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『1秒先の彼』 [映画]

『1秒先の彼』を観た。2023年、日本、1時間59分。
夏の京都。郵便局に勤める皇一(すめらぎ はじめ)が昨日を失う。しかし皇一以外の人達の昨日は確実に存在していた。

台湾映画『1秒先の彼女』のリメイク。
『1秒先の彼女』は観ていたけど内容をはっきりとは覚えていないので本作を観ながらこんな感じだったと思い出しながら、そして多分変更されているところも有るのでこんな感じだったっけ?という戸惑いみたいなのも感じながら観ていた。薄らぼんやりとした先入観と記憶のつなぎ合わせが先に立ってしまい本作そのものを楽しめなかった様な気がする。
もしオリジナルを観ていなかったら不思議な京風ロマンティックコメディとして楽しめていたのだろうか。

人よりワンテンポ早い彼と遅い彼女が本当に出逢うまでの物語だけど、その過程に世にも不思議な出来事が起こる。その不思議な出来事に本当に合っているのかは分からないが説明をしてくれて納得は出来るのだけど、それは人よりワンテンポ遅い人達への救済措置であるという事で、じゃあワンテンポ遅い人達がその事で日常生活に何か支障が有るかというと本作ではそこら辺があまり感じられなかった。おっとりとしたのんびり屋さんといった感じで本人も人より損をしていると気にはしていなさそうに思えたし。
そこら辺がオリジナルではどういう風に描かれていたかは覚えていない。
ワンテンポ遅い人のデメリットをはっきりさせないと遅い人達の為に起こる不思議な出来事自体にはあまり納得出来ない。
一方でワンテンポ早い人はそのメリットはあまり無いけど遅い人達への措置により1日を失う。早い人だけが1日を失い、普通の人達は普通にその1日を過ごし、遅い人はその1日を2回繰り返すという事なのだろうと思う。多分。
ロマンチックと言えばロマンチックなので早い人遅い人普通の人誰が得なのか損得勘定で考えない方がいいのかもしれない。

こういう設定でドタバタギャグに特化した作品と言えばドラえもんエピソード個人的ベスト3に入る「のろのろ、じたばた」(てんとう虫コミックス5巻)を思い出す。スピード感が大事な「のろのろ、じたばた」を長編化するのは難しいと思うけど短編集みたいな感じでF先生の絵柄での映画化を希望。
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F先生のSF短編の中に「倍速」というお話が有るがこちらのオチはF先生の全作品の中でも(全作品を読んではいないけど)恐らく唯一と言っていいほどアダルティ。

笑福亭笑瓶さんの遺作という事になるのだろうか。一人二役の出演でその内の一役は笑瓶兄やん本人の役なのが良くも有り、もう一役の方でこれから面白いおじいちゃん俳優にもなったのだろうと思うと寂しくも有った。

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