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『犯罪都市 NO WAY OUT』『落下の解剖学』 [映画]

『犯罪都市 NO WAY OUT』 2023年、韓国、1時間45分。を観た。
不審死事件を捜査するマ・ソクト刑事は新手の合成麻薬"ハイパー"の存在に辿り着く。"ハイパー"を巡って韓国、中国、日本の悪者共が蠢く中にマ・ソクト刑事は拳だけで乗り込んでいく。

『犯罪都市』シリーズ3作目。前作から7年後の2015年の話でまだ現在には追いついていない。4作目も同時進行で撮影しているらしい。
前2作品ではマ・ソクト刑事はソウル・クムチョン(衿川)署強力班の所属だったけど本作ではソウル地方警察庁広域捜査隊に異動している。より広い管轄、韓国全域(?)の事件に首を突っ込める様になったという事だろうか。前作ではベトナムで勝手に捜査していた。

マ・ソクト刑事の強さの秘密は実はディフェンスの方に有るのだろうと思った。ボクシングをしていたという設定になっているので(本作から?だからなのかビンタの回数がかなり減った。一回だけだったと思う。)ディフェンスの技術もかなり高度に見えるがそれよりもなによりもとにかく打たれ強い。痛みに鈍感と言った方が正しいのかもしれない。背後から凶器でクリーンヒットすればちゃんと気を失って、車に轢かれればダメージは受けるけども、そのダメージを後に引きずらずにむしろパワーアップして全力を出しきれる。それは戦う側からしたら脅威でしかないだろうと想像する。『ターミネーター』の韓国版リメイク出来そう。
マ・ドンソクのアクションも上手いのだろうけど映像としての見せ方も上手いと思う。ちゃんと相手の急所めがけてパンチを出していて思いっきり当てにいっているように見える。どうやってパンチを出してそれをどこからどう撮ればそういう風に見えるのかを熟知しているのだろう。
実際に当たってしまう事もそれで怪我をする事も有るのだろうけど、それはもう仕方ないと覚悟の上で。それくらいの覚悟がないと手に汗握る様なアクションにはならないのかもしれない。観客がそれを期待してしまうし。



『落下の解剖学』 2023年、フランス、2時間32分。を観た。
フランス。山荘に暮らす三人家族。フランス人の父、ドイツ人の母、視覚障がいを持つ11歳の息子。ある日息子が飼い犬を連れた散歩から戻ると庭先で倒れている父親に気付く。

ネタバレ有り。

裁判の展開が丁寧に描かれていて、これは裁判とはどういうものなのかが描かれている映画なのだと思った。
片方は無罪を主張し、片方は有罪にする事を目的としていてその為に証人や証拠を用意して裁判で発表(発表?)するが、一つの証拠をもってしても無罪を主張するための証拠になる事も有れば逆にそれが有罪の証拠になる事も有り得る。それを如何に自分達の主張の方が正しいか、正しくなくても説得力が有るかを競い合っているようで、真実を探り明らかにするのが目的では無いようにも思えた。
確か本作の中でも二つのの選択肢が有った場合どれから一つを選ばなければならない。みたいな事を言っていたと思う。裁判にかけられたら何かしらの一つの答えを出さなければならなくて、どっちでもいいじゃんは有り得なくて。だから無理矢理にでも答えを捻り出さなければならない。そこに真実の追及という考え自体あまり必要ではなくて、だから本作でも何が真実だったのかはっきりと明かされないのか。
結局どういう判断であの結審に至ったのかも説明されない。それは逆の結果になっていた可能性もかなり高かったという事なのではないかと思う。

弁護士役のスワン・アルローがカッコ良かった。これから世界中で大人気になるんじゃないだろうか。もう既になっているのかも。名前がスワンなのが出来すぎの様な気がするが綴りはSWANNで英語のSWANとは違う。

カンヌ国際映画祭でパルム・ドッグ賞を受賞。確かにあの犬は賢そうで演技力も有った。当人(人?)は演技しているとは思っていないだろうけど。
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