SSブログ

荒野の誓いとロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん [映画]

荒野の誓いを観た。
1892年アメリカ、ニュー・メキシコ州。インディアン戦争の英雄である陸軍大尉が死闘を繰り広げたシャイアン族族長の一家を生まれ故郷のモンタナ州まで護送する事を命じられる。

ネタバレ有。

かつての西部劇の様にインディアンと呼ばれていた先住民が悪者で、白人入植者が善良という構図は無く、1892年では白人が先住民を制圧しわずかながらの反乱者たちに手こずっているという状況らしい。
戦争の英雄という事は多くの人を殺したという事。血みどろの報復合戦の遺恨と心の傷を残したままこの先どうやって生きていくべきかを悩み苦しみながらそれでも目の前の問題は暴力で解決してしまう。
そういう事が描かれているのでこれはもう主人公は血塗られた罪深き人生を背負って誰にも救いを求めず孤独に生き、そして孤独に死ね。という結末しかないだろうなと思っていたがスコット・クーパー監督はジェフ・ブリッジスにオスカー主演男優賞をもたらしたクレイジー・ハートの監督なのでそういう事にはならなかった。
血塗られた人生を生きてきたのはそういう時代でしかも軍人だから仕方のない所ではあって、退役したのだから新しい時代に別の人生をやり直す選択が有っても構わない。むしろ有るべきという事なのだろう。と納得するしかない。

追記
新しい時代に別の人生をやり直すとやや身勝手とも思える前向きなラストと思っていたが、そうではなくて主人公はそれまでの自分の人生に向き合って見つめ直す事から逃げ出した後ろ向きなラストだったんではないのだろうかと思い直した。だから列車の一番後ろの扉から人目を忍んでこっそりと入る。
それは白人が先住民との関係において長い間真実を隠し捻じ曲げた事実を喧伝してきた事と同じで、自分たちのしてきた事に真摯に向き合わず逃げ出したのだと。
後ろ向きなラストと納得した方がこの映画はいい映画だなと思える。

今をときめくティモシー・シャラメに似た人が出てるなあとぼんやりと見ていて、エンドクレジット見たら今をときめくティモシー・シャラメ本人だった。
今をときめく以前に撮影されたのだろうか。今をときめく以降だったらこういう使われ方はしないだろうなというある意味贅沢な使われ方だった。

日本ではティモシーの他にティモテ、ティモティーと表記される事も有るらしいが本人はフランス風発音のティモテ―だと述べているのだとか(ウィキペディアより)。マシュー・マコナヘーと養子縁組してティモテー・マコナヘーになって欲しい。



ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺんを観た。
19世紀、ロシア。人類未到の北極点を目指す冒険へと旅立った祖父が行方不明になり祖父と一族の名誉が失われる。大好きな祖父の名誉を取り戻すため艦船ダバイ号が北極航路のどこかに漂流している事を信じて探し出そうとする少女サーシャ。

ネタバレ有。

フランス・デンマーク合作のアニメーション作品。
好みの絵柄が気持ちよく動いて、ロシアの建物や帆船や北極の氷など画面に出てくるどれもがいい感じにグラフィック化されていて目に嬉しい良いアニメーションだった。
途中遭難してエゴむき出しのかなりきつい状況になるが一難を乗り越える事でみんな仲良しになって良かった。
コメント(0) 

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。