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あの日のように抱きしめて [ア行の映画]



『あの日のように抱きしめて』
"PHOENIX" (2014・ドイツ・1h38)
監督・脚本 : クリスティアン・ペッツォルト
出演 : ニーナ・ホス、ロナルト・ツェアフェルト、ニーナ・クンツェンドルフ



強制収容所から生還した女性は顔に大けがを負っていた。手術は成功し回復した女性は行方の分からなくなっていた夫を見つける。しかし夫は手術によって別人の顔になってしまった妻に気付かない。ある疑惑がささやかれている夫の真実を探るため妻は別人を装い夫に近付く。



ネタバレ有。



『東ベルリンから来た女』の監督、主演トリオによる作品。『東ベルリンから来た女』は冷戦時代の東西分裂下での庶民の哀しみと希望が描かれていたが、本作では第二次大戦下と終戦後の庶民の哀しみが描かれる。切ない哀しい映画でいい映画だった。

ナチスによって世界の悪役という宿命を背負わされてしまったドイツだけど、その宿命をきちんと受け入れた上でこういった軍人でも政治家でもない人たちの哀しみを描いているからバランスが取れるのだろうと思う。
日本みたいに加害者で有った事実を忘れてしまったかのように自分たちもまた被害者であったと殊更にアピールするのはどうなんだろうかなあと思う。



しかし、夫が全然気付かない。って事は無いんではないかと思うが。例えば顔が見えない後姿とか、ちょっとした仕種とかに妻を感じそうなものだと思うんだが。
そこは気付かないという事が大前提の話だし、気付かない事によって切ない物語となるわけだけど。
密告によって妻を強制収容所送りにした罪悪感から逃れるために妻はもうこの世にはいないと思い込みたかったのかも。
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