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『ファースト・カウ』『パウ・パトロール ザ・マイティ・ムービー』『ナポレオン』 [映画]

『ファースト・カウ』を観た。2019年、アメリカ、2時間2分。
開拓時代のアメリカではヨーロッパで高値で取引されるビーバーなどの毛皮が乱獲されていた。
オレゴンの森林で動物を狩るハンター集団の料理人として同行しているクッキーは中国人のキング・ルーと知り合い意気投合する。二人はお互いに一攫千金を狙っていたがクッキーの料理人としての腕前とキング・ルーの商売人としての才覚と一頭の牝牛によって一攫千金の夢に近付く。

ケリー・ライカート監督が今世界的に注目を集めているという事。
1994年に監督デビューされていて本作が7作目だけど勉強不足で全然知らなかった。インディ映画として発表されていて本作が日本での初めての劇場公開。何かの場で特集上映はされていたみたい。
男二人の友情が描かれる。これまでの作風は分からないが主要な人物としての女性は登場しない。今の風潮として主役二人のどちらかが女性になっていたり二人とも女性だったりするかもしれないのでちょっと前なら当たり前だった作品が珍しい作品に思えてくる。

その土地では貴重品であった牛乳が二人の人生を大きく変える事になるが利益が出た時点でちゃんとお金を出して購入すればいいのにと思いながら観ていたけど、きっと売り物ではなかったのだろう。
「牛 一頭 牛乳」で検索すると一番乳量の多いホルスタイン種で1日に20㍑から30㍑だとか。ホルスタインではなかったのでそれよりも少ないのかもしれないが売って欲しいと頼めば高値ではあるだろうけど売ってもらえたのかもしれない。でも商売が繁盛すればそれだけ値段を釣り上げられたのかもしれない。
牛じゃなくてヤギの方が量的にはより貴重なのかもしれないが飲んだ事は無いがヤギの乳は牛乳とは違った味がするらしい。その地では牛の存在自体が珍しいので(ヤギはどこにでもいそう)本作の物語の中では牛の方が都合がいいのだろう。牛とも仲良くなるし。



『パウ・パトロール ザ・マイティ・ムービー』を観た。2023年、アメリカ、1時間34分。
アドベンチャーシティで起こる災害から市民を守るパウ・パトロール。科学者ヴィクトリアはマイティ座流星群の中から特別な力を持った流星を地球に引き寄せマイティパワーを手に入れようとするがマイティパワーはパウ・パトロールの子犬たちの元へ。諦めきれないヴィクトリアはライバール市長と手を組んでマイティパワーの略奪を目論む。

カナダ、アメリカでは2013年から始まり現在シーズン10まで続いているテレビシリーズアニメ。日本ではシーズン5まで放送されていてチビッ子たちに大人気らしい。ウィキペディアで放映リストを見るとシーズン4からリピート放送の割合が多くなっている。
その長編劇場版の2作目である本作からいきなり観たが特に問題は無かったように思える。何故パウ・パトロールには子供と子犬しかいないのか?なぜ犬が人間の言葉を喋れるのか?などの疑問は解決しないけど恐らく「そういうもの」で全てが成り立っているんだろうと思う。『クレヨンしんちゃん』だってしんちゃんが色々なコスプレをするがあの着ぐるみとかは誰がどうやって用意しているのか?という疑問は常々持っているけどそれも「そういうもの」と理解している。
シリーズモノならではの小ネタはもちろん当然分からない。
でも、とにかく可愛いとカッコいいが詰まっていて楽しい映画だった。メカニックデザインが素晴らしい。
ビジュアル面では劇場版だから大分ゴージャスになっているのかもしれない。キャストの面でも恐らくゲストに豪華なキャスティングがされているのかも。日本では吹替えでの上映のみだったけど最後のクレジットであのキャラクターはあの人だったのかと思えるキャスティングもあった。



『ナポレオン』を観た。2023年、アメリカ=イギリス、2時間38分。
18世紀末のフランス革命の混乱から頭角を現した軍人ナポレオン・ボナパルト。ヨーロッパ諸国との戦いで勝利を続け英雄と祭り上げられ政治の世界でも多大な影響力を持ち皇帝ナポレオン1世となる。

リドリー・スコット監督がナポレオンの半生を描く。
その名前は知っていても何をした人物なのか詳しくは知らなかった。知っている事と言えばナポレオンが言ったとされる「我が辞書に"不可能"という文字は無い」。本作にはそれは出てこなかった気がする。
後は旧『バス男』、現『ナポレオン・ダイナマイト』の主人公の名前がタイトルにもなっているナポレオン。
最近はナポレオンの事が描かれる映画がほとんど無いと思う。多分昔は有ったと思うが今まで観てこなかったのもナポレオンが何をしたのか知らない理由にはなっている。学校の授業でも名前は多分出てきたはずだけど詳しくは教わらなかったと思う。
本作で何をした人なのかは少しは分かった気がするが何をしたかった人なのかはよく分からなかった。世界征服ではないのだろうと思う。当時のヨーロッパ事情として領地の奪い合いで各国が戦い合ったり同盟を結んだりしていて、そこで主に戦場で名を馳せ英雄として持ち上げられるがやがて落とされる。一旦持ち上げといて落とされるといった事においてはマリー・アントワネットもそうだろうしジャンヌ・ダルクも一緒なのではないかと思う。時代の流れに翻弄されながら歴史に名を残したといった所か。

当時の戦争での戦い方、それが第一次大戦まで続くのだろうけど双方が直接的にどれだけの人命を落とせるかにかかっていてえげつない。言わば大掛かりな肉弾戦。
当時の支配階級、被支配階級の関係性が戦場では如実に現れて最前線に立たされる被支配階級の命は使い捨てであってその使い捨ての命をどれだけ無慈悲に戦闘に注ぎ込めるかによっても勝敗が決まる。
そこら辺はポーカーに似ている様にも思える。ポーカーは結局チップを多く持っている方が有利とされていてチップの掛け方によっても勝敗が決まってしまうと聞かされている。
戦争の話では勝ったとしても疲弊が激しくそこを別の国に突かれるという事も有ったりするのだろう。大陸で国が繋がっているとそういう所も大変だなと思う。
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