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『カムイの剣』『映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争(リトル・スターウォーズ)『ファイター、北からの挑戦者』『茲山魚譜 -チャサンオボ-』 [映画]

『カムイの剣』を観た。1985年、日本、2時間12分。
幕末。母と姉を殺された次郎。その敵を討つ手助けをしてくれた僧侶天海の導きにより蝦夷(今の北海道)で忍の修行を積む。そしてまた天海の指示で蝦夷に伝わる隠された財宝を探す旅に出る事になる。

EJアニメシアター新宿。角川映画45年記念企画 角川映画祭KADOKAWA FILM FESTIVALにて。
ロビーに飾られていた上映作品のポスター。
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『犬神家の一族』のポスターは2枚が縦並びで一つの図柄になっているのが珍しくてカッコイイ。
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大分昔にレンタルビデオで観て以来に観る。
何故薩長同盟は江戸幕府に勝つ事が出来たのか。という事が大胆な仮説と冒険心で描かれるので日本史、幕末期に詳しいとより面白く観れるのだろうと思う。昔も今も日本史に疎い所が有るので今イチ理解しきれていないのだけどでも以前に観た時より面白く思えた。
終盤がやや急ぎ足になってしまったと思うのだけど、それも次郎達忍者の話しであるからなのではないかと思う。忍者は隠密行動が絶対であって、それが戦争状態(旧幕府軍と新政府軍が戦った戊辰戦争)になってしまえば隠密に行動する必要が無くなる。完全に無くなるのではないだろうけどそれでも本作で描かれていた忍者本来の歴史の表舞台には出て来ない暗躍みたいな所からは離れてしまうので戦争状態の所は急ぎ足と言うか端折った様にも思えてしまうのではないだろうか。

作画はかなりのハイレベルでそれを観ているだけでも楽しい。動きも凄いしアニメーションならではのケレン味たっぷりな演出がカッコいい。
犬(狼?)の動きの作画が素晴らしかった。あの犬はお雪の生まれ変わりじゃないけどお雪を象徴する存在になっていて、丁寧な作画によってもその様に犬の姿にお雪の存在が感じられる。
作画素晴らしかったんだけどただ一点走る姿を真正面から描く時に腕の動きがただ左右交互に上下に動かしてるだけに見えてしまうのはいくら一流のプロでもそういう事になってしまうものなのだろうか。
最後の天海の戦闘衣装をデザインされた方は作画を担当された方にこんな面倒臭いデザインにしやがってと恨まれたのではないだろうか。と妄想する。当時はセル画だから色を塗る人も細かい塗り分けで大変だったろうと思う。
スクリーンサイズは4:3のテレビサイズなので画面が小さく見えてしまうのがちょっと残念だった。

主人公次郎の声は真田広之さん。言葉数はそんなに多くは無いのだけど真田さん元々声もカッコいいのでアクションアドベンチャーアニメの主人公の声がとてもよく合う。声優の仕事はほとんどしていないみたいなのが勿体無いようにも思える。
天海役の石田弦太郎とはカリオストロ伯爵、敷島大佐の石田太郎さんの別名義。弦太郎の方が本名との事。
アニソン女王のミッチー堀江美都子さんが声優として出演。主題歌を歌っているのは当時の角川三姉妹の末娘渡辺典子さん。

竜童組の音楽はやっぱりカッコ良かった。角川アニメ第1作目『幻魔大戦』のキース・エマーソンの音楽もカッコいいのだけど使われるアレンジがシンセサイザーで全部一緒なので何度か聞くとマンネリの様に思えてしまう。本作の場合は曲は一緒でもフレーズを変えたりアレンジを変えたりしているので常に新鮮味が有る。


和テイストを取り入れたアニメ音楽と言えば本作の10年後の1995年に製作された『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』。

1985年から1995年の間で世界でジャパニメーションと呼ばれ当時の時代の最先端をいく事になるのはその頃のディズニーアニメが低迷期にあったのも一つの要因だろうか。
ちなみに押井守監督は1985年に意欲作『天使のたまご』を発表。難解過ぎるという事で一時期仕事が来なくなったが10年の間に『パトレイバー』『GHOST IN THE SHELL』で見事に復活。
難解過ぎるという事に恐れをなして『天使のたまご』は未見。



『映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争(リトル・スターウォーズ)』を観た。1985年、日本、1時間38分。
地球から遠く離れたピリカ星で起きた軍事クーデター。大統領のパピは地球へと逃げ延びのび太達と出会う。パピとの厚い友情を育んだのび太達はピリカ星の危機を救うために地球を飛び出す。

