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『GAGARINE/ガガーリン』『ハード・ヒット 発信制限』『シティ・オブ・ジョイ【4Kデジタルリマスター版】』 [映画]

『GAGARINE/ガガーリン』を観た。2020年、フランス、1時間35分。
フランス。1961年に人類初の有人宇宙飛行を成功させたソ連の宇宙飛行士ユーリイ・ガガーリンの名をとってガガーリン団地と名付けられた巨大公営団地は築年数が経ち取り壊すか補修工事を行うかの検査が行われようとしている。取り壊しに反対する16歳の少年ユーリは独自で建物の修繕を施し続けていた。

実際に在る団地で撮影されたとの事。こちらの記事に詳しい事が書かれている。https://www.nippon.com/ja/japan-topics/c030164/
海外の団地はちょっと(かなり?)怖いイメージの方が強い。この間観た『スティルウォーター』でもマルセイユの団地は怖かった。団地そのものと言うより住人の中に怖い人もいる。
本作のガガーリン団地にも色んな人たちがいるがそこまで凶悪な感じでは無かった。
宇宙飛行士のガガーリンの名前が付けられているという事でなのか主人公のユーリの中では団地と宇宙がつながっているような。地球が宇宙の一部なのだから地球上の団地が宇宙とつながっているのは本当は当然な事で。普段から意識していないだけで、それを意識すれば常に宇宙とつながっているという事なのかもしれない。それを口に出すと壺や数珠を売りつけようとする人と思われてしまうけど。
団地の住人全てが宇宙を旅している宇宙船ガガーリン団地号の乗組員であったらいいのに。と、ユーリは考えたんじゃないだろうか。それぞれが別々の理由や事情で同じ団地で暮らしているわけだけど例えひと時であったとしても同じ空間を共にしていた仲間として。その願いは最後に叶えられたのだと思う。
しかしどこに向かっているのかいつ終わるのか分からない旅の途中でガガーリン団地は耐久年数の限度を迎えその役目を終えようとしている。その跡地にはまた新しい建物が建ち新しい住民がそこで生活をする。それはガガーリン団地だけに限った事ではなくてそうやって宇宙船地球号の旅は続いていくのだろう。



『ハード・ヒット 発信制限』を観た。2021年、韓国、1時間34分。
銀行支店長のソンギュは子供たちを学校に送りそのまま勤務に向かうために愛車に乗り込む。走行中車内に有った見知らぬスマホから発信番号表示制限電話(非通知電話)が掛かりその電話に出ると車に爆弾が仕掛けられている事が告げられる。

ハリウッド映画『スピード』ではバスに仕掛けられた爆弾は設定された時速を下回ると爆発。
『リーサル・ウェポン2/炎の約束』ではマータフの座った便座に爆弾が仕掛けられ立ち上がると爆発。これは日本のテレビドラマ『踊る大捜査線』でオマージュされた。便座ではなくマッサージチェア。

オリジナル作品ではなく2015年のスペイン映画『暴走車 ランナウェイ・カー』がオリジナルで、2018年にはドイツでリメイク『タイムリミット 見知らぬ影』が作られる。そして韓国版リメイクの本作という事。

主演がイケメンとかちょい悪とかではないおじさんなのが良かった。
と言ってもイケメンもちゃんと出ているので心配はいらない。イケメンの人は若干明和電機の人に似ていたかもしれない。



『シティ・オブ・ジョイ 【4Kデジタルリマスター版】』を観た。1992年、フランス=イギリス、2時間15分。
インド、カルカッタ。シティ・オブ・ジョイ歓喜の街と呼ばれるスラム街でアメリカ人青年医師マックスは故郷で農作地を失い都会へとやって来たハザリ一家と出会う。アメリカで医師として挫折したマックスと生活が苦しい上に更に搾取されるハザリ一家に果たして喜びの時は訪れるのか。

池袋シネマ・ロサにて。2Kでの上映。

初見。作品の評価は高かったけれどこれまでDVD化されていなかった(ビデオ化はされたのだろう)という事。初公開以来映画館、名画座で上映される事もほとんど無かったと思う。なので観られる機会が限られている中(ケーブルテレビでの放送とか。配信はされているのか?)で主演のパトリック・スウェイジが存命だったら今年が生誕70年。そして本作が製作30周年という事で未体験ゾーンの映画たち2022で上映されて、東京での開催が終了した事でロサでも1週間限定で上映。

今はもう違うのかもしれないけどインドには人間の原初的な営みが有って、他の国の生活で疲れた人達がインドを訪れて原初のパワーを貰う。といった流行みたいなのが始まったのが日本ではバブル経済の頃ではなかったかと思う。映画作品としてその様な事が描かれた先駆けとも言える作品なのかもしれない。全然違うかもしれない。
実際インドに行ってみるとどっぷりハマる人と全く駄目な人の両極端に分かれるとかいう話も聞く。さくらももこさんは全く駄目だったとエッセイで読んだ記憶が有る。
本作ではその原初の力強さ以外にも混沌であったりダーティであったりする所も隠さずに描かれているのが良かった。
ネガティブ思考な人間からするとこれはきっと良くない事が起こるに違いないフラグが立ちまくるが結果的にはそのフラグを全て覆してめでたしめでたしになるのがそこはやはりインドならではなのかも。

パトリック・スウェイジはいい役者さんだったなあと改めて思ったがフィルモグラフィを見たら出演作はそんなに観ていなかった。代表作の一本である本作を映画館で観れて良かった。個人的なベストはなんと言っても『ハートブルー』。一般的に代表作と言われる『ゴースト/ニューヨークの幻』は昔に一度観たきり。予告などの映像は時々目にする事は有ってデミ・ムーアがめちゃくちゃ可愛くて当時大ブレイクするのも納得。
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