城で暮らしてる [映画]

ずっとお城で暮らしてるを観た。2019年、アメリカ、1時間36分。
小さな町の丘の上に建つ屋敷に住む姉妹と伯父。姉は数年前に食事の中にヒ素を混入させ両親を毒殺したが情状酌量され敷地内で変わりの無い日々を過ごし、同じ食事をして後遺症の残った伯父の面倒を看ている。
姉妹に厳しい目を向けている丘の下に住む庶民から大事な姉を守るため妹は彼女なりの魔法をかけているが、ある訪問者によって魔法の力が失われてしまう。

恐らく時代は1960年代。
両親殺害の真相は…。がミステリーとなっていて謎を解くカギも上手いこと小出しにされて色々と考えながら観られるがその真相はそれほどアッと驚くほどのものでは無かった。
ミステリーも重要だけど、当時の上流階級と一般庶民の人間性の違いを描き出す事も重要だったのだろうと思う。
少数の恵まれた者と大多数の恵まれない者たちの力関係は何かのきっかけで簡単に崩れ落ちるという事も含めて1960年代だからという事ではなくていつの時代でも現在でも同じなのかもしれない。
そういった人と人との間の妬みや嫉みが渦巻く中での上流階級ならではと思える浮世離れした姉妹愛という所が本来の観るべき所なのかもしれない。例えば上流階級をヴァンパイアに置き換えても成立するだろうと思う。
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緋牡丹博徒 お竜参上、鬼龍院花子の生涯、返校 言葉が消えた日、ブラック・ウィドウ、サイコ・ゴアマン [映画]

緋牡丹博徒 お竜参上を観た。1970年、日本、1時間40分。
明治中期。緋牡丹お竜こと九州熊本矢野一家二代目矢野竜子は生き別れになっている十六の娘お君を探す旅を続けている。血の繋がりは無いが天涯孤独のお君の面倒を見る腹積もりでいた。渡世人の青山から似た娘を知っていると聞きその情報をつてに浅草へとやって来たお竜は浅草一帯を仕切る鉄砲久(てっぽうきゅう)一家に草鞋を脱ぐ。鉄砲久のシマは鮫洲政(さめずまさ)に狙われていたがそのやり口は汚く仁義を欠いていた。昔気質で義理人情に厚い鉄砲久の親分はそんな鮫洲政に対しても筋を通そうとするが鮫洲政の非道な行いはエスカレートするばかりだった。

丸の内TOEI《東映創立70周年"エンターテインメント・アーカイブ"特集上映・2021夏》にて。

初見。一応シリーズものとは知っていた。このシリーズ自体が初見で何作目かも知らないで観たらいきなり前作からの続きという感じで始まって戸惑ったがその後は特に問題は無かった。後で調べたらシリーズ全8作品の6作目でシリーズ中でも人気作品なのだとか。

主人公のお竜が背中に入れている牡丹の刺青をここぞという時にバッと見せるのがシリーズを通してのお約束な見せ所(イメージとしては遠山の金さんみたいな)という事なのだけど本作にそういったシーンが有ったか記憶に無い。

お竜とお君が再会するシーンで結構長いワンカットで演じている人たちは大変だなあと思いつつ、画面の中央付近で話しには直接関係の無い女の人がずっとミカン食べてるのが面白かった。当然その人も演技をしているわけで。



鬼龍院花子の生涯を観た。1982年、日本、2時間26分。
高知の鬼龍院一家の親分鬼政(おにまさ)こと鬼龍院政五郎は12歳の娘松恵を養女に迎える。鬼政の破天荒な生き様は周りの人間を巻き込みそして魅了していく。松恵を養女に迎えてから生まれた鬼政の実の娘花子は溺愛されるが花子の人生もまた鬼政の生き様に巻き込まれていく。そんな花子の生涯の生き証人となる松恵。

