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『ただ悪より救いたまえ』『キングスマン : ファースト・エージェント』 [映画]

『ただ悪より救いたまえ』を観た。2020年、韓国、1時間48分。
韓国国家情報院内の極秘組織で特殊工作員だったインナムは組織の存在を隠蔽したい政府の思惑により妻を残して姿を消し日本で暗殺者となった。数年が過ぎ引退を決め最後の仕事をやり遂げた時にインナムの運命は大きく動き出す。

ファン・ジョンミンとイ・ジョンジェ、記憶力が衰えるばかりの中で顔と名前が一致する韓国のスター二人が激突するアクション映画。
元工作員インナムがファン・ジョンミンで、私怨によりインナムへの殺意を燃やす凶暴な殺し屋レイがイ・ジョンジェ。
インナムが現在はタイに移住している妻の謎の死を知ってその真相を突き止めるためタイへと向かい意外な事実を知る。という方がメインストーリーでインナムが行く先々にレイが現れて邪魔をする。といった感じでストーリーの展開的にはレイが本当に邪魔でレイの存在はこの映画に本当に必要?と疑ってしまうほど。
しかし、そこにタイ警察の特殊部隊とタイマフィアが加わって四つ巴となり、しかもタイマフィアのボスが『オンリー・ゴッド』でライアン・ゴズリングをボコボコにしたヴィタヤ・パンスリンガムとあって凄い事になりそうな予感がした。実際の所四つ巴はそこまで凄い事にはならなくてヴィタヤ・パンスリンガムの活躍もほとんど無かったのだけど、その予感だけでも十分楽しめた。
それらを経て結局のところインナムとレイ、ファン・ジョンミンとイ・ジョンジェの二大スターの激突がメインストーリーとなり、二人のアクションが迫力が有って観応えがあるので満足だった。



『キングスマン : ファースト・エージェント』を観た。2020年、イギリス=アメリカ、2時間11分。
イギリス、民間にして世界各国の政府への独自のネットワークを持つ諜報組織キングスマンはどの様にして成り立ったのか。その起源は約100年前の世界の危機に遡る。

これまでのシリーズの前日譚なので前2作を観直さずになんとなくどういった感じなのかを分かっていれば通用するので面倒臭くなくてとても助かる。時系列では本作の後となる前2作へと繋がるエピソードとかもきっと有ったはずなのでシリーズモノとしてはやはり前2作も観ておいた方がより楽しめたのだとは思う。
物語は実際の歴史、第一次世界大戦の前後に即して進められて、そこら辺もなんとなくでしか分からないので今イチ楽しめなかったのだけど、クライマックスでようやっとレイフ・ファインズが大活躍してくれると面白かった。それは結局平和主義では世に蔓延る暴力と渡り合えないというある意味での敗北なのかもしれないが。

レイフ・ファインズの相棒がジャイモン・フンスーで現在59歳と57歳の高年齢コンビのアクションも当然スタントの方の力も借りてだろうけど良かった。
レイフ・ファインズは『シンドラーのリスト』(1993年)、ジャイモン・フンスーは『アミスタッド』(1997年)と、共にスピルバーグ作品で世界的な注目を集めて現在に至る。

キングスマンの組織をアーサー王伝説になぞらえている所も有るが恐らく伝説の輝かしい時期をなぞらえていて、英国人なら伝説の終焉も恐らくは知っているはずでそれでもなおアーサー王伝説に憧れを持つのはその輝かしい時期が何よりもどんな伝説よりも輝いているという英国人の自信とプライドからなのだろうか。
どんな伝説でも輝きを失わずに終わるという事もそんなに多くは無いのだろう。個人的に一番理解が出来る伝説と言えば三国志もよく知らないので漫画界の伝説であるトキワ荘という事になる。トキワ荘の伝説の終わりも健全であるべき理想の漫画の未来という所とは離れていってしまった感じではあるし。売れたもん勝ち的な。それでもやっぱりトキワ荘の伝説には並々ならぬ敬意を持っている事を考えればアーサー王伝説への憧れも理解できる。
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