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『狂い咲きサンダーロード オリジナルネガ・リマスター版』『ザ・コミットメンツ』『アステロイド・シティ』 [映画]

『狂い咲きサンダーロード オリジナルネガ・リマスター版』を観た。1980年、日本、1時間38分。
近未来。敵対関係だった複数の暴走族が協定を結ぼうとするが"魔墓呂死(まぼろし)"の特攻隊長の仁(じん)と特攻隊員数名はそれを良しとせず会合を襲撃し多数の怪我人を出す。協定への参加を進めようとする"魔墓呂死"の総長とも仲違いした仁は他の暴走族グループから狙われるが"魔墓呂死"の初代総長が率いるスーパー右翼"国防挺身隊"が身柄を引き取る事によって難を逃れる。しかし仁の反骨精神は誰にも止められず遂に国防挺身隊の暗殺部隊によってバイクの乗れない身体にされてしまう。

新文芸坐、"石井岳龍的映画闘争「自分革命映画闘争」Not Dead”にて。

初見。観る前は出演者が何言ってるのか聞き取れないのだったら嫌だなと不安も有ったがメインで話している人たちのはしっかりと聞き取れたので良かった。
近未来の架空の都市という設定ではあるけど話し言葉が1980年代はこんな感じだったのかと、今聞いて新鮮。特徴的な話し言葉でいうとテレビドラマ『ふぞろいの林檎たち』が始まるのが1983年、大友克洋先生の1980年代の漫画にも当時の話し言葉が取り入れられているのではないかと思う。
本作で使われていたかは分からないが言葉の最後につける「◯◯じゃん」が言われだしたのは1980年代の初めくらいではなかろうか。
不良の事をヤンキーと言い出したのはいつ位からだろうか。ヤンキーの前はツッパリか。ヤンキー=不良で使われるのは確か関西からだけど紳助竜介はツッパリ漫才として売り出されている。

主演の山田辰夫さんが良かった。不良の厄介者の役でそれが本物なんじゃないかと思えるほどに真に迫っているけどふとした時に見せるチャーミングな所が面白い。
魔墓呂死初代総長役は小林稔侍さん。この面子の中に存在すること自体が異質感の様に思えるのが面白い。
魔墓呂死の特攻隊員の一人が中島陽典さん。昔、時期は本作の後で欽ちゃんのバラエティ番組に出演していて、困った時に「困った時は、えーい踊ってしまえ」と言って踊り出すのが面白かった。そのお笑いタレントとしての活動時期は竹中直人さんと大体一緒。キャラ的にも似ているような感じだったと思う。お二人は『幕末青春グラフィティRonin坂本龍馬』(1986年)に出演されている。

製作には昔、上板橋に有った映画館上板東映の支配人小林絋さんの名前が有った。作品そのものは石井監督の大学の卒業製作で、出来上がった作品を劇場公開するために尽力されたという事らしい。その後『竜二』でも同じく劇場公開のために支援をしたという事。『竜二』は昔関西ではほぼ定期的に深夜のテレビで放送されていたと千原ジュニアさんが言っていたのを覚えている。それくらい熱狂的なファンがテレビ局の編成の中にもいる作品。
上板東映は『竜二』公開の1983年に閉館。



『ザ・コミットメンツ』を観た。1991年、イギリス、1時間58分。
アイルランド、ダブリン。音楽活動をしている二人組がなにかと顔が広く行動力のあるジミーに今後について相談すると、今やっている音楽はクソだからやめてしまえ。俺たちダブリンっ子は欧州の黒人であるのだから黒人の音楽ソウルミュージックをやるべきだ。と言いマネージャーを引き受けメンバーを集めて大所帯のソウルミュージックバンド"ザ・コミットメンツ"を結成する。

角川シネマ有楽町、"Peter Barakan's Music Film Festival 2023"にて。

当日はバラカンさんとどなたかのトークショーが上映終了後に有ったが、バラカンさんも一緒に客席で本作を観ていた。自分の席の斜めちょっと前の席。
時間が無かったので残念ながらトークショーは見れなかった。

好きな映画だけどライブのシーンでカメラが咄嗟にズームする所が有ってそれが以前は気になっていたのだけど、今回は気にならなかった。と言うかそれに気付かずに観ていた。年取ると以前は気になっていたものが気にならなくなるのはいい事だなと思う。こだわりが無くなる。と言うと微妙ではあるが。

アラン・パーカー監督の何気無い日常風景の切り取りの上手さが前半によく出ていると思う。後半はライブのシーンが多めになるので日常風景ではなくなってライブでのエモーショナルな瞬間を捉えるといった感じでそれもまた良い。



『アステロイド・シティ』を観た。2023年、アメリカ、1時間44分。
舞台劇『アステロイド・シティ』の映像化と創作の裏側を舞台化したテレビ番組が作られる。

映像化された『アステロイド・シティ』の内容はいつもながらのウェス・アンダーソン作品といった感じ。ここ最近はいつもながらの内容の見せ方に凝っている。『犬ヶ島』『フレンチ・ディスパッチ以下略』。
映像化を担当したのがウェス・アンダーソン監督という事なのかもしれないがそんなに凝らなくてもいいような気がしないでもない。
出演者は豪華な顔触れが揃うのだからそれだけでも満足出来てしまうし。勿体ない使い方するなあと思える人もいるけど。スティーヴ・カレルとか。
ジェフ・ゴールドブラムがあの役だったのは後から知って面白かった。
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