ザ・ウォーカー [2010年6月に観た映画]
『ザ・ウォーカー』
“THE BOOK OF ELI” (2010・アメリカ) 1h58
監督 : アレン・ヒューズ/アルバート・ヒューズ 製作・出演 : デンゼル・ワシントン
出演 : ゲイリー・オールドマン、ミラ・クニス、ジェニファー・ビールス、レイ・スティーヴンソン、マイケル・ガンボン
荒廃した近未来。30年かけてアメリカ大陸を横断する男の運ぶ物は。
30年、長っ!
と思いますが、そこには理由が有り。その理由にはなるほど。と思いました。
ジョエル・シルヴァー製作にしてはアクション度がそれほど高くないなぁ。デンゼル・ワシントンのアクションも足が動いてないなぁ。と思いながら観ていましたが、それにもその理由が大きく関係しているように思える。
個人的には納得がいく理由でした。
男が信じた事を貫き通す姿は感動的でありました。
ただ、信じた事のためなら暴力も辞さず。って所はリセットされた世界でも変わる事は無いのだろうか。と。
暴力を使わなければ信じた事を貫けないような世界ではありましたが、結局リセット前の世界と同じ事の繰り返しで。
信じるものが無いと人は救われない。でも、信じるものの違いで争いが起きる。
人間がいる限りその繰り返し。リセットされても何も変わらないのだろうか。と。
シーサイドモーテル [2010年6月に観た映画]
クレイジー・ハート [2010年6月に観た映画]
『クレイジー・ハート』
“CRAZY HEART” (2009・アメリカ) 1h51
製作・監督・脚本 : スコット・クーパー 製作総指揮・出演 : ジェフ・ブリッジス 製作・出演 : ロバート・デュヴァル
出演 : マギー・ギレンホール、コリン・ファレル、ジャック・ネイション
大御所カントリーシンガー、バッド・ブレイクの生き様。
ネタバレ有り。
長年自分の好き勝手にやりたい放題やって来たバッド。現在落ちぶれ真っ最中につき、自分の娘ほどの年齢のシングルマザーに家族の温もりを求めますが。
安直方面の老年ラブストーリーに向かうのかと思いきや。
アルコール依存症のリハビリ施設に入った時には、安直方面一直線かと思った。
長年好き勝手やってきたのだから、今更他人に温もり求めんな。これからも独りで生き独りで老い独りで死ね。と事のほか辛辣で。
でも、それでこそバッド・ブレイク。その生き様を全うしてこそお前はカッコイイのだ。という事なのだろう。
エンドロールまでロバート・デュバルがプロデューサーだとは知りませんでした。
プロデューサー権限なのか、エンドロールの最後の曲はロバート・デュバルが歌ってる。
本当はロバート・デュバル自身がバッド・ブレイクを演じたかったのかも。
でも歌の上手さはジェフ・ブリッジスの方が上かも。
ジェフ・ブリッジス、かなり増量してた。増量すると猛牛ニック・ノルティに似てる。後、テリー・ギリアムにも。
コリン・ファレルも歌上手かった。予告で見た時は何の役で出てるんだろう?と思ったけど、まさかカントリーシンガーの役とは。超意外なキャスティング。
でも、ダブリンでソウルを歌う『ザ・コミットメンツ』が有るのだから、コリン・ファレルがカントリーを歌うのも有りなのだろう。と納得します。
なんとマネージャー役の人も歌上手かった!知らんかった。
パリ20区、僕たちのクラス [2010年6月に観た映画]
『パリ20区、僕たちのクラス』
“ENTRE LES MURS” (2008・フランス) 2h08
監督・脚本 : ローラン・カンテ
原作・脚本・出演 : フランソワ・ベゴドー
パリの中学校。あるクラスの1年間の模様。
この映画を観て教育とは戦いなのだと思いました。
しかし現在の教育現場は先生にとってかなり分が悪い戦いの様に思われ。
先生=強者(大人)。生徒=弱者(子供)。という関係の中で、生徒は弱者の立場を利用し、弱者である事を最大武器に、残酷なまでの無邪気さと狡猾さで先生に戦いを挑む。
自分が中学生ぐらいの頃にはそんな事全く意識していませんでしたが、多分そうだったのかもしれない。
