愛の亡霊と戦場のメリークリスマス [2010年10月に観た映画]
『愛の亡霊』
(1978・日本=フランス) 1h48/監督・脚本 : 大島渚/出演 : 吉行和子、藤竜也、田村高廣
19世紀末期、関東の片田舎。密通を重ねる人妻と若い男。いつしか亭主の存在が邪魔になるのだった。
『戦場のメリークリスマス』
(1983・日本=イギリス) 2h03/監督・脚本 : 大島渚/出演 : 坂本龍一、デヴィッド・ボウイ、ビートたけし、トム・コンティ
第二次大戦中、ジャワ、日本軍俘虜収容所。日本軍軍人と英国軍軍人、敵対する同士の中にも心通じる何かが芽生えるのだった。
新文芸坐 《検証・日本映画(9) 大島渚ラディカル 根源を揺さぶる》にて。
大島監督の作品は『御法度』しか観た事がありませんでした。
『戦場のメリークリスマス』を観たかったので、今回2本立てで上映されたので2作品観ることに。
大島監督作品は「大人」のイメージ。
『愛の亡霊』はやっぱり「大人」だった。
「大人の日本昔ばなし」。ただの「日本昔ばなし」なら12、3分で終わりますが、「大人の日本昔ばなし」だとそうはいかず。人間の情やら欲やらを執拗にと言うかしつこく、ねちっこく見せつける。
『戦場のメリークリスマス』は何かを壊したかったのか、何か壊れてる。
壊れてると感じたのは異色なキャスティングによる所が大きい。それは良い方にも悪い方にも作用したような。
良い方はたけしさん。良いと言うかおいしい。この映画は何をおいてもラストシーンのたけしさんだと思う。ラストシーンが全てと言っても。
そのたけしさんが後に映画監督になり、日本映画(界)を壊す事になるのは何かの因縁を感じずにはいられない。
galapagosさん、thisisajinさん、niceをありがとうございました。
by テンプラ・ソバ・ニーロ (2010-10-08 19:36)