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飢餓海峡 [2010年7月に観た映画]

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『飢餓海峡』
(1965・日本) 
監督 : 内田吐夢
出演 : 三国連太郎、左幸子、伴淳三郎、高倉健



北海道で起きた質屋一家強盗放火殺人事件。青函連絡船転覆事故の身元不明の二人の遺体。その10年後、舞鶴で起きた心中に見せかけた男女の殺人事件。
その事件全てに一人の男、樽見京一郎またの名を犬飼多吉が関わっていた。



銀座シネパトス 『日本映画レトロスペクティブPart11 名画座サスペンス劇場・傑作選』にて。



「内田吐夢」「飢餓海峡」
この2つのワードで前々から興味だけはありました。ので観ました。

正直な所、刑事推理モノとしては物的証拠が苦笑・失笑レベルで弱いなぁ。と。ある意味将来の科学捜査の到来を予見していたのかもしれない。
しかし、あの物的証拠を見て容疑者が落ちるとは思えませんでした。
あれで逮捕に踏み切った警察。恐ろしい。

本来はそこだけに着目するのではなく、戦後間もない日本はとても貧乏で、それこそ生死に関わるぐらいの極貧で。本作で起きた事件の裏にはその事が大きく関係していた。という事が真のテーマであるのかと。
『天国と地獄』や『ゼロの焦点』などもその点では似ている。

製作年の1965年であっても日本が貧乏だった事は忘れかけられていたのかもしれない。右肩上がりの高度経済成長で浮かれ上がっていたのかも。
そんな世の中に警鐘を鳴らす。苦汁の中で生きていた人達、または亡くなっていった人達がいた事を忘れてはならんのだ。
そういう映画だったのかもしれません。

本作には183分版と167分版が有り、今回は167分版の上映だったようです。
183分版ではそのテーマがより明確になっているのかも。



当時42歳の三國さん。佐藤浩市さんに似ているのだろうか?と思ったら、あまり似ていない。
誰に似ているか?と考えれば、当然と言えば当然の事ながら現在の三國さんに似ている。
それと少しジョージ・クルーニー。
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