一方先生は常に先生という建前を崩すわけにはいかず。建前が崩れそこに個人の本音が見えようものなら、そこに集中攻撃を喰らう羽目に。
しかも先生は1人。生徒は20人~30人(本作の場合)。
どう考えても分が悪い。
そんな1年間が終わっても、先生は次の新たな敵との戦いへと臨まなければならない。
終わる事が無く、勝ち目も薄い戦い。それでも先生である事を諦めない。
先生って大変だと思い知るとともに、崇高な職業なのだとも思いました。
シネマライズBF、ライズX閉館しました鉄男 THE BULLET MAN [2010年6月に観た映画]
『鉄男 THE BULLET MAN』
(2009・日本) 1h11
監督・原作・脚本・撮影・出演 : 塚本晋也
出演 : エリック・ボシック、桃生亜希子、ステファン・サラザン、中村優子
シネマライズBFが6月20日に、ライズXが一足早く6月18日に閉館しました。
6月いっぱいまではやっていると思ったのだけど。結局さよなら興行は無かった。
まあライズ自体が無くなるわけではないので。
今秋にBFとXを合わせてライブスペースになる。との事ですが、BFとXが繋がってる!って初めて知りました。そうなるとあの建物はかなり不思議な建物で。元ゲーセンも同じ建物内に有って。一体どういう構造になっているのだろう?
BF最後の上映作品なので『鉄男』を再度観ました。
ライズXの最後には行けなかった。
やっぱり大音響が凄かった。開始ほどなくして退出者を2名出すほどの大音響。
しかしながらバトルシーンでの盛り上がり、高揚感もやっぱり凄かった。
クライマックスの鉄男VSやつ。と、その前に鉄男VS鉄男プロジェクト関係者のバトルが有りましたが、その両方とも凄かった。
大音響によって高揚感が煽られるのかと思っていましたが、映像的にも一見意味不明のカットの羅列の様でいて、何かこう気持ちがグワッと盛り上がる秘密が隠されているかの様。それがどのような秘密なのかがよく分からないのですが、とにかくなんか凄かった。
ストーリーとしてはそんなの有り?って感じのSFですが、バトルシーンだけでも面白く観れました。
ダブル・ミッション [2010年6月に観た映画]
『ダブル・ミッション』
“THE SPY NEXT DOOR” (2010・アメリカ) 1h32
監督 : ブライアン・レヴァント
出演 : ジャッキー・チェン、アンバー・ヴァレッタ、マデリン・キャロル、ウィル・シャドリー、アリーナ・フォーリー
ジャッキー、スパイに恋に大活躍。
ジャッキーの役名がボブ。って所にまず驚きでした。これは後に秘密が隠されていますが。秘密と言うほどの秘密でもないですが。
お手軽アクション映画かと思いきや、ロシアの悪者が石油を食べるバクテリアを発明して大儲けを企む。とか、ジャッキーが恋する女性の家族構成が意外と複雑。とか、内容としては凝っているものの、見せ方がきわめて単純化されているのでやはりお手軽に。
そのお手軽さが面白かったのですけど、面白く思えたのはこれまでのジャッキーの功労を称えて。という所も無くは無く。
アクションシーンがそれほど多くなかったし、スタントマン使ってる所も有ったし。
果たしてこの映画で新規のファンを獲得できるのか?を考えると、どうなんだろう?と思わずにいられない。
アクションシーンに制約が多く、それほど英語も得意ではなさそう。内容的にも香港で作っているものと大差ない。なら、もうハリウッドに見切りをつけて香港で自由に映画を作った方がいいんじゃないかと思えてきました。
最後に一発どデカイ花火、これぞジャッキーな無茶しまくりのアクション映画を観たい。
しかし、恐らくハリウッドも今は中国市場が海外での一番のターゲットで、そうなるとハリウッド側はジャッキーを手放す訳にもいかないのではないか。
中国市場をかなり意識したと思われるリメイク版『ベスト・キッド』はアメリカでは大ヒットしているようで。とてもめでたい事ですが、それがジャッキーにとって良い事なのか、良くない事なのか。現時点では判断できませんが。
アウトレイジ [2010年6月に観た映画]