偶然『カムイの剣』と同じく1985年の作品で3月の春休み映画として公開時期もほぼ一緒だったみたい。
今回のリバイバル公開が初見。ほとんど映画ドラえもんは観た事が無いので。その理由としてSFドタバタコメディとしての『ドラえもん』は好きだけどジャイアンとスネ夫が嫌いだから。二人の普段の行いが非道過ぎるのに映画の時だけ本当は好い人で頼りになる人になるのも納得行かない。そこら辺は顔面に拳がのめり込むほどのパンチを受けるなどの酷い事をされても許してしまうのび太ほど心が広くない。これが浦見魔太郎に顔面パンチなんかしたら大変な事になる。
でも以前の声のキャストたてかべ和也さん、肝付兼太さんへの敬意は有るし、勿論F先生への敬意は最大限に有る。今現在のテレビアニメや映画にはそういった敬意が何故だか持てないのが正直な所。

ピリカ星のおしゃべり犬ロコロコの声は三ツ矢雄二さんでめちゃくちゃハマリ役。

野比家の部屋の作り、間取りが若干異なる。のび太の部屋のドラえもんの寝床である押入れが出入口になっていて、階段が玄関の正面に無い。当時のアニメではそういう設定になっていたのか。

BGMでベースギターの単音が一定間隔で流れるのは『遊星からの物体X』っぽい感じに思えたが、そういった感じが『遊星からの物体X』だったかどうか記憶が定かでない。

シンエイ動画作品なのでスタッフにはクレヨンしんちゃんでもよく見るお名前が多数有った。

本作の最重要キーワード。
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映画にもしずちゃんの部屋に大きな象のぬいぐるみは有った。
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映画にのび助は登場せず。
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先生も登場しなかった。宮崎駿監督が事あるごとに作品の中に戦車を登場させようとしていた頃にその事を話すとアニメーターの方が嫌がった。というエピソードを聞いて戦車を描くのはプロの方でも大変な事なのだと知った。
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『ダーク・アンド・ウィケッド』で寝た。
数えてみたら今年6本目の居眠り。これまでの年間で最多かもしれない。残り一ヶ月で二桁には乗せたくないところ。
そう言えばオカルト映画居眠りこきやすい体質だったのをつい忘れていたが、それに加えてマスクをしているせいも有るかもしれない。己が吐き出す二酸化炭素がマスク内に充満してそれを吸う事によって眠気が増してしまうのかも。と、勝手な屁理屈をこく。
マスクに何かの植物を練り込む、織り込む事によって吐き出された二酸化炭素がフレッシュな酸素に光合成される。みたいな化学技術を希望。
光合成なのだから光が必要か。光が入り込まない洞窟内の苔とかだったらそんなに光も必要無い?



『ファイター、北からの挑戦者』を観た。2020年、韓国、1時間44分。
韓国。脱北者の女性は同じく脱北したが現在は中国にいる父親を早急に韓国に呼び寄せる資金のために掛け持ちで仕事をする必要が有った。女性はボクシングジムでの雑用の仕事の最中、練習をするボクサー達の姿に見入られる。

10年近く前の韓国映画だと南北問題とは関係なく貧困を描いた映画で貧困であるがゆえにとことんまで物事が悪循環して最後まで救いの無い作品も有ったと思う。タイトルとか誰が出ていたとか憶えていないが。
本作もそういった感じになる可能性も十分に有ったと思うがそうはならないのは、韓国社会が変わったというよりは韓国映画、製作側も観客側もがそういう作品を好まなくなっているからなのか。
インディーズ作品(本作もインディーズ?)では全く希望の無い作品も作られているのだろう。多分。
そういったどんよりとした暗い作品が観たいかと言えばそうではないが、これが明快なスポーツ映画なら別だけど全てにおいて何かしらの希望が有るとするのもなんか楽観的過ぎるのかなと、へそ曲がりなので思ってしまう。



『茲山魚譜 -チャサンオボ-』を観た。2021年、韓国、2時間6分。
朝鮮王朝時代。天主教(カトリック)信者であるがため迫害され流刑の罰を受けた学者はその島の住民たちと分け隔てなく交流し、中でも知識欲の有る青年とはお互いの知識を交換し合う仲となる。青年は知識の向上と共に社会をより良いものにしたいと思い島を出て両班(リャンバン、官僚)の道へと進むがそこには学者を迫害した王朝に仕える両班たちの私利私欲が蔓延っていた。

映画を観る前に新宿武蔵野館からシネマート新宿まで4分で移動しなければならない極めて個人的なミッションを敢行。信号待ちを避けるために地下のルートを選択して、シネマートのビルでのエレベーターもチケットの取り出しでのロスタイムもほぼ無かったのだけど2分か3分くらいオーバー。走ってたら間に合ってたのかもしれない。
そういう事で冒頭が観れなかったのだけど恐らくこれは実話なのだろうなと思って観た。終盤の両班になってからの青年のエピソードは現在の韓国社会も照らし合わせている感じの様なのでそこら辺はフィクションなのか。
チャサンオボは海の図鑑的な実際に存在する書物。学者と青年が協力し合ってその書物を作っていく過程は面白かった。



ところで、『幻魔大戦』のポスターの写真に本来ポスターの図柄にはあるはずのない白い顔の人のようなものが映っている事にお気付きになられただろうか。
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その正体の答えはEJアニメシアター新宿のロビーに有り。前はシネマート新宿にもいた。
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