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『縁路はるばる』『私のプリンス・エドワード』 [映画]

『縁路はるばる』を観た。2021年、香港、1時間35分。
香港。IT企業に勤めるハウは仕事面は順調だったが元同僚との破局から恋愛には奥手になっていた。
悪友からの紹介や偶然の出逢い、学生時代の知人などの5人の女性とお付き合いしたりしなかったりで香港のそれぞれ別の場所に住む彼女達の間を行ったり来たり。

新宿武蔵野館、"新世代香港映画特集2023"にて。

ハウは28歳。香港の中国返還以前の事は多分ほとんど知らない世代だと思う。変わりゆく香港が当たり前の中で育ち、変わった香港を素直に受け入れている。
恐らく学業は優秀で(学生時代をウェイウェイと謳歌していたタイプではなかったみたい)生活もそれなりに裕福で性格も真面目。
こういったタイプの人物が香港映画の主人公になる時代になったのだなあという事にも時代の移り変わりを感じ、主人公がIT企業に勤めているだけあって最新のデジタルを使いこなしているのを見るとその移り変わりにはついていけないなあと感じる。結局人と人との付き合いはデジタルなだけではないというお話ではあるのだろうけど。自分の足を使って彼女たちのいる場所まで行かなければならないし。
香港映画を観ただけの印象で香港は狭いと思っていたけど、それは観た香港映画が都会を主な舞台にしたアクションかサスペンスかコメディかといった片寄ったもので、確かに都会では建物や道路等がみっしりと詰まった感じなのだろうけど主な都会以外では香港島だから当然海には面しているし、それに山(?丘陵?)も有って自然が豊かな土地でも有ることが本作を観て知ることが出来て良かった。今まで観てきた中でもそういった自然が描かれていた事も有ったのだろうけど。

縁路はるばる
綾瀬はるか
見間違いがち。



『私のプリンス・エドワード』を観た。2019年、香港、1時間33分。
香港。プリンス・エドワード地区の金都商場(ゴールデンプラザ)はウェディングに関するものが集まっている。ウェディングフォトを扱う店で働くフォンは店主のエドワードと長年付き合っていてこの度プロポーズをされた。しかしフォンには10年前お金が必要で中国本土の会ったことのない男性と偽装結婚をした過去があった。エドワードには知られずにその過去を解消するためには偽装結婚の相手と協力しなければならなかった。

新宿武蔵野、"新世代香港映画特集2023"にて。

こちらは中国返還以前の香港がまだ残っている感じ。それは郷愁や懐かしさというより、ものの考え方が旧態依然としていて古臭いという様な描かれ方。それよりも中国本土の人間の方が自由で進んだ考え方をしていると。考え方は自由だとしてもそれが実現できる自由が有るのかというのは大分怪しい気もするが。
『縁路はるばる』よりこちらの方が観ていてしっくりくると言うか懐かしい気持ちになったりするのはやはり古い人間だからだろうか。
その古さからはもう脱しなければならないという話で。2019年の作品だけど香港の街並みの名物であった巨大ネオンは姿を消していた。そこに有ったのが消えたのか、元々無かったのかは分からない。

プリンス・エドワードというとどうしても『赤毛のアン』を思い出してしまうが、特に何の関係も無かった。そういう地名であり、フォンの彼氏の名前がエドワードであるという二つの意味が有る。

『縁路はるばる』の主演のカーキ・サムは本作にも出演。しかし両作品とも見覚えのある俳優さんはほとんどいなかった。自分の勉強不足だし、だから新世代なのだろうけどちょっと寂しくもある。


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