『アウトレイジ』
(2010・日本) 1h49
監督・脚本・編集・出演 : 北野武
出演 : 椎名桔平、加瀬亮、國村隼、杉本哲太、三浦友和、北村総一朗、小日向文世
ヤクザの権力闘争。
北野映画の特徴はエピソードの積み重ねかと思います。
それは漫才から来ているのかも。ネタを次々と畳み掛けてくるツービートの漫才。
積み重ねであるが故に物語としてはうねりが無いと言うか。
○○だった。××だった。■■だった。の、だった調でのエピソードの積み重ね。
うねらないので観客が物語の波に乗せられて上下左右なすがままにされる感覚。それは無いのではないか。と。
エピソードの積み重ねを冷静に観れてしまう。その中で時に観客を裏切る破調を見せてくれる。その面白さは有るのかもしれないし、それこそが北野映画なのかも。
ただ、ヤクザの権力闘争の群像劇ならば、それぞれの思惑が絡み合ううねりの中でのどす黒い闘争劇が観たかった気もします。
ローラーガールズ・ダイアリー [2010年6月に観た映画]
『ローラーガールズ・ダイアリー』
“WHIP IT” (2009・アメリカ) 1h52
製作・監督・出演 : ドリュー・バリモア
出演 : エレン・ペイジ、マーシャ・ゲイ・ハーデン、ダニエル・スターン、アリア・ショウカット、クリステン・ウィグ、ジュリエット・ルイス
ローラーガールへの道を選んだ女の子の物語。
ドリュー・バリモアの人柄がにじみ出ている様な映画で良かった。実際ドリュー・バリモアがどんな人なのかは知らないけど。
イメージとして、明るくて可愛らしくて温かい。映画もその様な感じで登場人物全員に愛情が注がれていて、観ていて気持ちのいい映画でした。
ドリュー・バリモアはコメディエンヌとしての才能が高いのでコメディ演出も上手い。
笑いが有って、じんわりとハートウォーミングな映画が作れる。ひょっとしたらペニー・マーシャルの後継者はドリュー・バリモアなのかもしれない。
孤高のメス [2010年6月に観た映画]
リアル鬼ごっこ2 [2010年6月に観た映画]
『リアル鬼ごっこ2』
(2010・日本) 1h47
監督・脚本 : 柴田一成
出演 : 石田卓也、吉永淳、三浦翔平、渡辺奈緒子、永島敏行
再び佐藤さんが追いかけられる。
前作と較べると佐藤さんが追いかけられる理由がかなり薄くなっておりましたが、その分アクションは格段に良くなっていたので良かった。
CG、カット割りに頼らない体を張ったアクション。
何より石田さんの走り方がカッコよくなってました。
前作では腕の振りが後ろにいってる感じ。体操選手の跳馬の時の走り方に似てややユーモラス。
今回は腕の振りが前にいっててカッコよさ倍増でした。
パラレルのシーンでの廃墟がすごかった。リアル廃墟。
あの廃墟はどこに在るんだろう?いい所見つけたなぁと思うとともに、撮影許可もよく下りたと思う。
前作と同じく続編含みの終わり方。
更にアクションが良くなってくれれば全然有り。期待します。
サバイバル・オブ・ザ・デッド [2010年6月に観た映画]
『サバイバル・オブ・ザ・デッド』
“SURVIVAL OF THE DEAD” (2009・アメリカ=カナダ) 1h30
製作総指揮・監督・脚本 : ジョージ・A・ロメロ
出演 : アラン・ヴァン・スプラング、ケネス・ウェルシュ、キャスリーン・マンロー、リチャード・フィッツパトリック
ゾンビのいる世界。
かつて州兵、今やならず者の一行がゾンビのいない世界を目指してある島にたどり着くが、そこにもゾンビはいた。
ゾンビ映画の巨匠、ジョージ・A・ロメロ監督作品なだけにまずゾンビ有りき。それによって意見の違う人間同士の対立が起き衝突する。
ゾンビ有りきだけどゾンビメインという事でもなく、ゾンビがいたとしても人間同士は結束する事は無い。人間の愚かさを描いた作品なのかと思う。
ゾンビ映画としては恐怖感はあまり無く。残酷描写は盛り沢山に有るけど。そして何故か西部劇テイスト。
前作『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』と世界観はつながっているみたい。