丸の内TOEI《東映創立70周年"エンターテインメント・アーカイブ"特集上映・2021夏》にて。

初見。公開当時テレビで流れるコマーシャルで夏目雅子さんが「なめたらいかんぜよ!」と啖呵を切るシーンはとても印象に残った。その印象しかないままで約四十年後に観たら夏目雅子さんが演じているのは鬼龍院花子では無いという事実を知り、鬼龍院花子がメインの話しでも無いという事実を知った。
鬼龍院花子の波乱の生涯を間近で見ていた松恵。花子にそういった人生を送らせてしまった鬼政という男がメインで身近にいた松恵もまた鬼政からの影響を強く受ける。
今の時代に政五郎という男が存在したら大炎上案件だろう。特に女性関係の点で。そこは許されない事ではあるけど、一方で大正、昭和の時代のまだ貧しかった日本という国でのし上がっていくにはオレがオレがのパワフルさとバイタリティが必要だったのだろうと理解は出来る。
暴君と紙一重の所は有るけど、そこに演じる仲代達矢さんが生真面目さとチャーミングさを加えられたお陰で映画のキャラクターとしては魅力的な人物になったのだろう。

松恵と結婚する事になる田辺役の山本圭さんとネプチューンのホリケンさんが似ている事を発見。



返校 言葉が消えた日を観た。2019年、台湾、1時間43分。
1962年、戒厳令下にある台湾。国家は共産主義者を弾圧し、国の意に背く者たちを徹底的に排除していた。
自由を求める高校生たちは教師も含めて禁じられている書物を読み合う会を秘密裡に行なっていたがある密告者によって発覚し、高校生に対しても厳しい取り調べが行われる。

台湾映画で学園モノと言えば観た限りではやんちゃで瑞々しくて純粋で。といったイメージだけど本作はかなり色合いが異なる。
独裁国家の戒厳令下といった状況もここまで厳しかったとは知らなかった。アジアの歴史に戦前、戦中、戦後で日本が関わっていない事はほぼ無いと言えるのだろうから当然台湾の歴史にも直接的間接的に関わっているはずでそれを知らなかった。と簡単に言っちゃうのもどうかと思うが。
当時の厳しい現実に打ち砕かれていった若者たちが実際にいた事を忘れてはいけない。という事が言われている良作だと思う。そんな本作の原作がゲームだと知って意外だった。ホラーゲームみたいな感じなのかなあとぼんやりと思うがホラーゲームをやった事が無いのでやっぱり想像がつかない。



ブラック・ウィドウを観た。2020年、アメリカ、2時間13分。
ロシアの女性暗殺者養成機関"レッドルーム”はナターシャ・ロマノフ/ブラック・ウィドウの手によって最高責任者が暗殺されたため組織も壊滅したと思われていた。しかし組織が今だ存在する事を妹により知ったナターシャは所在不明の組織に近付くため共に組織に所属していた家族と再会する。

結構長い間何の話なんだかよく分からないままに観させられていた。なんとなくは分かってくるとそれなりには面白い。
これまでマーベルヒーロー映画を観てきた惰性とハリウッド大作映画好きとしてだけ観ている自分にとっては本作以外にも続々と作られる予定の新作では常にこの様な状態になるんじゃないかと思われる。
時間改変もしちゃったから物語の整合性はどこかで破綻してくるのだろうから余計に。

レッドルームの暗殺者がウィドウと呼ばれ、レッドルームに反逆した者をブラック・ウィドウと呼ぶみたい。なので妹も母もブラック・ウィドウであるらしい。母は科学者だから違うのか。妹が今後アベンジャーズに参加する事となるブラック・ウィドウになるのか。
しかしレイチェル・ワイズが二人のお母さん役というのは今イチ納得出来ない。三姉妹でも十分に通用すると思う。
本作ではレイチェル・ワイズがお母さんで、スパイダーマンではマリサ・トメイがメイ叔母さんという事実に確実に時間というものは流れ過ぎていくのだなあと感じる。



サイコ・ゴアマンを観た。2020年、カナダ、1時間35分。
他の星の正義の味方達によって地球に封じ込められた宇宙最強の破壊者を自宅の庭で発掘した少女。破壊者を操る術を持った少女は破壊者をサイコ・ゴアマンと名付け飼い殺しにする。

ネタバレ有。

一回うとうと癖がついてしまうと仲々抜けない。本作でも終わりの方で少しうとうとしてしまった。実は30分位しかないプイプイのモルカーでもうとうとしかけた。
宇宙最強の破壊者と恐れられているが少女と心を通い会わせる事によって実は本当の姿は別なんじゃないかと思わせて、実は本当にガチガチの宇宙最強の破壊者だったサイコ・ゴアマンという事なのだろう。

監督さんに『天体戦士サンレッド』を紹介してみるのもいいんじゃないだろうか。
もし映画化にでもなったら川崎からカナダに行く事になるかもしれないが。
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