チチ、ヒトリゴチル
行け、シンジ。
お前がうまい棒を買ってくるんだ。
(どうしたシンジ何をボーっとしている。なぜ早く行かん。
・・・ははぁん。何味を買ってくるのか言うのを待っているなシンジ。)
シンジ!チーズ味だ!早く行けっ!
(遅かったなシンジ・・・
どうしたシンジうつろな目をして。そんな目で俺を見つめるなシンジ。)
(何っ!!!
チーズ味が売り切れだったので納豆味を買ってきましただと!
バカヤロォシンジ。チーズ味が無かったらコーンポタージュ味もしくはサラダ味だ!)
納豆却下。取替え。ダッシュで。
(・・・!!!っ
どうしたシンジなぜまだいるんだ。だから、そのうつろな目で俺を見るな。シンジ。)
(敢えて何味かを言わんのは、お前のうまい棒への愛情を示して欲しいからだ。
そうだ!見せてみろシンジ!うまい棒への愛情を!)
うまい棒に愛された男!この碇ゲンドウにっ!
(あああ、いかん。つい口に出してしまった。)
(遅かったなシンジ。さあお前のうまい棒への愛情とくと見せてもらうぞ。
!!!っ
小賢しい!小賢しいぞシンジ!
・・・全種類をくまなく買ってくるとは。)
(・・・してやったりかシンジ。大人を出し抜いた感に酔いしれているのかシンジ。
だがなシンジ、お前はまだ本当の大人の汚さを知らんお子ちゃまだ。)
・・・シンジ、青りんご味が無いな。
(シンジ、これが大人だ。)
(!?どうしたシンジ。そんな晴れやかな顔をして。
そんなキラキラした目で俺を見つめるなシンジ。まぶし過ぎるっ。
・・・ん?なんだ?その手にしているタッパーは?)
(何ぃっ!!! シンジ、お前自分で作ったのか青りんご味をっ!)
(ムムム見た目は完璧だ。このやけに鮮やかな黄緑色が若干グロテスクではあるが。
しかしだシンジ、この薄汚れた大人にかかれば難癖などいくらでもつけられる。
聞くもおぞましい罵詈雑言の数々に耐えられるのか?シンジ。
だからそのキラキラした目で見るのをやめてくれっ!)
サクッ
あれっ!お~いしい~っ!
(この香りこの味、正に青りんごそのもの。
そして驚くべきはこの瑞々しさこのジューシーさ!スナック菓子の概念を遥かに超越している!
オー!ジーザス!我が息子になんという才能を与え給うたのか!
そして何より、)
(シンジ、歯に詰まる感じも見事に再現されているぞ。)
(シンジ、いや、うまい棒に真に愛された男、碇シンジ。
お前のうまい棒への愛情しかとこの目、この舌に焼き付・・・)
(!!!!!!っ
シンジッ!お前が今食っているのは、まさかカールかっ!?
お前っ!もしやカール派なのかっ!?)
(キラキラした目でカールを食うなっ!シンジッ!!!)
2011-04-05 13:45
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