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『M3GAN/ミーガン』『プチ・ニコラ パリがくれた幸せ』『キャッツ・ドント・ダンス』 [映画]

『M3GAN/ミーガン』を観た。2023年、アメリカ、1時間42分。
最先端ロボット工学を学んだジェマはその理論で子供用おもちゃとしての人型ロボットミーガンを開発。ミーガンはAIによって学習し自我を持ち始める。

思ったより真面目なホラーだった。常識内に収まっているというか。『透明人間』(2020年)と似た真面目さに思えた。常識は必要だけど『アップグレード』(2018年)みたいな思いもしないある意味で常識外なものを期待していた。アメリカでの興行成績でいうと『アップグレード』が一番低いのでみんなが観たいものとは違うんだろうけど。

本作も現時点ではまだSF、フィクションの範疇なのだろう。ラストは「ネットは広大だわ」とすればあそこだけに留まっているはずもなく世界中のありとあらゆる所に存在出来るはずだろうけど、敢えてあそこだけに留まっているのだとするとそれはAIならではの固執とか融通の効かなさであり、それは怪談的な怨念と通じるのかもしれない。

本作、『透明人間』、『アップグレード』の3作品に共通しているのはジェイソン・ブラムが製作。ブラムハウス・プロダクションを率いて近年のホラー映画の最重要人物の一人だろうと思う。
ウィキペディアを見るとイーサン・ホークの劇団で演出家をしていた事が有ったのだとか。イーサン・ホークが『パージ』の1作目や『フッテージ』『ブラックフォン』といったホラー映画に出ているのはそれらでジェイソン・ブラムが製作をしているからという事に気が付いた。

T・ジョイPRINCE品川で観た。たまに行くけどQRコード入場に変わっていた。今年の2月からという事。
鉄道開業の地にちなんでのチケットに改札ぱさみ(切り口の形状からすると改札パンチと言えるか)を入れてくれるサービスは無くなったのか?チケットを発券すればはさみを入れてくれるのか?
鉄道マニアではないけど改札ぱさみの懐かしさは捨てがたいものがある。



『プチ・ニコラ パリがくれた幸せ』を観た。2022年、フランス、1時間26分。
フランスで作家のルネ・ゴシニと挿絵のジャン=ジャック・サンペが1960年に発表した児童書『プチ・ニコラ』は現在まで世界中で愛読されている。ふたりはどの様にして愛される作品を作り出したのか。

『プチ・ニコラ』も『タンタンの冒険』の様なフランスのマンガ、バンド・テシネなのかと思っていた。『タンタンの冒険』の原作も読んだ事は無い。
『プチ・ニコラ』は児童書、絵本という事でお話しが有って幾つかの場面の挿絵という感じなのだろう。『クラッシャージョウ』は絵本じゃないけど元々はその様な感じ。
1984年に『幻魔大戦』に続く角川アニメ第二弾として絵物語の『少年ケニヤ』が映画化されたのを思い出したが今に至るまで観ていないし絵物語がどういったものなのかも分かっていない。監督は大林宣彦監督。
主題歌は渡辺典子さん。めちゃくちゃ美人。

歌も上手い。


『プチ・ニコラ』は今まで実写化はされているみたいだけどアニメ化は初なのか?何かのイベントとかコマーシャルに起用されてのアニメ化は有りそうな気はする。
長編アニメ化としての本作は原作のエピソードと現実の制作過程でのエピソードが上手いこと相互に作用した一つの物語になっていたと思う。

恐らく挿絵の絵柄のままでのアニメ化なのだろうと思う。キャラクターが生き生きと動いていて原作ファンならそれはとても嬉しい事だろう。
本作のアニメーションとしての特徴は彩色だろうと思う。きっちりとした彩色がされていない余白の部分がある。高畑勲監督の『ホーホケキョとなりの山田くん』や『かぐや姫の秘密』もそうだった。本作では余白の所にも徐々に色が加えられるのが新しい。



『キャッツ・ドント・ダンス』を観た。1996年、アメリカ、1時間15分。
ミュージカル映画のスターになる事を夢見て故郷からハリウッドへとやって来た猫のダニー。しかし映画界での動物役者たちの地位は低くいくら才能が有ってもスターになれる可能性はほとんど無かった。


1997年のシネマ★シネマ★シネマで本作の映像を見て、気になって調べたらアニー賞の長編作品賞を受賞していた作品だったので観た。
アメリカではテレビ映画として製作され劇場公開はされていないのだとか。日本でも劇場未公開。
劇場で公開されていたら最低でも興行成績のベスト10以内には入ってなきゃおかしい作品だと思う。
1997年というとディズニーアニメ作品が一時期の不調を乗り越えて好調を続けていて(若干の翳りは見え始めていたか)、その一方で他社のアニメ作品は公開しても大ヒットにはならない。そんな時期だったから初めから劇場公開する事は視野に入っていなかった。とか想像してみる。
動物が登場キャラクターのアニメとして後の『マダガスカル』や『SING/シング』に影響を与えたのではないだろうかとも想像してみる。『マダガスカル』や『SING/シング』と違うのは人間と他の動物たちが一応対等な立場で共存している。そういった意味では『バッドガイズ』に近い。
『マダガスカル』も『SING/シング』も『バッドガイズ』もCGアニメ。『バッドガイズ』は手描き風CGアニメか。手描きアニメの復権もそろそろ起こって欲しい。しかし本作でもCGは使われていてそのCGが浮く事なくとても効果的に使われていたと思う。

動物達のキャラクターデザインが可愛らしい中で主人公ダニーがあまり魅力的ではないのがちょっと残念。フォルムが細過ぎる様な気がする。ハリウッドのミュージカル全盛期のスター達が細身の体型だったからなのか?
しかしヒロインのソーヤがそれを補って余りあるくらいに魅力的。今の時代ならソーヤを主役にした作品を作れるんじゃないだろうか。本作では憎まれ役だった子役の女の子とバディを組むはめになるとか。

よく動くアニメーションで楽しいし面白いが、もはや止まっていることが許されないかの様にも感じた。
生き物の習性なのか動いているものに目が行ってそこに集中するのであまり動かされると集中力も限界になってくる。だから1時間15分という短めな上映時間くらいが丁度良かった。集中力に個人差は有るだろうけど。

映画会社の社長(人間)の声はジョージ・ケネディ、ヤギの声はハル・ホルブルックだった。観ている間は全然気付かなかった。

ピーナッツはナッツと言いながら木の実ではなく豆。という知見を得た。豆知識って言いたいのをグッと堪える(堪えてない)。

amazonで字幕版を観た。料金は100円で何か申し訳ない。TOHOシネマズでの当日の鑑賞料金が2000円になって他のところも後に続くというのに。
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