ドラゴンボールを読み終えてＤＲＡＧＯＮＢＡＬＬ ＥＶＯＬＵＴＩＯＮ

『ドラゴンボール』全４２巻を借りて読みました。
全話きちんと読むのは初めて。

『ＥＶＯＬＵＴＩＯＮ』、駄作の烙印を押され静かに忘れ去られようとしています。
確かに駄作の烙印も止む無しの映画ですが、このまま終わらせるのは勿体無い気も。
読み終わってみると『ＥＶＯＬＵＴＩＯＮ』、原作の基本設定を進化と言うより壊滅的にぶち壊してはいるものの、『ドラゴンボール』の有り方としてはあながち間違っていないような気がします。

『ドラゴンボール』、鳥山明先生はピコッロ大魔王編以降早く連載をやめたかったようですが、超人気漫画ゆえやめさせられない（やめさせたくない）集英社編集サイドとのせめぎ合いが作品のそこかしこに感じられます。
鳥山先生が物語をどうにかして終わらせる方終わらせる方に持っていっているのに、編集さんが物語の小さな隙をつついて続けさせる。みたいな（あくまで勝手な想像）。
それはもはや何でも有り。原作の中でも設定が度々変わります。そのこじつけっぷりには感心すらします。
パラレルワールドな展開も有りますし、終わりそうでもそこから奇跡のように復活するのが『ドラゴンボール』。
それならば『ＥＶＯＬＵＴＩＯＮ』の世界も有りだし、完全に終わっている『ＥＶＯＬＵＴＩＯＮ』でも奇跡の復活を期待していいのでは。



『ＥＶＯＬＵＴＩＯＮ』のハイスクールでのグダグダ感も大不評の原因かと思います。
そんなのいいから早く核心に入ってくれと。
でも『ドラゴンボール』も１０巻を過ぎてピッコロ大魔王編が始まってもしばらくは、前作『Ｄｒ．スランプ』を思わせるほのぼの（ややお下劣）ギャグが炸裂しているのであながち間違ってはいないような。

『ドラゴンボール』のはじめの受止められ方って、やっぱり『Ｄｒ．スランプ』をどこかで引きずっていて、それがピッコロ大魔王編になってあそこまでのバトルアクションを展開した驚きと共に大ヒットに繋がったのではないかと思われます。
悟空ＶＳピッコロ大魔王、決着のシーンの１ページの大ゴマ最高でした。個人的名シーンランキング１位です。

ハリウッドもいきなり『ドラゴンボール』ではなく、先ず『Ｄｒ．スランプ』を映画化してから『ドラゴンボール』に行くべきだったのでは。



『ドラゴンボール』と『ＥＶＯＬＵＴＩＯＮ』の致命的な違いは、『ドラゴンボール』にはこじつけだったりなんだったりを軽く吹き飛ばしてしまう鳥山先生の画力が有って、『ＥＶＯＬＵＴＩＯＮ』には映像にそれだけの力が無かった。と言うかショボい。
いっその事鳥山先生をハリウッドに呼んで、そこらへんの協力を仰げばよかったのに。製作総指揮なんていう名前貸しではなくて。
三部作構想が実現するのなら鳥山先生ハリウッド招聘もまだ遅くない。先生の御都合もあるでしょうが。
それプラス集英社の編集さんが製作に直に関われば、『ＥＶＯＬＵＴＩＯＮ』の隙をつついて（隙だらけだからつつき放題）『ドラゴンボール』に近づけさせる事も可能の様に思えます。




そうなれば恐らく次で悟空の永遠のライバルベジータ登場。これはかなり観たい。
原作では悟空とベジータの直接対決での決着は付かなかったので映画で決着が付くのかも。
『ＥＶＯＬＵＴＩＯＮ』の最後にチラッとでも姿を見せれば、駄作の烙印保留。の可能性も有ったかもしれない。




果たして悪の化身だったＰＩＣＣＯＬＯはピッコロ大魔王から「ピッコロさぁ～ん」になれるのか？ここはちょっと難しそう。
神様がアレで、神様の上にもっと偉いお方がいて、その偉いお方の上に更に偉いお方がいる。
なんていうのは宗教観に寛容な日本だから可能な気がします。















『ＥＶＯＬＵＴＩＯＮ』での大きな間違いは、キャラクターを絞り過ぎてしまった事。
ヤムチャが出てクリリンが出ていない事が大問題ですが、プーアルだって餃子だって天下一武道会のリングアナだってみんな重要キャラ。
でないと原作での最終回の感動は有り得ませんでした。
バトルアクションだけ見せればいいや。というのは大きな間違い。

天津飯、最後の方は見せ場が無くなってしまいましたが、天津飯オリジナルの技「太陽拳」が要所要所で活躍するのが嬉しい。

天津飯が出なければおのずと出番がなくなるのが餃子。
天津飯の事を「天さん」と呼ぶ所が可愛い。

キャラクターの造形で一番好きなのはクリリン。
中でも中期。前期の後頭部テカリは『Ｄｒ．スランプ』っぽい。
後期での『１、２の三四郎』の桜五郎チックな髪型は今イチ。やっぱりクリリンにはツルッパゲが似合う。