ラストカットの美しさがとても印象的でした。
この夏もゾンビ映画続々公開。
7月17日より『ザ・ホード 死霊の大群』
http://www.showgate.jp/horde/
7月24日より『ゾンビランド』
http://www.zombieland.jp/
フレンチゾンビホラー『ザ・ホード 死霊の大群』が面白そうな感じ。
その男、凶暴につきと3-4X10月 [2010年6月に観た映画]
『その男、凶暴につき』
(1989・日本) 1h43
監督・出演 : 北野武
出演 : 白竜、芦川誠、平泉成、岸部一徳、川上麻衣子、佐野史郎
『3-4X10月』
(1990・日本) 1h36
監督・脚本・出演 : 北野武
出演 : 小野昌彦、石田ゆり子、井口薫仁、飯塚実、布施絵里、芦川誠、渡嘉敷勝男
北野武監督作2本立て。新文芸坐にて。
『その男、凶暴につき』
初監督作にして映画としての完成度が高く、既に北野節が出来上がっているのは才能故だろうと思う。
警察組織のはみ出し者とヤクザ組織のはみ出し者が静かに激突する。
元々有った脚本を大幅に変更した。という撮影秘話は有名な話だけど、脚本ではどんな感じだったんだろう?もっと2人の男に焦点が当てられていたのかも。
脚本に忠実なリメイク作品も観てみたい気がする。
出来上がった映画は当時の刑事ドラマの常識にツッコミを入れつつ展開する。
刑事は派手な存在ではなく、また必ずしも正義の味方ではない。そして暴力は限りなく直接的に描かれる。
それらがお笑い芸人ビートたけしらしい毒の有るユーモアを交えられている所が面白い。
また当時ではまだ珍しかったと思われるキャリアとノンキャリアの対立の構図も薄っすらと描かれる。『踊る大捜査線』以前の事。
何より銃器の描き方がメチャクチャカッコよかった。銃声がバキューン!ズキューン!では無くドンッ!カランカラーン(薬莢が落ちる音〉。
発砲の際の火花の出方も火花多め煙少なめでカッコいい。テレビドラマ『あぶない刑事』などはほとんど煙だったような印象。
たけしさん、佇まいや雰囲気などが日本のデ・ニーロ。といった感じでカッコよかった。
遠藤憲一さん出演。白竜さんに刺されるシーンで刺された瞬間に二の腕をガッと掴む。その反応速度の速さが素晴しい。
東銀座に有った懐かしの松竹セントラルが見れました。上映作品は『孫文』。
『3-4X10月』
ネタバレ有り。
北野作品では一番好きかもしれない。
物語が収拾付かなくなって強引に夢オチにした。と取られるかもしれないけど、夢だったとすると主人公の顔のアップが、目を閉じていてそれから目を開ける。になるのだと思う。
しかし本作では目を開けたまま。これは何かというと、夢ではなく妄想だったんだと思う。臭い便所の中での1時間36分の妄想。それを映画にしてしまった。
北野作品の特徴は順撮りで、撮影当初の企画としてはたけし軍団の卒業記念的な草野球映画を撮る。という話しだったと思う(『オールナイトニッポン』でそんな事を話していたような)。
それが撮影を進めていくうちにヤクザが絡んできて暴力映画になり、沖縄へ行き更に暴力的になり、最後は町中での大爆発。
順撮りで撮っていくうちに妄想が暴走を始める北野監督の脳内。
その北野監督の脳内を映像化した映画。そういう意味でとても面白いと思う。
お気に入りのシーンは、飯塚(ダンカン)さんが「悪女」を歌うシーン。
あのシーンの異様な空気感と映像センス。暴力と笑いが見事にマッチしている。
クールな暴力と毒の有るユーモア。それが北野作品のカッコよさだったのだと思います。
これが次第に毒の有る暴力になってしまい、そこにアート志向も加味されて個人的に「うーん」と思うようになるのでした。
座頭市 THE LAST [2010年6月に観た映画]
『座頭市 THE LAST』
(2010・日本) 2h12
監督 : 阪本順治
出演 : 香取慎吾、石原さとみ、仲代達矢、倍賞千恵子、反町隆史、原田芳雄
香取版『座頭市』、いきなり完結編。
なんでいきなり完結編なんだろう?という疑問が付きまといました。
