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『ビースト』『セイント・フランシス』『人質 韓国トップスター誘拐事件』 [映画]

『ビースト』を観た。2022年、アメリカ、1時間33分。
医師のネイトは娘二人を連れて亡き妻の故郷であり出会いの地である南アフリカを訪れる。その頃サバンナの野生動物保護区では密猟者や村人達が凶暴化した雄ライオンに襲われていた。

ひとつのシーンのカット数が少ない。ワンカットでやっているのも結構有ったと思う。『トゥモロー・ワールド』『ゼロ・グラビティ』などのアルフォンソ・キュアロン監督作品の様。
シャルート・コプリーが顔馴染みのライオンと戯れるシーンも多分ライオンはCGなんじゃないかと勘繰っても、そこでもカットを割らずに見せるのでCGだと思っていても緊張感が生まれる。観客にスリルとサスペンスを味わわせたい時にはカットをあまり割らない方が効果的なのかも。
動物パニックサスペンスアクション映画として良く出来ていると思う。ただ、あの雄ライオンを悪者にするのはどうなのか?とハッピーエンドを迎えても今イチスッキリしないものが残る。
人間の父親は家族を守るために必死に戦い、ライオンは家族(群れ)を失った事で人間たちへ復讐する。家族を守る者と失った者のドラマが描けたはずで、動物漫画でお馴染みの高橋よしひろ先生ならば恐らくライオン側の心情を理解したドラマが展開されたのでは。

シャルート・コプリーの名前をオープニングのクレジットで見た時にこれはちょっと変わった映画なのだろうな。と期待感と言うか安心感と言うかそういうものを感じるようにようやっとなった。



『セイント・フランシス』を観た。2019年、アメリカ、1時間41分。
34歳独身のブリジットが予期せぬ妊娠をする。母親となる事、そして父親である相手と家族となる事も選ばないブリジットの決断と行動は早かった。時を同じくしてブリジットは短期の子守の仕事に就く。6才の少女フランシスは生意気盛りだった。

女性の心情が赤裸々に綴られる。主演の人が脚本も書いたのだとか。
よく分からないところも共感出来ないところも有るが、それは34歳の独身女性だからというわけではなくて、他人の事なんてよく分からないものなのだから当然。
この女性が場面場面で彼女なりに感じて行動するのを見て、そういう人もいるんだな。と勉強になる。

何年か前なら映画の中でも特殊なものとして描かれていた家族としての形がごく普通に当たり前の様に描かれている。性的、人種的な偏見は有るみたいだけど。本作の様に当たり前のものとして描くというのは大事なんだろうと思う。見た人も当たり前の事と思う様になるだろうし。

ブリジットとフランシスは子守りの仕事の期間が終われば恐らく二度と会う事は無くなるんだろうと終わりの方になって気付いた。映画の中ではそれを強調してお涙頂戴とする事はしていないが、今生の別れである事を匂わせていたようにも思えたのでちょっとしんみりとした気持ちになっていた所にあの最後の二人の約束がきて、おませな女の子ならではの突拍子もない約束にも思えるけど叶ったらいいなあと思う。



『人質 韓国トップスター誘拐事件』を観た。2021年、韓国、1時間34分。
韓国トップスター俳優のファン・ジョンミンが身代金目的で誘拐される。ファン・ジョンミンは機転と持ち前の演技力で監禁場所からの脱出を勇敢に試みる。

ファン・ジョンミンがファン・ジョンミンを演じるサイコサスペンススリラー。
ファン・ジョンミンがファン・ジョンミンを演じる必要はあるのか?と思わないでもない。別に架空の映画スターであっても全く問題ないと思う。
本作で描かれているファン・ジョンミンが現実のファン・ジョンミンそのものかと言えばそれはあくまでフィクションとして創造されたファン・ジョンミンでは有るのだろうけど。
本国の韓国でファン・ジョンミンがどの様なイメージを持たれているのだろう? 本作のファン・ジョンミンの様にどんな凶悪に対しても戦い抜くイメージなのか。もしそうならファン・ジョンミンがファン・ジョンミンを演じるのも納得だけど。
気になるのはそれくらいでサイコサスペンススリラーとしてとても面白かった。
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