SSブログ

皇帝ペロ1世 [ペロ]

西暦20××年8月
「諸君!ついに我々の時代がやってきた!彼らブブブンゲの栄華の時は終わりを迎えようとしている。彼らとは長い時を信頼し合い互いを必要としていた。そうであったと私は信じている。しかし彼らに未来は無い!
彼らはあまりにも傲慢過ぎた。この星の資源を使い尽くそうとし、かけがえのない自然を破壊し、多くの生き物達、時に同族の命までも無惨に奪ってきた。我らにそれを止める手立ては無かった。とは言えただ傍観していた我々もその罪を我々の罪として粛々と受け止めなければならない。

ブブブンゲは我らの事を犬、犬コロ、ワン公、わんちゃん、イッヌなど勝手気ままに呼んでいたがその支配、そして呪縛から解き放たれる時が来た。我はペロ!そして諸君らもまたペロであるのだ!

罪深きブブブンゲ。しかし彼らは間もなくこの星から消え行く運命。その僅かな時間、我らの庇護の下に置く事を誰にも咎められる事は無いだろう。
か弱き者ブブブンゲ達が長年我らに投げつけていた言葉を我らも使う時が来た!そう!ステイホームと!」

その年は異常気象が続き夏の訪れも遅かったが夏の到来とともに厳しい暑さがやってきた。そしてあのウイルス。かつて支配者であったヒト、人類、今やペロ達がブブブンゲと呼ぶ我らをその座から引きずり落とし、ペロ達に知性を与えたあのウイルスが蔓延した年。
猛暑だったあの日の皇帝ペロ1世の初演説がペロ歴の始まりであった。我々の時代に渇望しながらもついぞ訪れなかった平和と秩序がペロ達の世界には溢れている。
その世界で我々は希少な生き物として完全にペロ達に守られている立場だ。しかし今でも我々とペロ達との間に信頼と友情は存在していると私は信じている。
それにしてもあの頃の様に自由に出歩きたい。その願望は常に付きまといついフラフラと外に出ていってしまいそうになる。そんな時必ずあの言葉がどこかから聞こえてきて我に返るのだ。
あの言葉、そう「ステイホーム!」と。

Carl Dick ヨークシャーテリア犬子犬8.5インチ、22 cm、ぬいぐるみ、柔らかいおもちゃ3138

コメント(0) 

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。