孤島の王 [カ行の映画]
『孤島の王』
“KONGEN AV BASTOY” (2010・ノルウェー=フランス=スウェーデン=ポーランド・1h57)
監督 : マリウス・ホルスト
出演 : ベンヤミン・ヘールスター、トロン・ニルセン、ステラン・スカルスガルド、クリストッフェル・ヨーネル
1915年、ノルウェー。少年矯正施設。大人たちの欺瞞が少年たちを抑圧していたが、一人の少年の入所によって何かが変わろうとしていた。
何者にも束縛されない強い意志を持ったC-19と呼ばれる少年と、大人が作った理不尽とも言えるルールに従う事で施設の優等生となったC-1と呼ばれる少年が出会う。
優等生であるC-1少年はそのまま何事も無ければあと数週間でその施設から退所できることが決まっていた。しかし、少年C-19との出会いによってそれまで施設での自分の中で押し殺していた正義が爆発する時がやってくる。
最初はヤな奴なのかなぁと思っていたC-1少年が本当は友達思いのいい奴で、なので途中からC-1少年を主人公として観ていた。ちょっとライアン・フィリップ似。
C-1少年のその善き所は施設での教育の賜物ではないのだろうか。とチラッと思った。しかし施設の悪い面も確かに有り。矯正施設と言いながら実際は刑務所まがいであったり。
その点、施設の大人たちを全くの悪者として描かなかった(描けなかったのか)所が単純に勧善懲悪として観た時に最終的なカタルシスを感じられなかった所でも有り。
ノルウェー映画という事でハリウッド映画では到底出来ないようなとてつもなくエゲつないシーンが有ったらどうしよう。と若干不安でもあったので、そういうシーンが無かったのはホッとした所でも有り。
でも檻付きベッドはかなり嫌だった。
C-1少年が爆発させた正義に呼応して、それぞれの抑圧された正義なのかただの衝動なのかを爆発させる少年たちのシーンはとてもスペクタクルで良かった。この映画の見どころと言えるのでは。
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