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『オペレーション・フォーチュン』『シアター・キャンプ』『宇宙探索編集部』 [映画]

『オペレーション・フォーチュン』を観た。2023年、イギリス=アメリカ、1時間54分。

フリーランスのスパイ、オーソン・フォーチュン。MI6からの依頼によりウクライナの研究所から強奪され100億ドルで取引されるという通称"ハンドル"を奪回するための任務に就く。

ネタバレ有り。

本来は敵対する人物も仲間に引き入れて難事に立ち向かうのは『ワイルド・スピード』っぽい。そういったシリーズ化も目指しているのだろうか。引き入れた人物はまだ敵か味方か分からないので状況が変わればいつでも敵対関係に戻りそう。何か弱味を握られているという事だけど。

真犯人は何がしたかったんだろうか。"ハンドル"を手に入れるのが一番の目的であるはず。そのために裏社会の大物に仲介してもらうがその仲介料が恐らく莫大でしかも大きな借りを作る事になる。それならば横取りした方が安く済んで大物の面目も潰れて目の上のたんこぶがいなくなるといった所だろうか。"ハンドル"を手に入れれば世界経済の頂点に君臨出来るわけでそれなのに仲介料を出すのが惜しかったのだとするとあまりにもセコい。世界経済を破綻させようとした悪党が実際は悪党とも呼べないくらいの小物だったという事か。



『シアター・キャンプ』を観た。2023年、アメリカ、1時間33分。
演劇を教える子供達のサマー・キャンプが経営危機に。最終日の発表会の出来がキャンプ存続のカギを握る事となった。

モキュメンタリー(疑似ドキュメンタリー)という事でいいのだと思うけどモキュメンタリーとしての出来は今イチ。ドラマとしての筋を追うためにドキュメンタリーならカメラの前でしないであろう会話や行動をする。偽とは言えしっかりとしたドキュメンタリーの体裁を保たないと興醒めしてしまう。
しかし発表会のミュージカルは良かった。ミュージカルは苦手だけど見せ場を繋いだダイジェスト的な見せ方なのが自分には良かった。

演劇のサマーキャンプとなると参加者は本当に本作に出てくるような子供達ばかりなのだろうか。大人びていながら普段の行動は演劇の好きな子供を演じているようなどこか芝居じみている。モキュメンタリーだからそういう風に演じているのだろうけど、そういう子供達が実際にもいるからそういう風に演じさせているのだろうし。
普段の学校生活では浮いているというか仲間が出来にくいと嘆いているかもしれないが、相手の側からしてみたら仮に仲間になりたいと思っていても近付きづらいと思われているのかも。



『宇宙探索編集部』を観た。2021年、中国、1時間51分。
かつての人気UFO雑誌『宇宙探索』は現在はじり貧状態。しかし編集長の宇宙への熱意だけは変わっていなかった。

思っていたより静かな映画で、つまらなかったわけではないけど最後の方の肝心な所で少しの間ウトウトしてしまいそこで何が起こったのか(何も起こらなかったのか)分からず結局どういう映画だったのかもよく分からなかった。ハッピーエンドみたいではあった。
エピローグで宇宙の広大さが映し出される所はちゃんと観て、アプリ版のぴあで押井守監督と映画ライターの渡辺麻紀さんとの対話形式で投稿された質問に答える連載があって、少し前が「宇宙人は存在するのか」というテーマ。押井監督はそこで三次元的には異星人は存在するであろうけどそこに時間を加えた四次元では地球人と同じ時間軸を持った異星人がいる可能性が低いので遭遇する確率も極めて低くほぼゼロ。みたいな事を話されていた。
本作のエピローグでの宇宙の広大さが現わされているのを目にすると同じ時間軸を持った異星人がいたとしても距離が光の速度で何百年とか何千年とか離れていたらワープ機関が存在しないとやっぱり遭遇は出来ないんだろうなあと思う。
では宇宙人とは遭遇出来ないのかといえば地球人も宇宙人であるのだから毎日どこかで学校で職場でコンビニで宇宙人と遭遇している事にはなる。本作の中で地球上にある全ての砂粒の数より宇宙に存在する星の数の方が多いといわれていたのが印象深い。そのもしかしたら無限に存在するかもしれない星の中で生き物が生存する事ができる星がレアだったとしたら、毎日顔見知りの宇宙人や初対面の宇宙人に遭遇するのは天文学的な確率でレアな事で。しかし普段の生活をしていて宇宙レベルの事に気付くのは難しいので同じ星で生きる宇宙人同士が争いを起こしてしまう。
押井監督は地球人が異星人と遭遇する事が出来ないと知った時には、それまで異星人は存在するはずでいつかは遭遇する事も有るはずというぼんやりとした認識が崩壊し、その頼りない認識の上に成り立っていた価値観やものの考え方も崩壊するであろうとも話されていた。
本作ではどうだったんだろうか。遭遇はしていなくても宇宙人が存在する痕跡みたいなものが主人公の前に現れたのだろうか。

本作も『シアター・キャンプ』と同じくモキュメンタリー。モキュメンタリーとしての出来はこちらの方が良かった。
しかし、こういった変化球的な作品はA級からZ級まである程度の作品が出尽くした頃合いに出てくるものかと思う。そういったタイプの作品が色んな過程をすっ飛ばしていきなり現れる中国映画の進歩の速さに驚くばかり。『ライオン少年』もいきなり高品質なCGアニメが現れて驚かされたし。

ところで、公式サイトやallcinemaのあらすじに主人公はUFO雑誌の編集長と記されていて自分もUFO雑誌と記しているがUFO雑誌って何?UFOの事だけが載っている雑誌なのだろうか。月刊誌なんだか季刊誌なんだかどれくらいのページ数なのか分からないがそんな珍しい雑誌を何十年も刊行し続けられているのは読者が興味を持つかは別にしてUFOネタ自体には困っていないという事なのか。
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