勝新版、北野版、綾瀬版と有りましたが、北野版、綾瀬版は番外編で、本作が勝新版からの正当なシリーズだという事だろうか。
ただ、『座頭市』が現代においてシリーズモノとして認知されているか?を考えるに、そうとは言えない気がする。
なのにいきなり完結編では気持ちが入っていかない。
虐げられる者たちがいて、その者たちの想いが市に憑依して、居合いモンスター市が虐げる者たちを叩っ斬る。
というのが概ねのストーリーラインで、そこら辺は任侠モノや西部劇なども似た感じなのかと思う。
虐げられる者たちの想いが圧縮され、限界点まで達した所で着火、そして爆発。エンジンの仕組みと似てる。
昔の映画はエンジンが1個で、最後に来てドーン!と爆発する感じ。
今の映画はエンジンがいくつも有って、そこいら中でドカドカ爆発している。THE・ジョエル・シルヴァー。
昔の映画のそれが情緒と言えるのかもしれないけど、今のドカドカ映画に慣れているとそれは退屈とも言えるのかもしれない。
それに本作の場合最後の爆発が今イチ不完全だった。
本作にも仲代さん御出演。
やっぱりオーバーアクト気味。でもやっぱりツボなので見てて楽しい。
この御三方のキャスティングが面白かった。
岩城滉一-寺島進-反町隆史ラインの完成。
こっちのラインも完成させて欲しい。
岩城滉一-志村けん-伊奈かっぺいライン。
なんだったら5人組での活動を希望。
春との旅 [2010年6月に観た映画]
『春との旅』
(2009・日本) 2h14
監督・原作・脚本 : 小林政広
出演 ; 仲代達矢、徳永えり、大滝秀治、菅井きん、田中裕子、淡島千景、柄本明、美保純、戸田菜穂、香川照之
老漁師、忠男。孫娘、春との旅で己を知る。
忠男がこれまで自分勝手にわがままに生きてきたのだろう。という事は映画を通してなんとなく分かります。
それは映画の結末で決定的に。ちょっと納得のいかない結末だったのですが、考えてみるとあの結末こそが忠男の生き様そのものだったような気がする。自分勝手でわがままで忠男らしい結末。
そしてああなる事が現実的な意味において春ちゃんにとっては良かった事なのかもしれない。良かった。はちょっと違うかもしれないけど、あれで春ちゃんはある意味解放されたわけで、そう考えると忠男の最後の孫娘孝行だったのではないかと思えて納得が出来ました。
それにしても仲代さんが良かった。ややマイケル・ケイン似。
仲代さんが個人的にツボなのが分かりました。仲代さんを見ているだけでなんか楽しい。若干(かなり?)オーバーアクトながらもそれもまた楽しい。
過去の出演作をそれほど観ていないので観てみたい。
そして春ちゃん役の徳永さんが可愛かった。ドタドタ歩いたり走ったりする姿が健気で可愛い。
RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語 [2010年6月に観た映画]
『RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語』
(2010・日本) 2h10
監督・脚本 : 錦織良成
出演 : 中井貴一、奈良岡朋子、高島礼子、本仮屋ユイカ、三浦貴大
49歳の男が電車の運転士を目指して奮闘努力する。『ウォーターボーイズ』などの大人版。かと思っていましたが、奮闘努力シーンにそれほど重きは置かれず。
人生の転機を迎えた男がどのような人生を選ぶのか。その一例が描かれた映画でした。大人な映画でした。
男は大手会社のエリートビジネスマンで上ばかりを見てきたけれど、そんな生き方はやめて足元を見るべきなのではないか。という事です。
それは現代日本への提言なのかもしれない。
上を目指さず、ある程度の水準をキープする事を理想とする。
しかしそれは停滞という事なのかもしれない。上を目指さない停滞の先に発展は有るのだろうか?発展の無い社会に未来は有るのだろうか?と考えてしまいました。
まあ、疲れている日本の大人たちに贈る映画という事で、もう上目指さなくていいんじゃね。でいいのかもしれない。
大人な映画でした。